池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『1』も読んでいたので順番どおりに今回『2』を読んだが、さすがに内容的にやや古びていて、刊行当時に読まないとあまり効果的でない気がする。「はじめに」で触れられるのは「アラブの春」(!)で、アメリカのリーダーはまだオバマ、中国は胡錦濤である。「ポスト京都議定書」がどうなるのかと話題にしているが、いまやせっかく決まった枠組(パリ協定)をアメリカが離脱して世界中を騒がせている時代である。いまさら本書を読んで、なんのためになるのか、という感じは否めない。むろん、歴史はその時代ごとのトピックの積み重ねなので、2012年のことが理解できない人が、激動する2017年現在の社会情勢を正確に把握できるはずもなく
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Posted by ブクログ
ネタバレフジテレビで放送された『池上彰緊急スペシャル! 世界から格差がなくならない本当の理由』を書籍化したもの。
かつて、旧ソ連のゴルバチョフ書記長に「世界で最も成功した社会主義国」と評された日本だが、「一億総中流」だったのはもう遠い過去。アメリカ大統領選挙の結果を左右したのも「格差」。
アメリカでは富裕層が多い街が独立し、さらに富裕層が移り住んでくる、という状況が始まっている。取材で出てくるジョージア州のジョンズクリーク市は、人口8万3000人、平均世帯所得が1270万円、住みやすい都市:全米4位だそう。
なぜ独立を望んだのか。住民投票で独立賛成に票を投じた人は、「支払った税金は自分たちのため -
Posted by ブクログ
「池上彰の世界はどこに向かうのか」
池上さんによる米国、トランプ大統領、EU、北朝鮮、原発事故、憲法などの解説である。
米国大統領選では予想を間違えましたと素直に認めて、何を見落としたのか分析しているところがいかにも池上さんらしい。
池上さんがいろいろとテレビで解説している番組を見ていたので内容にそれほど新鮮味はなかったが、改めて読むと池上さんのリベラルで中立的な見方がよくわかる。
本書は特任教授として東工大で教えている内容をまとめたものであるが、これだけ取材をし、テレビ番組に出演し、文章を書き、大学で特任教授として教えていることを考えると、いったいどんな生活を送っているのだろうかと思ってしま -
Posted by ブクログ
『ヘイトスピーチ』を読み、日本は右傾化していると思った。
日本が右傾化した原因は、
①フラット化→反フラット化→国家主義、民族主義の台頭
②日本経済の低迷→格差社会→弱者たたき
という2つの流れではないかという仮説を立てたが、世界はどうか。それを知りたくて読んだ。
しかし、著者は2人ともジャーナリストのため事実を伝えるだけで、その因を探ろうとはしない。
仮説の検証はできなかったが、アメリカのトランプ、フランスのルペンなど右傾化する世界の現象が分かった。
社会的な問題を移民のせいにするのは世界共通だ。フランスは年間2万人の移民を受け入れており、ルペンは移民を排除する思想だ。
しかし、ドイツはすご