荻原浩のレビュー一覧
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春から体験農園で畑デビューを果たしたものの
畑の知識ゼロで、畑の先生から呆れられる日々…
isaoさんの本棚からこの本を知り、気軽に読めそうと手に。
極小農園日記と題しているものの、畑話は前後半分ほどのエッセイ集。自作のイラストもかわいい。
畑とは無縁のエッセイも半分ほど。
荻原さんの自宅の庭での野菜作りのコツや失敗談がユーモア混じえて楽しめる。
家庭菜園をされている方には、あたりまえの知識でも、未経験者にはなるほどと思うことばかり。
それが、オヤジギャグ満載に描かれていて笑いを誘う。
そして、印象的だったのは、
昨今の野菜は美味しくなり、臭みがなかったり形も整い虫食いもない。歓迎すべ -
Posted by ブクログ
荻原浩さんには『楽園の真下』という巨大カマキリが登場する昆虫版ジェラシックパークとも言うべき作品が有りますが、これは「植物版ジェラシックパーク」ですね。
植物たちも独自の知性を持ち、危険を感じれば化学物質を放出し、地中に広がる菌糸を使って森全体で情報を共有し、必要と有れば自ら倒木となって次世代を育てると言ったことが最近の研究により明らかになってきた。
それを利用し、食用植物の改良や、AIを用いた植物との会話を研究する施設で次々に異変が発生する。自然発火による山火事、猿やシカ、猪などの動物の異常行動、さらには植物に憑依される人間まで現れて・・・・。
主人公の1歳の子供を持つ研究助手の野乃を次々に -
Posted by ブクログ
植物が知性を持ち、自然界をコントロールしようとしたら…。植物の研究所を舞台に、人間と生き物たちとの闘いを描いたパニックサスペンス。
夫が単身赴任中のため、主人公は1人で子育てしながら研究所に勤めている。周辺の動植物たちが不穏な動きをするようになり、母子にも絶体絶命の危機が訪れる。が、どんな命も大事にする主人公は、たとえそれが動植物であっても相手の命を奪うことはしない。わが子の命を守るためなら何を犠牲にしてでも、となるのが母親なのではと何度か首を傾げたし、やはり手加減によってパニックものとしての盛り上がりには欠ける。
でもまあ、それが作者の優しさなのだし、そもそも悪を滅ぼす話でもない。
荻原浩