木原音瀬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上下二巻完結。
足かけ9年、構成が取れた内容のある話だった。
常々、物語とは縦糸と横糸で作られていると思う。
縦糸は物語の構成やストーリー。横糸はその時々の登場人物の関係や感情。
描き手はやはり得手不得手があって、どちらかだけが突出している場合が多い。
もちろんそれはそれで面白いんだが、どちらかの糸が抜けていると、全体の形は脆くなってしまう。
BLに限らず、女性が描く恋愛ものって感情面は凄く丁寧に描かれているのに、構成やストーリー性がないものが多いと思う。
その点、木原さんの作品は縦糸・横糸のバランスが非常に上手い。
恋愛だけではなく、ストーリーを楽しめる作家は非常に貴重。
上巻は割と -
Posted by ブクログ
幼児退行ものは苦手だと思っていたけれど、これは読めた。
たぶん兄が攻めだったからだと思う。
子供のかわいらしさには心があったかくなったし、子供独特の鋭さにはドキリとさせらて、あぁ自分も年をとってしまったんだなぁとしんみりしてしまった。
書き下ろしは意外と量が多いんじゃないかと。(旧版を持っていないから何とも言えないけれど)
書き下ろしの話は特に現実じゃタブーな話なのかもしれないけど、切なくて好き。
本編の続きも書き下ろしの続きも読んでみたい。
兄弟そろって自分の感情を口に出せなさそうだから、あのあとどういう風に生活を始めていったのかとても気になるー。 -
Posted by ブクログ
[高校生×高校教師]
私は木原さんの作品を読むのはこれで3作目ですが
この方の作品はどうも全体が回想のような・・・
なんというか、靄がかかった印象を受ける。
どうしてなのか分からない。
それくらい幻想的というかなんというか、独特の世界観を持っていると思う。
これはデビュー作らしいです。
凄くいいお話でした。
三話入っていますが、最後の短編はいらなかったと個人的には思います。
冬日まで読んで、素晴らしいと思ったのに、最後がちょっと残念でした。
タイトルの“眠る兎”というのはどういう意味なのか、気になります。
とても面白かったです。
**************************