あらすじ
東京からほど遠くない場所に位置する山岬市、母が捨てた故郷にアメリカ育ちの干場功一(ほしば・こういち)は帰ってきた。お殿さまと呼ばれた大地主の伯父、干場伝衛門は全財産を市に寄付して六年前に亡くなっており、お陰で財政破綻寸前の港町は立ち直ったという。そこへ突如、遺産相続人が現れたことで、かつて利権に群がった政治家や企業は色めき立ち――。閉塞感漂う田舎町で疑心暗鬼の人間ドラマが幕を開ける。
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Posted by ブクログ
思いがけ図再読。
タイトルでは呼んだことを思い出せないのに、一行目読み始めただけで再読だと思い出す不思議。
でも、矢っ張り面白くて一気読み。
主人子・干場のとぼけているのが緻密な計算のうえなのかの発言が周りを振り回しそれぞれの思惑が動き出す上巻。
加速していく事態がたのしみ。
Posted by ブクログ
上巻はちょっと我慢か?と思いきや、本を開く度に心は一気に不穏な空気漂う、さびれた港町へ。
主人公干場の本当の目的も不明だし、、
早く下巻へ行こう。
Posted by ブクログ
夏フェアの大沢在昌は東京からほど遠くない場所に位置する港町を舞台に繰り広げられるサスペンス。親の出自がこの辺らしい。そのぐらいの軽い気持ちで訪れた町は、のどかな港町だけど、どこか不穏な空気が漂っている。脳天気すぎるほど脳天気な主人公・干場は無邪気に母が捨てた故郷を歩き回る。彼が歩けば歩くほど、不穏な空気は広がっていくのは、お殿様と呼ばれた大地主の伯父の死が関係しているようだが。干場を気に掛ける令子ママ、刑事の安河内、新興勢力の柳、「外」の人たちほど干場を気にかけ、「内」の人ほど煙たがる。