あらすじ
大沢在昌さんが「一人称の書き方」「キャラクター造形」「プロットの作り方」など項目別に、自身の経験も交えながら実践的・具体的に解説。連載時に複数の現役作家からも大きな反響を呼んでいた講座の単行本化。
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Posted by ブクログ
新宿鮫で直木賞を受賞した大沢在昌氏が、プロを目指す受講生に1年間の講座を開いた講義録。
実践的でかなり参考になった。
少なくとも400字詰め原稿用紙30枚以上の作品を書いたことがある人向け。構成の作り方とかは書かれてないから、全く執筆経験なしの人が読んでも、明日から書き始められるかと言えば微妙。
受講生への実際の指摘がリアルで参考になる。
他の人はこんなこと考えてるんだとか、こんなクセやミスが起こるんだとか、身に沁みて理解できた。
Posted by ブクログ
小説とは全然異なる分野の文章を書いていますが、参考になる点が多々ありました。
この本はプロの物書きにとって必読です。
余談ですが、共通テストのように現代文で小説が出る場合、小説を理解するうえで役に立つ情報が書かれています。なので、受験生や現代文の国語の先生にも有益です。
Posted by ブクログ
売れるための前提
ミステリー作家なら千冊は読んでいないといけない。あらゆるトリック、人称を知っておくべきである。
一人称は情報の入り口が一点しかない。全ての登場人物は、その生活を話の裏側に持っている。人間を観察し、キャラクターを作り、生活を作り、またいくつかのキャラクターを持った自分の劇団を持って各小説の登場人物に当てはめていくのが良い。推敲は重要、冷静さを持った正確な文章を書かないといけない。起承転結は必要だが、時系列にする必要はなく、イベントを入れ、回想をうまく使うことでだるい部分を回す事ができる。
大沢さんは、キャラクターがストーリーを動かすタイプのため、強いキャラクター特に主人公を支える、相棒、敵の個性を作り込む。その個性を読者に伝える際は地の文ではなく、会話や態度の描写を通じて読者の中に組み立てていく。またストーリーを通じて、主人公に変化をもたらす事が不可欠。読者に共感を持たせられる主人公を作り、そのキャラクター徹底的に追い込むことで、カタルシスが生まれてくる。
リアルとリアリティの違い、どんな突拍子も無いことも小説では起こせるが、飽くまでリアリティを持たせないと成立しない。大谷のような野球選手はリアルであるが、リアリティは小説では出しにくい。時代の空気を取り入れる事も必要。
伏線は、最初の方から埋め込んで行き推敲時に傷って行けば良い、
Posted by ブクログ
エンターテインメント小説を書きたい人にはとても有意義な本だと思います。
また、単に本の内容を楽しんで読んでいた人(私もそんな感じ)は、この本を読むと本の読み方が少し変わってしまうかもしれません。
払ってもいい金額:5,000円
Posted by ブクログ
これは素晴らしかった。文筆の経験はないし、特にそれを目指している訳でもないんだけど、本書に惹かれ、手に取った一番の目的は、小説を読むに当たってのポイントを教授されたかったから。物語をより深く味わい、楽しむために、ひいては優れた読み手たらんがために。そして本書は、かなり高水準でそれが達成されるものといえる。散々繰り返される、人称や視点人物への徹底した留意をはじめ、なるほどと思わされる箇所満載でした。将来小説を書くなら、是非改めて紐解きたい書物。
Posted by ブクログ
作家という職業がいかに厳しいものかよくわかりました。
読んでも読んでもそれでも飽き足らず、それ以上は自分で書くしかない
情熱のある人がなる。今の自分の職業(作家ではなく普通のサラリーマン)
はそう感じているものではないので、考えさせられました。
Posted by ブクログ
凄く面白かった。久しぶりに続きをどんどん読みたくなる本に出会った。エンタメ小説を書きたい人は必読で、読むのが好きな人も楽しめるだろう。文庫化熱望。日本推理作家協会「ミステリーの書き方」と合わせて、何回も読みたい。
特に日本文学・海外文学の文章表現の違いなどは実に興味深かった。神視点・視点の乱れの問題もとても分かりやすく書かれている。
思ったのは、受講生のレベルが結構低いということ。だから講座として成立するわけだが、彼らの小説のあらすじや一部分を読んでいると、これで大丈夫なの?作家を目指してもいいの?と少なからず思ってしまったのも事実。不倫・死・復讐と、なんだか発想がとても陳腐。中にはおっというポイントがある作品もあるものの、「第二部 受講生作品講評」は少しだけ退屈かな~と思った次第。
作家になる人はそもそも読書量が圧倒的で、大沢氏も年間500~1000冊読むそうだ。とにかく読書して吸収。
ところどころ森博嗣と対極にあるなぁ、と思った。大沢氏の「読むのが好きすぎて読みすぎて書く方に転換した人間のみ作家になれる」という考えはとても正統派で好きだ。だけど、「いきなり文庫化」の効用はやはり森博嗣の方が数字に強いだけあって具体的かな。
ここに書かれた方法や例がすべてのプロ作家にあてはまるわけではもちろんない。「そんな動機で殺人までするかなぁ」という動機ばかりを出してくるプロ作家の石持浅海がいるし、神視点を使う恩田陸だっている。要はやはりオリジナリティ・発想なのだろう。
Posted by ブクログ
読むことによって、読者の気持ちに変化を与えることが小説の目的だと感じた。①作者が地の文で説明するのでなく、登場人物の会話から想像し感じてもらうこと。②登場人物にはインパクトのある特徴を持たせること。③主役には様々な逆境を与えること。④謎を二重に用意すること。⑤伏線を張ること。⑤誰も思いつかないようなアイデアを考え抜くこと。⑥誰の視点で書いているのかを意識すること。⑦周りの環境(気象条件や匂いなど)を忘れないこと。
Posted by ブクログ
<印象的な箇所のクリッピング>
・白い紙に白い星を書くより、白い星を書いた後、周りを黒く塗りつぶした方が、星の輝きがひきたつ。
・惨めさを書くには、惨めな人の周りを黒く塗りつぶしていって、惨めな人の惨めさを引き立たせる。
・作家である自分専用の劇団を持つ。小説の中で、自分の劇団の役者にいろんな役者をやらせる。
・「喪失と獲得」何かを失った人間が何かを得ることで物語になる。
・80枚の新人賞なら60枚のストーリーを作る。残り20枚は艶出しに使う。
・まっすぐのプロットはつまらない。ぶらす幅を持たせる。
・ストーリーやプロットで読者を楽しませるのではない「何か」は年齢や経験で出てくる。
・「感情的な文章」と「感情を刺激する文章」は別。
・対象年齢低目の作品でも、自分より年上が読むと言うつもりで小説を書く。
・年上の読者を想定するからといって、古いことを書けばいいということではない。年配の読者はむしろ新しいことを求めている。
・クライマックスは2つ用意する。1つ目の謎の次に2つ目の謎を用意する。小説ははみ出したところから面白くなる。
・登場人物は書かれていない時も、生活していることを意識する。
・強いタイトルを作る。
・打席に立つときのイチローみたく、何かしら執筆前の儀式を決めて、自分の意欲やトーンを維持する。
・プロの作家にたまたまはない。ある一定の水準の作品を毎回出せるのがプロ。
・プロの世界はみなさんよりさらに上のレベルの人たちが、さらに上を目指そうとしてしのぎを削っている世界。
・作家と編集者の相性がいいからといって、いい担当になるとは限らない。
・仕事の依頼は断るな。締切も守る。
・50人の新人作家がいて、1人売れれば、残り49人だめでも黒字になるのが編集者。だから、編集者の甘い言葉を信じてはいけない。
・新人賞受賞後の次の作品が作家の運命を決める。
・自分を抑制して読者をじらせる。
・どんなに恥ずかしい話やみっともない話を書いたって、作家がひどい人だとは思われない。小説は作り物だから。小説は作り物だということを事あるごとに自分に言い聞かせる。そうすればどんどん話が広がるし、逸脱することができる。
<レビュー>
森博嗣の「小説家という職業」と一緒に読むと、考え方違う部分たくさんあり、重なる部分も若干あり、ためになる。大沢さんは若くして専業作家デビュー、森さんは年を取ってから大学教授しつつ兼業作家デビュー。いろんな形がある。
Posted by ブクログ
こんなにふせんを張りまくった本は、久しぶりだろう。
本、文章術、作家論、全てのジャンルを網羅している素晴らしい一冊。
のっけから、初版4000部、定価1700円、印税10%とした場合の
手取り額68万円という事実が出される。
いくら力作を書いてもこの程度と言う現実、そして
本書で語られているように、プロはそれでも書き続けて”売れる”
作品を出すことが条件ということ。
作家としてデビューすることは簡単、ただしプロとして
続けていくことは別物、は本書を読んで納得した。
「本を一冊出すために、どれだけ多くの人が労力を使ったかを
感じなければならない」
「本書を手に取ってくれるかもしれない、見えない読者のことを考えて
決して疎かな作品を作らない」
安易に作家デビューを考えてしまいがちだが、
売れている作家はすごいんだ、ということを実感させられた。
本書は講義形式で、プロ志望の方々の作品も解説、批評しながら
進んで行くが、読む限りおそらくこの中からはデビューできた人は
いないんじゃないかと思った。
やっぱり、それくらいプロとそれ以外の差は大きい。
Posted by ブクログ
小説というと感性溢れる作家の作品というイメージが先行するけれど、実際に行なわれたこの講座では、「人に読まれる」小説のロジックを解説しつつ、受講生の力を引き出す。なるほど、一流の道が険しいわけである。
Posted by ブクログ
中級者向けの小説作法の本。
基礎的な部分はあまり書かれていないが、それだけに実践的で参考に
なるところが多い。キャラ造形の仕方、描写のふくらまし方、デビューしてからの振舞い方など、付箋で本にたてがみが生えた。
兼業よりは専業の方がやはりいいものが書けるとしながらも、このご時世では厳しいので、10冊本を出す、何かの賞をとるなどの目標を決めて専業に移った方がよいというのは、聞きたくても誰も教えてくれないところだった。
講義の受講者(つまり読者)に対し、「これだけ教えて新人賞に3回挑戦してダメだったら根本的に才能がないと思った方がいい」とのことだったが、非常に厳しい現実だ。
著者は常にすべてのアイデアと能力を傾注してひとつの作品を仕上げろと強調している。小説を書くことにそれだけの情熱があり、厳しい現実にもかかわらず立ち向かいかつ才能のある人だけが、作家として生活できるのだ。
Posted by ブクログ
メモ
ミステリー「江戸川乱歩賞」「日本ホラー小説大賞」
時代小説「松本清張賞」
毎日10〜20枚は書く
会話で主人公の性格(キャラクター)を立てていく。
視点の乱れを無くす(一人称の場合)
(例)〇〇は真っ赤になって怒った
〇〇は真っ赤になって怒って見えた(正解)
主人公説明
✕私はまた頬を染めた→頬が熱くなった
自分の表情をわざわざ「何々してみせる」とは言わない
✕不機嫌そうに眉根を寄せてみせると→◯不機嫌に言った。
主人公の年齢に見合った視点で書く。
夢、漫画、小説、芝居でも何でも感動した事はメモ帳に書いておく。
楽しい体験よりも悲しいこと、腹が立つこと、惨めなことの方が良い。
惨めな人の周囲をどんどん黒く塗りつぶす方が読者には惨めさが伝わる。
人間観察は人間描写に役立つ。
嫌な人間=自分を嫌な人間とはおもっていない。
最初から嫌な人を書こうとしない
嫌な人に見えなかった人間がだんだん嫌な奴に見えてくる。ならざるを得ない感じにする。読者にじわじわ嫌な感じが広がっていく。
面白い小説=キャラクターとストーリーが上手く繋がっている。
ストーリーを支えるのはキャラクター
重複は避ける(文字)。
第三回
【強いキャラクターの作り方】
数字や固有名詞に頼らずその人物を描写する
できるだけ具体像を思い浮かべる
具体像=雰囲気
その人物のイメージを明確に喚起させるような言葉を探す
有名人を思い浮かべるのは◯だが実際の実名は使わない。
主役のキャラではなく、ヒロインと敵役の造形に重きを置く。
(例)どんな魅力的なヒロインを出すか、どんな印象の悪い悪役を登場させるか
彼らがその物語に登場する理由は?
この場面に登場する人間にはそこにいる理由があることを踏まえて配置する。
→この理由は必ずしも物語に出てくる必要はない。
より具体的にリアルに人物設定をする
個性を持っているか
キャラクター表を作って、一人ひとりの登場人物について思いついたことをどんどんメモする。
ストーリーの進行によってキャラクターに変化を生じさせる。ストーリーが登場人物を変化させてゆく。この変化に読者は感情移入する。
例えば恋愛小説だと出会いから始まってしまうとパターンだなと思ってしまう。
失恋から始めるのも良い。物語をどこから始めるのかは作者の自由。
意外性を持った人物
悪人が実は善人という方が物語に深みを与え、読者にも濃い印象を残す。
視線の先を見るとその人が何をかんがえているのかが分かる。
靴、ネクタイを観察する→から考えられる事は?
激しい感情に襲われた時、その人物はどんなリアクションをするのか。
主人公の行動が変わる時はどんなときか
理論は一貫性を持つべき
登場シーンの少ない人間ほどインパクトは必要
全てのキャラクターの厚みが増えるほどストーリーを支える部分がどっしりと大きくなる
回想シーンは会話にする!
うまく合いの手を入れてくれる相手を作る
相手「なにか心にひっかかっていることがあるんじゃない?」
主人公「実は…」
もう一つの方法「会話」→地の文(補足)→「会話」
物の見え方は作者と同じではない。
年齢、性別ではなくてものの考え方、よって立つ所、思想、個性、そこから決める。
職業=特技
なんの役にも立たないと思っていた特技ご思わぬところで生きてくる。
特技を活かす場面を作ってやる。
ミステリー=基礎知識
何かを失い何かを得る
カタルシスはキャラクターとストーリーあってこそ
物語の長さとストーリーには重要な関係がある
例:長編は平坦に山があっても読者は納得しない
短編でその書き方はオッケイ
八〇枚(原稿)まずは六〇枚のストーリーを作る
「本格推理」名探偵は変化しない
→キャラの変化よりもトリック
「ハールドボイルド」は主人公は変化する
取材で大切な事はものすごく細かい部分と幹の部分を聞く
どんでん返しの成功=伏線が大事。早い段階で伏線を貼っておくこと。
小さな伏線を四分の一の段階に一本でも張っておく。伏線強化の為に真ん中あたりにもう一本張る。
伏線が足りなければあとから足しても良い。
【第四話】会話の秘密
ある程度は実際の会話に近い会話をしつつ、実際の会話並みの無駄なやり取りはのぞく。
会話は一度自分で読んでみる。
キャラの造形と合わせてふさわしい話し方、口調を考える。
ミステリー:物語前半犯人を隠す
物語八割終了犯人を分らせる会話
隠す会話→沈黙
「…」ではなく沈黙や答えないことを表現するような地の文
登場人物を必要以上に饒舌にしない
話をそらすのも良い
「隠す会話」のトリック
登場人物全員が主人公の協力者ではない
会話を一度で終わらせないように工夫する
→物語はどんどん複雑化し、話を前に進めてくれる。
例:XをAに渡してYを得る
会話の口調が変化すると二人の人間関係の深まりを表現できる。
例:敬語→タメ口
言葉を変えなければ人物の感情、背景、人間関係の障害になるものを伏線として使える。
人物ごとに喋りそうなセリフをどんどん書き出していく。やがて「この場面でこの人だったらこれしか言わない」という決定的なセリフが必ず出てくる。
具体的で個性的なキャラクターを作れる。
キャラを対比させる
例:熱血漢とですますで話す冷静な人
男女を逆転して組み合わせたり年齢を思いっきり変えてみても良い。
「隠す会話」2種類
①黙っていたり話をそらしたりする
②作者が物語をひっくり返す
会話はなりきることが大切。
ヤクザでもやらざるを得ない組織の論理や立場があり、家族や恋人がいて飯を食ったり、子どもと遊んだりしている。
その人物の私生活、人生を想像し、細部までとことん考える。
その人物に知りようのない情報を書いてはだめ。
【第五回】プロットの作り方
こういう小説を面白いと思うはずたと信じて書く。
「変化を読ませる」
ハラハラドキドキさせる。
「謎を解き明かす」
変化を読ませていって最後に謎が解ける。
「謎」というものをどんなふうに物語に置いていくかが、プロット作りの大きな鍵になる。
「自分の書く謎」をはっきりと明確にする。
「自分が書く作品の形に対する確信を持つ」
→どこに戻ればよいかはっきりと自覚できる。
「通過点を決める」→起承転結の四か所でもかまわない。
決めた通過点を真っ直ぐ進む小説は面白くない。
「承」から「転」をいかにダレずに読ませるか。
全く別人の視点から始まっても良い。
プロローグとエピローグをくっつけても良い。
新しい登場人物を出したら古い人物を整理する
登場人物を増やしすぎない。増えた分は整理する。
【第六回】小説には「トゲ」が必要だ
武器を持って続ける
最初から最後まで他人事で終わる小説にする。
だから何?
あり得ない状況を作って主人公を追い込む
描写にメリハリを
その小説で一番大切なのは何なのか
(背景ではなく入れ物)
「天,地,人,動,植」
何枚かに一回は山場を作る。
Posted by ブクログ
憧れの職業、作家。ホテルで缶詰になっての執筆にも憧れたりするけど、実際は大変なんだろうな。自分の才能のなさを実感。本気で目指す人は必読か。あまり他に類のないタイプの本。
Posted by ブクログ
もちろん、こういう本を読んだからといって、小説を書いてみようなどという大それたことに挑戦しようことでは毛頭ない。
「新宿鮫」シリーズをずっと読んできて、それを書いた作家が小説を書くということをどのようにとらえているのか(コンセプト)ということに興味があったことと、実際に文章を書くときにどんなことに注意して書いているのだろう(技術)ということを知りたかったのである。
文章を書き、それを自らの生業にしているというのは、あらためて大変なことだと実感させられた。
Posted by ブクログ
新宿鮫でお馴染みの作者、大沢在昌氏の小説創作指南。
具体的かつ、分かりやすく、しかもこのような本にありがちな「退屈さ」を感じさせない秀逸な内容。
氏のエンターテイメントに対する意識の高さが講座自体にも滲み出ている。
Posted by ブクログ
私自身は小説を書いたことも書く気も今のところ無い.
角川の優待でなんとなくこの本をもらった.
作家がどのような意識で物語を作り構成するとよいかが書かれている.
今後小説を読むときに意識して,作家が何を考えて文を作っているかも想像しながら読んでみたいと思った.読むのはラノベばっかりですけどね.
Posted by ブクログ
デビュー作だけで消えていく作家、今でも最前線で活躍する作家、作家の技術について書いてはあるけど、それ以上に作家として生きていく生き様について読ませてもらった気がします。でも、作者の本を少ししか読んでいないので、これから他の本も読むことにしようと思います。
Posted by ブクログ
色々小説を読んでいると、これくらいの話なら自分でも書けるわ、と生意気なことを思ってしまう(笑
しかし、現実は当然そんなに甘くない。
作家で飯食ってる人ってほんの一握りだ。
大沢氏の生徒への鋭い突っ込みがよかった。
Posted by ブクログ
ここまで作家のノウハウが公開されている本も珍しいです。
作家とはこんなふうに考え、これほどの覚悟と命を削って書いているのかと思うと、本当に頭が下がります。
「面白い」とは何か?を真剣に考えさせられる内容に加え、最低限これだけはマスターするべき、小説作成技術が学べます。
プロ作家として生きる事の難しさと、著者自身の情熱がひしひしと伝わってきます。
そして、僕自身「何かをゼロから創りだするとは?」を真剣に考えさせられた本でした。
すべての作家志望者と、クリエイティブな現場に関わる人に読んでもらいたい本ですね。
Posted by ブクログ
大沢在昌すごいwwww
なんというか、防衛線を張りまくりなところはあるんだけれど(売れる本を俺が書いてます!と胸は張りにくいよね、確かに)、今まで手書きで原稿を仕上げてきた人のみが持つであろう気概を感じる。
うん。
手書きだと物理的に書くのが大変だから、書き続けるためのハードルは上がるし、筆が乗らない時の重さもハンパ無い。だからだろうか。
正直、最近の新宿鮫にはおいて行かれて居た気持だったが、また読もうかと思いました。
この門下生のみなさんがデビューするとしたら楽しみだ。
Posted by ブクログ
小説家も大変なのねぇ~と単純に思える。でも、これって小説家だけのことじゃないのではとハタと気づく。結局、何をするにしても仕事ってこうだよね・・・と。
目の前のことを淡々と片付けることもあるけれど、相手があっての仕事なのであって、そう考えると相手のためにどうするかが仕事なのだと。
小説を読み書きするのにも役立つ(?)かもしれないが、考え方の根底は仕事に対する取り組み方のような気がした。そういう意味で、本書の受講生たちがまだまだプロとは言えないという著者の言葉にとても納得できた。
Posted by ブクログ
小説の書き方はその人の持っている語彙力や観察力からくる引き出し次第。
基本的なことは本を読んでいれば身についている。
文章を書くことをしていこうと思ったので読んでみたが、とりあえず書いてみろ!
と最もなことを言われた感じだった。
Posted by ブクログ
小説を書くための技術が一冊の本に凝縮できるのならば小説家の仕事はそうたいしたものではないと考えるか、この内容をもってしても本来売れる小説家になるためには足りず+αは自分の才能だと思えるか。まあどちらに関してもそう考えていたら売れるレベルには到達しないだろう。
それよりも大沢在昌という小説家の存在技術をこの生徒たちが証明したのかどうか知りたい。デビューできた人たちがいるのかいないのか?
一人称の書き方
強いキャラクターのつくり方
会話文の秘密
プロットのつくり方
小説には「トゲ」が必要
文章と描写を磨け
強い感情を描く
課題
一人称で書く 原稿用紙30
ラストで「ひっくり返す」物語を書く 原稿用紙40
自分の書きたい世界を書く 原稿用紙50
テーマ競作 「バラ」と「古い建物」を入れた物語を書く 原稿用紙40
テーマ競作 「恐怖」の感情を書く
Posted by ブクログ
そんなに全てを明らかにはしていないような…普通にたくさん小説を読んでいる人ならわかりそうなことばかり。確かによくまとまっているとは思うけど…そこは別にいいんじゃないだろうか。読者をなめてるんだろうか、それともプロの作家というのはたいしたことないのだろうか。
才能は教えられないと書いてあったけど、この本を手に取った人が一番知りたいのはその部分で、彼の中にあるその才能の部分をできる限り語ってほしかった。それは言葉で説明できないかもしれないけど、出来る限り試みてほしかった、全部語ると言うのなら。もうなんかアイデアの出し方的なものでもいいから。ひらめいたときのこととか。
まぁタイトルが全技術だからね、小説の大事なものって技術じゃないんだろうなぁ。
ただ、エンタメ小説が何を考えて、何を目指して書いているか、少しわかった気がした。分からなかった人に分からせる本って、すごいことなんじゃないだろうか。というわけて、
Posted by ブクログ
作家に成りたい人は直ぐ読め、皆読め、読んで大作家になれ。
安倍蚤糞がどう奇怪な幻想を振り撒こうと相変わらず不景気が進行しているけたくそ悪い状況にめげず、初志貫徹をめざすえりすぐりの作家志望者を集めてかの「新宿鮫」の流行作家が角川書店で敢行した即席作家養成指南講座がこれであるぞよ。
作家に成りたい人は直ぐ読め、皆読め、読んで大作家になれ。
しかしながら、晴れて新人作家になったとしても想像を超える冷徹な現実が諸君を待ち構えている。超ラッキーな君が1年掛けて書きおろした1冊1800円初版4000部の本の収入は印税10%でたったの72万円。よほどの幸運が訪れない限りこれっきりでジ・エンド。コンビニのバイトのほうがよほど実入りがよろしい。
1800円の65%が出版社、35%が取り次ぎと書店の取り分になるが、出版社は作家の印税、制作費、宣伝費、社員の給料、紙代、印刷代、製本代などを支払わなければならない。出版社が儲かるためには初版4万部くらい刷れる作家でないとダメだが、現在わが国にそおゆう作家は20人!くらいしかいないんだそうである。
直木賞受賞者でも初版1万部程度が沢山いるそうだが、これが純文学になると3000.4000等のもっとお寒い状況にならざるを得ないから、大方は教員とかテレビ出演などのアルバイトで食いつながざるを得ず、そうなると作品の質と量にも大きな影響が出てくる。映画を撮らない、撮れないあのチョビ髭オヤジ映画監督のように、書かない作家とか書けない作家も出てくるという訳だ。
このように市場はますます厳しく、プロでも喰うや喰わずの貧民がウジャウジュしているのに、それでも小説が死ぬほど好きで作家に成りたい人にとってこれほど具体的に役に立つ指南書はないだろう。