金原瑞人のレビュー一覧

  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    サブタイトル通り、必ずしもクリエイティブでない日常生活だった。自由奔放なイメージの人が、しっかりとしたルーティンに生きていたり、規則正しい生活を希求していたり、自分と大して変わらぬ天才たちがいた。仕事なんてしたくないなぁとしばしば思うけれど、どんな仕事も毎日コツコツと進めること、そして何かを産み出すために定職を得ることが役に立つことが読んでいて分かった。生きること、働くこと、何かを創造することは、気楽にはできないことなのだとこれらの天才たちの様々な日常を垣間見て分かった。もう一つ、散歩と手紙!今ならメールの返信なのだろうか。実に多くの天才たちが散歩を2時間近くし、山ほどの手紙を書いたり読んだり

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    2025年05月25日
  • 顔のない花嫁

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    壊してしまった花嫁のマネキンをお化け屋敷の道具に使おうとしたケヴィンに襲いかかる不可思議な恐怖。
    しっかりホラー。でも児童書ならではの物語の展開。このバランスが絶妙。希望を見せつつ不安を誘う結末も巧妙なのです。
    またケヴィンに「ふたりのパパたち」がいることも、さらりと書かれているのです。そこに何の意味も持たせない。そのことが実に素敵なのです。

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    2025年05月17日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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     フィリップの見えるか見えないかの変化が、一気にひらけてゆく様。上下巻ともに、フィリップがしがらみから解放されてゆく表現は圧巻だった。

     様々な暮らしを経験して味わった絶望感や少しの希望の中で、フィリップが生きることのこたえを見出していく。
    それは万人が頷けるものでなくとも、フィリップ自身の、強い軸になってゆく。
     後半は特に哲学的要素が強いように感じた。

     読んでいて苦しく不快であったり、嫌悪感を抱いたりするのは、自分自身の経験とも否応なく重ねざるを得なかったからかもしれない。
     想像していたような小説ではなくとても戸惑ったし、主人公を好きになることはなかったが、読み終えることには自然と

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    2025年05月07日
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)

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    モームは月と六ペンスも面白いがこちらの人間の絆も最高。古典とは思えないくらい読みやすい。
    特にパリに行ってからどんどん面白くなる。敷かれたレール通りに聖職者を目指したものの、神を信じてない自分に気づき、自ら選んだ道で人生を模索し始める。
    他者の人生と自分の経験を通して人生の意味に行き着く場面は圧巻。
    この本が出版当時から支持を集めていたのが意外。人生の意味に悩む現代人にも読まれるべき一冊だと思う。
    上巻は下巻への伏線の位置付けという意味で⭐︎4。

    最初は自意識が強くて周囲と馴染めないフィリップにかつての自分を重ねてしまってうわぁと思いながら読んでいたが、段々と頭で考えている癖にいざとなると感

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    2025年04月18日
  • 死について! 上 あらゆる年齢・職業の人たち63人が堰を切ったように語った。

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     最近日本でも様々な人たちが自らの生活を語った内容をまとめて本として出したりすることが増えているが、本書の著者スタッズ・ターケルはアメリカでは高名なインタヴュアーらしい。どうしてこの本、「死」についての本を書こうと思ったのかについては、自ら「はじめに」で詳しく語ってくれている。死という体験、それは唯一、だれひとりとして味わったことはないが、いずれはだれもが味わう体験。
     
     人生の第4コーナーに差し掛かった自分には、この言葉が心に沁みた。「ここに記された数々の死についての証言は、同時に生についての、生がいかにかけがえのないものについてかの証言でもあり、ときに混乱していたり不完全だったりするにせ

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    2025年04月15日
  • 宝島

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    有名な児童書の一つとして勉強になった。
    書き方や言い回し、船用語など読みづらさを私個人としては感じだけど、少年心がくすぐられる要素は何個か見つかった気がする。
    今まで読んだことのない文体なので、原書の英語も気になるところ。
    月と六ペンスと同じく、金原さんの訳だった。月と六ペンスは読み易いし私の好きな文体、内容だったからやはり著者の文章に違いがあるんだなと思うと興味深い。引き続き、クラシカルな児童書を読み進めて私の引き出しを増やし、子どもという時代について理解を深めたい。

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    2025年03月10日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    表紙の笑顔からは想像を絶するような人生

    あの状況下でも生きることを選んだこと、自分は幸せだと言い切る勇気、自分の使命に従って後世に伝えると決めた決断力・行動力
    自分の人生に意味を見出し、生き切った様を目の当たりにした

    直前に読んだ「嫌われる勇気」でもあったけど、結局他人に貢献したもん勝ちやね、人生

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    2025年02月14日
  • いまを生きる【試し読み】

    購入済み

    映画から

    映画が印象深かったので原作があったのかとこちらに。これは脚本先行でのノベライズ作品なんですね。昔からの児童文学の名作のような雰囲気。
    内容は・・ほろ苦さ(どころでなくかなりシビアにも)感じる終わり方となるので‥受け取り方は人それぞれの解釈によるのかもしれません。

    #深い

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    2025年01月30日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    結構沈む内容だけど、学びが多かった(;_;)
    今あるところで幸せになるって言う考え方を忘れずにあたあ

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    2025年01月19日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    アウシュビッツでの生活がありありと描かれていて心苦しい気持ちもあるが、どういった状況だったのかが分かる小説だった。
    終戦後の内容が少し薄くて、そこは残念だったかなあ

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    2024年12月27日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    作家や画家、作曲家などの普段の仕事の習慣が作家たち自身や周囲の人の証言とともに紹介されている
    人それぞれ習慣は違うけど、以下に該当する人が多い印象
    朝起きて昼まで仕事をする
    決まった時間に仕事する
    毎日同じリズムの繰り返し
    散歩などの運動をする

    そのほかにはベッドの中での執筆、カフェイン摂取、アルコール、アンフェタミン、友人との電話、パズルゲーム、パートナーによる時間管理などがあった。

    p97
    村上春樹
    繰り返すこと自体が重要になってくるんです。
    一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく

    p103
    チャック・クロース
    インスピレーションが湧いたら描くとい

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    2024年12月11日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    ネタバレ

    生き延びるためにアウシュヴィッツでタトゥー係として働く青年。そこで出会った女性と恋に落ちる。
    なぜ、あのようなことがありえたのか。戦争とは何か、差別とは何か、狂気とは何か。
    人の命を命とも思わない。そんなことがあっては絶対にならない。

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    2024年12月05日
  • ソロー『森の生活』を漫画で読む

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    ネタバレ

    先に読んだ『『森の生活』ソローの生き方を漫画で読む』よりは分かり易いが、それでも何を言ってるのか文章が理解できないものも多かった。人は贅沢するためにお金を稼ごうと必死になり心が貧しくなっていくというのは鋭い考察だと思う。多くの人はそれでも贅沢するために仕事しようとするから、本当に必要なお金だけ稼いで、それに満足して豊かに暮らせるソローはとても賢人なんだと思う。

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    2024年11月12日
  • サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命

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    かの有名なマルキ・ド・サドが獄中で書いた”ソドムの百二十日”という超絶猥褻文書が辿った数奇な運命。貴族なのにフランス革命に身を投じるなど、破天荒な人生を送ったそうなのですが、子孫も子孫で割とパンチが効いています。

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    2024年11月09日
  • タイムマシン

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    SF小説元祖ウェルズの作品。基礎英語1に登場したので読んでみた。今までSFを読み切ったことがないくらい興味のないジャンルだが、主軸の所をかいつまみながら読破。外国の人と話す時の共通項になるかな?と。昔、理系の人はこういう小説を好んでいたことを思い出す。西暦八十万二千七百一年の世界。現在に戻れるのか、ハラハラした。

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    2024年11月06日
  • ドリトル先生航海記

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    大人になってから、本を読むようになったので
    児童書はほとんど読んだ事がないので、
    名前は聞いた事があるけど読んだことのない児童書がたくさんあるので、たまに読んでみる。

    そうやって、大人になって児童書を読んだ時、
    変に冷めたところのある子供だったから、子供の頃本に夢中になれなかった気持ちを思い出したりすることの方が多いのだけど、このドリトル先生航海記は凄く楽しかった。

    子供の頃に読んでたら多分私には何にも面白く
    感じなかっただろうなと思う。
    そして、子供の頃にこういった本を
    楽しめたのなら良かったのになって思った。

    ずっと鳥を飼いたいと思っていたんだけど、
    この本を読んだら飼っちゃいけない

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    2024年10月21日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    継続的で徹底的な習慣こそが成果をだすが、人それぞれの習慣があり面白い。お酒は友人関係人生で大事な要素だと気付かされた。

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    2024年09月28日
  • サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命

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    サドの伝記エピソードと、10mに渡る直筆巻物の来歴と性科学や性風俗に対する態度の歴史、そして現代、手稿を共同所有することによる10億ユーロに上るポンジスキーム巨額詐欺疑惑と政府との対立。
    それぞれが交互に差し込まれ、サド以外にも様々な癖のあり登場人物が暗躍する。
    歴史ミステリのような優良ノンフィクション。

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    2024年09月28日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    感想メモ
    長時間働くのはミスも増えるし作業効率と悪くなる
    1日決まった時間働く、文章もインスピレーションを待つのをやめ、ただ淡々と書く
    行き詰まったら、一旦問題から離れる、意識を他に持っていくと解決策が見つかることもある
    目新しい習慣を取り入れると、心理的な効果を生み出して仕事がしやすくなる
    いつもの習慣+いつもとちがう目新しさを取り入れる
    大体みんな最低3時間は取り組んでる
    しっかり習慣を守ることそれが最後までやり遂げるコツだ

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    2024年09月07日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    5分後には自分が死んでいるかもしれないと思いながら過ごす時間が何年も続く世界。それが被収容者にとってのナチスの強制収容所だ。この本はそんな世界を生き抜いて結ばれたラリとギタの物語だ。フィクションの形式をとっているが、描かれている出来事は、ほぼ現実に起こった通りと考えてよいという。主人公ラリが体験した事実が小説的に仕立てられることによって、収容所の恐怖と絶望がよりリアルに伝わってくる。だが、読後感は決して重いものではない。多くの人に読んでほしい作品だ。

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    2024年08月17日