あらすじ
父親の左遷で東北の片田舎に引っ越した高橋一家。家に居場所のない夫、不平ばかりもらす妻、いじめにあっていた娘、気弱な息子、認知症の気配がある祖母……お互いを思う気持ちはあっても、すれ違いばかりでバラバラだった家族が、引っ越し先の古民家に棲みついていた「座敷わらし」との出会いをきっかけに、その絆を取り戻してゆく、心温まる希望と再生の物語。待望の文庫化!
※この電子書籍は、2011年5月に発売された朝日文庫『愛しの座敷わらし』上下巻を合本したものです。
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この作家さんの書く世界、ホント好きです。
その世界に流れる空気や、夏の日差しの暑さまで伝わってくるようです。
文章に温かさとか優しさが含まれていて、自然と笑顔になっちゃいます。
座敷わらしを通じて、家族再生の様子が描かれているのですが、その再生される様がとても自然でさりげなくて、いつの間にか『ああ、分かるな、こういうの』っていう気持ちにさせられちゃう。
梓美の友人関係での恐怖や、史子の他人を許せない心理も、とても共感できました。
一度読んで終わりではなく、二度三度と繰り返し読みたいと自然に思わせてくれる作品でした。
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田舎の古民家へ引っ越してきた高橋一家。
そこで出会うかわいい座敷わらし。
「押し入れのちよ」を彷彿とさせるような、ちょっと不気味でちょっとかわいいお話。
下巻が楽しみ。
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田舎生活の描写がほのぼのとしていて癒されました。
家族のメンバーそれぞれが個性豊かで、素敵な家族だと思いました。お隣さんもおせっかいなところもありますが、良い人でこんな人が身近にいたらいいなぁと思ってしまいました。座敷わらしも愛すべきキャラクターで、どのようにストーリーが進んでいくのかとてもワクワクさせられました。下巻を読むのが今から楽しみです。
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下巻まで読んでの感想。座敷わらしカワイイ。以前『噂』を読んだ事があるのですが、同一人物が書いたとは思えない位、こちらはやさしくて癒されるお話でした。実家が岩手なので小さい頃から、座敷わらし伝説はよく耳にしていました。それでも間引きの話は知らずにショックを受けました。あと米子さんの訛りは祖母と同じで懐かしく嬉しい気持ちになりました。梓美のお別れシーンも良かったです。ベタだなぁ…と思いながら泣いてしまいました(笑)ラスト1行も、その先の楽しい事が色々想像できて好きです。
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最近、長い物に手を出さなくなって、久しぶりに読んだ上下2巻の長編だったように思いますが、一気に読んでしまいました。軽さもあるのですが、面白さで手が止まらくなったせいです。
家族5人、それぞれの悩みが解決されて行きます。つまり5つのストーリーが混在する形になるのですが、それが複雑になり過ぎる事も無く、納得できる形で進むのは、話の按分が見事なためでしょう。
座敷わらしの存在感が見事でした。
暖かな家族再生の物語です。
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地方支店への転勤で父親が見つけてきた物件は、市街地から離れた山の近くの古民家だった。
嫌がる妻だが、子ども二人とその祖母が乗り気になり、数で押し切られて、その古民家に住むことになった。
買い物にも通勤にも不便で、自転車通勤するといっていた父親は早くも音を上げた。
ここから去る日も近いと思うほかの家族だった。
ある日、息子がは裏庭で遊ぶ小さな女の子がいるのに気がつく。
いまどき紺の着物に、おかっぱの女の子は自分が見るたびに影に隠れるが、目を離すとついて来る。
ただし、どうやら自分以外の人には女の子の姿が見えていないようだ。
座敷わらしが居つく家には繁栄が、座敷わらしが去った後には凋落が。
東京から引っ越してきた家族が田舎での生活を始める。
下巻に続く。
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田舎の古い家に引っ越してきた家族。
そこで出会った小さな座敷わらしによって
家族の絆を取り戻していく。
最初、座敷わらしが怖かったけど、読んでいるうちにかわいくおもえてきました。
ふわぁとか、きゃとかの声を聞いてみたいです。
あったかいなと思う作品でした。
最後の「6名様ですね。」…‼︎
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父親の転勤で、田舎の古民家に引っ越すことになった一家の物語。
田舎暮らしへの理想、あるいは不安と戸惑いが、日々の暮らしの中で「日常」になっていく様子が家族それぞれの視点で描かれていて、興味深く読みました。
転勤を機に、仕事との付き合い方を見直して、田舎暮らしを満喫するぞと意気込む父親。
新しい土地での生活、習慣の違いに不安を感じる母親。
家族の中での居場所にもやもやしているおばあちゃん。
友人関係で憂鬱になっている中学生の長女。
まっすぐな気持ちでぐいぐい行動していく小学生の長男。
そして、家の敷地にいる何者か。
何が起こっていくのか、ページを繰る手が止まらなくなる上巻でした。
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短編集「押入れのちよ」の可愛いお化けと「ビューティフルライフ(短編集『さよなら、そしてこんにちは』に収録)」の家族譚を合わせて再構築したかのような話。とはいえ両方とても好きな話だったので、ガッツリ心を鷲掴み。ダメダメなお父さんと空中分解寸前の家族が現実から逃げるように引っ越した先の家に住み着いている座敷わらしとの触れ合いのなかで素敵に変わってゆくというメルヒェン&ファンタジー。上巻は登場人物紹介とその世界観の紹介で展開される。さぁ、これからどうなる?萩原のこういう物語やテンポの良い軽口語りは大好きだな。
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蝉の声、土の匂い、空の青さ、田んぼの緑・・・、田舎の雰囲気がよく伝わります。
神出鬼没な座敷わらしの出現のしかたが絶妙で、毎回鳥肌が立ちました。
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読み始めホラーなのかと思いビクビクしてたが、全くホラーなどではなかった。都市から田舎へと引っ越し。その家には座敷童がいた。
家族それぞれの視点から書かれているのだけれど、皆人間らしくてとってもかわいい。
クスッとできる場面がたくさんあった。
家族が今後どう変化していくか楽しみ。
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父親の左遷で東北の片田舎に引っ越した高橋一家。家に居場所のない夫、不平ばかりもらす妻、いじめにあっていた娘、気弱な息子、認知症の気配がある祖母……お互いを思う気持ちはあっても、すれ違いばかりでバラバラだった家族が、引っ越し先の古民家に棲みついていた「座敷わらし」との出会いをきっかけに、その絆を取り戻してゆく、心温まる希望と再生の物語。待望の文庫化!
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8月23日~9月3日
父親の左遷で東北の片田舎に引っ越した高橋一家。家に居場所のない夫、不平ばかりもらす妻、いじめにあっていた娘、気弱な息子、認知症の気配がある祖母……お互いを思う気持ちはあっても、すれ違いばかりでバラバラだった家族が、引っ越し先の古民家に棲みついていた「座敷わらし」との出会いをきっかけに、その絆を取り戻してゆく、心温まる希望と再生の物語。
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荻原さんの作品は、世の中そんなに都合良く物事は進まなくない?という甘い感じがあまり好きになれないのだけども、この愛しの座敷わらしはそれがうまい方向にいっってると思う。 ファンタジー要素ががあるからかな。 関係のギクシャクした家族が絆?を取り戻していく過程は、そんなうまくいかないっしょwと冷笑する感じではあるんだけど、座敷わらしの可愛らしさがそれをアリにしてると思った。 すごく心に残るわけではないけど、気分がほっこりする作品ではありました。
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突然田舎の家に引っ越す事になった家族の物語。最初は変化がなくて退屈だったが、登場する座敷わらしの描写に和み、最終的に心がほっこりして終わった。
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父の転勤をきっかけに田舎の古民家へ引っ越した家族の物語。その古民家には座敷わらしがいる、と分かったところで下巻へ続きます。最初のうち、勝手に住む家を決めてしまった父にモヤモヤイライラ。母と娘(姉)に感情移入していましたが、ここでの生活が二人とも嫌ではないらしいと分かり、ようやく落ち着いて読めるようになりました(笑)
座敷わらしを見るのは、息子(弟)とおばあちゃん。おばあちゃんは上巻の最後で本来の力を取り戻し、これはそういう(忘れていたものを思い出す、取り戻す)物語なのだろうと思います。このあと座敷わらしがどう絡んでくるのか、下巻が楽しみです。
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題名通りの話ですね。
当初、暗い話だなぁ。と思い読み進めるとどんどん明るくなっていき、読み終えるとほのぼのと気持ちになって読破しました。
著者の小説はよく読みますが、湊かなえさんと違い⁈心が温かくなります。
映画にもなっているそうで時間があったら観てみようかな。
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素麺みたいな一本道 道の両側は緑の海だ。梓美あずみ たまに来るぶんには イグニッション=点火装置 クッキーはコーギー犬 ダックスフンド並みに足が短い もともと牧羊犬 文豪風のふづくえ文机にはノートパソコン 五平餅 生ゴミを見る目を向けられていた カエルの店頭用人形 ぶらさがり健康器 斜め三十度の顔 祠ほこら 庭にねぎとらっきょう 鍬 ホスターさん 裏校則 毛質って変わるから 鳩の群れに迷いこんだ雀の気分 視線で射るという慣用句 終の住処 この夏だって越せるかどうか。コスモスの花はもう見られないかもしれない。 初秋の風にさわさわ揺れていた 身の回りの整理 うかが窺って せいか生家に似た囲炉裏が見せる白昼夢だと思った チェロキー族の酋長 岩手県の遠野に取材 役に切り替わるんじゃなくて「なる」んです 左遷先 木梨憲武 安田成美 おぎわら荻原浩 水谷豊
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お父さんの晃一中心に話が始まる序章は、いちいち映画の水谷豊が思い出されて、なかなか入り込めませんでした。
が、妻の目線、子どもの目線、おばあちゃんの目線でと、話をひっぱる人がどんどん変わるので、そのうちにぐっと話に引き込まれ、いつの間にか自分も座敷わらしのいる家の家族になったように、一喜一憂していました。
特に座敷わらしがかわいらしく思えたのは、家族で一番年少の子どもが座敷わらしを慈しんだのと、おばあちゃんが座敷わらしと孫を一緒に見守っていたせいでしょうか。
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出だしは家族ってこうなっていってしまうのかな、と未来に不安をおぼえたけれど座敷わらしとのであいをきっかけに一人ひとりの状況が変化していく様をみることができてとてもほっとした。
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父親の転勤で、田舎の古民家に引っ越した家族のお話。
その家には座敷わらしが住んでいる。
通勤に早くも疲れを見せ始める父親。
近所付き合いに戸惑う母親。
同じく学校での付き合いにうまく行かない長女。
一番人付き合いに積極的な長男。
そして、ボケてるのかそうでないのかわからない祖母。
さて、下巻ではどんな展開が待ち受けているのやら…
2013.7.15
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登録500冊目。
久しぶりの荻原作品です。
田舎暮らし。
庭にネギやらっきょうを植える生活。
羨ましいー。憧れます。
私の家のクローゼットにも座敷童いないかしら!
『一メートル先にいる家族のことすらわかってやしない』オヤジ。
家族って時に他人の様に遠くなる事もあるけど、やはりそれでも愛おしい。
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荻原さんは、老人、中年、子供を書かせるとうまい。…全世代じゃないか。(笑)
きっと「人間」が好きなんだろうなぁ。
この先下巻でどう展開されていくのか楽しみ。
座敷わらし、かわいいね(^^)
でも、私は絶対こんな田舎に住むの無理だぁ~!(笑)
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都市から田舎へ引っ越してきた家族。
しかしその家には既に住人がいた…?
「押入れのちよ」で可愛いちびっこ妖怪を描いた荻原さんの作品なので、全然怖くはないものの、いきなり出くわしたらびっくりするだろうなぁ…
Posted by ブクログ
ほのぼのとしてて気持ちいい。ただ家族全員をとりまく環境や全員の心境が少し重い。これが座敷わらしと関わってどう変化していくのか下巻での展開に期待。
Posted by ブクログ
貸して貰った本で全く内容を知らずに読んだのですが、
荻原さんにしちゃえらく子供っぽいなって印象・・・。
まぁ現代のファンタジーって感じでしょうか。
上下巻ありますが、最後まで思った通りの展開で、
意外性はありません。
1冊で十分な気がします。
こう書いて言うのもなんですが、まぁいい本ですよ。
全く毒がないので、ほのぼのしててどの年代の人でも
安心して読める本と思います。
Posted by ブクログ
映画の原作で前から気になってた。
上下2巻の作品。上巻ではまだあんまり話の展開が変化少ない。
荻原さんの作品、サクサク読めるんだけど今の所、あまり変化ないので少し退屈…
下巻に期待するとします。