大沢在昌のレビュー一覧
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ネタバレ下巻は上巻を凌ぐ面白さだった。
元女刑事の河野明日香は脳移植により、君国の愛人の体を持つ、「アスカ」となった。
元恋人の「仁王」と呼ばれる大男の古芳刑事。古芳は、河野明日香の脳移植の事実を知らない。河野明日香は君国に依って殺害されたと思っている。
麻薬組織「クライン」のボス、君国との闘いが始まる。
そこへ仁王の、幼馴染の刑事「金村」が参戦する。
金村の妻は妊婦であったが、クラインの非情の殺し屋「神」にナイフで殺害される。
君国の傘下の暴力団と身辺の護衛の者、そして殺し屋「神」が、仁王達の前に立ち塞がる。
復習の鬼と成った古芳と金村が、君国が居る傘下の暴力団の別荘(要塞)に襲撃を -
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大沢在昌さん「毒猿」、新宿鮫シリーズの第2弾。
このシリーズ最高傑作と名高い今作品、確かに前作を大きく上回るスケール感と緊迫感が素晴らしかった。
物語は台湾人殺し屋、台湾マフィア、台湾警察官が日本のヤクザと警察を巻き込みながらの超ド級エンターテイメント。言うまでもなく舞台は東京•新宿。
その台湾人の殺し屋「毒猿」の殺人能力が驚異的で最終的にはこの抗争で36人もの人間を殺し、日本のヤクザ石和組を解散にまで追い込むという怪物っぷり。モンスターに違いはないのだが、彼にはかなり純度の高い人の血が通っており中盤以降は彼に肩入れしながら頁を進めていた。
読み終わってみるとかなり喪失感漂う結末で結構な虚 -
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期限は一週間、運命を見通す少女を警護する、ボディガード・キリの闘いを描く、アクション・エンターテイメント。
600ページを超える厚さに、始めは躊躇しましたが、読み出したらページをめくる手が止まらず、一気に主人公キリの活躍に引き込まれてしまいました。
少女の特殊な能力の謎と敵の解明、その敵から守るキリの闘いが同時に進行し、ミステリーとアクションの二つの味を堪能することができました。
また、宗教団体から命を狙われるという展開は、あの事件を彷彿とさせる真実味を感じました。(ちなみに、本作品はあの事件より前に書かれています)
主人公のボディガードとしての生き方は、スマートで自分はとて -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪組織「クライン」の独裁者・君国の愛人はつみの身体と、女性刑事明日香の精神を持つ「アスカ」。決死の囮を演じる彼女に対し、組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ただひとり。だが、古芳ははつみの体に宿るのが明日香であることを知らない。一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。不協和音が生じた二人にさらなる刺客が……。
感動と興奮を呼ぶエンターテインメントの真髄。
疾走感のある物語の展開で読み抜ける楽しみがあった。アクション映画の小説版という感じだった。