大沢在昌のレビュー一覧
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新装版『新宿鮫』第三弾。鮫島の刑事生命に最大の危機が訪れる…
今回の鮫島の敵は警察組織でもなければ、暴力団でもなく、運命に翻弄され続ける女性たちである。エステサロンの経営者・藤崎綾香、看護婦・島岡ふみ枝…前二作とは異質な敵と刑事生命を賭けて闘う鮫島。
警察組織をも揺るがす重大な秘密を握った鮫島の孤独な闘いとそれを陰ながら支える桃井課長の関係が非常に良い。
『新宿鮫5 炎蛹』まではノベルズ版で読んだのだが、文庫の新装版が月一冊ペースで刊行されるのを知り、再び読んでみることにした。
第一作の『新宿鮫』が、真田広之主演で映画化された時、光文社文庫から『シナリオ 新宿鮫』が刊行されたが、今ではお宝かも知れない。 -
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ネタバレ<印象的な箇所のクリッピング>
・白い紙に白い星を書くより、白い星を書いた後、周りを黒く塗りつぶした方が、星の輝きがひきたつ。
・惨めさを書くには、惨めな人の周りを黒く塗りつぶしていって、惨めな人の惨めさを引き立たせる。
・作家である自分専用の劇団を持つ。小説の中で、自分の劇団の役者にいろんな役者をやらせる。
・「喪失と獲得」何かを失った人間が何かを得ることで物語になる。
・80枚の新人賞なら60枚のストーリーを作る。残り20枚は艶出しに使う。
・まっすぐのプロットはつまらない。ぶらす幅を持たせる。
・ストーリーやプロットで読者を楽しませるのではない「何か」は年齢や経験で出てくる。
・「感情的な文章」と「感情を刺激する文章」は別。
・対象年齢低目の作品でも、自分より年上が読むと言うつもりで小説を書く。
・年上の読者を想定するからといって、古いことを書けばいいということではない。年配の読者はむしろ新しいことを求めている。
・クライマックスは2つ用意する。1つ目の謎の次に2つ目の謎を用意する。小説ははみ出したところから面白くなる。
・登場人物は書かれていない時も、生活していることを意識する。
・強いタイトルを作る。
・打席に立つときのイチローみたく、何かしら執筆前の儀式を決めて、自分の意欲やトーンを維持する。
・プロの作家にたまたまはない。ある一定の水準の作品を毎回出せるのがプロ。
・プロの世界はみなさんよりさらに上のレベルの人たちが、さらに上を目指そうとしてしのぎを削っている世界。
・作家と編集者の相性がいいからといって、いい担当になるとは限らない。
・仕事の依頼は断るな。締切も守る。
・50人の新人作家がいて、1人売れれば、残り49人だめでも黒字になるのが編集者。だから、編集者の甘い言葉を信じてはいけない。
・新人賞受賞後の次の作品が作家の運命を決める。
・自分を抑制して読者をじらせる。
・どんなに恥ずかしい話やみっともない話を書いたって、作家がひどい人だとは思われない。小説は作り物だから。小説は作り物だということを事あるごとに自分に言い聞かせる。そうすればどんどん話が広がるし、逸脱することができる。
<レビュー>
森博嗣の「小説家という職業」と一緒に読むと、考え方違う部分たくさんあり、重なる部分も若干あり、ためになる。大沢さんは若くして専業作家デビュー、森さんは年を取ってから大学教授しつつ兼業作家デビュー。いろんな形がある。 -
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こんなにふせんを張りまくった本は、久しぶりだろう。
本、文章術、作家論、全てのジャンルを網羅している素晴らしい一冊。
のっけから、初版4000部、定価1700円、印税10%とした場合の
手取り額68万円という事実が出される。
いくら力作を書いてもこの程度と言う現実、そして
本書で語られているように、プロはそれでも書き続けて”売れる”
作品を出すことが条件ということ。
作家としてデビューすることは簡単、ただしプロとして
続けていくことは別物、は本書を読んで納得した。
「本を一冊出すために、どれだけ多くの人が労力を使ったかを
感じなければならない」
「本書を手に取ってくれるかもしれない、見えない読者のことを考えて
決して疎かな作品を作らない」
安易に作家デビューを考えてしまいがちだが、
売れている作家はすごいんだ、ということを実感させられた。
本書は講義形式で、プロ志望の方々の作品も解説、批評しながら
進んで行くが、読む限りおそらくこの中からはデビューできた人は
いないんじゃないかと思った。
やっぱり、それくらいプロとそれ以外の差は大きい。 -
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中級者向けの小説作法の本。
基礎的な部分はあまり書かれていないが、それだけに実践的で参考に
なるところが多い。キャラ造形の仕方、描写のふくらまし方、デビューしてからの振舞い方など、付箋で本にたてがみが生えた。
兼業よりは専業の方がやはりいいものが書けるとしながらも、このご時世では厳しいので、10冊本を出す、何かの賞をとるなどの目標を決めて専業に移った方がよいというのは、聞きたくても誰も教えてくれないところだった。
講義の受講者(つまり読者)に対し、「これだけ教えて新人賞に3回挑戦してダメだったら根本的に才能がないと思った方がいい」とのことだったが、非常に厳しい現実だ。
著者は常にすべてのアイデアと能力を傾注してひとつの作品を仕上げろと強調している。小説を書くことにそれだけの情熱があり、厳しい現実にもかかわらず立ち向かいかつ才能のある人だけが、作家として生活できるのだ。 -
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マタギの血を引く雪人が対峙する相手が感情を欠いた怪物的な存在なんだけど、雪人は地に足の着いたバックボーンで(狩猟を生業とするハンターであると言う事実)立ち向かう所が鳥肌もの。杏相手には天然たらし振りを発揮しているところも、本人全く無自覚で、雪人単体萌え出来る。たとえBL的要素がなくても…と思っていたら、2巻ラストでまさかの…(笑)。宮本が渋い極道なんだけど、どうにも受け臭いんだ、これが(笑)。もんでんさんが描いていようと、青年漫画と解っていようと、雪人(天然無自覚年下攻め)×宮本(渋い系極道兄貴なんだけども、妙に男に固執されるタイプ)にしか読めなかった『雪人』2巻の巻末の下り!!!
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老人の転落死、放火事件、そして射殺事件。高州の赴任以来、青國島の平和な暮らしは一変した。捜査を続けるうち、島でアメリカ統治時代にコカの栽培をしており、それが「財産」になっていることを知る高州。そんな彼に収入役の草引、助役の木島らは苦言を呈する。村長の井海、島の過去を知るアメリカ人医師オットー、高州に近づく娼婦チナミ……真実を知っているのは誰だ? 島の人間が守ろうとする“秘密”とは? 孤独な闘いのなか、しだいに明らかになる島の過去。事件の核心に迫る高州を待ち受けるものは!?
さてさて結果はいかに??
最後まで犯人が絞り込めずにうずうずしちゃいます。。。。