大沢在昌のレビュー一覧
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ネタバレ読書感想文|炎蛹
無間人形で、シリーズのテンションとしては一旦クライマックスを迎えた感がある新宿鮫シリーズの第5弾が本作『炎蛹』だ。直木賞を取った後ということもあるのか、全体的にコミカルなシーンが増えており、大沢在昌もいい意味で肩の力が抜けたのだなと感じさせてくれる。
そのような読後感を感じさせてくれる最も大きな理由は、今回は主人公の鮫島が新たな登場人物とバディ関係を結ぶことにあるだろう。その相手となるのは警察官ではなく、植物防疫官という役割を担っている公務員の甲屋だ。 その甲屋は日本国内に新たな害虫が入ってくるのを防ぐ役割を公務人としてになっているわけだが、本作では南米からフラメウス・ -
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ネタバレこれまでの二作が剥き出しの暴力を描いた作品だとすると、本作で描かれる犯罪は違法胎児堕胎と輸出という、よりジメジメとしていて、それであるが故により陰惨さを感じさせる。自分が子供を持つようになってから、子供が巻き込まれる犯罪作品というのは、あんまり楽しめなくなってしまったのだが、それが強制的な違法堕胎のように、母体にもダメージを与えるようなものだとより厳しい。
そのジメジメとした犯罪にさらに恐ろしさを加えるのは、違法堕胎の黒幕である藤崎彩香の障害となる人間を次々と殺していく、島崎ふみ枝という存在だ。ちょっとしたひっかき傷をつけるだけで数分後には血栓を生じさせてしまい、ターゲットを殺すことができる -
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ネタバレ『黒石』は、まさに新宿鮫シリーズ屈指の緊張感を味わえる一冊だった。物語が動き出した瞬間から不穏な空気が途切れることなく続き、鮫島が一歩踏み込むたびに危険が迫ってくる展開に、ページをめくる手が止まらなかった。敵の存在感も圧倒的で、終始張り詰めた空気の中で読み進めることができた。
そして何より心に残ったのは、鮫島の変化である。長いシリーズを追いかけてきたからこそ、これまで多くのものを失いながらも前を向き、新たな人間関係を築こうとする姿に深い感慨を覚えた。孤高の刑事としての鋭さはそのままに、どこか柔らかな表情を見せる瞬間があり、鮫島という人物の歩んできた時間の重みを感じられた。
圧倒的な緊張感と -
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去年から1作目を読み始めて11作目。とうとう、読んでいない作品は、最近文庫化されたばかりの黒石のみになりました。だいぶゆっくりと新宿鮫を堪能してきましたが、どんどん読んでいきたいのを我慢して、このペースで進めてきました。それは、刊行された作品がまだ何冊もある状態なら、読んでいくスピードは、自分でコントロールできますが、最新刊まで読んでしまうと、作品が出来上がるまで待たなきゃならないからなのです。この作品を読み終わった瞬間に、黒石をいつ読むのか、少しワクワクする悩みを抱えて、全く違う積読してある作品の山を崩していきたいと思います。
今回の作品は、過去の作品に登場した人物の思惑や因縁が絡み合って、 -
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662ページの長編。
新宿という街の由来に立ち返り、作者は新宿に関わる膨大な文献を読み調査した。
2,000年に出版されたものだが、その内容は現在の2026年に比べても、色あせない。
警察関係、暴力団、水商売、不法就労外国人など、新宿歌舞伎町に展開する人々の想いが登場人物に依って語られて行く。
鮫島は高級車窃盗団を追っていた。
そのアジト(ガレージ)のある古家の井戸から死蝋となった遺体を発見する。
遺体の弾痕から警察で使われている拳銃ということが判明するが、既に時効と成っている為、警察の上層部は不起訴で処理した。
納得がいかない鮫島は単独で調査を続けると、その遺体に関わる思わぬ因縁に直面する。