金原瑞人のレビュー一覧

  • ファイティング・チャンス

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    イギリスのヤングアダルト本。散文詩で書かれていてさくっと読める。
    ボクシングをやるように仕向け、一緒に走ってくれて、加害者に仕返しまでするお父さんが素敵。
    お母さんは弱いけど優しい。
    娘をしっかり守っていていい両親だな、と思う
    自分に勝ち、いじめっ子に勝った主人公はかっこいい。

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    2025年11月01日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    フィリップの愚かさ、醜さにイライラことも多い

    客観的に見れば愚かでも、自分の内側にもある嫌な部分、過去の失敗がチラつくので不思議と他人事には思えない。

    自分ではコンロトールできない大きな流れに
    翻弄されながら、もがく姿も今の自分と重ねてしまう。(フィリップは比べられないぐらい悲惨)

    裏切り、裏切られ、救われ、救い 絡れながら
    それでも生きていく。

    いくつも大切な一節がある、
    繰り返し読みたい一冊。

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    2025年10月17日
  • ソロー『森の生活』を漫画で読む

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    現代化にあらがった人の個人的な実験。
    そんなふうに暮らしてみたい。この一言をえただけで、この本には価値がある。

    ◎我々が常に勉強しているのは、高価なものを手に入れるためではなく、時々はもっと少ないもので、満足するためではないのだろうか

    —-
    ・生活をシンプルにすれば、それだけ普遍的な法則がシンプルに見えてきて、孤独は孤独で亡くなり、貧しさは貧しさでなくなり、弱さは弱さでなくなる。

    ・人生の本質的な部分にだけ直面する

    ・どうすれば、自分を偽らずに生きられるのか、自分の正しい目的を達成するための自由を失うことなく

    ・この世で生きていく事は、苦行ではなく遊びなのだ。シンプルに賢く、生きてさ

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    2025年09月21日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    主人公フィリップの、10歳〜30歳くらいまでの物語。幼少期に両親を亡くす不幸に見舞われながらも若さゆえの大志と自信を抱いて運命を切り開いていくかと思いきや、思うようにいかない現実を知り、挫折を繰り返しながら大人になっていく。

    作品の中でフィリップは神を拠り所にしない自我を獲得していくが、主人公を見守る神のような視点から物語は語られる。

    不条理の権化ミルドレッドが何度も介入し、さまざまな運命に翻弄され、自分ではどうすることもできないことがあることを知りフィリップは成長していく。
    経験したことは力となり、人生を少しづつ織り重ねながら、そのときそのときに価値を感じることを大切にしていけると良いと

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    2025年07月23日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    天才たちは、散歩する人が多いんだなぁ、という感想。
    あと、現代人は働きすぎだなとも思いました。特に最近はAIの発展により更に高い生産性が求められるけど、散歩して友達に手紙書く日常のほうが人間らしいよねぇ、と思う。

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    2025年06月20日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    下巻は非常に面白かった。ミルドレッドとのいざこざ、株で大損をしたことによる極貧生活、医師としての活動、叔父との関係など様々なことを通じて、フィリップが人間として変化していく模様を描いている。

    印象に残った箇所は数多くあるものの、一つあげるとすれば最後の箇所である。
    >自分にできるのは、人のよいところを受け入れ、人の過ちに耐えることしかない。死を目前にしたイエスの言葉が記憶によみがえった。

    あれほどキリストや牧師になることを否定したものの、最後は隣人愛のような考えに至っていく過程が非常に面白い。

    ペルシャ絨毯のように複雑模様を織りなすことが人生も良いが、普通に平凡な人生を歩むこともま

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    2025年05月29日
  • 熊と小夜鳴鳥

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    ネタバレ

    久しぶりの翻訳物だったからか、最初取っ付きにくかったけど、気がつけば、【土着の信仰と都からもたらされた正教の狭間で、悪しき物の影がちらつく極寒の地】にどっぷりとハマっていた

    読み終わってみれば領主である父親の分かりにくい愛情とか、継母の寄る方なさとかが哀しい

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    2025年05月07日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    ミルドレッドに振り回される主人公にイライラしながら早く手を引きなさい!と思いながら読んだ。文学作品はどうしようもない女性に振り回されがち??フィリップは理性的かと思いきや激情型で、ツッコミを入れながら一日で読んでしまった。
    どうしようもない恋愛、身にならない画学生としての生活、医者として患者の生死に向き合う日々、友人たちの死、そして困窮した生活を通して自身の人生哲学を深めていく。フィリップは自身の人生からこの答えに行き着いた。すべての経験が彼の人生を形づくり、一つとして無駄なことはない。人生の意味とはそういうことなんだと思った。誰もが生きて成長して死ぬ過程で、様々な境遇で違う経験をして、そこに

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    2025年04月19日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    人はここまで残酷になれるのか、というのは衝撃だった。

    でも、この本のすごいところは、助けられたことや助け合ったことへの感謝にあふれているということと、どんな時も希望を失わないことで生き延びた、ということだ。
    私が言葉にするとありきたりな言い方になってしまうのだけれど、この人の言葉は、重みが全く違う。

    人にもおすすめしたいのだけれど、心が元気じゃないと読みすすめるのが辛いだろうか?それとも、逆に希望のようなものが得られるだろうか?

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    2025年03月15日
  • サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命

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    サドと作品に関するテレビを観た後、この本を目にした時はゾワっとした。まるで小説のようなノンフィクション。一つの章が20ページほどにまとめられているので読みやすかった。

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    2025年03月03日
  • ユードラ・ハニーセットのすばらしき世界

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    2025年スタートにこの本に巡り会えて良かった!
    祖母に育てられたこともあってか、ユードラ!負けないで!と感情移入してしまった。

    最初は、ユーモアあるユードラとローズ等の温かい交流がディズニーみたいと微笑ましく読んでましたが、少しずつ明かされるユードラの過去が物語に緩急つけました。

    時として人の言葉は呪いともなる

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    2025年03月03日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    自分なら人生を諦めてしまいそうな場面でも、生きること、愛することを諦めなかったストーリーに感動した。フィクションであるということから、まだまだ描ききれない心情や場面などもあるとは思うが、生活を詳細にイメージすることができた。恥ずかしいことに、これまでユダヤ人、アウシュビッツという名前しか知らず、何が起こっていたかに関心を持ったことがなかった。非人道的なことが行われていたと教科書で知った程度で、そこには温度がなく、キーワードとしてわたしの記憶に残っていただけだった。他の書籍もぜひ読んでみたいと思ったし、宗教というものについても知識をつけたいと思った。DE&Iや多様性という"キー

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    2025年02月10日
  • 天才たちの日課 女性編

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    恥ずかしながらココ・シャネルが貧しい家庭に生まれ、思春期を孤児院で過ごし、正規の学校教育をほとんど受けなかったことは知らなかった。

    マーガレット・ミッチェル
    「簡単に書けないし、書いたものもちっとも気に入らない」
    「書くことはほんとうに大変なの。毎晩、苦しんで書いても、2ページがやっと。翌朝、それを読み返してみると、ここもあそこも削除、削除となって、結局六行くらいしか残らない。それからまたやり直さなくちゃならない。」
    風と共に去りぬの場合、各章とも少なくは20回は書き直したという。風と共に去りぬは何百万部も売れ、映画も作られ、ピューリツァー賞も受賞したが、ミッチェルは二度と小説を書こうとしな

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    2025年01月26日
  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

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    長編小説を書いているとき村上春樹は午前4時に起き、5.6時間ぶっとおしで仕事する。午後はランニングをするか、水泳をするかして、雑用を片づけ、本を読んで音楽をきき、9時に寝る。
    この本に出てくる執筆をする人は朝方が多い。

    ジャン・ポール・サルトルは仕事は午前3時間、午後3時間と決めていた。
    それも良いかもしれない。

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    2025年01月26日
  • いまを生きる

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    常識をフォローするのではなく、疑って自分の頭で考えよ。そして、今を生きよう。カルぺ・ ディエム。キーティング先生と、彼に親しみを覚えた学生の素晴らしい関係。学生は皆、自分で考え、後悔のないように行動していく。感動の青春小説。こんな先生に、高校の時に会いたかったなあ。

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    2025年01月11日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    フィリップの生い立ちから少年期、青年期、壮年期を描く
    淡々とかつシンプルに、それでいて丁寧に
    ここまでの大作になると物語をどう収束させるのかが途中から気になって仕方なかったけど、読み終わっても納得

    周りの人のせいで苦労しているようでいて、読み手からするとフィリップ自身のせいであると読み手は感じ取れる

    名作を読んだなーと感じ

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    2024年12月07日
  • 塔の少女

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    故郷を守る代償に、故郷を失ったワシリーサ(ワーシャ)。冬の王から与えられた馬(ソロヴェイ=小夜鳴鳥)と共に旅に出る。男装したワーシャはふとした偶然から次兄アレクサンドル(サーシャ)と再会する。サーシャは母方のいとこドミトリーと行動を共にしていた…。

    第2巻のモチーフは"火の鳥"です。そしてワーシャたちの亡き母が"イワン1世の娘だった"という筋立が物語に奥行きを与えて行きます。モスクワへ嫁に行った姉オリガとその娘マーシャも重要な役割を果たします。

    ワーシャがぶつかる難題の数々は余りにも過酷で目を背けたくなる所が多々あるのですが、張り巡らされた伏線が少し

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    2024年10月02日
  • 熊と小夜鳴鳥

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    私好み!大当たり。全3巻でおよそ1600ページの歴史ファンタジー。しかも舞台は1370年頃のロシア(モスクワ大公国)イワン2世〜ドミトリー•ドンスコイの時代。日本では『全く』と言い切ってよいレベルで知られていない。従って人にはお薦めできない(笑)でも面白い!

    著者はアメリカの女性作家。大学でロシア語を勉強し、ロシア留学もしている。そのため本書はロシアの歴史や風土はもちろん、昔話や伝承なども下敷きになっている。第1巻は"麗しのワシリーサ"や"森は生きている"などが隠し味のように織り込まれていて、その辺も私好み。好き!

    主人公ワシリーサ(ワーシャ)は、亡

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    2024年10月02日
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方

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    ホロコーストの奇跡的な生存者、希望を失わず決して諦めない、希望あるところに命あり命あるところに希望がある、何かを与えれば何かが返ってくる。
    自ら助くる者を助く、心を明るく前向きにしてくれる本だと思う。

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    2024年10月01日
  • アウシュヴィッツのタトゥー係

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    生きているすべての人に読んでほしい。

    現代に生きる私たちは、ナチス・ドイツが1933年〜1945年まで続き本作の主人公が収容されたアウシュヴィッツは1942年〜1945年までと、始まりから終わりまでを知っている。
    本作の主人公は、いつこの日々が終わるのか、解放され自由になるかはたまた5分後には死ぬか、なにもかも分からないまま、アウシュヴィッツでの日々を克明に語る。

    結果として、運が良かったとしか思えないような状況をいくつもかいくぐり生き抜いて、現代にこの記録を残している。

    髪を剃られ、服を剥ぎ取られ、名前を奪われ数字で呼ばれ、生きるか死ぬか殺されるか、まるで“偶然“が生死を分けるかのよう

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    2024年09月16日