東直己のレビュー一覧

  • 探偵、暁に走る
    ススキノ探偵シリーズ。

    死んだ友達のために、一銭にもならず、かつ身の危険を顧みず真相を追求する「俺」。

    「吹雪の果てに」で、やはり昔の恋人のために
    一銭にもならず、かつ危険をおかした「俺」。
    その時の人脈のおかげで、命拾いしたという感じです。

    近藤さんは死に、「俺」も危なかった。
    なのに、助け...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    シリーズ最高傑作と目される、そしておそらくはそのとおりであろう、非常に精密なプロットと「俺」のハードボイルドさが浮かび上がる名作。

    80年代のススキノの昭和のイメージが自ずと浮かぶ描写には道産子で、しかも当時ティーン・エイジャーであった私にはやはり胸を打つもがある、何度読み返しても。
  • 探偵はバーにいる
    映画化されると初めて聞いた時、自分と同年代の大泉洋がこのススキノ探偵シリーズの主人公である「俺」を演じるってのはどうにもしっくりこない感じがしたものだ。

    しかしながら、実際映画を見てみると、なんのことはない、自分も大泉洋も既にいいおっさんで、だいたいこのあたりのススキノのしょうもない飲んだくれだべ...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    ルンペン生活、ホームレス、刑務所出所後から突然文才を発揮し芥川荘賞受賞などと文壇に登場する人は少なくは無い。そして一発屋も多い。だがしかしこの人は凄い!
    文章もおしゃれだし組み立て方も良い。東直己、追跡開始
    但し、個人の好みとして、最終の時系列的謎解きなんぞは首を傾けざるを得ない。
    最初の登場人物の...続きを読む
  • 探偵はバーにいる
    一般的なミステリーと比べると事件の内容はありふれたものでしたが、探偵のキャラが良かったです。
    ハードボイルドってよく分かりませんが、きっとこういう人のことなんだろうなと思わせてくれる感じでした。
    けっこう隙がある感じも好感が持てました。
  • 消えた少年
    探偵だって恋をする。

    これまでとテイストが違って、事件の質も背景も陰惨なものがあるのでちょっと戸惑いがあるかも。それでもシリーズの本質は変わらず、”俺”が周囲を巻き込みながら頑張っているので楽しめる。今回は桐原の意外な一面もあり、そうした脇役の味付けも本シリーズの魅力の一つ。春子の今後の活躍に期待...続きを読む
  • 半端者
    ススキノ探偵シリーズの「俺」がまだ探偵になる前の話。
    フラフラとススキノを飲み歩き、そこにいる仲間と遊び、金には困らず、女にはそこそこもて、情にあつい。そんな男に憧れる。
    この本ではビックリするような事件も起きないし、話があっちこっちいき、どれも収束されず、ムダな感もなくはないけど、雰囲気としては最...続きを読む
  • 消えた少年
    ススキノの<探偵>シリーズの魅力は、もう語るところがないほど語りつくされている。

    <探偵>と言ってはいるが、私立探偵でもなんでもない。

    うさんくさいモメごとやトラブルを、依頼があれば片付ける便利屋のようなものだ(その中には麻の葉っぱを売る商売なんてものも入っている)。

    自堕落ではあるが、いざ事...続きを読む
  • 探偵は吹雪の果てに
    ちんぴらに袋叩きにされて、“俺”は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と再会。彼女からの依頼で雪の田舎町まで一通の手紙を届けることになった探偵だが、町に着くなり身辺に不審な男たちの影がちらつき始め、理由も解明できないまま町を追い出されてしまう。やくざの組長の桐原の助けを借り、再び町に...続きを読む
  • 猫は忘れない
    知り合いのスナックママ、ミーナから、旅行中の飼い猫の世話を頼まれた“俺”は、餌やりに訪れたマンションで変わり果てた姿となった彼女を発見する。行きがかりから猫のナナを引き取り、犯人捜しを始めた“俺”は、彼女の過去を遡るうちに意外な人物と遭遇、事件は予想外の方向へと進展する…猫との暮らしにとまどいながら...続きを読む
  • 消えた少年
    学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?担任の教師、春子に翔一の捜索を...続きを読む
  • 探偵、暁に走る
    地下鉄で乗客とトラブルになっていたところを救ったのがきっかけで、“俺”はイラストレーターの近藤と飲み友だちになった。その近藤が何者かに刺されて死んだ。友人の無念を晴らすべく、ひとり調査を開始した“俺”の前に、振り込め詐欺グループ、闇金融、得体の知れない産廃業者らの存在が…絶体絶命の窮地に陥りながらも...続きを読む
  • ライト・グッドバイ
    「殺人容疑者と親友になれ」退職した古馴染みの元刑事種谷が、“俺”のところに厄介な依頼を持ち込んできた。未解決の女子高生行方不明事件の証拠となるべき死体を見つけるためだというのだ。“俺”はバーで偶然を装って男に近づき、気の合うふりをして付き合いを深めてゆく。だがそいつは、一緒に酒を飲むのはまっぴら御免...続きを読む
  • バーにかかってきた電話
    いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた「俺」は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。伝言を届け相手の反応を観察してほしいという。疑問を感じながらも依頼を果したのだが、その帰り道、何者かによって殺されそうになった。そして、ひとり調査を続けた「俺」が知ったのは依頼人と同じ名前の女が、地上げ放...続きを読む
  • 待っていた女・渇き
    表題作は、短すぎて起承転結がダイナミックさを欠く。オチが弱いというか、後半のどどどっという怒涛の展開があっけなさすぎる。まあ仕方ないよな。娘がまだ無邪気なお子様で、かわいい。子どもたちの成長を見守るのも本シリーズの楽しみの一つである。
    渇きは、嫌な刑事である井原がいい味を出している。うねはらに対する...続きを読む
  • 待っていた女・渇き
    表題作は、短すぎて起承転結がダイナミックさを欠く。オチが弱いというか、後半のどどどっという怒涛の展開があっけなさすぎる。まあ仕方ないよな。娘がまだ無邪気なお子様で、かわいい。子どもたちの成長を見守るのも本シリーズの楽しみの一つである。
    渇きは、嫌な刑事である井原がいい味を出している。うねはらに対する...続きを読む
  • 悲鳴


    畝原シリーズ第三弾。
    出版された2003年、この辺りの年だと、「キレる17歳」だとか、クレイマーなんてのが社会問題になってた頃か。

    強烈な自己憐憫で己を覆い、自分以外の世界すべてが敵であるなんて拗らせたのが、少数ながら存在する。それは今に限ったことではなく、はるか昔から。その昔ってのも、古代に...続きを読む
  • 悲鳴


    畝原シリーズ第三弾。
    出版された2003年、この辺りの年だと、「キレる17歳」だとか、クレイマーなんてのが社会問題になってた頃か。

    強烈な自己憐憫で己を覆い、自分以外の世界すべてが敵であるなんて拗らせたのが、少数ながら存在する。それは今に限ったことではなく、はるか昔から。その昔ってのも、古代に...続きを読む
  • 流れる砂


    私立探偵畝原シリーズ第二弾。
    本書の単行本が発行されたのが99年。
    オウム真理教、パナウェーブ研究所、林真須美のヒ素カレー事件が思い出される。
    出版された年に読んでいたら、さぞ不気味だったことだろう。

    最初の依頼のマンションの一室で、良からぬことが起こっているようなので、その調査から物語は始ま...続きを読む
  • 流れる砂


    私立探偵畝原シリーズ第二弾。
    本書の単行本が発行されたのが99年。
    オウム真理教、パナウェーブ研究所、林真須美のヒ素カレー事件が思い出される。
    出版された年に読んでいたら、さぞ不気味だったことだろう。

    最初の依頼のマンションの一室で、良からぬことが起こっているようなので、その調査から物語は始ま...続きを読む