あらすじ
エステサロンを経営する美貌(びぼう)の女社長・藤崎綾香(ふじさきあやか)。彼女は成功を手にするため、あらゆる手段を取ってきた。殺人、闇ビジネス……。看護婦のふみ枝は、綾香に代わり汚れ役を演じてきた。新宿鮫を恐れた女たちは、鮫島の動きを封じるため罠を仕掛ける。鮫島に汚職、そして殺人の容疑が! 美しさに隠された犯罪者の「心の闇」が浮かび上がる。シリーズ最大のサスペンス!
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Posted by ブクログ
前作の「毒猿」では、台湾やくざと台湾の刑事が、プロとして自分の仕事を全うしながらも互いを信頼していたけれども、この「屍蘭」は犯罪の素人の女たちが、鮫島を追いつめていく話。
彼女たち・綾香とふみ枝は、決して誰にも知られてはならない秘密で繋がっていて、しかし必ずしも互いを信頼しているわけではない。
全く対照的な「毒猿」と「屍蘭」ではあるけれど、途中で読むのをやめられないのはどちらも同じ。
ただ、最後まで読んでみてもふみ枝という女がよくわからない。
なぜ綾香のためにそこまで献身的になれるのか。
自分は見捨てられるのではないかという不安を感じながら、綾香を守るために自分の手を汚し続けるふみ枝。
彼女はベテランの看護師で、命を守る人だったはず。
看護師であり、サイコパスだったってこと?
鮫島が組織の中で追い詰められていきながらも、彼女たちを追いつめていく様は圧巻。
王手飛車取りからの逆転。
これが癖になるんだよね。
《肌合い》が違う…。
前作の『毒猿』か強烈だったせいで、何となく見劣りしてしまう残念な作品。
ストーリーとしては決してつまらない訳では無いのだが、前作とこの後の『無間人形』がスゴ過ぎて、スーッと読み終えてしまう感じで、今ひとつ喰い足りない読後感…。
正直『新宿鮫』シリーズで採り上げなくても、別のシリーズや単独でも良かったような気がしてしまう。
前後作の《分かり易い狂気》ではなく、《ひたひたと迫る女性の狂気》かテーマなのでそう感じてしまうのかも…。
従って、星3つの評価。これは人それぞれ感じ方の問題か。
Posted by ブクログ
2巻目より、やはりこちらの方が読みやすい。グロさがなくて。
確かに、2巻を読んでしまうと、ドラマ感には欠けるのだけど。
でも、ちゃんと3巻とも事件にはバリエーションがあってよいです。
キャリア・本庁刑事が協力的な行動を取ることがしばしば見られたのは興味深かった。
Posted by ブクログ
花粉症になった。
薬を飲んで電車にゆらゆら揺られると眠たくて本がなかなか進まない。
新宿鮫シリーズ3巻、屍蘭。
今回の犯人は悪い!とにかく悪くて頭が切れて
美しい!
犯人"綾香"は美容サロンを経営する。
その裏で自分との絆を信じて疑わないふみ江に婦人科病院を経営させ、故意に流産させた胎児の臓器を、故買屋、三森の持つルートを使い密輸させ大金を稼ぐ。
何が悪いって…、
綾香との絆を信じて疑わない"ふみ江"、
元刑事で綾香の左腕の"光塚"、(あれ?右腕だっけ?)
臓器密輸を手配する"三森"、
綾香は自分の欲望を叶える為に必要な人間の心をうばい、自分を愛する人達を意のままに操り欲望を叶えていく。最後の最後まで自分の手は汚さない。
そして必要となったら、側にいる人達をも切っていく。わぁーるぅーいぃー!
怒りマークオデコに出しながら読み進めた。
そんな綾香と光塚に鮫島は罠にはめられ
三森殺しや買収の容疑をかけられる。
警察はマスコミに事件を発表され
世間からの警察に対する信頼を失う事を恐れる。その情報がリークされれば鮫島は警察官ではいられない。
限られた時間と制限された行動の中で真犯人を追う鮫島。
激しいプレッシャーの中で鮫島の
警察官でいる意味を再確認する場面は感動!
自分の欲望のままに生きてきた綾香と対照的だった。
そして世間からの不信感を恐れる警察内部にも鮫島を助けようと行動する人達。
今回もぎりぎりまでドキハラが続いたー!
最後の鮫島と晶の仲良しの場面になるとホットする(^^)