あらすじ
大沢在昌さんが「一人称の書き方」「キャラクター造形」「プロットの作り方」など項目別に、自身の経験も交えながら実践的・具体的に解説。連載時に複数の現役作家からも大きな反響を呼んでいた講座の単行本化。
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Posted by ブクログ
<印象的な箇所のクリッピング>
・白い紙に白い星を書くより、白い星を書いた後、周りを黒く塗りつぶした方が、星の輝きがひきたつ。
・惨めさを書くには、惨めな人の周りを黒く塗りつぶしていって、惨めな人の惨めさを引き立たせる。
・作家である自分専用の劇団を持つ。小説の中で、自分の劇団の役者にいろんな役者をやらせる。
・「喪失と獲得」何かを失った人間が何かを得ることで物語になる。
・80枚の新人賞なら60枚のストーリーを作る。残り20枚は艶出しに使う。
・まっすぐのプロットはつまらない。ぶらす幅を持たせる。
・ストーリーやプロットで読者を楽しませるのではない「何か」は年齢や経験で出てくる。
・「感情的な文章」と「感情を刺激する文章」は別。
・対象年齢低目の作品でも、自分より年上が読むと言うつもりで小説を書く。
・年上の読者を想定するからといって、古いことを書けばいいということではない。年配の読者はむしろ新しいことを求めている。
・クライマックスは2つ用意する。1つ目の謎の次に2つ目の謎を用意する。小説ははみ出したところから面白くなる。
・登場人物は書かれていない時も、生活していることを意識する。
・強いタイトルを作る。
・打席に立つときのイチローみたく、何かしら執筆前の儀式を決めて、自分の意欲やトーンを維持する。
・プロの作家にたまたまはない。ある一定の水準の作品を毎回出せるのがプロ。
・プロの世界はみなさんよりさらに上のレベルの人たちが、さらに上を目指そうとしてしのぎを削っている世界。
・作家と編集者の相性がいいからといって、いい担当になるとは限らない。
・仕事の依頼は断るな。締切も守る。
・50人の新人作家がいて、1人売れれば、残り49人だめでも黒字になるのが編集者。だから、編集者の甘い言葉を信じてはいけない。
・新人賞受賞後の次の作品が作家の運命を決める。
・自分を抑制して読者をじらせる。
・どんなに恥ずかしい話やみっともない話を書いたって、作家がひどい人だとは思われない。小説は作り物だから。小説は作り物だということを事あるごとに自分に言い聞かせる。そうすればどんどん話が広がるし、逸脱することができる。
<レビュー>
森博嗣の「小説家という職業」と一緒に読むと、考え方違う部分たくさんあり、重なる部分も若干あり、ためになる。大沢さんは若くして専業作家デビュー、森さんは年を取ってから大学教授しつつ兼業作家デビュー。いろんな形がある。
Posted by ブクログ
メモ
ミステリー「江戸川乱歩賞」「日本ホラー小説大賞」
時代小説「松本清張賞」
毎日10〜20枚は書く
会話で主人公の性格(キャラクター)を立てていく。
視点の乱れを無くす(一人称の場合)
(例)〇〇は真っ赤になって怒った
〇〇は真っ赤になって怒って見えた(正解)
主人公説明
✕私はまた頬を染めた→頬が熱くなった
自分の表情をわざわざ「何々してみせる」とは言わない
✕不機嫌そうに眉根を寄せてみせると→◯不機嫌に言った。
主人公の年齢に見合った視点で書く。
夢、漫画、小説、芝居でも何でも感動した事はメモ帳に書いておく。
楽しい体験よりも悲しいこと、腹が立つこと、惨めなことの方が良い。
惨めな人の周囲をどんどん黒く塗りつぶす方が読者には惨めさが伝わる。
人間観察は人間描写に役立つ。
嫌な人間=自分を嫌な人間とはおもっていない。
最初から嫌な人を書こうとしない
嫌な人に見えなかった人間がだんだん嫌な奴に見えてくる。ならざるを得ない感じにする。読者にじわじわ嫌な感じが広がっていく。
面白い小説=キャラクターとストーリーが上手く繋がっている。
ストーリーを支えるのはキャラクター
重複は避ける(文字)。
第三回
【強いキャラクターの作り方】
数字や固有名詞に頼らずその人物を描写する
できるだけ具体像を思い浮かべる
具体像=雰囲気
その人物のイメージを明確に喚起させるような言葉を探す
有名人を思い浮かべるのは◯だが実際の実名は使わない。
主役のキャラではなく、ヒロインと敵役の造形に重きを置く。
(例)どんな魅力的なヒロインを出すか、どんな印象の悪い悪役を登場させるか
彼らがその物語に登場する理由は?
この場面に登場する人間にはそこにいる理由があることを踏まえて配置する。
→この理由は必ずしも物語に出てくる必要はない。
より具体的にリアルに人物設定をする
個性を持っているか
キャラクター表を作って、一人ひとりの登場人物について思いついたことをどんどんメモする。
ストーリーの進行によってキャラクターに変化を生じさせる。ストーリーが登場人物を変化させてゆく。この変化に読者は感情移入する。
例えば恋愛小説だと出会いから始まってしまうとパターンだなと思ってしまう。
失恋から始めるのも良い。物語をどこから始めるのかは作者の自由。
意外性を持った人物
悪人が実は善人という方が物語に深みを与え、読者にも濃い印象を残す。
視線の先を見るとその人が何をかんがえているのかが分かる。
靴、ネクタイを観察する→から考えられる事は?
激しい感情に襲われた時、その人物はどんなリアクションをするのか。
主人公の行動が変わる時はどんなときか
理論は一貫性を持つべき
登場シーンの少ない人間ほどインパクトは必要
全てのキャラクターの厚みが増えるほどストーリーを支える部分がどっしりと大きくなる
回想シーンは会話にする!
うまく合いの手を入れてくれる相手を作る
相手「なにか心にひっかかっていることがあるんじゃない?」
主人公「実は…」
もう一つの方法「会話」→地の文(補足)→「会話」
物の見え方は作者と同じではない。
年齢、性別ではなくてものの考え方、よって立つ所、思想、個性、そこから決める。
職業=特技
なんの役にも立たないと思っていた特技ご思わぬところで生きてくる。
特技を活かす場面を作ってやる。
ミステリー=基礎知識
何かを失い何かを得る
カタルシスはキャラクターとストーリーあってこそ
物語の長さとストーリーには重要な関係がある
例:長編は平坦に山があっても読者は納得しない
短編でその書き方はオッケイ
八〇枚(原稿)まずは六〇枚のストーリーを作る
「本格推理」名探偵は変化しない
→キャラの変化よりもトリック
「ハールドボイルド」は主人公は変化する
取材で大切な事はものすごく細かい部分と幹の部分を聞く
どんでん返しの成功=伏線が大事。早い段階で伏線を貼っておくこと。
小さな伏線を四分の一の段階に一本でも張っておく。伏線強化の為に真ん中あたりにもう一本張る。
伏線が足りなければあとから足しても良い。
【第四話】会話の秘密
ある程度は実際の会話に近い会話をしつつ、実際の会話並みの無駄なやり取りはのぞく。
会話は一度自分で読んでみる。
キャラの造形と合わせてふさわしい話し方、口調を考える。
ミステリー:物語前半犯人を隠す
物語八割終了犯人を分らせる会話
隠す会話→沈黙
「…」ではなく沈黙や答えないことを表現するような地の文
登場人物を必要以上に饒舌にしない
話をそらすのも良い
「隠す会話」のトリック
登場人物全員が主人公の協力者ではない
会話を一度で終わらせないように工夫する
→物語はどんどん複雑化し、話を前に進めてくれる。
例:XをAに渡してYを得る
会話の口調が変化すると二人の人間関係の深まりを表現できる。
例:敬語→タメ口
言葉を変えなければ人物の感情、背景、人間関係の障害になるものを伏線として使える。
人物ごとに喋りそうなセリフをどんどん書き出していく。やがて「この場面でこの人だったらこれしか言わない」という決定的なセリフが必ず出てくる。
具体的で個性的なキャラクターを作れる。
キャラを対比させる
例:熱血漢とですますで話す冷静な人
男女を逆転して組み合わせたり年齢を思いっきり変えてみても良い。
「隠す会話」2種類
①黙っていたり話をそらしたりする
②作者が物語をひっくり返す
会話はなりきることが大切。
ヤクザでもやらざるを得ない組織の論理や立場があり、家族や恋人がいて飯を食ったり、子どもと遊んだりしている。
その人物の私生活、人生を想像し、細部までとことん考える。
その人物に知りようのない情報を書いてはだめ。
【第五回】プロットの作り方
こういう小説を面白いと思うはずたと信じて書く。
「変化を読ませる」
ハラハラドキドキさせる。
「謎を解き明かす」
変化を読ませていって最後に謎が解ける。
「謎」というものをどんなふうに物語に置いていくかが、プロット作りの大きな鍵になる。
「自分の書く謎」をはっきりと明確にする。
「自分が書く作品の形に対する確信を持つ」
→どこに戻ればよいかはっきりと自覚できる。
「通過点を決める」→起承転結の四か所でもかまわない。
決めた通過点を真っ直ぐ進む小説は面白くない。
「承」から「転」をいかにダレずに読ませるか。
全く別人の視点から始まっても良い。
プロローグとエピローグをくっつけても良い。
新しい登場人物を出したら古い人物を整理する
登場人物を増やしすぎない。増えた分は整理する。
【第六回】小説には「トゲ」が必要だ
武器を持って続ける
最初から最後まで他人事で終わる小説にする。
だから何?
あり得ない状況を作って主人公を追い込む
描写にメリハリを
その小説で一番大切なのは何なのか
(背景ではなく入れ物)
「天,地,人,動,植」
何枚かに一回は山場を作る。