あらすじ
「黒石(ヘイシ)」――それは、誇り高き殺人者のコードネーム。犯罪ネットワーク「金石(ジンシ)」の幹部が次々と殺害される。新宿署刑事・鮫島の捜査線上には、冷徹な利害関係や断ち切れない愛憎にもがく人々が。やがて、市井にまぎれ殺人を繰り返す謎の男の姿が浮かび上がる――。「新宿鮫」シリーズ史上最悪の英雄と鮫島が衝突するとき、何が起こるのか? 全編緊張感! 待望の「新宿鮫」第12作
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Posted by ブクログ
大沢在昌『黒石 新宿鮫12』光文社文庫。
久し振りのシリーズ第12弾。600ページを超える大ボリュームの長編ハードボイルド警察小説である。
今となっては、日本のハードボイルド作家は絶滅危惧種となり、大変貴重な存在になった。かつては北方謙三や大藪春彦、船戸与一、原尞、生島治郎などの多くの優れた作家がハードボイルド小説を上梓していたのだ。
そんな中、30年以上も続くハードボイルド警察小説シリーズがこの『新宿鮫』である。決して公には出来ない警察組織の秘密を握ったことから飼い殺し状態となり、単独行動を常とする鮫島刑事はずば抜けた腕力があるわけでも、格闘技に秀でているわけでもなく、己の信念のもと、地を這うような捜査により巨悪を炙り出すのだ。
今回は、かつて鮫島を裏切った公安警察の矢崎がスポット的に鮫島の相棒となり、中国系犯罪ネットワークを我が物にしようと殺し屋『黒石』を操る『徐福』の正体を突き止め、『黒石』の凶行を食い止めようとする。
面白い。600ページ超えるボリュームも全く苦にならず、ほぼ一気読みであった。
公安警察の矢崎から新宿署刑事の鮫島に『金石』に関する新たな動向が伝えられる。中国系犯罪ネットワーク『金石』の8人の幹部である八石の1人『徐福』という人物が『黒石』という名の殺し屋を使い、『金石』をネットワーク組織からピラミッド型の犯罪組織に作り変え、自分の意のままに操ろうとしているらしいのだ。
鮫島は再び矢崎とコンビを組み、『金石』の動向を捜査すると、過去に『黒石』による手口と思われる複数の殺人が浮かび上がる。さらには『黒石』は既に八石のうちの2人を殺害していたことが明らかになる。八石たちに迫る『黒石』の魔の手。鮫島は『黒石』の凶行を食い止め、『徐福』の正体を明らかにすることが出来るのか。
本体価格1,260円
★★★★★