荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
荻原浩さんの短編集
ユーモアの強いもの、社会性のあるもの、
少しビターで残酷なものまで幅がある。
けれど、一貫して、
何かが欠けていても、
何かを失っていても、空は青い
「スピードキング」
恵まれた体躯と高い意識を持つ高校の同級生。
彼はプロ野球の道へと進んでいった。
その生き方を間近で見ながら、
そこへ行くことのできなかった「普通の男」の人生が語られる。
才能の差、進む道の分岐、
置いていかれた側の時間。
その中で 交差した一時。
「妖精たちの時間」
40歳を前にした同窓会。
私はいろんな事情で出席したことはないけれど。
中高が同じ友人、だったと思っている
人生で知り合った中でもトップクラスの美人。
その彼女が自殺していたと知ったときの動揺を、思い出した。
18歳やそこらでも、人はもう、いろんなことを隠しながら生きてるのか
「あなたによく似た機械」
凪良さんの「イチゴショート」風に言うなら
記憶が薄かった俺氏の嫁の覚醒。
辛いけど、記憶は生きてるから。
「僕と彼女と牛男のレシピ」
歳上で子どもを持つ看護師。
彼女と付き合いたい、家族になりたい
そんな男子の奮戦記
「君を守るために、」
彼女を守る亡霊と、
大人しいストーカー。
「ダブルトラブルギャンブル」
一卵性双生児に起こりそうな、あれやこれや。
私はラスト、
「あちらも双子だった」というオチを予測していたけれど、外した。
「人生はパイナップル」
戦時中の台湾で野球をしていた祖父と、
おとなしめな孫。
ふたりのあいだで交わされる、
心象のキャッチボール。
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Posted by ブクログ
借りた本だったので、全く内容知らずに読み始める。登場人物が書いてあるページを見て、
ん?何?タイムスリップものなの?
謎の国の話?
ちょっと苦手かなーと思った。
読み進めていくと、まさかの縄文時代?弥生時代?
こんな設定初めて読んだ。
半分ファンタジーみたいで、下巻はかなりスピードアップ。イーとかヌーとヌペとか、それが何を指すのかだいぶ読み進まないと分からなくて、ちょっともどかしかった。私の理解力がないのか…
でも、最終的には
とにかくロマンですなー。って感じ。
古代や原始の時代も人と人は思いあったり、触れ合ったりするんだなーと。
結末が分かりながらだから、なおのこと切ない。
ラストはもう、ウルクがカヒィを思う故に取る行動が、全て切ないし哀しいし。
でも、最後は2人一緒に更に時を超えて、ずっとそばにいれたんだよね。
いやー。ロマンだ〜
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Posted by ブクログ
あり得ないとは言い切れない未来。
荻原さんの楽園の真下でも感じたけど、もしかしたらあり得るかもしれないと思ってしまうことが、一番の恐怖。
それぐらい近年の異常な温暖化や渇水、熊害、山火事など、現実として不安材料が多すぎるんだけど。
人は森林を伐採しビルを建て、大地をコンクリートにし、いわば灰色の大地を作り上げて、地球の支配者になった気持ちでいる。
でも本当の支配者は誰なのか、あらためて考えるきっかけになった。
食物連鎖の上にいるからといって、生物として強いわけでも生き残れる訳でもない。
人類は植物が無ければ絶滅するだろうが、植物は人類がいなくなっても生き残り続けるだろう。
人が植物に対してやっているのは共生ではなく侵略だ。
いつまで植物が傍若無人の侵略を許してくれるんだろう。
自分も0歳の子供がいるから、22世紀も遠くない未来に感じる。
どうか子どもが大人になっても緑の大地と共に生きていけますように。
たくさんの人に読んでほしいと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルにもある『押入れのちよ』に惹かれて購入。
タイトル以外の物語もホラーから感動系、コメディ系から幅広く楽しめる短編集。短編集にしてはしっかりオチがしている感じがあった。
特に『老猫』、『殺意のレシピ』、『予期せぬ訪問者』が良かった。
⭐︎『老猫』→徐々に家に住み着く老猫に魅入られていく一家が怖かった。食事が魚料理メインになったり爪研ぎを始めたり部屋を異様に温めたり家族が猫に取り憑かれていくような伏線がたくさんあって良かった。
⭐︎『殺意のレシピ』→冷め切った夫婦がお互いに殺害を企てる話。妻は山菜、夫は魚に毒を織り交ぜて上部だけの会話を重ねながら腹を探り合う様子が読んでいて面白かった。夫婦仲は冷め切っていても、長年一緒にいると行動は似てくるんだなと思った。最後のオチも楽しく読めた。
⭐︎『予期せぬ訪問者』→不倫している男が浮気相手をふとした言動から殺害してしまう。その後、困った男は浮気相手の遺体を処理しようとするが予期せぬ訪問者が現れる。ホラーというよりバレるんじゃないかというハラハラが読んでいると伝わってきて良かった。オチも見事に騙されたなという感じだった。
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Posted by ブクログ
なんだろこの本の雰囲気!
初めてすぎる!
好きか嫌いかを選べと言われたら嫌いかもしれない!(笑)
でもどっちか選ばなくても良いのであれば、好きでも嫌いでもないし、読んでみて良かったと思える本です。
本として摂取したことのない時代の日本の雰囲気!
何の前知識もなく読み始め、途中で「なんだこの時代感は!本で読むのは初めてすぎる!」と気になりすぎたので、本の最後に書いてある出版された年を見に行ってみました。
そしたら2006年と書いてある!
ということは平成何年?と考え始め、平成18年だ!と判明。
ということはまさしく平成のど真ん中くらい。
確かに、私はこの時代の特色をガッツリ描いている作品を全く読んできてない。
しかもこの時代の会社員ライフなんて未知の世界すぎる。
今まで古典や、タイムレスな村上春樹さんや江國香織さんの作品、今現在の社会を鋭く描く感じの本しか読んでこなかったことに気がつきました。
とにかく「良かった〜この平成中期の時代に日本で会社員」じゃなくて!とまず思ってしまう。
古本で100円で買った本なのですが、帯も当時のものなのか、「働く人に元気をくれる物語!」と帯には書いてある。
でもさ、これ現代に読んだら是が非にでも脱サラしたくなる本なのでは…(笑)そうでもないのかな?
コンプライアンス的に、令和の今はアウトなこと沢山で、本当に時代を感じました…!セクハラも、これでも昭和の時よりは落ち着いた方なんだろうけど、今ならアウトすぎて、目が点でした。
上司のダメっぷりも、笑って茶化して許されるレベルじゃないのでは…?!と思ってしまう(笑)
それでもとにかく、私にとって新鮮なものを読めたぞ!と良い読書体験になりました。
ユーモアの雰囲気とか言葉遣いも、当時っぽさがガッツリ出ていると思います。荻原浩さん!こんな作家さんなんだな〜と!
時代を記録するという意味でも、こういうタイムレスではない本を書くことも大事なんだろうなぁと思います。もしかしたらこれがあと50年もしたら、もっと興味深い、当時の時代を知る本になるのかもしれないですよね。
とにかく本当に初体験の小説で、自分の読みそうなものばかり読む偏った読書も素晴らしいけど、視野を広げたいので、こちらも読めて良かったです!でもしばらくこういった感じのものは休憩で良いかな(笑)
引っ越しのバタバタで、読んでから大分経ってしまったので印象が薄れてしまい、感想も少し軽めです。