【感想・ネタバレ】COLD HEART in NEWYORK【イラスト入り】のレビュー

あらすじ

秋沢のことを本当に好きになってから二人甘い蜜月を過ごしていたが、ある日秋沢のスキャンダルが発覚。楠田が問い詰めると、彼は悪びれもせずに関係を持ったと口にした。それを悪いとも、そもそも浮気とも思っていない秋沢に楠田は耐えられず別れを切り出すが、彼の極端すぎる執着に楠田は…。好きだけど、愛しているけど、一緒にいられない――。COLDシリーズスピンオフ、単行本書き下ろしも100ページ超収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

予想以上に糖度の高い前編から、一体どんな酷い展開が
待ち構えてるのかと、ありとあらゆる想像を巡らせて
読み始めた後編ですが……。

いやぁ……予想の斜め上いきすぎてたわ。

酷いなんてもんじゃなく、痛い。
アイタッ、アイタタタッ!
って感じで身も心も痛い。
楠田が気の毒すぎて、前編でちょっと可愛いなと思った
秋沢、じゃないアホ沢、楠田じゃないけどこいつ本当に
死ねばいいのに、とまで思いました。
普通のBLだと強姦輪姦された受って、怖がりつつも攻に
お清めエッチされてめでたしめでたしなんですが、そこは
やっぱり木原さんでした。
そうよね、これが普通の反応なのよね、と妙に納得。
とにかくこのアホ沢、いや、クズ沢か……?
歴代クズ攻の中でもぶっとんでます。
谷脇、廣末を越す私の中でのクズ攻認定トップの勢い。
話が通じないを通り越して、まるで人形に話しかけてる
気分になるくらいに、この男には自分が言ってることが
通じないのです。
そんな話が通じない、理解してもらえない、感情の振り幅が
極端すぎて、言葉を間違えたら殺される……という男から、
楠田はついに逃げ出してからの書き下ろし。

ここまではアホ沢ざまぁ、と胸がすかーっとしてたんですが、
視点がアホ沢になったと同時に……な、なんでしょう。
なんでしょう、この胸苦しさ。
今度はアホなのにアホ沢が可哀想なキモチになって
しまいまして。
完全にほだされてしまった私は、楠田の気持ちがわかって
しまいました……。
怖くて、怖くて、どうしようもないトラウマまで抱えても
なお、勇気を振り絞った楠田に涙が。
そして楠田の前に頭を垂れたアホ沢の、少しだけ変わった
姿、そのうなじに涙を落とした楠田の姿、ラストのページが
あまりにも美しくて、読み終わって余韻に浸りながら
表紙を見ると涙腺が……。

あとがきで木原さんが前編は甘口で後編は辛口とか言って
ましたが、そんな甘いもんじゃないです。
確かに前編は木原さんにしてはカレーの王子さまかって
くらい甘いですよ。
でもでも後編は、例えるなら本格インドカレー店の辛さ
レベル100倍(激辛)だと思うんですよ。
そのくらい痛苦しく見てられません。
でも見てしまうこの不思議。見ずにいられません。


このふたりが、というか秋沢がどんな風に少しずつ変わって
いくのか、是非とも続編を希望したい。
同人誌の方はまだ積んでますが、これから読みたいと
思います。
久しぶりに大満足したお話でした。
インターバル走を限界まで走らされた気分。

執着攻、ヤンデレはBLでは1ジャンルとして確立されてて、
それを得意とする作家さんもいますが、このアホ沢は
それを遥か凌駕するレベルのヤンデレ執着です。
突き抜けてすぎてて背筋が寒くなります。
好みが凄く分かれる話だとは思いますが、私はCOLD
シリーズ全部本棚に並べてにやにやコースでした。

2
2014年09月11日

Posted by ブクログ

やはり東京編は嵐の前の静けさだったらしい。ここからが木原さんの本領発揮…痛いです。痛いんだけど夢中でページを捲る手が止まらず一気読みでした。ニューヨーク編になってからも秋沢が殆ど成長していない思考回路なのはさすがw人間そんなに簡単に成長する訳はありません。ただ少しずつ引くことを覚えているのかなぁ 一途なのは変わらないしこのまま少しずつでも相手の気持ちが分かるようになっていってほしい。まだまだ時間はかかりそうだけど。救いはラスト楠田が怯えるでもなく本来の楠田に少し戻っていたことかな。いろんな意味で楠田も時間が止まったままだしそれが少しでも動きだしたらいいと願わずにいられないラストでした。
木原さんの素晴らしさは続きが読みたいな…って思わせるラストでいつも終わっていること。決して到達点ではなくこれから愛が育まれていくやもしれぬ始まりで。だから全てのストーリーが尾を引くしいつまでも心に残るのだと思う。とりあえず今回も続き…続きが読みたい!

1
2014年09月21日

Posted by ブクログ

木原作品は、やはり一筋縄ではいかない手強さでした…
前回の成り行きにふんわりしていたかと思ったら、奈落の底へ一直線。案の定、突き落とされます。

きっかけは相手を御するための恋愛モードだったのが、もはや本気の付き合いであることを自認する楠田。
だからこそ、受け入れられないこと許せないことが、秋沢にはまったくわかっていません。
人の心がわからないアホと愛し合うことで味わう失望に震撼とさせられます。失望どころか、これはもう恐怖の段階。

楠田は何とかして自分の気持ちを秋沢に伝えようとするものの、人の気持ちを慮ることができず、自分の感情ばかりを人に押し付け、好かれるための努力もしない相手には何ひとつ通じることもありません。
秋沢のクズで幼稚な人格のせいで、恐ろしい状況に陥ることになる楠田です。
客観的に見てこれは許されません!楠田の味わった恐怖を思うと読んでいてもう耐えられませんでした。
「FRAGILE」も酷かったけど、これは酷すぎ。そして悲しいのは、楠田の中に秋沢に対する「情」がまだ残っているところです。
秋沢も憎しみでストーカーのごとくつけまわしているのではなく、愛しているからこその仕業なのが辛いです…
誰かこのアホ犬に常識ある大人の行動を躾けてくれないでしょうか?

書き下ろしは秋沢視点で、ヤツのいじらしいところがぽつぽつ見えて、コキ下ろし罵倒しながらも、あまりにおバカであわれで泣けます。

私見として、二人に幸せな未来は不可能に思えるんですが…
秋沢はめちゃくちゃがんばりそうですけどね~
でも、もしもこの先に二人の幸せがあるのなら、ものすごく見てみたいです!そんな気持ちにさせる壮絶なドラマです。
センセも甘い時間に至るまでには、あともう一冊必要そうとおっしゃってるので、ぜひぜひ薄い本ではなく商業誌で後日談を出して欲しいです、プリーズ。

1
2014年08月16日

購入済み

もうすっかりドン引きです。
こんなにも狂ってる人間と穏便に話すなんて無理。
通り過ぎる存在だと思っていた五木さんにこんな役回りがあったことも驚きです。

後半は秋沢目線でした。
ようやく安住の地を見つけた楠田がよく会話ができたなと思います。
会いたくない人に追いかけられて追い詰められて声も出ないほど怖かっただろうに。
離れていた時間があっても何も変わっていなかった秋沢にうんざりするけど、ひとえに楠田の幸せを願うばかりです。

0
2022年09月29日

購入済み

秋沢が頭おかしいから、安易に受け入れちゃいけなかったんだろけど、
まーーー 本気でうざい。秋沢うざい。
可哀そうなとことか、可愛いとことかあるけど、うっざ。
そして五木に腹立った。
あぁぁなんかすっきりしない。
いや、でもわかる。こういうラストになるのも分かる。
よくできたストーリー展開でした。もう、夢中で・・・
もう夢中で読んでしまいましたよっ(怒)!!!
なんとか幸せになってほしいもんですよっ!!!

0
2017年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんで、こんなどうしようもない男に惚れるのか
イヤイヤ付き合ってたくせに
こんなことになってんのか
意味わかんない、と思った『~IN TOKYO』の続き。
かくして無茶苦茶にされて
相手が怖くなって死んだことにして逃げて
それから、な『~IN NEWYORK』

どう落としどころを見つけるんだろうと思ったけれど
上手いな、と思った。
楠田は秋沢をいつかは許せるのかもしれないと
そういう期待を抱かせる終わり方は
本音を言えばありえないだろう、だけど
BL的にはまぁいいんじゃない。

個人的には追いかける秋沢が、なんでなんでと
自分に問いかける様が凄くよかった。
それでもまだ不十分なんだよ、と思いつつも
少しずつ変わろうとする秋沢がよかった。
なのでこの本に前半のエグイ部分のある話よりも
その結果楠田に逃げられ、さんざん避けられて
好きなのに好きなのにと自分のことしか考えない
秋沢が変わっていく『~IN NEWYORK』の方が
私は好き。
面白かったです。

0
2014年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★をどうやってつければ良いのかすごく迷ったのですが話に引き込まれ、一気読みさせてもらえたので4つ。

in Tokyo では秋沢にイライラしながらもまだマシな方かな~などと思っていたのにin New Yorkで怒り爆発。
楠田、早く警察いって。誰か通報して、そればかり思ってた。
秋沢視点になってもまったく同情できるところが無かった。仕事のシーンは読んでいて楽しい部分もあったけれど、恋愛部分はとにかく胸糞悪かった。
自分の持つ普通・常識が全く通じないって怖いと改めて思った。
楠田が幸せなら良いけれど秋沢はやめておけ・・・そう思ってしまいます。

1
2014年09月12日

Posted by ブクログ

秋沢のぶっ飛んだ思考が経過した歳月で常識化するとは思えないんですが最終的になんとか楠田のもとに戻ってこれてよかった・・のかどうか・・・(笑)

なんにせよ人は変れると信じたくなりました。

0
2015年09月02日

Posted by ブクログ

前半部分の秋沢がただただひどくて楠田さんにひたすら同情。話しが通じないということの恐怖と諦めの先にあるものが、あの形でしかなかったのも頷ける展開。

しかし視点が秋沢に移った後半を読み進めるにつれ、秋沢はなんてかわいそうな男なんだろうと思えてきた。愛してる男の気持ちが全然わからないという点では秋沢もある意味同じで、加えてこの世界との齟齬…。

まぁだからと言って秋沢のした行為を許すことは私には無理なんですけど。シリーズ内で作中一フラットで優しかった楠田さんには一般的な形で幸せになってほしかったので、終わり方にモヤモヤしたものは残るけど、こういう一筋縄ではいかないところも含めて木原作品だよな、と。

0
2014年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者ならではなのか、このシリーズだからなのか……甘い展開があった後にはがっつり落とされますね。かなり痛かった……というか酷い。
秋沢くんの常識のなさやら感受性の鈍さは読んでて呆気に取られるばかりですが、それでもやっぱり楠田くんの事が好きな気持ちは純粋にあるのが、アンバランスでモヤモヤしました。
こんなにも理解しあえない相手に対して、それでも情が捨てきれない楠田君は、やはり役者としての秋沢くんに惚れた弱みなのでしょうか……それほどまでに引き付ける才能ってある意味すごいですね。人間的にはほんとダメな子ですが。

この二人が幸せになれる結末は全く想像できないのですが、すずめの涙ほどの歩みでも秋沢くんの心が成長してくれればそのうち穏やかに幸せを感じられる時がくるかもしれないですね……そんな根気ある人いるだろうかとも思ってしまいますが。

0
2014年08月22日

ネタバレ 購入済み

酷すぎて辛い

ここまで悲惨な恋愛のお話は読んでこなかった。精神が未熟な相手に執着され、酷い扱いをされる。逃げたのに追いかけられる。これは恐怖。
現実でもありそうなリアルな内容で心が痛かった。執着する恋人、伝わらない誠意。トラウマの恐怖。これから救いがあるのか。

0
2022年09月28日

購入済み

不愉快なまま、次回作へ持ち越し

不愉快なキャラと、都合良すぎな偶然の積み重ねと、共感できない登場人物たちの心の変化にストレスを溜め込みながらも、木原音瀬さんだから、coldシリーズだからきっと最後はうまくスッキリさせてくれるだろうと一気に読んだが、期待は裏切られた。物語は途中のまま、次回作を待たなければならない。それにしても、木原音瀬さんて、今、不愉快なキャラ書かせたら日本一かもしれないと思うほど、今回の登場人物は凄い。展開の詰めの甘さにもあって虫酸が走るほどの不愉快さが読み進むほどに胸に鬱積していく。まるで作者の中に鬱積した憎しみやストレスや欲求不満で、八つ当たりされているような不愉快さだ。もしかすると木原さんの本作での本当の狙いは、読者を限りなく不愉快にすることなのかもしれないとさえ思えてくる。BL界のイスラム国過激派だね。お陰様で、すっかり心がささくれ、狂暴になった。これもひとつの文章の力だよなー。

0
2015年04月19日

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