荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルにもある『押入れのちよ』に惹かれて購入。
タイトル以外の物語もホラーから感動系、コメディ系から幅広く楽しめる短編集。短編集にしてはしっかりオチがしている感じがあった。
特に『老猫』、『殺意のレシピ』、『予期せぬ訪問者』が良かった。
⭐︎『老猫』→徐々に家に住み着く老猫に魅入られていく一家が怖かった。食事が魚料理メインになったり爪研ぎを始めたり部屋を異様に温めたり家族が猫に取り憑かれていくような伏線がたくさんあって良かった。
⭐︎『殺意のレシピ』→冷め切った夫婦がお互いに殺害を企てる話。妻は山菜、夫は魚に毒を織り交ぜて上部だけの会話を重ねながら腹を探り合う様子が読んでいて面白かった。夫婦仲は冷め切っていても、長年一緒にいると行動は似てくるんだなと思った。最後のオチも楽しく読めた。
⭐︎『予期せぬ訪問者』→不倫している男が浮気相手をふとした言動から殺害してしまう。その後、困った男は浮気相手の遺体を処理しようとするが予期せぬ訪問者が現れる。ホラーというよりバレるんじゃないかというハラハラが読んでいると伝わってきて良かった。オチも見事に騙されたなという感じだった。
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Posted by ブクログ
なんだろこの本の雰囲気!
初めてすぎる!
好きか嫌いかを選べと言われたら嫌いかもしれない!(笑)
でもどっちか選ばなくても良いのであれば、好きでも嫌いでもないし、読んでみて良かったと思える本です。
本として摂取したことのない時代の日本の雰囲気!
何の前知識もなく読み始め、途中で「なんだこの時代感は!本で読むのは初めてすぎる!」と気になりすぎたので、本の最後に書いてある出版された年を見に行ってみました。
そしたら2006年と書いてある!
ということは平成何年?と考え始め、平成18年だ!と判明。
ということはまさしく平成のど真ん中くらい。
確かに、私はこの時代の特色をガッツリ描いている作品を全く読んできてない。
しかもこの時代の会社員ライフなんて未知の世界すぎる。
今まで古典や、タイムレスな村上春樹さんや江國香織さんの作品、今現在の社会を鋭く描く感じの本しか読んでこなかったことに気がつきました。
とにかく「良かった〜この平成中期の時代に日本で会社員」じゃなくて!とまず思ってしまう。
古本で100円で買った本なのですが、帯も当時のものなのか、「働く人に元気をくれる物語!」と帯には書いてある。
でもさ、これ現代に読んだら是が非にでも脱サラしたくなる本なのでは…(笑)そうでもないのかな?
コンプライアンス的に、令和の今はアウトなこと沢山で、本当に時代を感じました…!セクハラも、これでも昭和の時よりは落ち着いた方なんだろうけど、今ならアウトすぎて、目が点でした。
上司のダメっぷりも、笑って茶化して許されるレベルじゃないのでは…?!と思ってしまう(笑)
それでもとにかく、私にとって新鮮なものを読めたぞ!と良い読書体験になりました。
ユーモアの雰囲気とか言葉遣いも、当時っぽさがガッツリ出ていると思います。荻原浩さん!こんな作家さんなんだな〜と!
時代を記録するという意味でも、こういうタイムレスではない本を書くことも大事なんだろうなぁと思います。もしかしたらこれがあと50年もしたら、もっと興味深い、当時の時代を知る本になるのかもしれないですよね。
とにかく本当に初体験の小説で、自分の読みそうなものばかり読む偏った読書も素晴らしいけど、視野を広げたいので、こちらも読めて良かったです!でもしばらくこういった感じのものは休憩で良いかな(笑)
引っ越しのバタバタで、読んでから大分経ってしまったので印象が薄れてしまい、感想も少し軽めです。
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Posted by ブクログ
「会社とはおでんの鍋のようなもんだ」
転職先である食品メーカーの販売会議で問題を起こし、リストラ要員収容所と言われる「お客様相談室」へと異動になった主人公。
半年前に彼女にも逃げられ、クレーム処理も握りつぶしてしまう会社。腰掛け程度で過ごしていく毎日だったが、個性溢れる面々とクレーム処理に明け暮れる毎日の中、自分の中での大事なものに気付いていく。
会社に、上司に、お客様に挟まれるのはどの会社でもおなじこと。しかし、この小説はその辛さを綴ったものではない。
主人公が自分の人生に何を求めるのか。心に忠実に生きることはどういうことか。表題の「神様」とは誰か。
文頭のおでんの鍋の下りは正直この小説での一番の名場面かと。
下手な自己啓発本を読むよりも思いを変えられ、下手なクレーム対応の本を読むよりも分かりやすいノウハウもそこかしこに。(謝罪の言葉の後に、自分の身近な人の名前を頭の中で付け加えるとか)
嫌々ながらも奮闘する我々に沁みる一冊。
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Posted by ブクログ
広告代理店の営業部長、佐伯。
50歳にして、若年性アルツハイマーと診断された。
仕事では、プロバイダー『ギガフォース』向CMという大きな案件を抱え,家庭ではひとり娘・梨恵がまもなく結婚を迎えようとしていた…
若年性アルツハイマー。
佐伯よりも少し上だが、自分がそうなったら、と…
そういえば、最近、人の名前が出てきにくくなったが、大丈夫かと…
突然、襲ってくるのだから、どうしようもない…
個人差があるとはいえ、佐伯の場合は少し早過ぎるような…
もう少し、孫との関わりを楽しませてあげたかった…
すべてを忘れていく佐伯の姿も見たくないが…
ここで終わるのはちょうどよかったのか…
ここから始まる佐伯と枝実子との生活のことを考えると…
枝実子は佐伯をしっかりと支えていくんだろうけれども。