荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
広告会社の部長の佐伯は、なんとなく頭の中に靄がかかったような状態であることに気がついていた。ある日、打ち合わせの約束を忘れ、大目玉を食らったと思ったら、同じ会社の社員の名前も思い出せない。仕事を休み、妻に連れられていやいや受けた検査で予想もしなかった病名を告げられる。若年性アルツハイマー。佐伯はまだ初期だからと仕事を続けようとするが、症状は日に日に進行して…。
怖ー。
荻原浩らしく、軽快にストーリーは続いていくし、とてつもない困難のようなものはなく、佐伯の日記のような軽い書き口ではあるが、じわじわとしみ出してくるような、押しつぶされるというよりも、気がついたら周りの色が変わっているような恐怖を描く。
仕事をなんとかやり切ろうとするが、どんどんと指の隙間から水が漏れていくように抜けが生じていく。娘の結婚相手の名前も思い出せず、更には娘の名前すら忘れてしまいそうな焦りを、重すぎず書いてはいるのだが、その軽さがまた逆に怖い。
似たような年代かそれ以上であれば、本作に書かれている症状には思い当たる節がいくつもある。そういえば最近会って挨拶した人の名前、以前の職場で手伝ってくれたアルバイトの人の顔と名前、覚えたはずのバンドの名前を忘れていることに気がついた時の恐怖。
タイトルの『明日の記憶』は、もちろんSF的なものではなく、今ある記憶が明日どれだけ残っているのか、という不安を示している。
作品の内容上、自分のこととして読んでしまう40代後半以降と、親のことだとして読んでしまう20代後半では印象が全く異なるであろう。いわんや、佐伯の妻の方に感情移入してしまうと、また別の景色がある。
ただ、どう読んでも、逃げられない強さを感じてしまう。中途半端なホラー小説よりも怖いよこれは。 -
Posted by ブクログ
おもしろかったです。
荻原さんらしくない?物語だけど、
小説の出来ばえのうまさ、スゴさは、
荻原さんらしいと言えます。
物語の技巧的うまさが、読後の余韻と共に
感じられました。
それはきっと
読んだ人 みんなに共感するポイントだと思います。
ただ時代が交互に描かれるだけでなく、
過去の出来事と現代の事件が、
リンクしていきます。
でも、巨木はそこにずっとあり、それらを千年の間見守っています。しかも、ただ見守るだけではなく、
まるで「意識」をもった観察者の様に描かれています。
全編を通して、暗く重い話が続くのですが
最後の章では、希望の光が差すので、
後味はよいです。とっても、。
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Posted by ブクログ
ネタバレ最後の1行が…と話題で読んでみましたが、さすがでした。驚きました!
最後の驚きを抜きにしても、読みやすくてハラハラドキドキ楽しかった。懐かしい?古い?当時の描写もそこまで気にならず。
作者さんの誘導にしっかり騙され、西崎のことばっか気にしてました。
17歳に手を出す30歳気持ち悪…とか、三崎康代→サキかな?とか、西崎の語りで高原美幸と青田久美のことをやたら知ってる口調に違和感を感じて満足していた。
読み返すと冷蔵庫を開けると必ずサキと会話してたり、サキが腐らせた、とか。サキの足を眺める描写とか。そもそもサキとの会話は全部サキ(足首より下)なのに〜
西崎の遺体と会話できちゃう精神状態が仇となり、最後はサキとのゴミの日の会話で飛び降りることになるとは。
最後、杖村の足首を切断した凶器が見つかってないのはなんでだろう?と思ったものの、その後の小暮さんと名島さんのほのぼのシーンでそんなことはどうでもよくなり、小暮さん、名島さんのことワンチャン狙ってるのがえ?て感じで歳近いのか?同じ30代?うーん…などと思っていたら。
菜摘、ノーマークでした!
やたらきもさぶが強調されてると思ったのはこのためだったのね(泣)
青田久美の復讐ということよね?
何回も泊まりに行ってたエリちゃんと一緒に?
「今夜はエリと約束しちゃった」っていうのは杖村殺害の約束?
復讐にしても、くすくす笑いながら人殺せるってなかなかだと思うんだけど…逆にこれだけだよね?!他はやってないよね?!と心配になる。
最後にしっかり驚かされて大満足でした…!