荻原浩のレビュー一覧
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素麺みたいな一本道 道の両側は緑の海だ。梓美あずみ たまに来るぶんには イグニッション=点火装置 クッキーはコーギー犬 ダックスフンド並みに足が短い もともと牧羊犬 文豪風のふづくえ文机にはノートパソコン 五平餅 生ゴミを見る目を向けられていた カエルの店頭用人形 ぶらさがり健康器 斜め三十度の顔 祠ほこら 庭にねぎとらっきょう 鍬 ホスターさん 裏校則 毛質って変わるから 鳩の群れに迷いこんだ雀の気分 視線で射るという慣用句 終の住処 この夏だって越せるかどうか。コスモスの花はもう見られないかもしれない。 初秋の風にさわさわ揺れていた 身の回りの整理 うかが窺って せいか生家に似た囲炉裏が見
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ハウツー本のようなタイトルが付いていますが、普通の小説。引き出しの多い作家、荻原浩による7つの短編。好きな作家ベスト3に入るほど好きですが、本作は笑いも涙も足りず、1冊の本としてもまとまりに欠けます。
主人公である7人を順に挙げると、嫁からエコだ節電だと言われて割り切れないおばあさん、劇団に入るもオレオレ詐欺に手を染めてしまった若者、ブログやオンラインゲームに熱中する人々、動物園でのお見合いパーティーに嫌々参加した女性、リストラされたことを家族に言えずにベンチで過ごす中年サラリーマン、歴女に振り回される男、自己啓発書を読みあさる若きサラリーマン。
荻原浩の作品の中ではイマイチといえども、ほ -
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人生を終わろうとしている父親が遺した分厚い原稿用紙。
書かれていたのは父の人生のようでもあり、創作のようでもある小説だった。
「私」はそこで見知らぬ父親と出会うことになる。
考えてみれば、自分の両親の生まれた頃の話やこれまでの人生の話などほとんど聞いたことがない。
聞く必要もなかったし、聞くようなタイミングもなかったとしか言いようがない。
だが、父親にも母親にもそれぞれ様々な経験をしながら現在を生きている。
まだまだ遠い先だろうが、年老いた両親とお茶でも飲みながらゆっくりとそんな話ができたらいいな・・・と思う。
物語は現在の「私」の感情や取りまく状況を描く部分と、父親が書いた小説部分とで構成 -
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ネタバレ生まれながらに教祖となる人物評として、その器の中身が空っぽであることが重要らしい、『砂の王国』の仲村はまさに空っぽという言葉が当てはまる。いっぽう同じ教祖でも『仮装儀礼』では教祖が元ゲームのシナリオライターという前歴であった。教団を拡大していくためには狂信的な初期メンバーを獲得しなければいけない。いつの時代にも宗教を必要とする人たちはいる、彼らは何かに熱狂したいのである。その異様な熱狂が近隣社会との軋轢を生み、そして集団は孤立化しカルトの烙印をおされるに至る。
教祖に追われた山崎が教団から命からがら逃げ延び、ホームレスに逆戻りしていく様は感無量である。一方『仮装儀礼』では教団崩壊後つづき -
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ネタバレ短編集。
基本的に心がほっとあたたかくなる話がメイン。
最後には救いがあるという、読んでいてストレスがない。
個人的に好きなのは、タイトルにもなっている「さよなら、こんにちは」。葬儀屋で働いている男にそろそろ子どもが生まれる。でも仕事は葬儀屋で、にやにやすることはできない・・。ライバル会社とのやり取りも含め、気持ちもわかるし、そして理解してくれる周りにもめぐまれているなと思う。
「スローライフ」もおもしろい。
主人公の生業がスローフードという、いわゆる最近流行りの生活に余裕をもって、食事を楽しむというようなものがコンセプトなんだけど、実際は、どったばた。
そのコントラストがおもしろい。