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Posted by ブクログ
ススキノ探偵シリーズ9作目。
そもそもこのシリーズは、作者が思う現代社会への提言(くだらない事も含む)を、主人公「俺」を通して発信している作品だと思っている。
常に一人称で「俺」目線の表現、というのもそのためだと捉えている。
しかし、シリーズ当初は30歳前後だった「俺」も本作では50歳。
さすがに落ち着きもする。
そんな中で今回、「俺」とは別の意味で格別に濃いキャラの近藤というイラストレーターが登場し、「俺」に代わり作者の代弁者となっているという印象。役割を半ば譲った「俺」がバランサーになる場面もある、その過去作品とのポジションの違いが面白い。フレキシブル。
あ、「俺」って書き過ぎた。
もちろん作品のストーリー自体にも緊迫感があり、1作目からお馴染みの相田というヤクザ(6作目から寝たきりの病)がキーになってくるのもシリーズ読者には堪らない。
ススキノ行った事ないのに、臨場感がある。イメージが湧く。
黒い汚い話なのに、不快にならない。むしろ楽しさを感じる。
シリーズ最長作品なのに、中だるみしない。スッと読みきれる。
相変わらずの表現力。
酒が飲みたい。
Posted by ブクログ
大泉が演じた初期の若き「俺」とはもはや別人といってもいい、50近くのデブと化している主人公なのだけれど、やっぱりファンとしてはそういう彼にも愛着がありますな。
年々渋さと偏屈さに磨きがかかってるし、信念は曲げないし。
「俺」と、おそらく作者自身がモデルであるのだろうと思われる物語の重要な位置をしめるイラストレーターがしつこく繰り返す、あの道産子の恥であるYOSAKOIと、そのうさんくさいイベント周辺にたむろする連中への対する呪詛にも近い罵倒とののしり具合には、同じくあの珍妙な祭りに嫌悪感を抱いている者として少なからず愉快になってくるくらいの酷いDISり具合だ。
華の部屋で、ちょっとした行き違いや心のズレみたいなのを感じて、あ、これでもう俺たち終わるのだな、という雰囲気になる一連の描写が非常に素敵で良かった。
東直巳さんの作品には、そういう長編の中にものすごく心に残る一文や、描写や、台詞なんかが必ずあって、個人的に好きですね。
長編ストーリーとして、読者を惹きつけるエンターティメントの部分やけっこうヤバいシチュエーションに陥るスリリングなシーン、いい年したオッサン同士のなんともいえぬ友情なんかを含めて、シリーズの中でも一二を争う傑作なのではと思う。
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