石田衣良のレビュー一覧
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「何か用事がないとデートもできないの」
ー七回目のデート
男が抱くだけでなく、女も男を抱くのだ。それだけのことに新鮮な驚きがある。
ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
英彰は美伊南とセックスをしていた。現在まで続いてきた生命の鎖の一番最後のひとつの輪に連なった気がした。美伊南と一緒にリズムを合わせて動きながら、考えてみる。命のチェーンの輪っかのひとつ。ちいさなループ。しわくちゃにねじれた二重螺旋。一本の管をとおるたくさんの虫。
ただの棒のような存在として前後に動き、それ以外のなにごとも考えなくていい。その不自由さが英彰という男を、生まれて初めて解放してくれた。
ーノッキン・オン・ヘブンズ・ド -
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Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え――(「スローグッドバイ」)など、普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。
「誰もが人生の主役になりたがるが、夢だとか恋だとか成功とか、どうしてあんなにしんどいものに、みんな手を出したがるのだろう。」
「大人になるというのは、結局「立入禁止」や「この先行き止まり」の標識に素 -
Posted by ブクログ
IWGPシリーズ、17巻目。
描かれるのは2020年、コロナ禍真っ只中で閉塞感あふれる池袋だが、話のテンポは変わらぬ疾走感。通勤と出張の電車の中であっという間に読み終えた。
今回のお題はパパ活、ぶつかり男、デリバリー配達員、ネット炎上。
いつもの通り、マコトはシャープで、ゼロワンは手際が良く、タカシは頼りになって、Gボーイズは統制が取れてる、少々のことではビクともしない安心安定の読み心地。
4つの話の中で「グローバルリングのぶつかり男」は一番ちんまりした話だったが、加齢にも病気にも人工関節置換術にも負けない池袋の老女の逞しさと、自転車止めのステンレスの柵に全裸のまま手錠でつながれたぶつかり男