あらすじ
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事に、極秘の捜査チームへ誘われる。早速、“本社”と呼ばれる組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者――中国残留孤児三世としての鬱屈を抱えるホウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミ――と出会う。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編! 解説・小島秀夫
※本書は小社より二〇一〇年十二月に刊行された『カルテット1 渋谷デッドエンド』『カルテット2 イケニエのマチ』を文庫化したものが底本です。
感情タグBEST3
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塚本を抹殺する前編のような「渋谷デッドエンド」で配役が登場し、表題作で彼らの活躍に焦点が当たる構成は、面白いと感じた.クチナワが全体をコントロールし、タケル、カスミ、ホウらが派手に動き回るが、ミドリ町へ彼らが侵入する件が楽しめた.ヤクが当然のように行きかう町、日本の中の中国と言える雑多な町.このような場面を創造する著者の発想に感心した.クチナワとうまく連携して、窮地に追い込まれたカスミを救い出し、黒幕の敦(トン)を暴き出したタケルとホウの活躍は素晴らしかった.
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大沢在昌の長篇ミステリ作品『生贄のマチ 特殊捜査班カルテット』を読みました。
『流れ星の冬』、『亡命者 ザ・ジョーカー 新装版』に続き、大沢在昌の作品です。
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警察小説の名手・大沢在昌の新たな挑戦!
異端者4人組の潜入捜査班!
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。
孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
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2010年(平成22年)刊行された作品… カルテットシリーズの第1作『カルテット 渋谷デッドエンド』と第2作『カルテット2 イケニエのマチ』を合本して文庫化された一冊です。
■渋谷デッドエンド
■生贄のマチ
■解説 若者たちに開かれしハードボイルドの息吹 小島秀夫(ゲームデザイナー)
子供の頃、家族を何者かに惨殺され、怒りに衝き動かされるタケル… 中国残留孤児三世に生まれたことで日本人を憎むホウ… 出自から目的まで、すべてが謎に包まれたカスミ… そして、3人を特殊捜査チームに仕立てようと目論む、警視庁の異端者クチナワ、、、
それぞれの想いを秘めた4人が犯罪に立ち向かう… タケルはクチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。
それは“本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入だった… 孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編、開幕!
主人公の3人の活躍が現実離れしているのでリアリティはないのですが… 文体の歯切れがよく、テンポもよくて、キャラクターにも魅力があるので、とても読みやすかったですね、、、
自分も主人公たちと同じ10代になった気分で、大人の裏社会を背伸びして覗き込んでいる感覚で読めました… 大沢在昌らしい、娯楽作品、エンターテイメント作品に仕上がっていたと思います。
本作品に収録されている2篇で、バラバラだった3人に絆が芽生え、仲間として認識し、チームとして機能し始めたので、今後の展開が愉しみ… 続篇も読んでみたいですね。
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大沢流ハードボイルドに外れナシ。安心して読んでいける。ホントは、渋いオッサンのハードボイルドが好物だが、若者が中心となるストーリーもいいかも。
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2017/7/14
なかなかの後引きやった。
すぐに続編を調べたほどに。
それぞれの事情がすべて語られたわけではないので、まだまだ気になることがいっぱい。
大沢さんのはこういういい意味で荒唐無稽な方が好き。
天使の牙とか。
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だいぶ前に単行本3巻までしか読んでなかったので、あらためて再読。青春ハードボイルド的な作品。今作はクチナワを除く実行部隊3人を中心にチームとし出来上がってくるのを主題としているように感じた。次回作でさらなる成長を期待。
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まさに王道のアクションエンターテイメント作品。
舞台設定は非現実的であるものの、大沢作品だけにしっかりと書かれていて一気に読めました。
シリーズ作品なので、今後このチームがどのように成長していくのか楽しみです。
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怒りをその身に纏って自分の正義を貫こうとしているタケルたち。ヤッパリ、クチナワの指示に無条件に従っていてはいけない気がする。流されずに、自分たちの目と耳で状況を捕まえていないといけないと思う。
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読みやすさにも配慮したのかな。その方が広く受け入れられるのかもしれないけど、個人的にはもう少しドロッとしててもいいかな。何はともあれ謎をいくつもはらみつつ、今後の展開は楽しみである
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警官ではない、日本人の若者と中国残留孤児の三世、謎の女ミサキと警察官僚クチナワのチームが悪を倒すため、捜査を行う。
説明文にすると陳腐だが、内容はハードボイルド
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「渋谷デッドエンド」
タケルの存在が 光っていた。
暴力を振るうことで、鬱憤を晴らす。
それでも、ナイーブな存在。
車椅子に乗った警視正のクチナワは、怒りを集めてエネルギーにするという。
美少女 カスミは、一体何を考えているのだろうか?
不思議な存在でもある。裕福な良家の娘という設定か?
ホウは、残留孤児3世という出自による日本への恨み。
渋谷のDJのコンサートでの活劇は大沢在昌らしい。
「生贄のマチ」
タケル、カスミ、ホウは、日本におけるクーロン城に
潜入調査。覚醒剤の製造と少女殺しの犯人を探す。
宗教を装いながら、覚醒剤を製造する。
女をインランにさせる薬を開発するというのが、しょぼいなぁ。
そのショボさが、物語のレベルを下げてしまう。
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家族を惨殺され、一人生き残ったタケルは、法的に裁かれない人間に私的制裁を加える日々を送っていた。
そんなタケルは謎の人物クチナワに出会い、極秘潜入捜査に加わることに。最初に潜入先で他のメンバー、カスミ、アツトと出会い、チームとして警察では捜査出来ない特命の潜入捜査を行っていくシリーズ。
久しぶりの大沢作品。チームを組む3人の年齢が若いので、最初は物語に入り込みにくかったが、敵との対峙シーンなどはさすがに大沢在昌。読み応えあり。
中途半端な警察小説ではなく、あくまでもエンターテイメント作品として楽しめる。
タケル、カスミ、アツトのそれぞれの成長と、過去の謎がこれから描かれると思うと、今後も楽しみ。
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若者三人のハードボイルド小説。
読む上で、どうしても20代前後の若者とは思えない発言と行動。自分と照らし合わせるからそう思ってしまうのか⁈
年齢に重点を置かなければ素直に面白いハードボイルドとして読める。犯人がわかり、捕まればホッとする。
まだ、謎が解けてない部分があるから次作を読むのが楽しみ。
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家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の警視正に、極秘の捜査チームへ誘われる。“本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者ー中国残留孤児三世としての鬱屈を抱えるホウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミーと出会う。
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ノンフィクションに近ければ面白いけど、実際にありそうな無さそうな。スピードありの面白い作品かと面白います。シリーズものなので次を買わないと、秘密が秘密のままじゃないか。