荻原浩のレビュー一覧
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表題作を含む8編の短編集。
DV彼氏から娘を守るためにボクシングを習い始める女性の強さと忍耐には、ぐっとくるものがありました。
反撃されないから強く出れる男って卑怯で哀れ。
表題作は、新婚旅行から帰って新生活がスタートしたばかりの新婚さん。
価値観も合うと思っていた旦那とまさかの食の好みの不一致。
これはなかなかつらいですね。
どっちが悪いとかでもないけど、ここまで合わないとしんどい。
早起きして出汁から作った和食を「俺朝はパンなんだ」で一蹴されるってつらい。
でも旦那から見れば、勝手に作られたとも言えるし、まぁ思いやりの問題か。
思い詰めた彼女が摂食障害になる様子は、とても共感できて苦し -
Posted by ブクログ
幼少期にアメリカの祖父へ預けられ、銃の打ち方を仕込まれた曜子。
自分を育ててくれた祖父が暗殺者であったこと、そして一度だけ祖父の仕事を肩代わりしたことがあることを「秘密」として抱えています。
40歳を超え、二人の子どもと、少し頼りないながらも優しい夫と、ささやかながら幸せに暮らしていた彼女の所へ、以前の仕事の依頼者でもあったエージェント「K」から連絡が入ります。
家族に危害を加えられないようにするため、また報酬を家計の足しにするため、ふたたび仕事に向かいますが、主婦であるということ、そして「銃」が違法な日本が舞台であることなどから、独特のハラハラ感を味わうことができます。
家族ドラマとして読 -
Posted by ブクログ
『トンネル鏡』『上海租界の魔術師』『レシピ』『金魚』『チョコチップミントをダブルで』『ゴミ屋敷モノクローム』『胡瓜の馬』『月の上の観覧車』の短編8話。
"もしもあの時"とふと思ってしまうこともある。
人生に二周目があればいいのに
折り返しを過ぎた大人だから泣けるんだ。
・・・という帯に惹かれて手に取った1冊。
なんですが。
ちょっと、思っていたのと違いました。
というか、読み終わって改めて帯を見ると、確かにその通りなんですけどね。
「泣ける」の方向性が違った(笑)。
それこそ、身近によくありそうな話が多々。
共感はできないけれど、言い分は分からなくもない、みたいな? -
Posted by ブクログ
20190914
田舎の父が倒れたと聞き、あわてて故郷へと帰った恵介。いつの間にか父母が始めていた苺の栽培を継ぐのか、やめてしまうのか。妻子と離れ母の手伝いをするうちに、恵介は苺のことばかりを考えるようになっていく。
後から入ってきた訳ではなく、元々が農家の息子であるからこそのリアリティー。そんなにうまく行くことばかりではないだろうけれども、成果が目の前に見える喜び。スーパーで山積みされている野菜だって、誰かが一生懸命育ててくれたものなんだよなぁと思うと、あんなに安くて大丈夫なのかと不安になってくる。本論とは関係ないが、食品ロスはなくさないといけないなぁと改めて反省した。