金原瑞人のレビュー一覧

  • 読者に憐れみを

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    ヴォネガットの弟子にして友人による、ヴォネガット流文章読本。とても長かったけど、詰まることなく楽しくすらすら読めました。作者と役者に感謝を。もちろん、ヴォネガットにも感謝を。彼がうつ病だったということが興味深いです。

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    2023年02月17日
  • 熊と小夜鳴鳥

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    14世紀半ばロシアで、北の豊かな領主の娘として産まれたワーシャ(ワシリーサ)には祖母の精霊を見る力が受け継がれていた。しかし、時代はキリスト教に変わり、新しい美しい司祭によって精霊達の力は衰え、熊と呼称される、まがまがしい力が復活しそうになる。熊と冬の王マロースカ(死の神カラチェン)は兄弟で、マロースカは恐ろしい力を持つものの、人に害はなさない存在。後半、ワーシャは力を復活させたいメドベード(熊)に狙われるが…というところが、この本の概要。昔話の要素を多く取り込み、重厚なフォンタジーだった。そして、長い。三部作なのだけど、この本だけで本編474ページ!こういう民俗的要素取り込んだファンタジータ

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    2023年02月07日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    イギリスの海辺の町シーショーにある古びた劇場ロイヤルシアター。そこには幽霊が住み着いている。ある時その幽霊が見える女の子グレイシーがやってくる。
    静かに暮らしていた幽霊たちをグレイシーが引っ掻き回して、幽霊たちはグレイシーを腹立たしく思うものの、最後は良い終わりを迎える。
    読後は多幸感に包まれた。
    装丁が素敵。カバーを外して出てくる絵も可愛い。

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    2023年01月06日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    作曲家、小説家、詩人、画家、建築家などの名だたる天才たちの習慣を書いてある本。
    一人一人の事かもっと知りたくなる。
    天才たちにも色々いて、規律正しい人もいれば、インスピレーションに従って動くひともいる。アルコールやタバコ薬に頼っている人が多いという印象。
    日本人は村上春樹が記載されていたが健康のため習慣を改めたのが日本人らしいなと思った。
    スティーブンキングは寝るために書いているとの事。真似したい。
    厳しい意見で現実の辛さを突きつけられるような人もおれば、気が楽になる人もいて、自分の心と体に聞くのがいちばん良いなと思った。
    自分の時間であってもやはり時間は守った方がよいかもしれない。
    ここに乗

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    2022年12月13日
  • 最後のひと葉

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    「二十年後」と「賢者の贈り物」、「最後のひと葉」が心に残った。
    読み終えた後、不思議な気持ちになる独特なオチや哀しくなる最後が魅力の短篇集。

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    2022年11月24日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    書簡などから拾った歴史上の偉人(モーツァルトとか)のルーティン

    ベーコン、モーツァルト、ミロ、スキナー、カント…


    ●イギリスの歴史家エドワード・ギボン

    (ギボンは)兵役についていた間にも、時間をみつけて学術研究を続け、行軍の際もホラティウスの著書を持ち歩き、テントの中で異教徒やクリスチャンに関する学説を調べていた。
    (V•S•エリオットのエッセイ、1941)

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    2022年10月30日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    2021年7月に発刊された本書は、アウシュビッツを生き延びたエディ・ジェイクの体験記である。
    2019年5月にTEDxで講演したことから有名になったそうだが、1920年生まれの著者は99歳で17分間の講演を行ったとのことである。
    本書には、知恵と運で収容所を生き延びた体験と、戦後に心の傷を克服して立ち上がっていく様が書かれている。
    600万人のユダヤ人を虐殺したナチスドイツ。ユダヤ人は人間とは見なされなかった。人間でないユダヤ人は家畜のように扱われ、働かされ、殺された。ドイツ人は思考が停止していたのか麻痺していたのか、自分の家族には愛を語りながらユダヤ人をガス室に送った。ユダヤ人を化学メーカー

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    2022年10月11日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    ホロコースト生存者がの著作や映画は何作か読んだり見たりしました。
    この本はそのあまりにも酷い惨い経験から、ずっと語ることさえ避けてきた筆者が長い時間を経ることで語ることができたものです。あまり時間を空けずに書かれたものとはまた違う味わいというか、風格というか、とにかく一度読んでみてほしいです。

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    2022年10月09日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    アウシュビッツ強制収容所から、九死に一生を得て生還してきた人が、自分を「世界でいちばん幸せな男」だなんて。
    ナチスによって迫害されてきたユダヤ人の話は本当にたくさん読んできた。
    どんなに読んでも、その苦しみや悲惨な体験はその本人にしかわかりえないものだろうし、簡単に理解できる、とも言うべきではないと思う。
    本著のエディも、その例にもれず数々の試練を潜り抜け生還した一人だ。
    ただ彼が今まで読んだ体験者と違うところは、ただ運命に任せて偶然生還できたのではなく、父が苦心して入れてくれた機械技術の専門学校で身に付けた技術を生かしたり、少しでも苦痛を和らげる工夫を仲間と考えたり、ありとあらゆる努力で勝ち

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    2022年09月11日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    評価はまだつけられないな……
    「月と六ペンス」みたいにガーッと感動はしなかった。でもところどころむちゃくちゃに感情をゆすぶられたり、主人公の言動にもう本を投げ捨てたくなるほどイライラしたり、よくわからない感情で涙がでてきたり、「つまらなかった」というわけではない。でもストレートに「よかった!」とは言えない感じ。
    またもう少し時間が経ってから読み直したら気持ちも変わるだろか。

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    Of Human Bondage
    タイトル、光文社版だと「人間のしがらみ」って訳だけど、個人的にはどっちもそうだな、という感じ
    人間どうしの間にあるものは暖かい絆であるときもあるし、やっかいなしがらみであるとき

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    2022年09月01日
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)

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    まだ途中
    モームは大好きだけどたまに共感しすぎて読むのが苦しい

    作中で登場はしないけど言及される、元事業家で家族を捨てて画家になった男って「月と六ペンス」に出てくるストリックランドなのか…!?とオタク的なアツさを感じた

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    2022年08月28日
  • ペーパータウン

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    はちゃめちゃな展開だけど、引き込まれた。

    両親からも幼なじみのマーゴの両親からも「いい子」と言われる主人公クエンティンに対し、両親も手を焼くマーゴ。

    卒業を間近に控えたアメリカの高校生、それぞれの思いも生き生きと書かれていると思う。

    ジョン・グリーンを3冊立て続けに読み、もう十分だという気持ちも。

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    2022年08月17日
  • さよならを待つふたりのために

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    最初はなじまない言葉(漢字に原語のカタカナ表記を当てられていたり、"文字通りキリストの心臓"とか)が多くて読みづらかったけれど、3分の1過ぎあたりから一気読み。

    最後まで読んだあと、もう一度読み返すと、主人公や周りの人の感情がうまく書かれている箇所がところどころにあるのに気づきました。

    酸素ボンベをつけたまま車を運転するとか、ちょっと想像が難しいけれど、想像に留めておけるのが本のいいところだとも思います。

    キーポイントの一つだった主人公の愛読書(の作者)についてのエピソード、そして最後の主人公とその両親(特に母親)とのエピソードがよかった。





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    2022年08月13日
  • 最後のひと葉

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    「二十年後」「最後のひと葉」が好きでした。

    後者については、すごく複雑な読後感。
    果たしてあの葉っぱは、
    真の意味で助けになったのか?という疑問。
    より状況が悪化してしまうことだって
    あるのではないか?という危惧。

    やってみないとわからない。
    結局はやられた側がどう感じるかで決まる。

    そんな人生観がありました。

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    2022年07月28日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    海外文学の本を読みたくて、読んでみた。
    原作本、ファンタジー本、、、など分類別に紹介されている。
    もともとフリーペーパーとしてスタートしたとのこと。
    フリーでこの内容、内容が濃くておもしろかった!
    表紙も素敵。

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    2022年07月24日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    ものすごくおもしろい本でした。
    こんなにおもしろいブックガイドがフリーペーパーとして配られていたなんて驚きです。

    最近、海外の作品を読んでいても、なかなか自分に刺さる作品に巡り合えず、ちょうど「読みやすい海外の作品を紹介している本はないかなぁ」と思っていた時に、本書の存在を知りました。

    テーマごとに選ばれた十数冊を翻訳者の方が紹介されているので、説得力を感じました。気になった作品を手に取ってみたいです。

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    2022年07月02日
  • モルグ街の殺人事件

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    ネタバレ

    黒猫は面白い。昔読んだのに詳細は結構忘れてた。
    主人公は、死刑の前日にこの話を書いてること。子供の時は動物好きでおとなしい近所のこどにもからかわれるような子供だったこと、最初は猫を可愛がってたこと、お酒に溺れて最後はあんな結末になるなんて救われない。
    お酒には気を付けよう。
    ウィリアムウィルソンは結局二重人格なのかなびっくり。
    アッシャー家は何故か近親そうかんの話かと長いこと勘違いしてた。リビングデッドか。
    モルグ街は犯人覚えてたけど、やっはり、すごい。
    これが、世界最初の名探偵のミステリ。すごい才能だよ、本当。
    どの話しも総じて最後がなんかドラマチックだな。

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    2022年05月04日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    株に全財産投機して失敗する。家賃が払えず家に戻れれない。金をくれない叔父の死を願う。傲慢でひどい目ばかりあわされる女にいつまでも執着する。こどもができて自分の夢がやぶれるかと怯える。そんな男に特に若い読者は嫌悪感を持つだろう。一方で小心で欠点を気にし先の夢ばかりみている主人公に自分を重ねることだろう。失敗を重ね世間を疎ましく感じた自分が潰れずに、最後は意味ないと感じていた世間に救われる。含蓄ある話だった。2022.5.3

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    2022年05月03日
  • タイムマシン

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    続きが読みたくなる一冊。
    今の世界の物理(超弦理論の最先端まで)や気候危機の状況もウェルズが知っていたとしたら、どんな本を書くのだろう、とワクワクしてしまう。

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    2022年03月31日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    アウシュビッツに関する本を初めて読んだ。同じ人間同士でここまで残酷になれるのが戦争なんだなと思った。作者は、頭脳・体力・運を全て持った稀有な存在だからこそ生き残れた気がする。不死身だ。

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    2022年03月30日