東直己のレビュー一覧

  • バーにかかってきた電話
    ススキノの便利屋である主人公。謎の女からの一本の電話で依頼を受けたことからはじまり、命を狙われたことで奮起して事件にどっぷりと巻き込まれる、ハードボイルドのテンプレのような話だ。
    会話や文体は軽妙だが、扱っている問題は軽くはない。

    主人公「俺」は自分なりに他者を尊重している(たまに問答無用で殴った...続きを読む
  • サイドストーリーズ

    しゃれた構成のアンソロジー

    煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
    もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
    番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。
  • バーにかかってきた電話
    ススキノ探偵シリーズの第二作。
    映画化されたのはコチラの作品ですね。
    映画も良いけど、小説も良いですよ。
  • 消えた少年
    しばらく疎遠だった「探偵はバーにいる」シリーズを再開。この第4弾、いまのところ最高傑作!先週末、ハイボール片手に一気読み。あまりのスピードで読んだため(あと酔ってたため)、今一度ざっと反芻して現在に至ります。探偵モノというよりホラーに近い。「俺」の沸点の低さとアクションシーンの疾走感に大喜びするとと...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    最高傑作の評判どおりか。

    めーっちゃくちゃ良かった、
    夢中になって読んじゃったよお。

    お金がまず振り込まれて、
    それから依頼の電話がかかってくるんだが、(バーに)
    「あなたの名誉を傷つけるようなことにはならない」
    って言われて承諾する箇所が好きだ。
    名誉でなく、損はないとか、言われてたら引き受け...続きを読む
  • 悲鳴
    複数回再読。
    産廃業界と警察の癒着に切り込むウネハラ。この頃は巨悪と戦ってたなー。
    玉木が男気を見せるのがとてもよい。
    めんどくさいこだわりを持つウネハラが一度だけ高橋のことををチーフと呼ぶ、悲しみに寄り添って思わず出た言葉だろう。
    そして近藤の時も無心論者を貫いたウネハラが手を合わせる。
    たばっち...続きを読む
  • 悲鳴
    複数回再読。
    産廃業界と警察の癒着に切り込むウネハラ。この頃は巨悪と戦ってたなー。
    玉木が男気を見せるのがとてもよい。
    めんどくさいこだわりを持つウネハラが一度だけ高橋のことををチーフと呼ぶ、悲しみに寄り添って思わず出た言葉だろう。
    そして近藤の時も無心論者を貫いたウネハラが手を合わせる。
    たばっち...続きを読む
  • 流れる砂
    何度読み返したことか、素晴らしい。同僚=戦友を失ったソベジマの悲しみがすごく切実でよい。嘆き、怒り、一矢報いるシーン。初登場の赤ら顔のデブという個性を生かしきっている。著者の筆が冴え渡る。コミカルだからこそ、嘆きは悲しく、怒りは純粋で、一矢報いるシーンは感涙。
    シリーズ通して格闘シーンがヘタクソなの...続きを読む
  • 流れる砂
    何度読み返したことか、素晴らしい。同僚=戦友を失ったソベジマの悲しみがすごく切実でよい。嘆き、怒り、一矢報いるシーン。初登場の赤ら顔のデブという個性を生かしきっている。著者の筆が冴え渡る。コミカルだからこそ、嘆きは悲しく、怒りは純粋で、一矢報いるシーンは感涙。
    シリーズ通して格闘シーンがヘタクソなの...続きを読む
  • 探偵はBARにいる3
    2017/11/12 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2017/12/9〜12/10

    現在公開中の映画のノベライズもの。映画を見てから読むか迷ったが、観た後では読まないだろうと言うことで、先に読んだ。オリジナル版の探偵とはキャラが変わっていると言えば変わっているが、大泉洋さん演じる探偵も嫌いで...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    端的に言って最高だな。映画は、ラストの大泉洋の苦い表情だけで全てを許せた。相棒スタッフの安っぽい演出も、小雪のいい女ぶった不細工さも。それにしても、小雪は首筋の匂いを嗅いだら米ぬかの臭いがしそうな野暮ったさ、コンクリートブロックをいくつか重ねて作ったようなぎこちなく固い表情、なんとかならないのか。
    ...続きを読む
  • 半端者
    俺や高田、桐原の青春が交錯する前日譚、すごくいい。
    桐原はまだチンピラで、小さな正義感を満たしたことに対し俺に礼を言うところが不器用で青臭くて可愛い。高田はまだ真面目な学生をやっていて、なんというか俺との腐れ縁感もまだまだ乏しい。普通の友達って感じが新鮮。そして俺=未来の探偵は、まだまだ女に心を揺さ...続きを読む
  • 探偵はバーにいる
    再読。やはり初期は伏線の回収も鮮やかだし文章も密度が高くていいなー。
    後期のようなススキノを揺るがす大事件でもなく、行政の腐敗にメスを入れる批評的な視点が強いわけでもなく、言ってしまえば、地味な事件だけど。
    1番のどんでん返しは、読者を驚かせる仕掛けではなくて、人間の多面性だろう。
    「俺」が馬鹿にし...続きを読む
  • ライト・グッドバイ
    著者は、ほんとに人間をよく見てるよな。。。
    「おうわっ」とか、人間が他者に媚びて取り入ろうとする姿を、すごくよく見ないと、書けないよ。
    口の中で舌がうねうねしてるとか、えげつない下ネタで罵倒して興奮するとか、母親が性的に興奮して息が臭くなるとか、ほんとに人間のみっともない部分を常日頃から観察して...続きを読む
  • サイドストーリーズ
    大分前に購入「積ん読」状態だったのをなぜか読みました。
    正直楽しかったです。
    作家さん達の代表作のスピンオフというか表題通り「サイドストーリー」。読んだことの無い作品もありましたが、丁寧に作者の横顔やメインのストーリーも書いてあるというサービス付。すべて「煙草」や「一服ひろば」に関連して書いてありま...続きを読む
  • さらば愛しき女と男よ~ススキノエッセイ~
    *「ススキノは酸素のようなもの」と語る作家が、見続けてきた人間模様。思わず爆笑。のち、しみじみと人生の哀歓に浸るエッセイ72本*
    久しぶりに大当たり!ススキノを舞台にした、大人のためのエッセイ集。大人だからこそしみじみわかる、ウイットに富んだストーリーの数々。楽しいけれど哀しい、面白いけれど釈然とし...続きを読む
  • 探偵、暁に走る
    このシリーズ全部のことだけど、本当に出会えてよかったと思える作品。わたしの知らない町の知らない人の知らない人生をこんなにリアルに体験できて、自分の人生を相対化できる。今回は長編でしたけど、それを感じさせないくらいのスピード感でした。
    52歳になって、あまりやたらに正義感は振るわなくなったけど、根底の...続きを読む
  • サイドストーリーズ
    読み終えるのが惜しい、
    物語がある。

    もう少し読んでいたい、
    余韻に浸っていたい、
    もしかしたら
    CDの隠しトラックの様に
    どこかに後日談的なものがあるんじゃない?

    と、いつまでも
    本を閉じたり開いていたりして。(^^;

    この本の中では
    >まほろ駅前シリーズと
    >天地明察が
    私の読み終えるのが...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    二作目になってこなれて来たこともあり、一昨目よりも楽しんで読んだ。ハードボイルドとしても良作だと思う。
  • 悲鳴
    2015.5.8ー25
    畝原シリーズ。
    浮気調査から始まるストーカー女と遺体バラバラ事件の進行に、行政・警察・土建会社の癒着やら新興宗教やらちょっとした悪意など、相変わらずいろいろな問題が絡んで一気読み。
    題名の意味が非常に重い。