大沢在昌のレビュー一覧
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『絆回廊』~新宿鮫10~/大沢在昌
著者の中で、最も有名なシリーズなのではないでしょうか?
本書は、『新宿鮫』シリーズ10巻目。
著者の作品を初めて読んだのが、このシリーズでした。長編物だからいつまでも作品を楽しんでいられると、その世界観の中にどっぷり浸かって、抜けられなくなりました(笑)
本書では、物語を通じても、大きな分水嶺、ターニングポイントになるような展開が描かれています。
普段はハードカバーは購入しないのですが、この次の巻が出ていて、購入してしまいました。
本書では、中国残留孤児二世らで構成される犯罪集団の「金石」を鮫島が追いますが、そこにはいくつもの危険と、幾重にも張られた線 -
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特殊捜査班カルテット完結編。
前作でカスミが離脱したところで終わってしまったので、気になって、2作目、3作目を一気読み。
カスミやクチナワの最終的な目的、さらなる敵の存在、タケルの過去の真相、もう描かれる内容が膨大過ぎて、頭がパンクしそうだけど、ラストがどうなるのか、気になって、読むのを止めることが出来ないくらいスピード感が溢れる。
これだけの内容を3巻でまとめてしまうのは、さすが大御所と言ったところ。
3巻では、今まで静観していた、タケルやホウの良き理解者であるバーのマスターなど、OBの活躍も描かれ、本当に面白くて、終わってしまうのがもったいない感じ。
ラストは少し悲しいけど、それでも希望の -
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特殊捜査班カルテット2作目。
3巻完結で、続けて発売されたと言う今作。シリーズものは続けて読まないことにしているが、先が気になり、2作目、3作目は続けて読んでしまった。
普通の警察小説とは違い、人生の歩むべき方向を見失ったタケル、ホウ、カスミの3人からなる特殊捜査班カルテット。1作目では3人の出会いとなる最初の潜入捜査と、2回目の潜入捜査を描いていたが、2作目になると、3人の本来の敵や、それぞれの過去を描いている。
純粋な警察小説ではないが、本来の敵である正体が二転三転して、なかなか分からないところなど、少し前にはまった「クラン」シリーズと似ているところがあり、まさに私好み!3巻で終わってしま -
Posted by ブクログ
という訳で、貴志祐介を読む前に、先だって小説論を読んだ大沢在昌作品から。新宿鮫の1は読んだんだけど、もう10年位前になるから、着いていけるかなと思ったけど、それは全くの杞憂。本作だけでも十分楽しめるし、鮫以上にサブキャラたちの活躍が目覚ましくて、そっちを楽しむ物語になっている。何と言っても、タイトルからして毒猿がメインに来とる訳だし。その猿を含めて、なるほどキャラの魅力は抜群。小説論でも、繰り返しキャラの魅力について語られていただけのことはあり。オールタイムベスト入りも納得の、一気読み小説でした。でも☆4つなのは、やっぱりハードボイルドの世界観が苦手だから。
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Posted by ブクログ
キャリア警察官僚ながら、新宿署生活安全課ではぐれ状態で活動する鮫島警部を主人公とする「新宿鮫」シリーズの第5弾。
「新宿鮫」シリーズを通読しているわけではなかったが、本作は、公務員が読んで面白く、ためになるという話を聞き、閲読した。
刑事小説としても、三つの異なった事件が絡まり合いながら、最後に一つにつながる構成で、とても面白く読み進めた。
公務員として読んで面白い部分というのは、今回の相棒的登場人物である農林水産省植物防疫官の甲山の存在である。非常に独特であるが愛すべきキャラクターであり、彼の任務にかける誇りや思いを感じるとともに、公務員らしからぬパワフル(?)な言動にちょっとしたあこがれを