大沢在昌のレビュー一覧
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新宿鮫2
台湾の殺し屋・毒猿。
強すぎです!!
背後から水中から、目で追うことができないスピード。
あれ?小説読んでるのに変な表現かな?
新宿鮫1の時もそうだけど、完全に脳内で映像化されてます。
描写がリアルすぎて、緊張感と恐怖がハンパない。
今回の鮫島さんはちょっと脇役かなと思う。
それがまた良いのだけど。
毒猿を裏切った台湾マフィアのボス・葉威。
葉威を追う毒猿。
その毒猿を追う台湾の刑事・郭。
郭と共に毒猿を追う鮫島。
新宿御苑でのラストシーンは一気読み。
そして、毒猿に惹かれて手助けをする奈美。
この奈美の存在がまた哀しさを誘うのです。
そしてそして桃井さん。
鮫島の上司、桃井さ -
Posted by ブクログ
大沢在昌『暗約領域 新宿鮫 11』光文社文庫。
第1作が1990年の刊行で、スローペースながら30年以上続く傑作ハードボイルド警察小説。
第11弾はシリーズ最長の900ページ超え。これだけのボリュームでストーリーも面白いとなると、非常に読み応えがあるものだ。ボリュームがあり過ぎて、読み終えるのに足掛け4日間を要した。
公安、北朝鮮や中国の工作員、犯罪者、殺し屋、暴力団と役者は揃い、その中で主役を努める鮫島という図式。元暴力団の男の違法民泊経営、謎の男性の射殺事件、公安の暗躍、かつて鮫島を殺害しようと殺し屋を差し向けた中国人犯罪者とミステリーとサスペンス、ハードボイルドの要素は満載であるが -
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ようやくにしてこの一冊で直木賞を受賞し、既に超売れっ子だった大沢氏も、堂々たるメジャー作家達の仲間入りとなった。
主人公の「新宿鮫」こと鮫島刑事の活躍を愛する読者は多いと思うが、相変わらずの渋くて寡黙な男は健在だった。
700ページ近くに及ぶ長編物語で、序盤はゆったりとしたペースで進み、中盤から終盤にかけては一挙にペースアップして読み進むようになる。
もしも翌朝からハードな予定を組んでおられる御仁は、一挙に中盤から終盤を読み進むのは我慢して、翌日の予定がスカスカの前日に読み進むことをお勧めする。
それほどに結末に向かってのストーリーの展開テンポが激しく且つ軽快で面白い。 -
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売れるための前提
ミステリー作家なら千冊は読んでいないといけない。あらゆるトリック、人称を知っておくべきである。
一人称は情報の入り口が一点しかない。全ての登場人物は、その生活を話の裏側に持っている。人間を観察し、キャラクターを作り、生活を作り、またいくつかのキャラクターを持った自分の劇団を持って各小説の登場人物に当てはめていくのが良い。推敲は重要、冷静さを持った正確な文章を書かないといけない。起承転結は必要だが、時系列にする必要はなく、イベントを入れ、回想をうまく使うことでだるい部分を回す事ができる。
大沢さんは、キャラクターがストーリーを動かすタイプのため、強いキャラクター特に主人公を支 -
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直木賞・吉川英治賞作家が小説家志望者たちへ行った講義録です。
1979年当時と比べ3分の1へ縮小する出版市場。他方ベテランはリタイアせず新人がなだれ込むようにデビュー。このような厳しい環境に身を投じようとする人へのアドバイスは書き方のテクニックのみではなく心構えにも及びます。プロの作家とはどういうことか、またデビュー後にどう生き残るかは出版業界のみならず他の業界で働く方へも示唆に富んでおります。
「100%の力を出し切って書けば、次は120%のものが書けるし、限界ぎりぎりまで書いた人にしか次のドアを開けることはできません。それを超えた人間だけがプロの世界で生き残っているんです。」
プロの