大沢在昌のレビュー一覧
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ヴァンパイアウイルスに感染して、夜しか活動ができなくなった刑事が主人公。
ストーリーの始まりは、なかなか流れがつかめなかった。SF的な世界観で覆われていて、ヴァンパイアウイルスを新型コロナウイルスに想像すればいいのか、戸惑ってしまった。
でも読んでいくうちに、ストーリーの骨格が確かになり、楽しませてくれた。
ヴァンパイアウイルスによって、感染者対非感染者の対立が生まれ争いになる。それでも、自分に降りかかる悪い状況を追い払いながら、ひとりで事件に立ち向かっていく夜刑事。
外国のスパイらしき女性が近づいてきて、敵なのか味方なのか、それとも男女の関係になるのか、ストーリーを膨らませてくれる。最終的に -
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「ボディーガードキリ」シリーズ第3弾。
安定の大沢在昌節。序盤はロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズを彷彿とさせる、関係者を順繰りに訪ねて、小悪党を小突いて情報を取る手法の捜査。弥生とのバディもスペンサーとホークを思い出してニンマリ。中盤以降はそれまでの登場人物が絡み合ってややこしいが、そんな事も気にせず面白く読み進められた。真犯人以外の途中で敵対してた人物達が、最終的に仲間になって大円団となる展開は、かつてジャンプ漫画を読んでいた世代には胸熱。三角関係も微笑ましく、ヒリヒリするストーリーに和やかさが加わった。次作もこの三角関係を続けて欲しい。 -
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新宿鮫シリーズ第4弾
1994年第110回直木賞
今作は、若者をターゲットにしたかのようキャンディタイプにされた覚醒剤の販売から製造元までのルートを追う
そして主人公は 製造元である地方財閥に関係する兄弟になります
4作目で直木賞という事で
多少意識しながら読むことになります
好みなら3“屍蘭”の女性の陰湿さが
ハードボイルドなら2“毒猿”の頑なさが
推せます
ですから、ここまでの軌跡で直木賞でしょうか
製造元となる兄弟の
恵まれはいるが、地方名家分家としての立場
自由にならない家系、恋愛
その社会ごと汚したかった兄と従属する弟
そこに覚醒剤があったがために
慣れない犯罪に染まっていくふ -
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バンパイアウイルスに感染した刑事岬田は、太陽の光にあたると皮膚を火傷をするが、暗闇で目が効き聴力が発達し外傷に強い体質を得た。
謎の工作員のマコと疑心のなか協力しながら、感染者グリーンボマーとそれを排斥するバンヘルシングの抗争に踏み入れていく。
吸血鬼のような体質の刑事という新たなカテゴリーの警察小説には、ハヤカワミステリーからの出版かと思ったくらいだった。
斬新な読み応えもあり、お得意のお色気要素も盛ってあり、謎解きの妙味もあり、飽きさせず読ませてくれた。
小説の結末も、以降の作品に乞うご期待的な終わり方がよい。
ただ「大沢在昌の警察小説」を期待して読み始めたが、リアルな物語とは少々道をず -
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面白いのかもしれない
1990年第3回このミステリーがすごい!
1991年第12回吉川英治文学新人賞
1991年第44回日本推理作家協会賞 受賞
新宿署の鮫島警部で、“新宿鮫”
あまりの直球
キャリアとして警察庁に入ったエリートだった
鮫島
ノンキャリアの警察官との暴力事件
(これで首に傷が残り後ろがちょっとロングヘア)
そして同期キャリアの自殺
その真相の遺書的手紙を受け取る
そんなこんなで 新宿署防犯課(現在生活安全課)
へ左遷人事
荒れた新宿署でペアを組む相棒を得られず
一匹狼ならぬ一匹鮫
それでも検挙率はトップ
犯罪も罪深いけど 警察組織も闇深い
第1巻から単独行動でかなりの痛 -
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ネタバレ脳移植を受けた美人麻薬取締官の神崎アスカと、同じく脳移植者のロシアの殺人鬼ヴォールク。
二人は世界で、ただ二人の脳移植者という事実に、互いに強く相手を意識しあう。
「ヴォールク(狼)」は、幼い頃に森で生き別れに成った妹のワーニャをアスカに置き換え、アスカをロシアへ連れ帰ろうとする。
アスカが古芳という刑事と恋人関係だと知ると、ヴォールクは古芳に憎しみを感じた。
ロシアの諜報機関SVRのソコロフは、ヴォールクとその仲間のミドヴィエーチ(熊)に、チェチェン人に奪われた偽札の回収をするため、日本への派遣を命じた。
ヴォールクはアスカに会いたい為に、その任務を引き受けた。
日本に来たヴォールクはアス