木原音瀬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ連作(三部作)新装版の二冊目。
昔の本は入手困難であり復刊希望が多かったということで、わりと初期にでた(と思う)作品で新装版になるにあたり書き下ろし短編がひとつついてます。一冊目と主人公が変わってます。
本編(鬼畜なお医者さんと耐える受け)、本編と関係のない兄弟のお話(つんでれ)、ショートストーリーが3つ。
最後の書き下ろし短編は次へと続く話の布石という形になってます。
昔読んだ記憶を総動員して次の巻の話を少し思い出したかぎりでは確か次もこの本と同じ鬼畜なお医者さんがメインだったはず。たぶん。
三ヶ月連続刊行ということで来月が待ち遠しいです。
-
Posted by ブクログ
松岡は自分勝手だし寛末は優柔不断だし、どちらにもイライラするし焦ったくなるけど、もし自分が同じ立場に立たされたら同じように苛立ったり悲しくなったり嫉妬したりするんだなと思う。
寛末に拒絶されて松岡が傷つく度に一緒に切なくなる。
でも好きになった女性だと思っていた人物が実は男性でしたと聞かされた寛末のショックと怒りもわかるから松岡だけに同情もできない。
同じ人間で性格は変わらないのに、男か女かというだけでこんなにも恋愛には壁ができてしまうのかと考えさせられた。
ただ女性よりも美しく、誰もが見惚れて、間近で見てもバレなくて、抱きしめられてもバレない女装…?それは無理がないか?という違和感が拭いきれない。
実際の女装した男性って、どんなに華奢でもいくら喉仏を隠して声を発さなかったとしても、どう頑張っても手とか骨格でわかっちゃうだろうし…
小説だからと割り切れないくらい気になってしまって、いまいちのめり込めませんでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「箱の中」、続編である「檻の外」、その間の話としての「脆弱な詐欺師」の3部作。
まず、「箱の中」の完成度は高い。後書きでBL作品と知り納得。ドギマギしてしまうような官能的な描写も雑食である私は楽しめた。BLに抵抗のある人に響くものなのかはわからない。でも、真面目で真っ当に生きてきた平凡の極みのような主人公に対し、普通に生きていたら主人公の人生とは交わるはずのなかった悲惨で凄惨な過去を持つ男が向ける狂気じみた執着と欲。エモい。BLは精神性を重要視するというが、まさにこの作品はそこに非常に訴えかけてくる完成度が高いものであった。
ただ、残念ながら続編の「檻の外」の出来は良くない。“家族を作ってしまった主人公とそれでも真っ直ぐに思い続ける男、その2人の大円団“ありきで、そのために周りが動かされている感がどうしてもある。BLと知らずに読んでいたので、最初は喜多川が家族をめちゃくちゃにしたらどうしようとハラハラしていたが、妻の浮気を匂わせる描写のあたりから、主人公と喜多川をくっつけるための流れを感じて幻滅。主人公の娘が行方不明になった時は、(物語を都合よく進めるために用意される可能性がある)最悪の結末を想像して物語とか関係なく絶望的な気持ちになったし、読み進めている間もずっと絶望していた。結果としてやはり想像通りになった時は本当に本当に読んでいられない気持ちになった。自分にも子供がいるから感情移入しすぎたのかもしれないが、やはりちらりと自分の身に置き換えて頭をよぎり気分が悪くなった。そこまで感情移入させるのもすごいのかもしれないが、結果として物語の結末に子供がいたら大円団になりにくいから?主人公に責がないような形で離婚にすすめるため?あんな事件が起こったのかと感じられて、子供の死を、そしてそうなった時の親の気持ちを軽んじすぎている気がして読後感は最悪だった。私は幸にして子供を亡くしたことはないが、大人になってから大切な家族を事故で亡くした経験がある。その直後、絶対にセックスなんかしたくないと思うんだけど。
「箱の中」だけでよかった。
箱の中は星三つ、檻の外は星ナシ。 -
Posted by ブクログ
マイノリティな性癖を持つ二人のストーリー。
ペドフィリアの性癖を隠して身内に迷惑をかけないよう生きる男と若い頃に衝動に駆られて一線を超えてしまった元小学校教員のホームレス。
ただ胸糞悪い話のではなく、マイノリティの性癖を
持つ者の葛藤や悩みが描かれていた。
ホームレスののぶさんは、幼少期にちょっとした事が引き金になって、幼児を性の対象となってしまった過去が分かったが、もう一人は過去が明かされなかった
のぶさんは、性癖以外は優しい性根の男であり、最期はホームレスゆえに身体を壊して亡くなってしまう。過去を振り返るエピソードに悲壮感が潜む
初の作家さんだが、非常に読みやすい文章で色々と
考えさせられる内容の濃い作品だった。 -
購入済み
まじでヤクザの生き様が1ミリも理解できないな、という感じで、すごく冷めた目で読み進めてしまいましたが、ここまでリアルに描写できるのは、純粋にすごいなと思いました。