あらすじ
地下鉄で乗客とトラブルになりかけていたところをとりなしたのがきっかけで、〈俺〉はイラストレイターの近藤と飲み友だちになった。その近藤が、深夜のさびれかけた商店街で何者かに刺されて死んだ。彼は誰に、なぜ殺されたのか? 友の無念を晴らすべく、〈俺〉は一人で調査を開始する。やがて事件の背後に、振り込め詐欺グループ、得体の知れぬ産廃業者らの存在が……札幌の街を、孤高の〈ススキノ探偵〉がいく。
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このシリーズ全部のことだけど、本当に出会えてよかったと思える作品。わたしの知らない町の知らない人の知らない人生をこんなにリアルに体験できて、自分の人生を相対化できる。今回は長編でしたけど、それを感じさせないくらいのスピード感でした。
52歳になって、あまりやたらに正義感は振るわなくなったけど、根底の部分でしっかり芯のあるいいおじさんになった「俺」がほんと、いい仕事してます。1日で読めます。読みたくなります。
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ススキノ探偵シリーズの中では今のところ一番好きかも。かなりの長編(5巻くらいある作品で長編と思う私にとってはたいしたことないけどw)だが、一気読みできるくらいのおもしろさ。
ススキノシリーズが合わない人以外は楽しめると思う。
個人的にはアンジェラが好きなので次回作以降もっとアンジェラの活躍の場を増やしてほしい。
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ススキノ探偵シリーズ9作目。
そもそもこのシリーズは、作者が思う現代社会への提言(くだらない事も含む)を、主人公「俺」を通して発信している作品だと思っている。
常に一人称で「俺」目線の表現、というのもそのためだと捉えている。
しかし、シリーズ当初は30歳前後だった「俺」も本作では50歳。
さすがに落ち着きもする。
そんな中で今回、「俺」とは別の意味で格別に濃いキャラの近藤というイラストレーターが登場し、「俺」に代わり作者の代弁者となっているという印象。役割を半ば譲った「俺」がバランサーになる場面もある、その過去作品とのポジションの違いが面白い。フレキシブル。
あ、「俺」って書き過ぎた。
もちろん作品のストーリー自体にも緊迫感があり、1作目からお馴染みの相田というヤクザ(6作目から寝たきりの病)がキーになってくるのもシリーズ読者には堪らない。
ススキノ行った事ないのに、臨場感がある。イメージが湧く。
黒い汚い話なのに、不快にならない。むしろ楽しさを感じる。
シリーズ最長作品なのに、中だるみしない。スッと読みきれる。
相変わらずの表現力。
酒が飲みたい。
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2010/1/23 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2020/3/9〜3/15
新型コロナウイルス対策で車通勤にいているため、ちょっ時間がかかったが、600ページを超える長さを感じさせない傑作。次の映画化は本作が良いのでは?
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大泉が演じた初期の若き「俺」とはもはや別人といってもいい、50近くのデブと化している主人公なのだけれど、やっぱりファンとしてはそういう彼にも愛着がありますな。
年々渋さと偏屈さに磨きがかかってるし、信念は曲げないし。
「俺」と、おそらく作者自身がモデルであるのだろうと思われる物語の重要な位置をしめるイラストレーターがしつこく繰り返す、あの道産子の恥であるYOSAKOIと、そのうさんくさいイベント周辺にたむろする連中への対する呪詛にも近い罵倒とののしり具合には、同じくあの珍妙な祭りに嫌悪感を抱いている者として少なからず愉快になってくるくらいの酷いDISり具合だ。
華の部屋で、ちょっとした行き違いや心のズレみたいなのを感じて、あ、これでもう俺たち終わるのだな、という雰囲気になる一連の描写が非常に素敵で良かった。
東直巳さんの作品には、そういう長編の中にものすごく心に残る一文や、描写や、台詞なんかが必ずあって、個人的に好きですね。
長編ストーリーとして、読者を惹きつけるエンターティメントの部分やけっこうヤバいシチュエーションに陥るスリリングなシーン、いい年したオッサン同士のなんともいえぬ友情なんかを含めて、シリーズの中でも一二を争う傑作なのではと思う。
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ススキノ探偵シリーズ。
死んだ友達のために、一銭にもならず、かつ身の危険を顧みず真相を追求する「俺」。
「吹雪の果てに」で、やはり昔の恋人のために
一銭にもならず、かつ危険をおかした「俺」。
その時の人脈のおかげで、命拾いしたという感じです。
近藤さんは死に、「俺」も危なかった。
なのに、助けられた人&その家族が、その事を知らないという展開は切ないです。
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地下鉄で乗客とトラブルになっていたところを救ったのがきっかけで、“俺”はイラストレーターの近藤と飲み友だちになった。その近藤が何者かに刺されて死んだ。友人の無念を晴らすべく、ひとり調査を開始した“俺”の前に、振り込め詐欺グループ、闇金融、得体の知れない産廃業者らの存在が…絶体絶命の窮地に陥りながらも、“俺”は友の仇を討つために札幌の街を走り回る。
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再読。いやー、これはほんと切ない話。認知症を発症したけど、嫁以外の前ではしゃんとして、嫁しかおばあちゃんの混乱した姿を知らない、というのも、そのせいで嫁が夫から文句言われるのも。いかにもありがち。そして詐欺にあって騙されてるけど、それを絶対に言おうとしないというのも。正直、自殺しようとするのも分かるなぁ。それを助けたのもほんとに良かったのか。しかし、振り込め詐欺、聞かなくなったけど、まだやってる人もいるんだろうな。そしてもっと違う詐欺をやってるんだろうな。
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2014.6.28ー46
ススキノ探偵シリーズ8作目とのこと。
東直己7冊目にして「バーにかかってきた電話」「流れる砂」に次ぐ面白さ。長編の割にストーリーの捻りには欠けるものの、相変わらず軽快な文章と会話で読み易さ抜群。
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ススキノの探偵シリーズ第8弾。
相変わらず”俺”は世間、特に品格のない若者に対して怒っている。この怒りに甚く共感するのは、自分も歳をとり、「最近の若者は...」と頻繁に思う年齢になったからだろうか。
このシリーズを最初に読んだ1992年はまだ大学生だったので、本シリーズに対する感想もあの頃と今では違うかも知れないなあ。
今度第1弾を再読してみよう。
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「ススキノ探偵」シリーズ。
50台になった主人公の「俺」が、刺殺された飲み仲間の犯人探しをしていく中で、振り込め詐欺グループや産廃業者などの犯罪につながっていくストーリー。500ページの長編ですがストーリーに引き込まれていくうちに読み進めてしまう感じでした。
登場人物それぞれが個性的で、娯楽作として楽しめる作品だと思います。
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ススキノ探偵シリーズ9作目。
前3作はひたすらウザキャラを相手にしている内容だったせいか読むのに結構疲れた覚えがあるが、今回は久しぶりにサクサクと読めた。これまでのシリーズの最長作のようだが、全く苦にならなかったし、終わり方もすっきりと片がついたものであったので良かった。キャラ設定も良かったと思う。近藤も一歩間違えばウザキャラではあるのだが、言っていることは正論だし、好感が持てた。新しく桐原組に入ってきた若者も後半は特にいい味を出してくる。今後も出てくるのが楽しみなキャラになりそう。脇キャラの活躍も楽しみなシリーズでもある。
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知る人ぞ知るススキノ探偵シリーズです。
ススキノ探偵、いつのまにかかなり歳くってたんですね。
しかも子供産んでくれた彼女と別れてるし…。
彼女が探偵のとばっちりを受けてひどい目にあった作品は読んでたんだけど、この作品ではいつの間にか別れておりました。
ヤクザの桐原と、いつの間にかかなり仲がいいようになってすし、相原は病気になっちゃってるし、時間が経ったことでいつもの面々の様子がかなり変わってしまっておりました。
やっぱり長いシリーズだと時間の経過も楽しめますね。
しかも、今まで通り軽快な語り口なのは良いのですが、今回は更にそれにやや説教オヤジが入ってきてしまっているところが、なんか笑えました。
個人的には、この人の作品はストーリーで読ませるよりもキャラで読ませるっていう傾向が強いなぁと思っているのですが、今回もそれぞれのキャラがたってて、面白く読むことが出来ました。
2011年4月28日で、Book Logにこの作品を登録している人は17人しかおりませんでした。
ってコトは、あんまり流行ってないんだろうなぁとも思うのですが、東直己、結構面白いですよ~。
是非読んでみてください。
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相変わらずコミカルとシリアスのバランスが絶妙。
脇役キャラにクセのある魅力的な人物が多いのが、このシリーズの大きな魅力。
50代に突入した探偵の言うこともわかるけど、若者もそこまで捨てたものではないと思う。
と作者も思っているから、相田の介護をする彼のようなキャラクターを登場させたのかも。
Posted by ブクログ
探偵シリーズ、8作目。主人公は結婚、離婚し未だにススキノで探偵まがいを生業としている。
地下鉄で偶然知り合った、ローカルTV番組に出ている画家、痴呆症の老女、難病にかかり寝たきりのヤクザとそこに拾われた男。
おなじみの登場人物と、本作で新たに登場する人物が実によく絡み合ってストーリーは軽快に進んでいく。
ミステリー要素もあり、625ページの長編だが、苦労なく読める一冊。
星は3.5としたいが、半分はつけれないので3で。
Posted by ブクログ
いつもながらの俺さんワールド。
きれいな彼女もできて羨ましい限り。
ストーリー的には比較的まとまっといて読みやすくてよかったかと。
★4つでもいいかと思ったんだけどそこまでか?という気もするので厳し目の★3つで。
Posted by ブクログ
地の文にも会話文にも、「ま、〜」が多すぎて読み心地がすこぶる悪い。
主人公も他の登場人物も等しく「ま、〜」を多用するので、話者が誰か解りづらい。「まあ、」ならまだしも、「ま、」だとどうしても、良くも悪くも浮いて見える。
内容は面白いのだが、文章力に難がある。文体は軽くても、文章力はしっかりしていてほしい。
Posted by ブクログ
ススキノ探偵シリーズ。
「俺」は、50代になっていました。
50代になっても、30代の頃と、
やること(やろうとすること)が違っていないのは、若いです。
実際には、寄る年波には勝てないような事を、
嘆いていたりしていますが、まだまだ現役の「俺」の様です。
今回は、はっきりとした描写はないのですが、
前作の描写によればかなり太ってきている様子。
でもねぇ、頭に浮かぶ「俺」は、大泉洋なんですよねぇ(苦笑)。