木原音瀬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私が耽美が好きではない、と言うのは『ヴェニスに死す』を読んでいた時にも思っていたことだ。年寄と少年と言う対比と共に美醜の対比が残酷に突きつけられる時に、見ていた自分はアッシェンバッハに少しも同情心を持っていなかった。、老いて醜くなってしまった自分を恥じてじいさんの癖に化粧したりする様が無様である様を見せる映画が「耽美」ではあるまい、と思っていたのだが、タジオ(ビョルン・アンドレセンの)の美を愛でると言う意味では確かに耽溺であった。耽美とは、美しいものを愛でる方でしかない人間を指す言葉で、美そのものではない、と言う事なのだ。この差は大きい。映画を見ながらタジオのように美しくありたいと思うだけで、耽溺したいと言うのとは違うな、と気づいていた。そう考えているとふと、木原作品のこっぴどく痛い描写に差し掛かった時に、痛い目を見る人間の恐怖よりも、今まさに痛い目に遭わせようとしている人物の方に同調してある種の高揚感を感じながら読んでいる自分がいる。だから私は木原作品を「痛い」とは描写するが「容赦なくて辛い」とか「可哀想」と言う風に捉える筈がない、と言う事に気付かされた。痛い目を見せる方に肩入れして読んでいる訳だから、自分は「痛く」ないわけだから平然と読んでいるのかもしれん。かと言ってあのような所業を働きたい願望がある訳ではないが、精神構造上、そっちに傾いている性質なんだろうな。自分の名誉の為に(笑)くどくど書いてしまうが、酷い目に遭う人間に同情してない訳じゃないが、痛い目を見せている人間の方の気持ちと言うか、なぜそうしてしまうか、の方に反射的に自分の視点が切り替わるんだろうな。これ辺で木原作品のどこに惹かれているのか、二分されるかもしれんな。
耽美話からなんで木原作品考察になったんだ…あ、そうか、美を振りまく方、痛さを振りまく方に視点が固定される、と言う意味で同じと言う事か。木原作品の痛い描写に差し掛かると、不謹慎かもしれんがどこかでぞくぞくしている自分がいて、そう言うのは自分の中に嗜虐趣味があると誤解されるかもしれん、でもそれは違う、理不尽だ、と思い色々考えてたら、あのぞくぞくは「好きな子に意地悪する・している時」の気持ちと同じだ、と気づいた今日…登場人物がそういう行為に及ぼうとしているのを見ていると、好きな子にそれは強烈過ぎて誤解されるよ、気持ち解るけどさぁ…って思いながら読んでる為、痛めつける行為が如何に冷酷に見えても、どこかで(今この瞬間は先にある想いに気付いてないだけだな、こいつばかだなぁ)って眺めてる自分がいる。どんなに愛がなさそうに見えても、屈折して歪んでて決して綺麗じゃないとしても、愛がある(だって、好きだからそうしたい気持ちが湧くんだから)って「幼稚」な動機が解るからだろうな、私自身に照らし合わせて。未熟で何が悪い、完璧で正義に溢れた愛だけが愛じゃないぞ、って思うからだろうな。人間の小悪党な部分を(性根が悪い、と言うか)文字にして書いてしまうと言う…やっぱ木原さん凄いわ。この人はこう言う人である、と言う書き方の方が簡単なんだよね、創作物だから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者ならではなのか、このシリーズだからなのか……甘い展開があった後にはがっつり落とされますね。かなり痛かった……というか酷い。
秋沢くんの常識のなさやら感受性の鈍さは読んでて呆気に取られるばかりですが、それでもやっぱり楠田くんの事が好きな気持ちは純粋にあるのが、アンバランスでモヤモヤしました。
こんなにも理解しあえない相手に対して、それでも情が捨てきれない楠田君は、やはり役者としての秋沢くんに惚れた弱みなのでしょうか……それほどまでに引き付ける才能ってある意味すごいですね。人間的にはほんとダメな子ですが。
この二人が幸せになれる結末は全く想像できないのですが、すずめの涙ほどの歩みでも秋沢くんの心が成長してくれればそのうち穏やかに幸せを感じられる時がくるかもしれないですね……そんな根気ある人いるだろうかとも思ってしまいますが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新刊待っていました!
COLDシリーズの透が大好きなので楽しかったです。
大概 透もあかん、どうしようもない奴感があるんですが、今回の攻め様はもっと上を行っていて笑えました。
ダメ人間を描かせて、なんでこんなかっこよく見えてしまうんだww木原マジックカッコいいwwでした。
秋沢が、自分はとっても愛されてると思いこんでるさまが可愛くてかわいくて!!!!
疑えって方が無理だけど、一波乱バーン!と来るのが楽しみです。
楠田が早く秋沢を心から好きになってくれるといいな―。
もう十分好きだけどさ。
60歳のおじさんと蛍デートが絵面的にシュールでしたww
でも今作はCOLDシリーズ、と思うとスピンオフでも心が痛く無く読めてしまったので、ニューヨークに心切り裂かれるのが待ち遠しいです。
楽しかったです。出版してくれてありがとうございました!
来月が楽しみです♡ -
Posted by ブクログ
面白かった!木原作品にしては、そんなに痛くない…かな?でも高校中退・元シャブ中・前科3犯のモモ×真面目すぎて面白味のない警察官ロンちゃんというカップルなので、やっぱり痛いシーンもあるにはあるんだけど(いろんな意味で)
6年かかって築き上げてきた二人の関係がしっかり描かれていて、途中の展開にハラハラしつつも愛の深さに「大丈夫!」と思わせてくれた素晴らしいバカップル。不器用で一生懸命な姿が、堪らなく愛しく感じられる作品。
木原作品にしては珍しく、既にお付きあいしている二人の過去から現在、そして周囲の人を巻き込んだ進行形で話が進む。正反対の人生を歩んできた二人が、こんな形で寄り添うなんて…BLらしいドラマチックさの中でたゆたっていると、ふいに木原さんならではの生々しい現実が目の前に突き付けられる。
大好きなロンちゃんを信じきれないモモが「ホントに信じられないのはロンちゃんじゃない、駄目な自分自身だ」と思考の渦の中で考えるんだけど、それも仕方ないと思えるくらいのダメっぷりだよ(笑) でも愛嬌があって優しくて、良いところもいっぱい出来たモモ。それはロンちゃんのおかげ。人付き合いが苦手で我関せずで生きてきたロンちゃんが変わったのも、モモのおかげ。そんな相乗効果で出来上がったカップルだけど、いつも不安の上に成り立っていたね。
途中、ロンちゃんがモモを好きになった経緯が不思議だったんだけど、ロンちゃん視点の話を読んだらすんなり納得できた。この二人、セックスばっかヤってないでもっとちゃんと話した方が良いよ(笑) 甚吾先輩を介してノロケまくりの二人のバカップルさ加減はホント楽しかったけど、あぁいうのは相手に直接言えばイイヽ(●´ε`●)ノ
泣いて笑っての忙しい作品だった。でもそこがリアル。
最終的にきっと、人生は薔薇色。 -
購入済み
レベル高ぇ(笑)
うわーっエロさ皆無なくせして(?)凄ぇイイ、期待以上にキュンキュンしてしまいました。横暴で根性据わってそーな十亀が意外や意外、実はカッコつけ氏なヘタレくんだったり温度の低いツンデレなのかと思った万は実はちょっとした熱血くんだったり、、いろんな意味で読み進めてくにつれキャラに味が出てきて愛着が湧きました。一足飛びにくっついちゃうよーな派手なエンタメ色はありませんがじわじわ〜っと染み込んでくるよーな切なさと愛しさがなんとも心地よいお話でした。小説もあるらしーので読んでみよーかな。