感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年10月16日
売れるための前提
ミステリー作家なら千冊は読んでいないといけない。あらゆるトリック、人称を知っておくべきである。
一人称は情報の入り口が一点しかない。全ての登場人物は、その生活を話の裏側に持っている。人間を観察し、キャラクターを作り、生活を作り、またいくつかのキャラクターを持った自分の劇団を持って各...続きを読む小説の登場人物に当てはめていくのが良い。推敲は重要、冷静さを持った正確な文章を書かないといけない。起承転結は必要だが、時系列にする必要はなく、イベントを入れ、回想をうまく使うことでだるい部分を回す事ができる。
大沢さんは、キャラクターがストーリーを動かすタイプのため、強いキャラクター特に主人公を支える、相棒、敵の個性を作り込む。その個性を読者に伝える際は地の文ではなく、会話や態度の描写を通じて読者の中に組み立てていく。またストーリーを通じて、主人公に変化をもたらす事が不可欠。読者に共感を持たせられる主人公を作り、そのキャラクター徹底的に追い込むことで、カタルシスが生まれてくる。
リアルとリアリティの違い、どんな突拍子も無いことも小説では起こせるが、飽くまでリアリティを持たせないと成立しない。大谷のような野球選手はリアルであるが、リアリティは小説では出しにくい。時代の空気を取り入れる事も必要。
伏線は、最初の方から埋め込んで行き推敲時に傷って行けば良い、
Posted by ブクログ 2019年01月16日
エンターテインメント小説を書きたい人にはとても有意義な本だと思います。
また、単に本の内容を楽しんで読んでいた人(私もそんな感じ)は、この本を読むと本の読み方が少し変わってしまうかもしれません。
払ってもいい金額:5,000円
Posted by ブクログ 2018年12月03日
これは素晴らしかった。文筆の経験はないし、特にそれを目指している訳でもないんだけど、本書に惹かれ、手に取った一番の目的は、小説を読むに当たってのポイントを教授されたかったから。物語をより深く味わい、楽しむために、ひいては優れた読み手たらんがために。そして本書は、かなり高水準でそれが達成されるものとい...続きを読むえる。散々繰り返される、人称や視点人物への徹底した留意をはじめ、なるほどと思わされる箇所満載でした。将来小説を書くなら、是非改めて紐解きたい書物。
Posted by ブクログ 2017年10月06日
作家という職業がいかに厳しいものかよくわかりました。
読んでも読んでもそれでも飽き足らず、それ以上は自分で書くしかない
情熱のある人がなる。今の自分の職業(作家ではなく普通のサラリーマン)
はそう感じているものではないので、考えさせられました。
Posted by ブクログ 2016年11月23日
凄く面白かった。久しぶりに続きをどんどん読みたくなる本に出会った。エンタメ小説を書きたい人は必読で、読むのが好きな人も楽しめるだろう。文庫化熱望。日本推理作家協会「ミステリーの書き方」と合わせて、何回も読みたい。
特に日本文学・海外文学の文章表現の違いなどは実に興味深かった。神視点・視点の乱れの問...続きを読む題もとても分かりやすく書かれている。
思ったのは、受講生のレベルが結構低いということ。だから講座として成立するわけだが、彼らの小説のあらすじや一部分を読んでいると、これで大丈夫なの?作家を目指してもいいの?と少なからず思ってしまったのも事実。不倫・死・復讐と、なんだか発想がとても陳腐。中にはおっというポイントがある作品もあるものの、「第二部 受講生作品講評」は少しだけ退屈かな~と思った次第。
作家になる人はそもそも読書量が圧倒的で、大沢氏も年間500~1000冊読むそうだ。とにかく読書して吸収。
ところどころ森博嗣と対極にあるなぁ、と思った。大沢氏の「読むのが好きすぎて読みすぎて書く方に転換した人間のみ作家になれる」という考えはとても正統派で好きだ。だけど、「いきなり文庫化」の効用はやはり森博嗣の方が数字に強いだけあって具体的かな。
ここに書かれた方法や例がすべてのプロ作家にあてはまるわけではもちろんない。「そんな動機で殺人までするかなぁ」という動機ばかりを出してくるプロ作家の石持浅海がいるし、神視点を使う恩田陸だっている。要はやはりオリジナリティ・発想なのだろう。
Posted by ブクログ 2013年11月23日
読むことによって、読者の気持ちに変化を与えることが小説の目的だと感じた。①作者が地の文で説明するのでなく、登場人物の会話から想像し感じてもらうこと。②登場人物にはインパクトのある特徴を持たせること。③主役には様々な逆境を与えること。④謎を二重に用意すること。⑤伏線を張ること。⑤誰も思いつかないような...続きを読むアイデアを考え抜くこと。⑥誰の視点で書いているのかを意識すること。⑦周りの環境(気象条件や匂いなど)を忘れないこと。
Posted by ブクログ 2013年07月28日
<印象的な箇所のクリッピング>
・白い紙に白い星を書くより、白い星を書いた後、周りを黒く塗りつぶした方が、星の輝きがひきたつ。
・惨めさを書くには、惨めな人の周りを黒く塗りつぶしていって、惨めな人の惨めさを引き立たせる。
・作家である自分専用の劇団を持つ。小説の中で、自分の劇団の役者にいろんな役者を...続きを読むやらせる。
・「喪失と獲得」何かを失った人間が何かを得ることで物語になる。
・80枚の新人賞なら60枚のストーリーを作る。残り20枚は艶出しに使う。
・まっすぐのプロットはつまらない。ぶらす幅を持たせる。
・ストーリーやプロットで読者を楽しませるのではない「何か」は年齢や経験で出てくる。
・「感情的な文章」と「感情を刺激する文章」は別。
・対象年齢低目の作品でも、自分より年上が読むと言うつもりで小説を書く。
・年上の読者を想定するからといって、古いことを書けばいいということではない。年配の読者はむしろ新しいことを求めている。
・クライマックスは2つ用意する。1つ目の謎の次に2つ目の謎を用意する。小説ははみ出したところから面白くなる。
・登場人物は書かれていない時も、生活していることを意識する。
・強いタイトルを作る。
・打席に立つときのイチローみたく、何かしら執筆前の儀式を決めて、自分の意欲やトーンを維持する。
・プロの作家にたまたまはない。ある一定の水準の作品を毎回出せるのがプロ。
・プロの世界はみなさんよりさらに上のレベルの人たちが、さらに上を目指そうとしてしのぎを削っている世界。
・作家と編集者の相性がいいからといって、いい担当になるとは限らない。
・仕事の依頼は断るな。締切も守る。
・50人の新人作家がいて、1人売れれば、残り49人だめでも黒字になるのが編集者。だから、編集者の甘い言葉を信じてはいけない。
・新人賞受賞後の次の作品が作家の運命を決める。
・自分を抑制して読者をじらせる。
・どんなに恥ずかしい話やみっともない話を書いたって、作家がひどい人だとは思われない。小説は作り物だから。小説は作り物だということを事あるごとに自分に言い聞かせる。そうすればどんどん話が広がるし、逸脱することができる。
<レビュー>
森博嗣の「小説家という職業」と一緒に読むと、考え方違う部分たくさんあり、重なる部分も若干あり、ためになる。大沢さんは若くして専業作家デビュー、森さんは年を取ってから大学教授しつつ兼業作家デビュー。いろんな形がある。
Posted by ブクログ 2013年06月29日
こんなにふせんを張りまくった本は、久しぶりだろう。
本、文章術、作家論、全てのジャンルを網羅している素晴らしい一冊。
のっけから、初版4000部、定価1700円、印税10%とした場合の
手取り額68万円という事実が出される。
いくら力作を書いてもこの程度と言う現実、そして
本書で語られているように...続きを読む、プロはそれでも書き続けて”売れる”
作品を出すことが条件ということ。
作家としてデビューすることは簡単、ただしプロとして
続けていくことは別物、は本書を読んで納得した。
「本を一冊出すために、どれだけ多くの人が労力を使ったかを
感じなければならない」
「本書を手に取ってくれるかもしれない、見えない読者のことを考えて
決して疎かな作品を作らない」
安易に作家デビューを考えてしまいがちだが、
売れている作家はすごいんだ、ということを実感させられた。
本書は講義形式で、プロ志望の方々の作品も解説、批評しながら
進んで行くが、読む限りおそらくこの中からはデビューできた人は
いないんじゃないかと思った。
やっぱり、それくらいプロとそれ以外の差は大きい。
Posted by ブクログ 2013年04月07日
小説というと感性溢れる作家の作品というイメージが先行するけれど、実際に行なわれたこの講座では、「人に読まれる」小説のロジックを解説しつつ、受講生の力を引き出す。なるほど、一流の道が険しいわけである。
Posted by ブクログ 2013年03月07日
中級者向けの小説作法の本。
基礎的な部分はあまり書かれていないが、それだけに実践的で参考に
なるところが多い。キャラ造形の仕方、描写のふくらまし方、デビューしてからの振舞い方など、付箋で本にたてがみが生えた。
兼業よりは専業の方がやはりいいものが書けるとしながらも、このご時世では厳しいので、10...続きを読む冊本を出す、何かの賞をとるなどの目標を決めて専業に移った方がよいというのは、聞きたくても誰も教えてくれないところだった。
講義の受講者(つまり読者)に対し、「これだけ教えて新人賞に3回挑戦してダメだったら根本的に才能がないと思った方がいい」とのことだったが、非常に厳しい現実だ。
著者は常にすべてのアイデアと能力を傾注してひとつの作品を仕上げろと強調している。小説を書くことにそれだけの情熱があり、厳しい現実にもかかわらず立ち向かいかつ才能のある人だけが、作家として生活できるのだ。
Posted by ブクログ 2021年05月26日
憧れの職業、作家。ホテルで缶詰になっての執筆にも憧れたりするけど、実際は大変なんだろうな。自分の才能のなさを実感。本気で目指す人は必読か。あまり他に類のないタイプの本。
Posted by ブクログ 2018年03月25日
もちろん、こういう本を読んだからといって、小説を書いてみようなどという大それたことに挑戦しようことでは毛頭ない。
「新宿鮫」シリーズをずっと読んできて、それを書いた作家が小説を書くということをどのようにとらえているのか(コンセプト)ということに興味があったことと、実際に文章を書くときにどんなことに注...続きを読む意して書いているのだろう(技術)ということを知りたかったのである。
文章を書き、それを自らの生業にしているというのは、あらためて大変なことだと実感させられた。
Posted by ブクログ 2014年08月09日
新宿鮫でお馴染みの作者、大沢在昌氏の小説創作指南。
具体的かつ、分かりやすく、しかもこのような本にありがちな「退屈さ」を感じさせない秀逸な内容。
氏のエンターテイメントに対する意識の高さが講座自体にも滲み出ている。
Posted by ブクログ 2014年07月06日
小説を書くに当たって心得ておきたいことや、陥りやすい落とし穴などが書かれていてとても勉強になった。
出版業界の縮小に伴い激化していく作家社会でどうやって生き残るか。結局はインプットとアウトプット(特にインプット)、そして無から有を悩んで悩んでひねり出す努力というところに尽きるようだ。
ただ作家になる...続きを読むのではなく、「生き残る」作家に私もなりたい。
Posted by ブクログ 2013年09月15日
私自身は小説を書いたことも書く気も今のところ無い.
角川の優待でなんとなくこの本をもらった.
作家がどのような意識で物語を作り構成するとよいかが書かれている.
今後小説を読むときに意識して,作家が何を考えて文を作っているかも想像しながら読んでみたいと思った.読むのはラノベばっかりですけどね.
Posted by ブクログ 2013年05月11日
デビュー作だけで消えていく作家、今でも最前線で活躍する作家、作家の技術について書いてはあるけど、それ以上に作家として生きていく生き様について読ませてもらった気がします。でも、作者の本を少ししか読んでいないので、これから他の本も読むことにしようと思います。
Posted by ブクログ 2013年04月19日
色々小説を読んでいると、これくらいの話なら自分でも書けるわ、と生意気なことを思ってしまう(笑
しかし、現実は当然そんなに甘くない。
作家で飯食ってる人ってほんの一握りだ。
大沢氏の生徒への鋭い突っ込みがよかった。
Posted by ブクログ 2013年05月08日
ここまで作家のノウハウが公開されている本も珍しいです。
作家とはこんなふうに考え、これほどの覚悟と命を削って書いているのかと思うと、本当に頭が下がります。
「面白い」とは何か?を真剣に考えさせられる内容に加え、最低限これだけはマスターするべき、小説作成技術が学べます。
プロ作家として生きる事の...続きを読む難しさと、著者自身の情熱がひしひしと伝わってきます。
そして、僕自身「何かをゼロから創りだするとは?」を真剣に考えさせられた本でした。
すべての作家志望者と、クリエイティブな現場に関わる人に読んでもらいたい本ですね。
Posted by ブクログ 2013年03月09日
大沢在昌すごいwwww
なんというか、防衛線を張りまくりなところはあるんだけれど(売れる本を俺が書いてます!と胸は張りにくいよね、確かに)、今まで手書きで原稿を仕上げてきた人のみが持つであろう気概を感じる。
うん。
手書きだと物理的に書くのが大変だから、書き続けるためのハードルは上がるし、筆...続きを読むが乗らない時の重さもハンパ無い。だからだろうか。
正直、最近の新宿鮫にはおいて行かれて居た気持だったが、また読もうかと思いました。
この門下生のみなさんがデビューするとしたら楽しみだ。
Posted by ブクログ 2013年02月01日
小説家も大変なのねぇ~と単純に思える。でも、これって小説家だけのことじゃないのではとハタと気づく。結局、何をするにしても仕事ってこうだよね・・・と。
目の前のことを淡々と片付けることもあるけれど、相手があっての仕事なのであって、そう考えると相手のためにどうするかが仕事なのだと。
小説を読み書きするの...続きを読むにも役立つ(?)かもしれないが、考え方の根底は仕事に対する取り組み方のような気がした。そういう意味で、本書の受講生たちがまだまだプロとは言えないという著者の言葉にとても納得できた。
Posted by ブクログ 2012年12月31日
小説の書き方を講義形式で説明して行くハウツー本。
ネットでも話題だったので書店で見つけて即購入。
作家さんがどういうことを考えて小説を書いてるのかということをわかりやすく説明していて、今までとは違う視点で本を読めるようになりそうです。
Posted by ブクログ 2012年12月11日
作家になるためには、作品を書くには、という
本気で作家になりたい人のための講座内容。
関係ない所では、受講生の偽名はどういう付け方なのか、が気になります。
一体何を書きにして書くべきか。
何を書かずに、何を書くべきか。
小説を書く点において、気を付けなければならない点は山の様。
ものすごく頭を使う...続きを読む職業です。
昔やった人生ゲーム(PS)で、どうしてこれほど頭脳がいるのか謎でしたが
ものすごく納得、でした。
…多分注目点が違いますがw
当然やっている人間が『作家』なので、全てにおいて
納得以外の何物でもないです。
小説を読む事、追い込む事、仕事を選ばない事。
最後のひとつは、なってから、の話ですが。
編集者も出てきたりで、ものすごくためになる内容でした。
本気で作家を目指しているならば、読むと何かを掴めるかも知れません。
Posted by ブクログ 2018年02月21日
小説の書き方はその人の持っている語彙力や観察力からくる引き出し次第。
基本的なことは本を読んでいれば身についている。
文章を書くことをしていこうと思ったので読んでみたが、とりあえず書いてみろ!
と最もなことを言われた感じだった。
Posted by ブクログ 2014年12月08日
小説を書くための技術が一冊の本に凝縮できるのならば小説家の仕事はそうたいしたものではないと考えるか、この内容をもってしても本来売れる小説家になるためには足りず+αは自分の才能だと思えるか。まあどちらに関してもそう考えていたら売れるレベルには到達しないだろう。
それよりも大沢在昌という小説家の存在...続きを読む技術をこの生徒たちが証明したのかどうか知りたい。デビューできた人たちがいるのかいないのか?
一人称の書き方
強いキャラクターのつくり方
会話文の秘密
プロットのつくり方
小説には「トゲ」が必要
文章と描写を磨け
強い感情を描く
課題
一人称で書く 原稿用紙30
ラストで「ひっくり返す」物語を書く 原稿用紙40
自分の書きたい世界を書く 原稿用紙50
テーマ競作 「バラ」と「古い建物」を入れた物語を書く 原稿用紙40
テーマ競作 「恐怖」の感情を書く
Posted by ブクログ 2014年11月27日
そんなに全てを明らかにはしていないような…普通にたくさん小説を読んでいる人ならわかりそうなことばかり。確かによくまとまっているとは思うけど…そこは別にいいんじゃないだろうか。読者をなめてるんだろうか、それともプロの作家というのはたいしたことないのだろうか。
才能は教えられないと書いてあったけど、この...続きを読む本を手に取った人が一番知りたいのはその部分で、彼の中にあるその才能の部分をできる限り語ってほしかった。それは言葉で説明できないかもしれないけど、出来る限り試みてほしかった、全部語ると言うのなら。もうなんかアイデアの出し方的なものでもいいから。ひらめいたときのこととか。
まぁタイトルが全技術だからね、小説の大事なものって技術じゃないんだろうなぁ。
ただ、エンタメ小説が何を考えて、何を目指して書いているか、少しわかった気がした。分からなかった人に分からせる本って、すごいことなんじゃないだろうか。というわけて、
Posted by ブクログ 2013年04月12日
作家に成りたい人は直ぐ読め、皆読め、読んで大作家になれ。
安倍蚤糞がどう奇怪な幻想を振り撒こうと相変わらず不景気が進行しているけたくそ悪い状況にめげず、初志貫徹をめざすえりすぐりの作家志望者を集めてかの「新宿鮫」の流行作家が角川書店で敢行した即席作家養成指南講座がこれであるぞよ。
作家に成りたい...続きを読む人は直ぐ読め、皆読め、読んで大作家になれ。
しかしながら、晴れて新人作家になったとしても想像を超える冷徹な現実が諸君を待ち構えている。超ラッキーな君が1年掛けて書きおろした1冊1800円初版4000部の本の収入は印税10%でたったの72万円。よほどの幸運が訪れない限りこれっきりでジ・エンド。コンビニのバイトのほうがよほど実入りがよろしい。
1800円の65%が出版社、35%が取り次ぎと書店の取り分になるが、出版社は作家の印税、制作費、宣伝費、社員の給料、紙代、印刷代、製本代などを支払わなければならない。出版社が儲かるためには初版4万部くらい刷れる作家でないとダメだが、現在わが国にそおゆう作家は20人!くらいしかいないんだそうである。
直木賞受賞者でも初版1万部程度が沢山いるそうだが、これが純文学になると3000.4000等のもっとお寒い状況にならざるを得ないから、大方は教員とかテレビ出演などのアルバイトで食いつながざるを得ず、そうなると作品の質と量にも大きな影響が出てくる。映画を撮らない、撮れないあのチョビ髭オヤジ映画監督のように、書かない作家とか書けない作家も出てくるという訳だ。
このように市場はますます厳しく、プロでも喰うや喰わずの貧民がウジャウジュしているのに、それでも小説が死ぬほど好きで作家に成りたい人にとってこれほど具体的に役に立つ指南書はないだろう。