荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある種の植物は害虫などからの危機にさらされると天敵となる生物を呼び寄せたり自身に毒を生成したり。また自身の繁殖のために自然発火で山火事を起こしたりという生態で知られている。これはある種の知性なのではないか?そこでAIを使って植物の声を聴くことを試みるが・・・
植物による反乱を描いたパニックサスペンスなお話。なかなかに興味深かったけども、アカシアで人間を操るまでいっちゃうとなんか行き過ぎというか万能すぎて逆にリアリティ薄く感じてしまって萎えちゃったかも。考えてみたら途中の緊迫感ある部分も、植物が原因であるにせよ、手を下してるのは動物であり人間だしなあ。半端にAIが絡んできたのも物語をしては余計な要素にも思えたし。そしてラストもなんだかふんわりと煮え切らない感じ。
植物の雑学的なところは興味深かったし、物言わぬ植物がだんだんと襲い掛かる部分はホラーっぽくてよかったですけどね。 -
Posted by ブクログ
春から体験農園で畑デビューを果たしたものの
畑の知識ゼロで、畑の先生から呆れられる日々…
isaoさんの本棚からこの本を知り、気軽に読めそうと手に。
極小農園日記と題しているものの、畑話は前後半分ほどのエッセイ集。自作のイラストもかわいい。
畑とは無縁のエッセイも半分ほど。
荻原さんの自宅の庭での野菜作りのコツや失敗談がユーモア混じえて楽しめる。
家庭菜園をされている方には、あたりまえの知識でも、未経験者にはなるほどと思うことばかり。
それが、オヤジギャグ満載に描かれていて笑いを誘う。
そして、印象的だったのは、
昨今の野菜は美味しくなり、臭みがなかったり形も整い虫食いもない。歓迎すべきことではあるけれど、落ち着かないという。
「極小農園のおかげで野菜というのはごく自然に(ほったらかしに)育てれば、小さくて形が悪くて虫食いで、農薬を使わないからといって特別うまいわけでもないことには気づかされた。」
私の体験農園も有機無農薬を基本としているので、虫食い放題だし葉物も適度にエグみがある。
品種改良された苗であることには変わりないけれど、本来の野菜の味に近いのかもしれない。
荻原さんはコスパを考えて家庭菜園をしているかのように書かれているけれど、かなり失敗も多いようだ。手間暇や不作のリスクを考えたら恐らく家庭菜園のコスパはあまりよくない。
それでも、自分で作るからこそ得られる満足感や野菜本来の味を求めて極小農園を営んでいるのだろうな。そして、ダメでもやり直せばよいと開き直っている様子が小気味よい。
エッセイは畑以外のネタも多く、コピーライターから小説家へなられた経緯なども書かれている。
「コピーはショースタイルのプロレス」
「コピーライターに求められるのは、何かを伝えたい気持ちではなく、どのように伝えるかという言葉の技術だ。」
そして、「言葉とガチンコ勝負したくなった」のだそうだ。
絵は上手いけれど、「描きたいものがない」我が息子はグラフィックデザイナーを目指している。
油絵専攻して美大へ進んだ息子の幼馴染の友人は、描きたいものが溢れ出ていたように思う。
荻原さんのように、目指すものが変化していくこともきっとあるだろう。
野菜作りのように失敗をたくさん経験することで、得るものは多い。
失敗を繰り返しても、めげずにチャレンジし続ける。自分自身も子ども達も、そうであって欲しいと願う。
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Posted by ブクログ
荻原浩さんには『楽園の真下』という巨大カマキリが登場する昆虫版ジェラシックパークとも言うべき作品が有りますが、これは「植物版ジェラシックパーク」ですね。
植物たちも独自の知性を持ち、危険を感じれば化学物質を放出し、地中に広がる菌糸を使って森全体で情報を共有し、必要と有れば自ら倒木となって次世代を育てると言ったことが最近の研究により明らかになってきた。
それを利用し、食用植物の改良や、AIを用いた植物との会話を研究する施設で次々に異変が発生する。自然発火による山火事、猿やシカ、猪などの動物の異常行動、さらには植物に憑依される人間まで現れて・・・・。
主人公の1歳の子供を持つ研究助手の野乃を次々に襲う危険。山暮らしの祖父に育てられた知識を用い、母親としてそれらの危険に立ち向かう野乃。後半はもう本当にジェラシックパークの乗りです。ただ、いささか「次から次に」が長すぎる。
『楽園の真下』の感想に私は「もともと達者な人ですから面白い。(中略)でもね。。なんで萩原さんがこの作品を書く気になったのか、それが最大のミステリーという気がします。」と書いていました。今回も同じような感想です。面白かったけど、この世界が荻原さんのホームグラウンドでは無いと思います。