釈徹宗のレビュー一覧

  • 歎異抄 救いのことば

    他宗派の人にも読んで欲しい一冊

    2023年10月読了。

    長らくの積ん読本から。最近世界を騒がせる紛争地域を眺め、己の信ずる教え(幅広い意味での仏教)について思いを致し、一番「解りにくくて、敬して遠ざけていた」本を読もうと思い立ち、じっくりと読んだ。

    かく云う自分は他宗の人間だが、別に出家している訳でも、宗派に拘り信心が取分け篤...続きを読む
  • 徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”
    NHK「こころの時代」を興味深くチェックするようになったのは、本書のもととなった放送を見て以来。よって、本書の購入は記念的な意味だったが、各先生が放送で語られたことを一歩深めて書き下ろしているコラムが追記されていて、より深まった。

    ”カルト”について考察を進めると、宗教と国家、社会における個人へと...続きを読む
  • 自然を生きる
    1320

    玄侑宗久(げんゆう・そうきゅう)
    福島県生まれ。慶應義塾大学卒。臨済宗妙心寺派福聚寺住職。
    2001年『中陰の花』で芥川賞を受賞。他に『禅的生活』など。現在、政府の東日本大震災復興構想会議委員。

    釈徹宗(しゃく・てっしゅう)
    浄土真宗本願寺派如来寺住職。相愛大学人文学部教授。専門は宗教...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる
    水木さんに対する愛が込められた一冊。読むべき一冊だと思う。
    今まで戦争がテーマや舞台の作品にばかり注目してきたけれど、そうでない作品にも、やはり時代の風刺や反戦の思いが込められていることを知りました。もっと読みたいです。
  • 別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫
    物語創作の先進性、漫画芸術の技術の先進性、性と愛の文化的理解の先進性、宗教的視点から見た哲学、の四つのテーマで熱い賞賛の批評が、作品をある程度限定しながら、繰り広げられます。あまり真剣に手塚作品を読んではいないのですが、改めて色々と鑑賞したくなりました。
    本書では、諸々の気づき、学びが得られました。...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる
    幼少の頃、テレビで悪魔くんを観て、怖かった記憶があります。水木ワールドの深さを知ることができました!
  • 歎異抄手帳
    いわゆる善人、すなわち自分の力を信じ、自分の善い行いの見返りを疑わないような傲慢な人々は阿弥陀仏の救済の主な対象ではない。謙虚に他力本願のお力を信じて生きていこう。あらゆる煩悩に取り囲まれているこの身ゆえ。南無阿弥陀仏。
  • 維摩さまに聞いてみた
    大乗仏典『維摩経』のコミカライズ。とはいえ単純に経文を絵に移したわけではない。経典の内容をしっかり消化した上で、著者自身が仏教に学びたいと願っている「生きづらさを抱えたまま生きていくためにはどうすればよいか」という課題を柱に据えてストーリーが進むのだ。おかげで維摩経の教えが我がこととして響いてくる。...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけている...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫
    NHKEテレの放送内容を振り返りたくて読んでみたけど、各著者の論が放送よりも掘り下げられた内容になっていて読んで良かった。手塚治虫が日本のマンガに与えた影響を、物語構造論、表現技術論、ジェンダー論、宗教論の切り口でコンパクトにまとめられている。手塚治虫は驚くほどの質を伴った量の作品を残している作家な...続きを読む
  • お経で読む仏教
    すごくおもしろかった。
    今までわたしは自分のことを無宗教だと思ってたけど、お葬式は両親の実家共に仏教だったし、読んでいて、日々なんとなく思ってたことが言語化された感じがあって、わたしってもしかしたら知らぬうちに仏教をなんとなく信仰していたのかもしれないなと感じた。
    だからヨガの哲学もすんなり理解でき...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限...続きを読む
  • 日本霊性論
    『日本霊性論』内田樹×釈撤宗

    東日本大震災以降、新たに日本の霊性を捉え直すというのが本書のテーマ。内田老師が常々仰っていることが新たに霊性という観点で書かれている。

    ・霊性とは人智を越えたものを感じ取る構え。「ここに何かがありそうだ」という直感を推し進め、とにかく触ってみる。そして、それを様々な...続きを読む
  • 聖地巡礼リターンズ
    この夏は長崎に行きたかったが、コロナで行けず、代わりにと手にしたのが本書。キリシタンをテーマに長崎、大阪を紀行する。内容的には潜伏キリシタンを多く扱っている。
    釈徹宗、内田樹両先生の当意即妙なやり取りが心地よい。出典等はなく、学術的なものではないのだが、ラフな「しゃべくり」の方がこのコンビには合って...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス 歎異抄 仏にわが身をゆだねよ
    念仏するものが救われる
    良いことしたものが救われるという結果での成仏ではない
    今までとの教えの違いがわかりました。

    この事を知ったあと、キリスト教でも、同じように教えの違いがあることも理解できました。
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行
    世界遺産の熊野を歩いて、これを読むと最高に面白い。

    聖地に足を運び、「この世ならざるもの」を感じ取ること、とある。

    熊野に触れると本当に圧倒される。

    「場」の神道と「語り」の仏教、神仏習合がある。でもシンプルにそれだけでなく、仏教から新道的な要素を削いだり、廃仏毀釈があった。

    聖地の中枢へ熊...続きを読む
  • みんな、忙しすぎませんかね?~しんどい時は仏教で考える。
    【刺さった内容】
    受験勉強は孤独であることに気づきました。哲夫さんの努力はその努力自体が報われるという内容に励まされました。
    執着こそ苦悩を生み出す原因であることに気づかさました。
    しがらみに苦悩する場合はむしろそのしがらみに関心を持ち修正していくことに気づきました。
    【糧になったこと】
    仏教の考え...続きを読む
  • 街場の平成論
    いろいろな観点から「平成」を振り返る論集。30年間の変化の大きさに愕然とする。もっとも改元が時代の変化を表さないことは言うまでもないが。
  • 現代霊性論
     現代の「霊性」について語る対談集。
     既存の宗教から、新宗教、カルトまで、かなり幅広く網羅されていて、かなり面白かった。

     現代の「スピリチュアル」は自己変容や神秘主義を重んじ、なおかつ「メタ宗教・宗教の源泉」として宗教よりも上位に位置づけることが多い、等、興味深い指摘が多かった。