大沢在昌のレビュー一覧
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大沢在昌の長篇ミステリ作品『夢の島』を読みました。
『Kの日々』に続き、大沢在昌の作品です。
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24年音信不通だった父の謎の“遺産"。
無限の富を生み出す遺産を巡り、人々は騙し合い、殺し合う……。
著者初期ミステリーの傑作、復刊!
大沢在昌の魅力を凝縮した一冊だ。池井戸潤さん
24年間音信不通だった父が残した巨万の富を生む〝遺産〟とは──!? それに群がる悪党たち!
24年間音信不通だった父が亡くなった。
その知らせを受け、駆け出しのカメラマン・信一は、画家だった父の形見として一枚の絵を手にすることに。
すると、急に大きな仕事の依頼が舞い込む。
さらに、ヤクザに脅され、"父の友人"から妙な連絡があり、とにかく不穏だ。
そして、父が残した「遺産」は無限の富を生み出すという事実まで明るみに。
父はどんな人物だったのか、そしてその遺産とは何なのか──。
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双葉社が発行する月刊小説誌『小説推理』に1998年(平成10年)1月から1999年(平成11年)1月に連載され、同年9月に単行本として刊行された作品です……2021年(令和3年)11月に集英社より復刊した文庫本で読みました。
1枚の絵に隠された亡き父・洋介の想いとは……24年ものあいだ音信不通だった父の謎の「遺産」が絹田信一を忌まわしい宝探しへと誘った、、、
2歳で別れてから24年、音信不通だった父が亡くなった……その知らせを受けて以来、駆け出しのフリーカメラマン・絹田信一の身辺は急に騒がしくなる。
唯一遺品として受け取った、父が描いた絵……それをめぐり、不穏な動きを見せる人間たち、、、
恋人、友人も様々な事件に巻き込まれ、信一は絵に秘められた謎に挑む……果たして信一は、この愚かな「死のレース」にピリオドを打つことができるのか……。
駆け出しのフリーカメラマン・絹田信一が、24年間音信不通だった父が亡くなったという知らせを受けて、父が残した一枚の絵に隠された謎に挑むことになるが、その絵には、夢の島と呼ばれる秘密の場所が描かれており、それを狙うさまざまな勢力との争いに巻き込まれていく……という物語、、、
大沢在昌作品らしいテンポが良くて一気に読める展開や、最後のどんでん返しも良かったですね……あとは、普通の青年なのに、麻薬や暴力に関わる事件に巻き込まれても、冷静に対処できる強さを持っている主人公の信一や、信一を助けるために危険な行動に出る等、信一との絆が感じられる恋人の美加や友人の鯉丸等の登場人物が魅力的だったのも印象的でした。
夢の島という謎の場所にも魅力を感じましたねー 父が描いた絵にしか存在しないと思われていた夢の島が、実は現実にある場所で、夢の島には何があるのか? どうしてそこにあるのか? という謎の提示の仕方が巧いなぁ と思いました……父と息子の関係の描き方も良かったなー ハードボイルドな展開と感動的な結末を兼ね備えた作品でしたね。 -
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大沢在昌の長篇ミステリ作品『Kの日々』を読みました。
大沢在昌の作品は、今年の1月に読んだ『無病息災エージェント』以来ですね。
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闇に葬られた三年前の組長誘拐事件。
身代金は八千万円。
身代金をうけとった李は、事件から間もなく、白骨となって東京湾に浮かんだという。
李の恋人Kの調査をはじめた裏の探偵・木。
謎の女Kは、恋人を殺しカネを独り占めした悪女なのか、それとも、亡き恋人を今も思いつづける聖女なのか!?
逆転、また逆転、手に汗を握る長編ミステリー。
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双葉社から刊行されている週刊誌『週刊大衆』に2005年(平成17年)6月から2006年(平成18年)6月に連載され、2006年(平成18年)に刊行された作品です。
身代金はどこに!? 逆転につぐ逆転……一気読み必至の長編ミステリ!
この3日間で、木はその女にちょっと惚れてしまった……女にほとんど興味のない木には、それはひどく珍しいことだ――。
その女、「K」の調査を依頼された「裏」の世界の探偵・木……依頼の内容は、Kが隠し持っているというお宝を見つけ出してほしいというものだった、、、
3年前に発生し、闇に葬られた丸山組組長誘拐事件……多額の身代金をうけとった李という男が、事件から間もなく、白骨となって東京湾に浮かんだという。
Kは李の恋人だったのだ……Kは恋人を殺し身代金を独り占めした悪女か、それとも恋人を思いつづける聖女か、、、
逆転につぐ逆転に一気読み必至の長編ミステリ!
裏社会の探偵・木(もく)が、3年前の暴力団・丸山組組長誘拐事件での消えた身代金8千万円と美女・K(元山京)の謎を追うハードボイルドな物語……スピーディでスリリングな展開と、最後の予想できないどんでん返しが愉しめました、、、
3年前の事件では、本当には何があったのか? Kの本性は善であるか悪であるか? 2つの謎解きに最後まで引っ張られ、最後の1ページまで飽きることなく読めましたね。
特に儚げな美女と一目惚れした探偵の関係が印象的……ついつい木に感情移入してしまい、この後、二人で幸せになってほしいなぁ と感じましたね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家志望者はまずこれを読め!
今、〈ミステリーズ!〉(東京創元社)という雑誌で、『料理を作るように小説を書こう』という連載をやっています。小説を書くことを料理にたとえて、僕がこれまでに蓄えてきた執筆のテクニックをいろいろ紹介していこうというものです。
その執筆を開始する前に、他の作家さんはどういう風に小説を書いているのかなと、小説指南本を何冊か読んでみたんです。プロ作家の書いた本、限定で。
というのも、プロの作家でもない人や、ぜんぜん売れてない人が書いた「作家になる方法」とか「売れる本を書く方法」という本が、けっこうたくさんあるんですよ。そんなの、信用できないじゃないですか。だったらまずお前がやってみせろと(笑)。
だからプロ作家の本、限定。
その中で最も共感したのが、この大沢在昌『小説講座 売れる作家の全技術』(角川書店)でした。ベストセラー作家の大沢在昌氏が、12人の作家志望者に小説の書き方をレクチャーするというもの。精神論は最小限で、とにかく実戦的。プロ作家の体験に基づくテクニックや、作家になるための心構えなど、役に立つことばかり書かれています。
同じ作家として言わせてもらえば、大沢氏がこの中で言っていることのほとんどは、まったくその通りで、ケチをつけるところが見当たりません。読みながら、「ああ、それってあるある」とか「へえ、大沢さんもやっぱりそういうことを考えながら書いてるのか」とか、共感することが何度もありました。
僕の場合、ここに書かれていることの多くは、普段から意識して実践していたり、あるいは無意識のうちにやっていたことばかり。だから僕にとってはあまり役に立たなかったんですけどね(笑)。でも、「プロ作家になりたい」とか「もっと小説が上手くなりたい」と思っているアマチュア作家の方々には、絶対におすすめです。
というのも、プロ作家には常識であることでも、一般に知られていないことがけっこう多いんです。小説を書くために、まずそういったことを知らなくちゃいけない。
参考書のように、要点が赤い字で印刷されているのも分かりやすいです。いくつか引用すると、
自分の日本語力を疑うこと
当たり前のように思えるかもしれませんけど、自分の日本語力を疑わない人って多いんですよ! 僕はいつも国語辞典を手元に置いて、使い慣れない言葉は必ず調べてから使うようにしています。それでも校閲で言葉の誤用を指摘されることはしょっちゅうあります(笑)。
物語が膨らもうとしているときには、緻密すぎる設計図はむしろマイナスに働く
はいはい、僕も小説を書く前に緻密なプロットは立てません。書いてる途中で必ず、「ここはもっと膨らませるべき」とか「こっちの方向に進んだ方が面白い」という部分が出てきますから。大雑把にプロットを立てて、後はアドリブで展開した方が絶対にいいです。
キャラクター作りとストーリー作りは、どちらが先でどちらが後ということではなく、常にリンクしている
これも作家にとっては当たり前なんだけど、けっこう多くの人が気づいてないんですよね。「キャラクターかストーリーか」なんて二者択一で論じている人を見ると、「何で?」と不思議に思ってしまいます。ストーリーを引き立たせるためにキャラクターがあり、キャラクターを引き立たせるためにストーリーがあるのに。
他にも、
「主人公に残酷な物語は面白い」
読者を冷静にさせてはいけません。
頭の中に自分だけの映画館を持って、そこで物語を上映してみる。
などなど、 本当に役に立つことばかり。
テレビでよく見る作家でちゃんと小説も書いているという人はとても少ない。
なんて、うん、確かにその通りなんだけど、それ言っちゃっていいの?(笑)
読むことが好きで好きで読み過ぎて、そこから今度は書きたいという気持ちに転換した、そういう自分を自覚している人でなければ作家にはなれない。
その通りです。好きだからこそ作家になれるんだし、好きだからこそ続けられる。「作家ってなんか楽して儲けられそうじゃん♪」なんて軽い気持ちでこの世界に飛びこんだ人は、後で苦労しますよ。小説が好きで書いてても苦しいのに、好きでない人がこの仕事を選んだら、どれほど苦しいか。
大沢氏も書いていますが、今、出版業界は大変な不景気で、ごく一部の人気作家以外は初版部数がかなり絞られています(僕もスニーカー文庫で書いてた頃に比べると半分以下になっています)。だから新人作家は、食っていこうとすると休みなしに書き続け、年に何冊も本を出さなくちゃいけません。当然、売れなくなったらおしまい。他に本職を持ってる人はまだいいんですが、フルタイムの作家なら、そこで野垂れ死にすることになります。ものすごくリスキーな職業なんです。
作家になりたいなら、そういう苦労や危険を背負う覚悟をすべきでしょうね。