金原瑞人のレビュー一覧
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アウシュビッツの生存者の話を初めて読んだ。
何が起きたか知る必要があるとは思っていたが、あまりにも悲惨で目を覆いたくなる現実から目を背けていた。
けれど、この本のタイトルと表紙から明らかなポジティブなメッセージを見て、読んでみた。
読んでよかった。
人間はここまで残忍になれるのかと信じられない思いと、著者エディ・ジェイクが生き残ったのは奇跡である。いつ死んでもおかしくなかった。死なずに生き残ったのは、父が残してくれた「技術」と、「友情」と、絶望の中に与えらえた他人からの「小さな優しさ」であっただろう。
世界は知る必要がある、何が起こったのかを。
絶望を知る彼が教えてくれてることを受 -
Posted by ブクログ
今まで読んできた本の中でもっとも衝撃を受けました。アウシュビッツから生還した著者の語る言葉は、想像を絶する話ばかりで、胸に重く残るものを感じます。
私はどちらかというと、性善説を信じて生きてきた人間ですが、この本を読む限り、人間はとことんまで残酷にもなれるのだということがよくわかりました。
それでも著者は言います。「憎んではいけない」と。彼がナチスに対してやった復讐は、「自分が幸せになること」でした。
そのような心がけがあったからこそ、著者は壮絶な過去から立ち直れたのだと思います。
「生きていることが素晴らしい」、平和ボケしていると、つい、そんなことを忘れて、罰当たりな生き方をしてしまい -
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甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが離せないヘイゼルと、骨肉腫で片足を失ったオーガスタスの二人は、がんと闘う子供たちのサポートグループの集会で出会います。
お互いに病気を抱えているからこそ、同情されることや「異質な存在」として見られたり扱われたりすることに敏感ですが、互いに相手のありのままを理解するようになり、ひかれあい、愛し合うようになります。
若いがゆえに、病の進行も容赦がなく、二人に残された時間は長くありません。残された方を傷つけることを恐れたり、かえって「自分を傷つけてもよい存在として相手を選んだ」と考えてみたり。
死が身近であるからこそ、自分の生き方、自分が死んだ後の家族や恋人のこ -
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ネタバレ父はよく言っていた。「人生で大切なことが1つある。幸運は分け与えるもの。それだけだ」
統一ドイツ帝国初代宰相のオットー・フォン・ビスマルクはかつて世界に向けて「ドイツ人に気を付けろ」と警告した。良い指導者が率いれば、ドイツは地球上で最も偉大な国になるが、悪い指導者が率いれば、恐ろしい怪物になる
私を大事に思ってくれる誰か、私が大事に思っている誰かが、この世にいるとわかっているだけでよかった
人の営みの中で最も素晴らしいのは、愛されることだ
アウシュビッツには過去も未来もない。ただその日を生きるだけだ。生き地獄のようなような状況に適応できなければ、生き残れない
苦しんでいる人を助けるのは幸運な人 -
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「トリスタンとイズー」を読んで、サトクリフでアーサー王伝説シリーズ読もうかなと思ってはいるのですが、
ちょうど仕事でこの、金原瑞人先生訳に出会ってしまい、ぐいぐいお話が進んでいくんで、あっという間に読み終えました。
あの、有名なシーン、アーサー王が名剣エクスカバリーを岩から抜いて後、ブリテン全土の王となり、
その後サクソン人やアイルランド、ノルウェー、フランスと近隣の国をどんどん征服していく。
そこには、騎士たちのめくるめく戦いがあり、馬も騎士もざくざく殺される。
最初は恐ろしかったけど…
いやあ、騎士道って素晴らしい✨
女、子ども、丸腰の相手、倒れた相手を殺すような -
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前作は、初めてのマインクラフト、という感じだったが、今作はマイクラをやり慣れた人向けの小説だった。
お陰で「エンダーマン」など敵の姿の描写があまり無いので、プレイしていないとわかりづらいと思う。
でも、小説としては面白い。
事故で大怪我をした主人公がVRで脳波で操作するマインクラフト。マイクラをプレイするのは健康な子ばかりじゃない。病院で動けない子もゲームはできるんだ、と思い出させてくれる。実用化はまだ難しいと思うけど、動けない時はうれしいだろうなぁ。
そしてロニーの謎。
主人公がなかなか向き合えない問題なのだけど、友達もそして読者も、だんだん薄々わかってくる。けれどみんな、彼女が自分で決める -
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いつぞや、たまたま立ち寄った出張先の書店で、表紙のイラストと、CDサイズのかわいい装幀に惹かれて、”これが無料とは!”って、ちょっとビックリしながら手にしたのがBOOKMARKとの出会い。その号では、はじめ書きの担当が村上春樹のときだったんだけど、そんなビッグネームが寄稿しているのも衝撃だった。一冊にまとまったということで早速入手し、通読した次第。YA作品からガッツリ文学ものまで、かなり広い範囲からセレクトされている作品たちも見もので、かつ新刊という限定もないから、個人的には理想的な選出に思える。まだ触れたことのない作品が殆どだし、これからの大いなる参考としたい。
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Posted by ブクログ
翻訳本を翻訳者が紹介するというフリーマガジン12冊分が1冊の書籍になってます。
フリーマガジンを企画・編集・制作した翻訳者お2人と、デザイナーでありイラストレーターであるオザワミカさんの鼎談も掲載されていました。
鼎談で初めて知ったんですが、フリーマガジンBOOKMARKって、凄い部数印刷されているんですね!そして、人気があって手に入らないこともあるんですね!…私はオザワミカさんのギャラリーで、いつも苦労なく入手できていたから、そのありがたみを知らなかった!
で、中身の話。
実は、私は、このBOOKMARKを手に取る前までは、翻訳本をあまり読んでなかったのですが、翻訳者さんが書く紹介文 -