あらすじ
エステサロンを経営する美貌(びぼう)の女社長・藤崎綾香(ふじさきあやか)。彼女は成功を手にするため、あらゆる手段を取ってきた。殺人、闇ビジネス……。看護婦のふみ枝は、綾香に代わり汚れ役を演じてきた。新宿鮫を恐れた女たちは、鮫島の動きを封じるため罠を仕掛ける。鮫島に汚職、そして殺人の容疑が! 美しさに隠された犯罪者の「心の闇」が浮かび上がる。シリーズ最大のサスペンス!
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Posted by ブクログ
ほう、と思う
ハードがボイルドしていないのではないか、と
エステサロンの美貌の女社長
彼女の取り巻き達
胎児を使った許せない闇ビジネス
女性達の陰湿さが漂うサスペンス劇場となった
新宿鮫3
さすがに前巻の毒猿系タイプが続きますと
読むにも体力が必要
早めにシリーズ卒業かしらと予測していたところ
軽くサイコ系サスペンス風
おそらく、本来の新宿鮫ファンは
物足りなくてこの巻の評価が多少低めなのかな
と思いました
私はこちらの方が好みでしたけれど
鮫島は、孤立無援の状況から徐々に協力者が
増えていくのかな
Posted by ブクログ
屍蘭★4
安定の新宿鮫シリーズ。面白かった。今回は殺しに使われた毒だったり病院の話だったりと医療の話が多かったがその正確さに驚いた。非常に良く下調べされていて医療関係の自分でもすべて腑に落ちる設定にできていてすごいなと感じた。国家試験前の唯一の息抜きとしてこの一冊をちょっとずつ読み進めたのもいい思い出になった。
早く次も読みたい。
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズ第3作。
前作のような派手さはなく、全体的にどこか後ろ暗い雰囲気が付き纏う作品。
一見すると地味になりそうなストーリーに、主人公鮫島の汚職容疑というスパイスを混ぜることで全体のバランスをとっている感じ。
一気に読ませる筆力は流石の一言。
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズ第3弾。本シリーズは1作ごとに大きく異なるテーマや手法に挑戦しているが、本作の相手は女性(美しき女実業家とベテラン看護婦)。彼女らの独特でスリリングな関係性が本作の肝。
現在、シリーズ(長編)は11作あるらしい。完全にファンになったので全部読むぞー。
Posted by ブクログ
前作の「毒猿」では、台湾やくざと台湾の刑事が、プロとして自分の仕事を全うしながらも互いを信頼していたけれども、この「屍蘭」は犯罪の素人の女たちが、鮫島を追いつめていく話。
彼女たち・綾香とふみ枝は、決して誰にも知られてはならない秘密で繋がっていて、しかし必ずしも互いを信頼しているわけではない。
全く対照的な「毒猿」と「屍蘭」ではあるけれど、途中で読むのをやめられないのはどちらも同じ。
ただ、最後まで読んでみてもふみ枝という女がよくわからない。
なぜ綾香のためにそこまで献身的になれるのか。
自分は見捨てられるのではないかという不安を感じながら、綾香を守るために自分の手を汚し続けるふみ枝。
彼女はベテランの看護師で、命を守る人だったはず。
看護師であり、サイコパスだったってこと?
鮫島が組織の中で追い詰められていきながらも、彼女たちを追いつめていく様は圧巻。
王手飛車取りからの逆転。
これが癖になるんだよね。
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズの第3作。1994年。
今回は、
「不法に赤ちゃんを堕胎させ、その赤ちゃんの死体を臓器売買などで海外に不法に輸出して暴利を得ている一味」
が、敵役です。
その一味と言うのは、ボスが美容クリニック経営者の美女。そして、その手先である元刑事、無免許医師、そして看護師のおばちゃんです。
魅力は、なんといっても看護師のおばちゃん。
このおばちゃんが、地味なおばちゃんなんだけど、非情で凄腕の殺し屋、という設定。
そしてこのおばちゃんは、私利私欲が無い。美容クリニック経営者の美女のことを、「娘」のように愛していて、そのためならなんでもする、というキャラクター。
第1作ではヤクザやホモのプロ犯罪者。第2作では、国家に鍛えられた殺しのプロ。
という流れから一気に目新しいカタキヤクです。流石。
前半、まだ敵の全貌が分からず、振り回されながら主人公が徐々に敵を知っていくあたりが、面白かったですね。
その辺りで、主人公の恋人さんもちょこっと事件に巻き込まれます。
そういったやり口も、ほどほどで面白い。
後半は、ちょこっとバタバタしますかね。
といっても、このシリーズを楽しむのであれば、多少のご都合を批判するのは的外れ、なんですけどね。
金田一耕助シリーズもそうなんですが、だいたいにおいて最大の殺人者、最大のドラマを背負った犯罪者が、最期に追い詰められつつも、自殺しちゃうんですよね。
そのあたり、パターンと言えばパターンで、微笑ましい限りです...。
Posted by ブクログ
J様追いかけ第3弾
普通のおばちゃんがさくさく人を殺してしまう。
大事な人のためだからまったく悪いと思っていない。
大事な人が恋愛対象ではないところがさらにぐっとくる。
この二人が出会ったことがほんとに運命なのかなと思う。
で、やはり女のほうがこのくらいやってのけそうだと思えるから怖い。
ああでもほんとに読みながら映像を見ているような感覚になりました。
第3シリーズまで来て、また次も読みたいと思わせるのは凄いですね。
Posted by ブクログ
ふみ枝はなぜあんなに綾香を愛していたのか?ふみ枝にはある種の正義感や常識がありそれを正そうというところがある。ただそれは独りよがりな部分が大きく物事を広く捉えることは出来ない。それが片寄った愛情となり、想像を越える結果をもたらした。鮫島は容疑者に鋭く食らいつき抉っていく。信念を持った正しい生き方は誤った行いでのさばって行こうとする奴等に負けないで欲しい。
《肌合い》が違う…。
前作の『毒猿』か強烈だったせいで、何となく見劣りしてしまう残念な作品。
ストーリーとしては決してつまらない訳では無いのだが、前作とこの後の『無間人形』がスゴ過ぎて、スーッと読み終えてしまう感じで、今ひとつ喰い足りない読後感…。
正直『新宿鮫』シリーズで採り上げなくても、別のシリーズや単独でも良かったような気がしてしまう。
前後作の《分かり易い狂気》ではなく、《ひたひたと迫る女性の狂気》かテーマなのでそう感じてしまうのかも…。
従って、星3つの評価。これは人それぞれ感じ方の問題か。
Posted by ブクログ
2巻目より、やはりこちらの方が読みやすい。グロさがなくて。
確かに、2巻を読んでしまうと、ドラマ感には欠けるのだけど。
でも、ちゃんと3巻とも事件にはバリエーションがあってよいです。
キャリア・本庁刑事が協力的な行動を取ることがしばしば見られたのは興味深かった。
Posted by ブクログ
花粉症になった。
薬を飲んで電車にゆらゆら揺られると眠たくて本がなかなか進まない。
新宿鮫シリーズ3巻、屍蘭。
今回の犯人は悪い!とにかく悪くて頭が切れて
美しい!
犯人"綾香"は美容サロンを経営する。
その裏で自分との絆を信じて疑わないふみ江に婦人科病院を経営させ、故意に流産させた胎児の臓器を、故買屋、三森の持つルートを使い密輸させ大金を稼ぐ。
何が悪いって…、
綾香との絆を信じて疑わない"ふみ江"、
元刑事で綾香の左腕の"光塚"、(あれ?右腕だっけ?)
臓器密輸を手配する"三森"、
綾香は自分の欲望を叶える為に必要な人間の心をうばい、自分を愛する人達を意のままに操り欲望を叶えていく。最後の最後まで自分の手は汚さない。
そして必要となったら、側にいる人達をも切っていく。わぁーるぅーいぃー!
怒りマークオデコに出しながら読み進めた。
そんな綾香と光塚に鮫島は罠にはめられ
三森殺しや買収の容疑をかけられる。
警察はマスコミに事件を発表され
世間からの警察に対する信頼を失う事を恐れる。その情報がリークされれば鮫島は警察官ではいられない。
限られた時間と制限された行動の中で真犯人を追う鮫島。
激しいプレッシャーの中で鮫島の
警察官でいる意味を再確認する場面は感動!
自分の欲望のままに生きてきた綾香と対照的だった。
そして世間からの不信感を恐れる警察内部にも鮫島を助けようと行動する人達。
今回もぎりぎりまでドキハラが続いたー!
最後の鮫島と晶の仲良しの場面になるとホットする(^^)
Posted by ブクログ
3.5
新宿鮫シリーズ第三弾。
昌の知り合いのロックシンガーが、下ろす必要のない子供を勝手に掻爬され、文句を言いに行ったまま行方不明に。
そのクリニックは胎児の売買をメインに行う悍ましい集団だった。
きな臭さを感じ取った鮫島は徐々に真相に迫って行くが、迫り来る脅威を感じ、鮫島の排除に乗り出した敵の罠に嵌り、警察機構を追われる事態に追い込まれる。
Posted by ブクログ
やっぱり新宿鮫シリーズは小気味がいいっすね~。
本作はちょっと哀しいものがありましたが、犯人たちの気持ちとかにリンクすることはできませんでした。
切ないといえば切ないのではありますが。
興味深かったのは、警察の内部構造の説明や国税局の査察官の説明ですね。
世の中にはまだまだ知らないことがあるんだなっと思いました。
ま~単に私が無知なだけなのかもしれませんが。
このシリーズ、2作目「毒猿」があまりによかったせいか、イマイチに思えました。
一匹狼、いや鮫の鮫島に唯一生意気な口がきける晶もあまり出てこなかったし(私は晶が嫌いなので、うれしかったことでもあるんですけど・・・ウヒヒ)。
でも、これまた表向きあまりパっとしない鮫島の上司の桃井が、鮫島をバックアップする姿がどんどん出てきてうれしかったであります。