大沢在昌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凄く面白かった。久しぶりに続きをどんどん読みたくなる本に出会った。エンタメ小説を書きたい人は必読で、読むのが好きな人も楽しめるだろう。文庫化熱望。日本推理作家協会「ミステリーの書き方」と合わせて、何回も読みたい。
特に日本文学・海外文学の文章表現の違いなどは実に興味深かった。神視点・視点の乱れの問題もとても分かりやすく書かれている。
思ったのは、受講生のレベルが結構低いということ。だから講座として成立するわけだが、彼らの小説のあらすじや一部分を読んでいると、これで大丈夫なの?作家を目指してもいいの?と少なからず思ってしまったのも事実。不倫・死・復讐と、なんだか発想がとても陳腐。中にはおっと -
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ネタバレこのシリーズはこれで最後なんだろうか?
自分の生き方を変えることはできない。
それは鮫島だけではなく、鮫島の週の人間だって同じこと。
結果、鮫島は大切な人を二人までも失うことになってしまった。
他の道はなかったのかと読みながら何度も考えてみた。
この喪失の大きさに鮫島は耐えられるのだろうかと心配になった。
耐えられなければこのシリーズはこれで終わりだ。
耐えられるのなら、永昌が仙田のような存在になるのだろうか。
胸にぽかっと大きな穴が開いたようで、実は私自身が喪失の大きさに打ちのめされている。
今作は確かに絆の回で、永昌も樫原もとしみも、それぞれに魅力的であったけど、それを上回る衝撃でち -
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ネタバレこれは、番外編と言っていいでしょう。
舞台は新宿ではなく、自殺した同期の宮本の故郷で全てが始まり終わる。
そもそもは鮫島が拉致監禁された。理由は不明。
鮫島を助けるために宮本の親友・古山が動いたが、鮫島の解放と引き換えに彼が捕まってしまう。
古山を助けるため、鮫島は走る。
地元で手広く水商売をしている古山、彼を調べていた麻薬取締官、鮫島を見張っていた地元警察、そして地元の暴力団。
狭い地域で密接に交差するこれらの関係。
いったい何が起こっているのかわからないまま、宮本と古山の友情のために走る鮫島に胸が熱くなる。
人が死に過ぎて、死んで欲しくない人までも死んじゃって辛いけど、これは男の友情 -
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新宿鮫シリーズで 唯一読んでいない作品だった。
第2作で 鮫島と青木晶が まだ若いなぁ。
そして、桃井も 『まんじゅう』とはいえ、
鮫島に全面的な信頼をしている。
台湾ヤクザの親分 葉。
台湾の殺し屋 毒猿 劉・鎮生。
台湾の刑事 郭・栄民の 3人が、
新宿を舞台にして、日本のヤクザ 石和組を巻き込んで闘うが、
日本のヤクザの 無防備、直情的行動にあきれてしまう。
毒猿が たったひとつの目的 葉を 殺害するために
全力を挙げ、葉の隠れ場所を 浮かび上がらせ、
徹底して たたいていく。
『ローズの泉』店長 亜木を 脳天踵落しで決める。
それは 『ネリョチャギ』。
毒猿は 台湾の水鬼仔の出身 -
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頑張って、働いて働いて。
裏切られたり、裏切ったり。見捨てたり。見捨てられたり。
自分以外誰も信じられない。信じない。
弱肉強食。ハードボイルドな哲学を持って。
それでもヒト握りの、信念。こだわり。美学を持って。
裸一貫から成り上がって来た、初老の男性。一匹狼。
ちょっとしたココロの隙なのか。
なんだか懐かしい匂いのする、すごく年下の、懸命に頑張っている女性。
そんな女性に、入れ込んでしまう。
なんだけど、「ビジネスなんだから男女になっちゃ、いけない」という過去からの学習があって。
入れ込むんだけど、男女の仲にならない。
花にそうっと、日々、水をやるように。そして日向に置くように。
どこかし -
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例えば「望郷」(1937)。
主人公ペペは北アフリカのカスバの港町で暮らす、フランス人の犯罪者。警察に追われ、母国フランスには帰れない。
なんだけど、パリから来た女に惚れてしまって。「メトロの匂いがする」。
例えば「現金に手を出すな」(1957)。
足を洗いたい初老のギャングが、安定した老後の為に乗り出した最後の犯罪の顛末。
例えば「さらば友よ」(1967)。
アルジェの戦争で、心に傷を負って復員した男ふたり。
国のために戦ったはずなのに、生活もままならず。
人生を取り戻すために犯罪に乗り出すが、片方が逮捕。裏切るか。裏切られるか。
(ラスト、名場面。映画史の「タバコを使った場面」ベスト3に入 -
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J様後追い第10弾
読み終わって、まだ涙がじわじわ止まらず。
ほんとにかけがえのない人を失ってしまった。
でもほんとはもっと味方?理解者がいてくれたようで嬉しくもなりました。
またまた後半は一気読み。
なんでしょう。このシリーズはほんとに犯人側のドラマを読ませるところがありますね。
冒頭も締めも鮫島関係ないし。
主役はどっち?だけど惹き込まれます。
このあとどうなるんだろうか?
一生、晶なしなんて無理だと思うけど、鮫島の言うとおり隠れて付き合うなんてもっと無理なんでしょうね。
ヒトシ(あえて)のその後も気になるけど、出てこないかなぁ。
てゆーか、10冊までしかないけど、このあとも続く