金原瑞人のレビュー一覧

  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    第二次世界大戦下の「絶滅収容所」アウシュヴィッツで、生き延びるため同胞に鑑識番号を刺青し名前を奪う役目を引き受けたユダヤ人の男。彼はある日、その列に並んでいた女性に恋をした。「必ず生きて、この地獄を出よう」と心を決め、あまりに残酷な状況下で自らもあらゆる非人間性に直面しながら、その中でささやかな人間性と尊厳を守り抜くために重ねた苦闘と愛の物語。

    希望を捨てずに、何とかして生き延びる術を探して必死にあがいたユダヤ人を責めることはできない。仮に同胞よりもいい思いをしたとしても、それは決して罪でも何でもない。結局死んだらおしまいなのだし。逆に生き残る理由を彼女に逢えたことで見つけたラリは運が良かったのかもしれない。疲れ果て諦めてもおかしくない状況で、強靭な精神を持ち続けたことに畏怖を覚える。それでも戦争のドキュメンタリーは見られなかった夫婦。そうだよね・・・普通にフラッシュバックしそう。ナチスが行ったことをこうして後世に伝える役を担ったラリの思いに報いるには、私たちが二度と同じ過ちを繰り返さないこと、ただそれだけだ。

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    2024年06月12日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    アウシュビッツ収容所で、被収容者の腕にタトゥーを掘る役目を担っていた主人公。題名から、タトゥーを掘った人たちの人生とかを紐解く話かと思いきや、途中で出会う女生徒の恋愛話になっていく。過酷な中でも人への思いやりや「人を愛すること」ができるんだと、驚きと再認識ができた作品だった。
    もちろん、収容所でおこった残酷なエピソードも書かれている。

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    2024年05月25日
  • 最後のひと葉

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    ネタバレ

    自己犠牲のお話だとは思いたくない。こういう形の傑作もありだと思う。表現方法は人様々。どれだけ納得できたかということではないか。その上で、人に届くか届かないかは、受け止め方次第。受け止めれる人になってほしい。
    歳を重ねてきたせいか、徐々にですが、このお話の感じ方受け止め方が変化してきた気がする。
    医学的所見だけでは解明できない、生きる上に必要なものが詰まっていると感じた。

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    2024年05月22日
  • 熊と小夜鳴鳥

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    物語が動くのが後半からで、それまでは伏線だったり説明だったりが続くのだが面白くなるまでがとにかく長い。(3部作というから仕方ないっちゃ仕方ないが…)
    主人公がテンプレみたいに冷遇されてばかりでもうそれでお腹いっぱいになってしまった。
    続きを読むかどうかは他にも読みたいものがあるのでちょっと悩む…。

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    2024年04月27日
  • 天才たちの日課 女性編

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    女性編ではない方を読んだ方が良かった気がする。天才達は普通であることが難しいのだと思った。それでいいのだ

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    2024年04月05日
  • ドリトル先生航海記

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    大人になってから再度読むと、懐かしさも加わって新鮮な気分でワクワクできました。
    自分ちの庭に動物園を作る空想、私も子供の頃、夜の布団の中でよくしてたなーと思いだす。

    動物の言葉を理解し話すこともできるドリトル先生が、何故動物の言葉を熱心に勉強してるのか聞かれた時に「だって言葉の通じない医者に診られることほど怖いことはないだろ」っていうのがドキッとした。確かに。

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    2024年03月11日
  • 魔女の冬

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    海の王は森の魔女を妊娠させて逃げたクズなのか、魔女が身を隠したのかどっちだ。

    全体的に恋愛要素が申し訳程度で、チョルト達との交流や冒険メインなところが良い。

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    2024年02月10日
  • 塔の少女

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    冒頭の貴族女性たちのバチバチが良いね。オリガがすっかり立派になって。

    マロがワーシャに付き纏っているのかと思ったがワーシャもマロが必要なのか。

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    2024年02月10日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    作家、芸術家、音楽家など、創作活動を仕事にしている著名人たちの"日常"を、彼/彼女らのデイリールーティンから覗いてみる小伝風ノンフィクション。


    朝方の人、夜型の人、専業の人、兼業の人など、ライフスタイルはさまざま。規則正しい生活を保つためだけに別の仕事を続けている人もいたりする。
    夜型の人はやはり不眠や薬物依存に悩んでいることが多く、画家のフランシス・ベーコンが入眠時に古い料理本をくり返し読んでたというのは、心を穏やかにする方法として共感できるし、作風とのギャップで余計に切ない感じがした。「数学者はコーヒーを定理に変える機械だ」と言ったポール・エルデシュのように開き直る人もいたけど。
    ボーヴォワールとサルトルのようなパートナー関係にも注目せずにいられない。直近で読んだ『龍彦親王航海記』から、やはり澁澤と矢川澄子のことを連想してしまう。自分と同じく作曲家だった妻の仕事をやめさせたグスタフ・マーラーや、ともに作家志望の夫と「片方がフルタイムの仕事に就いて生活費を稼ぎ、片方は創作に専念する生活を一年ごとに交代する」と約束しながら、先に売れて専業作家になってしまったカーソン・マッカラーズなど、創作者夫婦の苦悩が印象に残った。
    「日課」とは違うんじゃないかと思いつつ、度肝を抜かれたのはマリーナ・アブラモヴィチ。博物館で座り続けるパフォーマンスのため、夜中に体内の水分をだしきるルーティンを守り、昼間トイレに行かなくてよい体を作り上げたという。パフォーマンスを習慣化し、自分の体を素材にして見せる人の異質さが光っていた。

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    2024年01月26日
  • 問う者、答える者 上

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    ネタバレ

    前作の最後はここで終わるの…?
    だったのに、あっさりみんな生きてた。そりゃそうなんだけど…
    けれど、読ませる力は相変わらずで、どんどん読み進んであっという間に読み終わった。面白い。

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    2023年12月29日
  • ソロー『森の生活』を漫画で読む

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     漂野凪さんの「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」のオーナーそろりさん…この「森の生活」の著者ソローからのネーミング…ということで、興味を持ちました。だけど、私って海外作家さんの作品には苦手意識があって…でも、この作品はわかりやすくってよかったです(いつか、そのうちに…海外作家さんの小説も読みたいとは思ってるんですけどね(汗))。

     著者のソローさんは、仕事をやめ森にこもって自給自足の生活を始めます。本当に必要なものは以外は求めず、自然の恩恵を受けながらその日その日を流れるように、自身のペースで生活することに…。だけど、社会を遮断して生きていたわけじゃなく…だからこそ、奴隷制度などに反対の意志を示すためにも税金をあえて未納にしていたため逮捕されちゃったりもします。それで悲観して…とはならないところが、ソローさんのいいところかな!囚われの身であっても身を任せてあえて外に目を向けるっていうのもいいですよね。

     ・この世界で生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば。
     ・愛より、富より、名声より、真実がほしい。私は本当の豊かさを楽しめる貧しさがほしい。
     ・夢の指し示す方向に自身を持って進み、自分の思い描いた生活をすればー
    普段は思いもよらない成功を手にすることができる。
     ・天国は頭上にもあり、足元にもある。

     ちょっとだけ、私がいいなって思った箇所を抜粋しました。心が豊かであれば最低限の生活でも、本当の豊かさを得られるって、解釈でいいのかな…。共感できるところと、それでもやっぱり生活するにはやっぱりお金もないと…とか、思っちゃうんですよね(^-^;)

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    2023年10月30日
  • 天才たちの日課 女性編

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    前作は睡眠、健康にスポットを当てていたように感じたが、本作は家族関係、マインドに焦点を当てています。
    個人的に前作が好みです。

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    2023年10月25日
  • わたしはマララ~教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女~

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    強い信念を持った少女と伝統を重んじ娘を思いやる母親。母親が読み書きができないのも驚きですし、子どもを思いやる気持ちはどこでも一緒ですね。

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    2023年09月30日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド2 BOOKMARK

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    やったことがないからあくまで想像だけど、各国の背景のみならず、時代や宗教などまで絡んでくるだけに、ただ右から左へ訳せばよいというものではなく、目に見える遥か上の労力が必要となるに違いない翻訳という作業。基本的には自分が気に入った作品を訳するとはいえ、並々ならぬ決意的なものが裏には存するはず。となると、その翻訳者自身が評する場合、批判的なものにはなり得ない。知る限り、書評はポジティブなものが大半だし、本書の趣旨に何ら反対はなく、本作も前作同様、楽しく味わわせてもらったんだけど。そして読みたい本もまたたくさん見つかり、列挙するのも大変な量だったから、本書の中に直接チェックを入れました。

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    2023年08月29日
  • 心のナイフ 下

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    この巻も一気読みした。
    あ、三部作だから続くのね…
    どうなるかな…
    けど、死んだように見えて実は生きてる人何人がいるとか…
    この先も読んでみようか

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    2023年08月27日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    港町シーショーの古びた劇場に
    ここを再開させて街を盛り上げたい
    地元の関係者の紹介で、演劇関係者の夫婦が訪れる。
    ひとり娘のグレイシーは
    劇場のそこかしこに幽霊たちが住み着いていると知り
    彼らから「避難所」の理由を知ろうとするが。

    グレイシーが聞き出す幽霊たちの過去の話から
    シーショーという街の盛衰が見えてくる。
    ちょっと夢と現実が
    入り混じった感じのところもあるけど。

    中でも印象深いメルーシュさんの話…
    悲しみの淵に捉えられている彼女が
    後半まさかの展開で重要になってびっくりです。

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    2022年12月03日
  • スカンダーと奪われたユニコーン

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    従来のユニコーンはゆめかわというイメージだが、今作のユニコーンは血腥い。シリーズ化、映画化が予定されているよう。

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    2022年11月16日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    天才たちの日課…キーワードは「早寝早起き」「早朝からスタートダッシュ」「散歩」「コーヒー」が多かった気がする。
    誰に強制されたわけでもなく、自分で決めたルーティーンを淡々と過ごしているように見える。その中で、アイデアや素晴らしい作品が生まれてくるのだろう。

    ヘンリー・ミラーは決まったスケジュールを守ることが毎日の創造的なリズムを作るためには重要だと強調した。「優れた洞察力が働く瞬間瞬間を維持するには、厳しく自己管理をして、規律ある生活を送らなければならない」という言葉が印象的。

    村上春樹のルーティーンは、午前4時に起き、5,6時間ぶっ通しで仕事をする。午後はランニングか水泳、雑用を片付け、読書したり音楽を聴いたりして、9時に寝る。この日課を毎日変えることなく繰り返すこと自体が重要。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく。深い井戸の中に入っていくんだね。

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    2022年10月30日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    装丁が好きな感じだったのと、YouTubeで紹介されてて気になって読んでみた
    海外作品がなんとなく苦手な私でも楽しく読めた
    でもやっぱりわかりづらいところもあって、そこは翻訳ものは仕方ないのかな…?

    舞台を見に行きたくなってきた

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    2022年09月05日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    フィリップの医学修業期の友人関係やミルドレッドやノラとの恋愛、特にミルドレッドの悲惨な人生に巻き込まれる絶望の日々、金銭的な限界状況下、度重なる裏切りにも拘らず最後までミルドレッドを扶助するフィリップの懊悩。
    最悪の状況下、アルセニーに助けられ危機を脱出し、伯父からの遺産相続も実現し、誠実で着実な娘のサリーと結ばれる。
    足の不具等のハンディを超えて医師になり自由に世界を旅する夢に向かって、生き方を模索し人間を磨く青春の物語。

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    2022年08月13日