あらすじ
凄腕の殺し屋・毒猿(ドウユアン)が新宿に潜入。彼を裏切った台湾マフィアのボス・葉(イエー)が標的だ。孤独な毒猿に心惹かれた奈美は、その復讐劇に呑み込まれていく……。台湾の敏腕刑事・郭(グオ)とともに、毒猿の爪痕を追う鮫島。葉を匿う暴力団・石和組と毒猿の全面対決が迫る! 新宿御苑を舞台にした決戦の果ては!? そして奈美の運命は!? シリーズ最強の敵が鮫島の前に立ちはだかる。
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Posted by ブクログ
大沢在昌さん「毒猿」、新宿鮫シリーズの第2弾。
このシリーズ最高傑作と名高い今作品、確かに前作を大きく上回るスケール感と緊迫感が素晴らしかった。
物語は台湾人殺し屋、台湾マフィア、台湾警察官が日本のヤクザと警察を巻き込みながらの超ド級エンターテイメント。言うまでもなく舞台は東京•新宿。
その台湾人の殺し屋「毒猿」の殺人能力が驚異的で最終的にはこの抗争で36人もの人間を殺し、日本のヤクザ石和組を解散にまで追い込むという怪物っぷり。モンスターに違いはないのだが、彼にはかなり純度の高い人の血が通っており中盤以降は彼に肩入れしながら頁を進めていた。
読み終わってみるとかなり喪失感漂う結末で結構な虚無感に包まれる。毒猿こと劉と台湾警察官の郭の相関性が特にお見事で二人の友情とも読み取れる物語展開には感服させられた。
また鮫島と郭も日本と台湾と国は違えど二人とも一匹狼の警察官であり、その辺りも二人が惹かれあった一面でもあったのでは?と感じさせられる。
なにしろ特大のエンターテイメント作品で前回「新宿鮫」を読んだ時にこの先続編を読むのをやめようかな?と不安を感じたほどだったので本当に度肝を抜かれた。「新宿鮫」シリーズの人気の高さがよくわかる作品だと思った。
期待して次は「無間人形」を。
「新宿鮫」の面白さが分かってきた。
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新宿鮫2
台湾の殺し屋・毒猿。
強すぎです!!
背後から水中から、目で追うことができないスピード。
あれ?小説読んでるのに変な表現かな?
新宿鮫1の時もそうだけど、完全に脳内で映像化されてます。
描写がリアルすぎて、緊張感と恐怖がハンパない。
今回の鮫島さんはちょっと脇役かなと思う。
それがまた良いのだけど。
毒猿を裏切った台湾マフィアのボス・葉威。
葉威を追う毒猿。
その毒猿を追う台湾の刑事・郭。
郭と共に毒猿を追う鮫島。
新宿御苑でのラストシーンは一気読み。
そして、毒猿に惹かれて手助けをする奈美。
この奈美の存在がまた哀しさを誘うのです。
そしてそして桃井さん。
鮫島の上司、桃井さんが今回も渋くてカッコ良い。
桃井さんは“まんじゅう”とあだ名されているが、鮫島との信頼関係にグッとくるのです。
「桃井はすでに書類をとりよせてくれていた。
鮫島は桃井に礼をいった。課長席にすわった桃井は、ふだん通りの、もの静かなマンジュウだった。老眼鏡をかけ、新聞をめくり、そっけなく頷いただけだ。」
ヒャー!しびれる~!!
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学生時代に出会った台湾の友人、
職場で助け合った中国から来た同僚、
みんな底抜けに優しくて真面目で勤勉で
美味しいものをよく知っていて
大切にしてもらった。
大沢作品の中に出てくる中国や台湾の
登場人物はそんな友人をじわっと思い出させてくれる。
台湾からきた殺し屋"毒猿"…
ほんとぉーにサイコーに格好良かった‼︎
台湾の殺し屋"毒猿"は自分を裏切り、恋人を殺した台湾マフィアの頭"葉威"を追って日本に潜入する。そして毒猿を追って新宿に来た台湾警察の"郭"
毒猿が"葉威"を追い詰めて行く中で
色々な人間関係が生まれ
駆け引きややりとりが交錯していく。
クライマックスがとにかく凄くて、
新宿御苑での
毒猿と武装した石和組と"葉威"の
戦闘シーンはとにかく強烈!
鮫島と毒猿の対面シーンは
唸りながら読み進めました。
新宿御苑の場面からは
止められなくて最後まで一気読み。
感想がうまく書けなくて
もどかしいのだけど…とにかく面白かった‼︎
星5個じゃ足りません!
Posted by ブクログ
新宿御苑がえらいことに…ハードボイルド…怖いから。
今回は鮫島以上に毒猿のかっこよさと奈美の恋心が切なかった。
各々刑事たちの言葉の端々にお互いを認め合う、思いやるとこも、しみじみ良かった。
やっぱり面白いわ。
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズ第二作。
第一作目に比べるとアクション要素が強く、展開が気になってページをめくる手が止まらなくなる作品。
台湾マフィアのボスの命を狙う殺し屋(毒猿)と、毒猿を捕まえようとする台湾の刑事。そしてそこに関わることになった主人公鮫島。
本作だけにに限らないが、キャラクターの設定が練り込まれていて非常に読みやすい作品。
Posted by ブクログ
記念すべき100冊目が新宿鮫でしたぁ。決して、めちゃめちゃ強い!訳ではない鮫島。警察という仕事が好きでたまらない感じが好き。何が何でも強い人間ではなくて弱さも見せる……所が人間味ある。毒猿と呼ばれる男の復讐劇に日本のヤクザが巻き込まれて、追う鮫島と郭。台湾・日本・マフィア・ヤクザ……と、ありがちな内容ではあるけれど、鮫好きなので、一気読みでした。切ない最後でした
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズで 唯一読んでいない作品だった。
第2作で 鮫島と青木晶が まだ若いなぁ。
そして、桃井も 『まんじゅう』とはいえ、
鮫島に全面的な信頼をしている。
台湾ヤクザの親分 葉。
台湾の殺し屋 毒猿 劉・鎮生。
台湾の刑事 郭・栄民の 3人が、
新宿を舞台にして、日本のヤクザ 石和組を巻き込んで闘うが、
日本のヤクザの 無防備、直情的行動にあきれてしまう。
毒猿が たったひとつの目的 葉を 殺害するために
全力を挙げ、葉の隠れ場所を 浮かび上がらせ、
徹底して たたいていく。
『ローズの泉』店長 亜木を 脳天踵落しで決める。
それは 『ネリョチャギ』。
毒猿は 台湾の水鬼仔の出身。郭と同じである。
そして、郭よりも 腕前は 上だった。
ローズの泉は 石和組の 安井が 社長だった。
葉は 石和組の組長が 隠れ場所を 提供していた。
毒猿は、ローズの泉で働いていた 残留孤児の子 奈美
の 通訳で 葉の居場所まで たどり着くのだが。
奈美は、毒猿に いつの間にか惚れ、
そして、毒猿の ために 薬を購入するのだが、
とらえられ、拷問される。
鮫島は、郭とともに 毒猿を追うが。
テンポよく、緊張感があり、毒猿のたえまない攻撃で、
葉まで 追いつめていく様は スリリング。
大沢在昌の 流石の ハードボイルド。よかった。
鮫島が人生の価値あるものを ふたつと言い切り
晶との恋愛と 警察官としての職務遂行としている。
これが、新宿鮫のコンセプトなんですね。
Posted by ブクログ
新宿鮫2
ハードがボイルドしすぎてる
新宿御苑でなんて事してますか
これから、お花見とか紅葉とかお散歩に御苑に
行く事があれば
台湾閣のとこの池が赤く染まるイメージから逃げられない
そして 好みは別として
2日前に読んだ本も忘れ気味の今日この頃
この新宿御苑の決戦は忘れそうもない
という事は名作なんだろうなあと思う
凄腕殺し屋毒猿が新宿に潜入
狙った相手は逃さない
台湾マフィアに台湾の敏腕刑事まで新宿に集合
第2巻は、鮫島よりも毒猿が圧倒的な存在感
33年振りの…。
大学生の頃には、何度も読み返して、NHKでドラマ化された時には『鮫島は舘さんじゃない!!』って怒ったり、この小説が切っ掛けで《新宿御苑》が大好きに成ったり、想い出深い作品です。
鮫島と云う刑事(警部)は《恐れ知らずの一匹狼》かの様に思われがちですが、決して強面のタフガイだからではなく、強い使命感と正義感を持った《信念の刑事》なんです。
だから、台湾の“海兵隊”上がりの殺し屋や刑事には敵わなくても《信念》の部分で共鳴しあえる。そして皆、互いの信念を貫き通す為にぶつかり合うんです。台湾マフィアが傍若無人に新宿中を暴れ回るストーリーですが、彼がそこに立ちはだかる事によって、事件は解決します。
哀しい物語ではあるけれど、新宿という土地の物語でもあるんですよね、『新宿鮫』の魅力は。
今作と『無間人形』は群を抜いて素晴らしい作品です。
Posted by ブクログ
毒猿 ★4
面白かった。今までにない程の激しめの戦闘シーンがおおくて面白かった。毒猿こと台湾の殺し屋の無敵感が爽快だった。それが主人公でないってのがこの作品の面白いところなのかもしれない。普通やったら主人公が強くて、、、、みたいな感じになりそうやけど。
けどなんとなく新宿鮫シリーズも狩人シリーズもラストはよく似ている。主人公の相棒的なやつが毎回いて最後暴力団の人ら巻き込んで撃ち合いみたいになって誰か死ぬ。
やっぱ個人的には大沢先生の中やと狩人1作目の「北の狩人」が1番好きです。
Posted by ブクログ
私はとても若い時に新宿鮫1を読んだのだが、その時は大人の味な気がして新宿鮫は敬遠していた。
大沢在昌を新宿鮫以外読破した今、新宿鮫を読んでみることにした。おもしろい。さすが大沢在昌だ。主人公の鮫島は、芯の通ったおっさんでかっこいい。新宿鮫シリーズ、読破だなこりゃ。
Posted by ブクログ
今回は”敵”がハッキリしていて、その分ストーリーは一直線に予想通りのラストに向けて走る。疾走感、そして毒猿を中心に追う者、巻き込まれる者それぞれのドラマが重厚に切なく描きこまれていて、第一級のハードボイルトに仕上がっている。
今作は描写がすごく視覚的で、映像化してほしい気持ちはあるが、安っぽいテレビ作品では満足できない。
(既になっているが…)
ただ、毒猿、追う刑事のキャラがしっかり立った分、鮫島が少し後ろに下がってしまったのも残念だし、晶とのエピソードは蛇足でしかない。
Posted by ブクログ
という訳で、貴志祐介を読む前に、先だって小説論を読んだ大沢在昌作品から。新宿鮫の1は読んだんだけど、もう10年位前になるから、着いていけるかなと思ったけど、それは全くの杞憂。本作だけでも十分楽しめるし、鮫以上にサブキャラたちの活躍が目覚ましくて、そっちを楽しむ物語になっている。何と言っても、タイトルからして毒猿がメインに来とる訳だし。その猿を含めて、なるほどキャラの魅力は抜群。小説論でも、繰り返しキャラの魅力について語られていただけのことはあり。オールタイムベスト入りも納得の、一気読み小説でした。でも☆4つなのは、やっぱりハードボイルドの世界観が苦手だから。
Posted by ブクログ
前半部分はロースピード。
説明部のようで、ついてこれなければ後半への楽しさが味わえない。
中間部からはスピードも乗って楽しい。
ハラハラドキドキ、場面もコロコロ変わります。
最終部はオチが読めるけど『走り出したら止まらない』のように最後まで駆け抜けてよみきってしまった。
映像としてみたい、そんな本です。
Posted by ブクログ
やっぱり読み返すと、ぶっちゃけ左より。リベラル。
現今で言うと、読み手次第かもしれませんが、アンチ自民党。
まあ、犯罪ミステリーの作者っていうのは、ちゃんとしてれば大抵社会派なんですけどね。
#
「毒猿」大沢在昌さん。再読。
新宿を舞台に、一匹狼の刑事「鮫島さん」が活躍する「新宿鮫シリーズ」、第2作。
鉄板保障な、男子のエンターテイメント。
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第1作では、
●改造拳銃作りの名人・木津の工房を抑える戦い。
●木津の銃を使った警官殺しの犯人を検挙するための戦い。
●主人公鮫島さんと、インディーズロック歌手・あきらさんとの恋愛関係。
●主人公の初期設定説明、レギュラー陣の初期設定説明。
●警察内の人間関係の初期設定。
という五つの線が主人公周りにあって、
●警官マニアの異常心理者が、犯人なりすまして捜査を混乱させる。
という、別線がありました。
#
第2作っていうのは、矢張り、初期設定説明が省かれますから、ちょっと足取りが軽くなりますね。
違法シンナーの売買を現場で抑える、というアクションから始まって、
その犯人が外国人に刺殺される、という事件から、今回は「外国人」なんだなあ、という感。
そして、とある捜査で「異様に殺気のある中国人(台湾人)」をマークしていたら、それは刑事だった。
その刑事は「毒猿」と呼ばれる台湾の凄腕の殺し屋を追って来日していた。
「毒猿」は、恐らく台湾の軍隊、特殊部隊出身で、自分を裏切った台湾ヤクザの親分を殺すために来日しているらしい。
一度狙ったら、ゼッタイに殺す、というプロ。
格闘技、銃器、爆発物、なんでもござれ、だという...。
という導入。
●主人公と、その台湾の刑事の間の、オトコの友情。
●いわゆる中国残留孤児二世の、奈美という女性の話。新宿の風俗店で働いていて、ひょんなことから「毒猿」と知り合い、共に行動することになる。
●「毒猿」に狙われている、台湾ヤクザの親分の、回想、不安、焦燥。
というくらいのシンプルな話の線で、ずんずん進んでいきます。
この回は、「主人公と女性ロックシンガーの恋愛路線」は、あまり前に出てきません。
ハードボイルドに犯罪物語を突っ走って欲しい読み手としては歓迎。
そして、「奈美さんと毒猿くんパート」が、やっぱり秀逸ですね。
不幸と哀愁に満ちた、かわいそうな奈美さんが、毒猿くんと二人三脚を組んでいく、危うい道行には、素直にのめり込みます。
それから、主人公と台湾刑事との会話では、
台湾の複雑な現代史、力で押さえつける政府、などなどが語られます。
台湾ヤクザの回想では、(その人はかつて、台湾政権の走狗として汚れ仕事をしていた設定なので)さらにどす黒い、「権力」の有様が見えてきます。
そして、奈美さんパートでは、単純で複雑で浅くて深い、「差別」の問題も大きく描かれます。
と...いうような枝葉を広げながら。
開き直ったようなハードアクション路線のドンパチが中心に展開されながら。
でも、当然ですが、気持ちのドラマが無いと、ド派手な見世物があっても面白くないですから。
結局のところは、大いに王道な、「男の友情路線」なんですね。
●主人公ー台湾刑事
と
●台湾刑事ー毒猿
という2本の男の友情が、結局最後のドラマになっていき、物事を突き動かしていきます。
ま、やっぱり、こういうのに弱い男子としては、多少の弱点があっても、するすると愉しめちゃうんですねえ...。
ほぼ、イッキ読み。
Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズ2作目。J様オススメ。
前作を完全に上回る怖さに面白さ。
日本では考えられない襲撃やら戦闘シーンが、自分の知ってる土地が舞台になってると恐ろしさもひとしお。
5付けたいけど怖くてすぐには読み返せないから4にしとく。
Posted by ブクログ
なんか、解説を読む限り、2巻目のほうが、1巻目より評価が高い様子。
しかし、個人的には、1作目の方が好きでした。
より「ドラマ」感、大作感があったのはこちらですが、なんか、うまくいきすぎな節も多かったし、人情論出すぎでなんか少し鼻につく感じしたし(という文脈で言うとあれだけど、男性が好きな感じなのかね、これは)、ちょっとグロ過ぎてなぁ。。仕方ないこととは言え、読んでて気持ちのいいものではなかったよね。
まぁ面白いは面白いのですが。
Posted by ブクログ
毒猿が、哀愁漂うとても色気のある人物に感じた。
出てくる人たちのそれぞれが背負っている歴史に深みがあって魅力的。アクションシーンもスピード感があり、後半はぐいぐい引き込まれた。