金原瑞人のレビュー一覧

  • 文学効能事典 あなたの悩みに効く小説

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    こんな気分のときにはこの本がおすすめ!という内容。出てくる本はすべてフィクションの小説で、自己啓発本などが入っていないのがよかった。洋書なのでもちろんお勧めされている本もほとんどが海外の名作だが、安部公房や村上春樹などちらほら日本人作家も紹介されている。

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    2017年11月16日
  • ペーパータウン

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    高校生の僕クエンティンは、幼なじみのマーゴに恋している。マーゴは学校の中心にいて、イケている奴らと付き合っている。一方クエンティンの親友はベンとレイダーの二人。イケてはいない。卒業間近にクエンティンはマーゴのミッションを手伝うことになる。内容はマーゴの取り巻きに対する決別を込めた復讐だった。
    その翌日からマーゴは姿を消してしまう。クエンティンのマーゴ探しが始まる。
    私はクエンティンのマーゴを見つけなくちゃという焦りを、滑稽に思ったり、マーゴの意志の強さに驚いたりしながら読んだ。
    途中、搜索が進展しないので中だるみに感じたが、クエンティンとベンとレイダーとレイシー(マーゴの元親友でベンの彼女)の

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    2017年09月01日
  • さよならを待つふたりのために

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    アメリカのヤングアダルト小説をあまり読んだことがないので、この作品のトーンが一般的なのかそれとも特殊なのかわからないのだが、面白いけどちょっと読みにくいというのが率直な感想。
    「じぶんが手榴弾になりたくない」という表現、「電話のときだけ入れる三つめの空間に一緒にいる」という表現など、とても魅力的。でも、オランダ人作家の様々な比喩などがちょっと難解過ぎない?そういう分からない話をする嫌な人、っていう設定ですが。
    とはいえこのオランダ人作家がうまく効いているのは確か。何の役にも立たないのに、彼を巡って話が展開していく。

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    2017年06月15日
  • アルバート、故郷に帰る 両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと

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    1930年代の米国。炭鉱の鉱夫のホーマーと妻のエルシーは、ペットのワニ、アルバートが大きくなったので故郷の川に帰してあげる旅にでます。
    銀行強盗や労働紛争に巻き込まれたり、野球選手や看護婦になったり、スタインベックやヘミングウェイと知り合ったり、まさに波乱万丈。アルバートの帰る先はどこ?

    なんとも奇想天外なお話。楽しめます。

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    2017年01月19日
  • ジャングル・ブック

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    子どもの頃に読んだ「ジャングルブック」を思いだし、何とも懐かしかった。

    当時読んだのは小学生向け(たぶん)のヤツだったが、主人公なんかも正義感あふれる少年に描かれていた(たぶん)気がする。

    今回の訳では、登場人物(多くは動物)の感情の機微なんかがリアルに描かれていて、大人版として、とても楽しめた。

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    2016年07月01日
  • さよならを待つふたりのために

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    映画を観て、素晴らしかったので、原作も。
    訳者あとがきにカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」をこの物語を読み終えたときに思い浮かべたと書かれていましたが、その通りだと思いました。死と隣り合わせによる生の捉え方は似たものを感じます。

    これはかわいそうながん患者の子どもの話ではなく、ヘイゼル・グレイスとオーガスタス・ウォーターズの恋物語でした。決して非日常ではなく、日常の物語。そして可能性の物語。ヘイゼルは可愛くてちょっと理屈っぽく偏屈気味。オーガスタスはイケメンだけど象徴にこだわるキザな男の子。いちばんすてきだったのは、ふたりをめぐる友人たちの日常と、プラスして障がいをネタにジョークを平気

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    2015年12月30日
  • アーサー王物語

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    面白かった。アーサー王よりランスロット物語というくらいの比重。
    訳も良く読みやすい。たくさん書かれている『アーサー王物語』読み比べしてみたい。

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    2015年11月15日
  • さよならを待つふたりのために

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    切ない恋の物語。そんな簡単なタグでは括れない一冊。

    がんに侵された哀しく切ない、二人のティーンの物語。
    と聞くといかにも儚く美しい...なんてイメージを膨らませますが、
    ただたまたまその境遇に置かれているだけで、他の10代と同じように、
    ちょいと親に反抗してみたり、悪いことしてみたりetc
    日常生活が、彼らにも同じように流れていく。

    日々がたんたんと描かれていくので、
    冗長に感じてしまう人も知るのかもしれないけれど、
    自分は単なるお涙ちょうだいの、美しく装飾されたものでない、
    ありのままが描かれている気がして、楽しく読み進んだ。

    特に登場人物の使う言葉のセンスに惹かれ、
    火をつけない煙草

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    2015年08月15日
  • さよならを待つふたりのために

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    考え方の違う二人の話でした。だけど二人とも死に向き合っていました。ただ癌に力強く立ち向かうだけじゃなくて、時には小さな子みたいにも泣きわめいたりもしていてただ綺麗なだけの話ではなかったです。
    映画も見てみたくなりました。

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    2015年07月14日
  • さよならを待つふたりのために

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    「きっと星のせいじゃない」という映画の原作。電車の中刷り広告で存在を知り、まずは原作からと思って読んでみた。ありがちな設定だから期待しないで読んでたけど、予想外の面白さ、ストーリー。

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    2015年05月17日
  • 人という怪物 下

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    ちょ、ちょっと待ってね……うわあ…首長…まじかよ……
    途中、首長可哀想…という思いが止められなくなってきて笑った。日本の作品の主人公ならあんだけ熱心に口説かれたらちょっと絆されちゃいそうなもんだけど、きっぱりしたもんである。
    本当にな…タイミングがな…笑えるレベルでかわいそう。
    しかし面白かった!
    終わり方もいい。
    「親」ってものの存在がすごく大きい作品だった。

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    2015年10月18日
  • 問う者、答える者 下

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    デ…デイヴィ…。あああー…。
    今回やばいな…。すんごく面白かった…。
    デイヴィ…あの野郎…うううあんなやつなのに…。くそう好感度ダダ上げにしてきやがって…。なんなのあいつ…くそっ…

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    2015年10月18日
  • さよならを待つふたりのために

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    ネタバレ

     がんを患う若い二人、ヘイゼルとオーガスタスの恋物語。ていうか、二人の恋愛を通じて、生きること、死ぬこと、愛すること、なんかについて書かれた本。
     感動の話を期待していると、どんでん返しがいくつかある。でも、いわゆる奇跡は起きない。
     私は自分自身や身近にがんを患う人がいないので、がん患者のリアルがどういうものかよくわからないのだけれど、この本は結構、そのリアルにこだわっているように思う。たとえば、がん患者のトロフィーとか(いかにもアメリカらしい)、ウイッシュ(これは日本でもある)とかについて、文句なく素晴らしいものとしては描かれない。当事者はそれらについて、うさん臭く思っている話が出てくる。

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    2015年04月19日
  • さよならを待つふたりのために

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    骨肉腫で片足を切断したオーガスタスと肺に腫瘍があり人工呼吸器が手放せないヘイゼルは癌患者の集まりで出会い惹かれあう。ヘイゼルが好きな小説は癌患者の女の子が主人公の「至高の痛み」。その一節を引用したり好きな詩を諳んじたりする文学少女のヘイゼル。オーガスタスもヘイゼルの好きな小説を気に入りその結末が知りたくて、著者のいるオランダへ二人で会いに行くが・・・。死と向き合う若者の話で重苦しいのかと思いきや、病気とともにあってもお互い思い合う気持ちの強さと輝きにあふれた小説だった。「傷つくかどうかは選べない。でも自分を傷つける人を選ぶことはできる。」相手を傷つけるというのは、やがておとずれるであろう死とい

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    2015年03月29日
  • さよならを待つふたりのために

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    単純な闘病お涙頂戴ではない、という評価を聞き読んでみた。
    病気になるって、健康な人からは見えない部分が色々あるんだよなって改めて思う。
    弔辞のところがぐっとくる

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    2015年03月02日
  • アーサー王物語

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    アーサー王伝説について書かれた物語を読んでみたいと思い探していたときに出合った本です。

    スケールの大きなアーサー王の遠征あり(アーサー王がローマ帝国を征服していたとは知りませんでした)、騎士たちの冒険行とロマンスあり、聖杯探求の神秘的なエピソードありでとても魅力的なお話でした。

    キリスト教徒の物語なのですけど、魔術士、巨人、神秘的な現象等、非常に異教的なモチーフが多く取り込まれており、それがこの伝説に独特の雰囲気を与えている気がしました。

    挿絵もこの神秘的な伝説の雰囲気に合った作風で、物語をさらに素晴らしいものにしています。

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    2015年01月22日
  • タイムマシン

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    ネタバレ

    とても有名なお話ですが、今回初めて読みました。
    読み終わった時は、なんとも言えない気持ちになりました。

    想像していたのは、ドラえもんで見るようなドキドキハラハラ!愉快な冒険ファンタジーを想像していたのでとても衝撃的でした。本当に怖い、でも続きが気になってしょうがなくて、猛烈な勢いで読めました。

    後味がなんだかすっとしない、背筋がひやりとなるような展開でしたが、とても面白かったです。

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    2014年04月25日
  • 人という怪物 下

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    ネタバレ

    首長、粘着質でちょっときもいハゲオヤジ(そして肌がつやつや)を想像して読んでたけど、長身美形を思い描いていたらまた感じ方が違っただろう。
    この物語のすべての元凶にして、超重要人物。
    その狂信的なカリスマ性が魅力でもある。
    死に方なかなかいいじゃん。首長グッジョブww

    ミストレスコイルは、最後までブレなかった点は評価できるけど、その分人間としての魅力が半減。これも"人という怪物"だということか。

    けっこう登場人物死んでるし、リーは目はえぐられてるし、残酷な演出よかった。
    ボーイミーツガール、試練、絶望、諦め、混乱、そして希望。
    アニメ化したらおもしろいかも。


    …パスウ

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    2014年02月03日
  • 人という怪物 上

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    スパクル視点が出てきておもしろくなってきた。
    ランド、スカイ、パスウェイ、クリアリング…スパクル世界の用語が
    新鮮でよい。

    どこかのページで誤植発見。(下だったかも)
    首長の会話かなんかに3がまぎれてた。

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    2014年02月03日
  • 人という怪物 下

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    自分の読書歴上ハリーポッター以上にわからんちんの主人公で苛立つことこの上なしの作品。その分ヒロインが出来すぎかも。でも3部作読まずにいられなかったのは、それだけの力があるからなんだろうなあ、とも思ったり。いろいろな設定の謎に驚くべき秘密があるわけではなかったり、大事な秘密が隠れているわけでもなく、ただ人の営み(愚かさ)ゆえってところが、哀しみと感動を出しているのかなー。新しいようでスタンダードな話でした。

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    2014年01月23日