金原瑞人のレビュー一覧
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「翻訳の名手がずっと訳したかった偏愛の短編集」
というキャッチコピーに惹かれて手に取った一冊。
あぁ、この夢の中のような装画が素敵だなぁと思っていたら、
先日読んだ『小泉八雲の世界一美しい怪談』も手がけられていた
橋賢亀さんのイラストだった。ふつくしい……
『奇妙でフシギな話ばかり』ブルース・コウヴィル
どの物語も、タイトルの通り奇妙なお話ばかり。
児童文学のようなやわらかさがあるのに、
ときおりハッとするような命のやりとりもあって、
ただ優しいだけでは終わらない。
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トップバッターの、天使から預かった箱を
一生をかけて守り抜く男を描いた「天使の箱」が美しい。
最初は、あれ? -
Posted by ブクログ
ニューヨークで考え中という漫画のことを思い出しながら読んだ。ニューヨークで考え中は、定住する大人の話だけど、こっちはハタチ手前の大学生たちの旅行の話。激しくて、じれったくて、クラクラする。この世代にしかない青さがもう全ページからムンムン漂っていて、それが海外のマンガ?(グラフィック・ノベルというジャンルらしい)のトーンに吸収されると少し距離をとってドライにも読めるから面白い。資本主義についての批判や、気候変動のことを話題に出しても、結局は自分の話になってしまう。そんな3人がそれぞれ愛らしくもあり憎たらしくもあり、それでいてラストの地下鉄のシーンは爽やかで良かった。あの地下鉄が地上に出てくるとこ
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ネタバレ真夜中の国へマロースカを探しに行ったワーシャが、勝手に熊を解き放ったんだから責任をとってもらうという態度で、こいつこの恩知らずがと思いながら読んだが、記憶を失ったマロースカとのやりとりと、暑さで弱体化しながらもワーシャのそばを離れないマロースカがいじらしくて良かった。
作者は史実に基づいたタタール人との戦いをやりたかったようだが、それをやるために、メドベードとマロースカの確執が軽く流されていて残念。ワーシャに人生狂わされたコンスタンチンも、悪意なく混沌を招くメドベードも宿敵という感じがなく、かと言ってタタール人との戦いにワーシャが首を突っ込む必要性も感じられず、勝利できて良かったねと思え -
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小学校の図書室にあるソファーで本を読んでいると、
オバサン何読んでいるの?
と隣に座ってくる子がいます
そんな子に読み聞かせたい本です。
ダフィーのジャケットを読んで、二人で笑いこけたり
天使の箱って?
二人で首をかしげたり
うふふ。
放課後の学童でもいいわね~
「大いなる岩の顔」読んだ記憶がある、ウーン、中学時代に付いていたオマケの小冊子
だわぁ。
「天使の箱」はマンガで読んだ記憶が。
50年以上前から大人達が残してくれていたのね。
岩波からやわらかい手触りで
金原瑞人さん訳
橋賢亀さんのドキドキする絵
のこの本が
多くの子供達や子供だった人達に届くと良いなぁ~と思いまし -
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ネタバレ中世時代のロシア、ルーシを舞台にしたファンタジー。2巻はモスクワが舞台となり、マースレニツァ祭や、モスクワ大公がらみの陰謀、男装した主人公が活躍する王道展開があり1巻よりも楽しめた。なじみのない極寒の世界やロシア文化が面白く、ルーシの人々が何かというと風呂小屋(サウナ)に入りたがるのが意外だった。
魅力的なキャラは多いものの、ワーシャの目的がはっきりせず、何をする物語なのかよくわからない。「海に沈む太陽を見る」ために村を出たはずなのに、たまたまサーシャと出会ったからモスクワに行き、悪いタタール人がいたから戦い、ドミトリーの人柄に惚れると家来になれたらと思う。魔女の血のルーツを探すとか、チョル -
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ネタバレ主人公が生まれる前の話から始まり、モスクワでの政治的な思惑や、仲の良かった兄弟達がそれぞれ別の道に行くなど、物語が大きく動くまではとても良かった。が、継母と神父を連れて父が戻ってからは、日本の因習村みたいなドロドロジメジメした展開が続き退屈だった。特に、美形で美声で絵画も描けるハイスペ神父の視点が多く、こいつが改心してヒーローになるかと思ったらそうでもなく、最後まで読んで美形設定いらんかっただろと思った。
不思議な力で精霊達を見ることができるワーシャが、村人達から魔女と怖れられるなか、兄のアリョーシャと異母妹イリーナだけが、ワーシャを信じて味方するのが良かった。冬の王マロースカは、いまいちキ -
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親が亡くなり、身近な人の死を聞き、自らも平均寿命の最終コーナーに近づきつつあることを自覚するようになると、「死」について考えることが多くなってきた。これだけは絶対にしたいと思うようなことも特にないけれど、あと余命一年と言われたら、それはそれで大きなショックを感じると思う。ほかの人たちは「死」についてどんなことを考えているのだろう、そんな関心をもって本書を読み進めた。
下巻では、HIV感染者の何人かのインタビューが収録されていて、死の病と恐れられ、差別もされていた時代だったことを思い出させられたし、いかにもアメリカらしい、悲しい事件を経て信仰心に目覚めた人たちの声も取り上げられている。