池上彰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
池上彰と佐藤優の3冊目の対談。
内容は3冊ともに、その時々のホットな国際的な時事問題であるが、タイトルは「新・戦争論」「大世界史」と、今回は「新・リーダー論」と、必ずしも内容全体を著してはいない。
タイトルのような内容も入ってはいるが、むしろ直近の国際情勢の分析と割り切って読むことをお勧めします。そういう読み方をすれば、いつもホットな国際問題について切り込んだ、深い洞察力を感じさせてくれるシリーズです。
内容は、「新自由主義」下における格差の拡大や階層の固定化により、それへの大衆の不満と、それに迎合する大衆迎合型のポピュリズムが台頭し、その結果エリートと国民の間の信頼関係が薄れ、民主主義が -
Posted by ブクログ
アメリカの大統領選挙の仕組みがよくわからず、新聞を読んでも???のことがあったので、慌てて購入。ようやく複雑怪奇な仕組みをなんとなく理解したつもり。勝者総取り方式って、変なの。
「隠れトランプ」の存在が気になる。どうやら新上流階級(ボボス)もキーになっているようだけれど、どれだけ理解できているか自信なし。本書で出てくるティーパーティー運動家と同じ層なのか、違うのか?まだいまいちつながらない。
そして、気になるのは炎上商法をトランプが意識的に活用したということだ。アメリカだけでなく、世界中いたるところで、今、アメリカが抱える問題を抱えている。日本も例外ではない。自分たちだけが良ければいいとい -
-
Posted by ブクログ
池上氏と佐藤氏の対談をまとめた本の第3弾。書名は「リーダー論」ですが、内容的にはイギリスのEU離脱、アメリカ大統領選挙、パナマ文書にみられる格差拡大等々の国際時事問題に関する対談をまとめた本で「これからのリーダーはどうあるべき」的な内容は少ない目です。
プーチン大統領、エルドアン大統領などにみられるちょっと強硬な指導者や、国民投票でEU離脱を招いたキャメロン前首相、異端の大統領候補トランプ氏などの政治家がなぜそれぞれの国でリーダーとして選ばれたのか(トランプ氏は共和党候補という意味で)という視点で対談が進んで行きます。
かなり幅広いトピックスについて新書1冊にまとめた本なので、それぞれの項目に -
購入済み
ピケティとの対談は面白い
私は俄かな佐藤優ファンです。
でもこの本は特別面白い本だとは思いませんでした。
他の佐藤優の本を幾つも触っている人たちには、どこかで見かけた話が殆どという感じ。
池上さんの存在感をあまり感じませんでした。
ただ、ピケティとの対談や、その回顧を語るところは非常に面白かった。
実はピケティはマルクスの資本論には全然興味がないようです。内容も殆ど知らない。
むしろ、マルクスの話を振られること自体鬱陶しがっているような雰囲気さえ感じました。
「21世紀の資本論」なんてタイトルは、本人の意思とは関係ないところでついてしまったのかもしれません。
そこらへんが気になる人には少しおすす -
-
Posted by ブクログ
子どもは「自分が悪いからお父さんが殴ったんだろう」と解釈する傾向があります。
政府は労働人口を増やすために移民政策を検討しているようですが、そのことを考えるよりも前に、日本にいる人材を掘りおこし、研修の機会や環境をととのえて働けない若者たちをうまく仕事に結びつける手立てを探すべきだと思います。
今、社会的養護を必要としている子どもの数は増えているんでしょうか。 高橋 ええ。ここ十数年で社会的養護を必要とする児童の数は増加し、2011年の厚労省の発表によれば、対象児童の数は4万6000人とされています。 けれども実際には、少なくとも7万人は存在
もうひとつ重要なのは、施設を出た子どもたち -
Posted by ブクログ
トマ・ピケティ、E・トッド、岩井克人、中曽根康弘、小長啓一、今井敬、大場智満、堤清二、八城政基、塩川正十郎。まさに世界の知性といってよい錚々たる面々。池上氏の該博たる知識が、これら一流の名士からとびきりの知見を引き出している。どれも簡潔にまとめられており事の真髄を突いている。加えて非常にわかりやすい。惜しむらくは、簡潔すぎて深まりにかける点。紙面の関係でやむを得なかったのかもしれないが、それぞれの対談をもっともっと長く聞きたかった。とりわけトマ・ピケティとの議論は固唾を呑んで行を追ったが、いずれも巷間言われていることの範疇。特に目新しいものもなく、あっと言う間に終わってしまい、かなりの勢いで肩