荻原浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」は壁を隔てて隣り合っている。
ふたつの施設の経営者は同じで、建設会社の社長で、議員でもある。
選挙戦を有利に闘おうと打ち出された、老人たちと園児たちの交流。
壁は取り払われて自由に行き来ができるようになる。
子どもが大嫌いな老人と、老人をゾンビ並みに怖がる園児たち。
徐々に距離を縮めていく老人たちと園児だが、近づきすぎて起こるエピソードが面白い。
老人ホームで行われる「不在者投票」。
認知症の症状が出た入居者への一方的な退去勧告。
老人たちは立ち上がる。
「大人の事情」なんてわからない園児たちも、老人たちといっしょに闘うことを選ぶ。
老人たちと園 -
Posted by ブクログ
様々な家族の姿を描いた短編集
祝直木賞! ということで久々の荻原浩さんの小説を読みましたが、ユーモラスな話も、シリアスな話も、どちらも登場人物の心理描写が相変わらず丁寧でそしてリアルです。
この荻原さんの心理描写のリアルさの根底にあるのは、様々な登場人物の、それぞれの情けなさをしっかりと描いているからこそだと思います。
シリアスでいえば、男手一つで育てた一人娘の結婚に複雑な心情を抱く父を描く「結婚しようよ」
古くからの写真館を営む父に反発し家を飛び出し、独自で写真の仕事を続ける息子。しかし父が倒れたという連絡を受け、その息子や娘たちが写真館に集うことになる表題作の「家族写真」 -
Posted by ブクログ
2015年4月に文庫化されたのが、荻原浩さんが書かれた「家族写真 (講談社文庫)」という一冊。7つの家族のそれぞれの思いを綴った、心温まる短編集だ。
男手ひとつで育てた娘が、いつのまに大人になって結婚することになった。彼氏を自宅に連れてきて結婚の挨拶をさせようとするが、話を巧みにすり替えたりはぐらかしたりするのが、父親の最後のささやかな抵抗だ。亡き妻の遺影とかすかに残るテープレコーダーの声を聞きながら、妻との出会いや結婚してからの生活、娘との家庭生活を淡々と、そして大切に思い出す父の姿があった。(「結婚しようよ」)
他にも、妻に先立たれて町の小さな写真館を営みながら子ども達を育てた父親が