あらすじ
あり得ないことだらけ! ニュースのプロは世界をどう見ているのか? 世界に「昔はよかった」という流れが生まれている一方で、くい止めようとする力も働いている。 イギリスのEU離脱やトランプ政権の混乱が続く中、仏大統領選では極右政党の代表が選ばれなかった。 先が読めない時代を私たちはどのように見ていけばよいのか。 現場取材をしながら独自の視点でニュースを解説する池上彰と増田ユリヤが、複雑化する世界を読み解く。
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Posted by ブクログ
なんだか最近、世の中ゴチャゴチャしてきやがったなぁと思ったので手に取った。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツが抱える「右傾化(=時代の逆行を望む動き)」と難民・移民の問題について、池上彰の解説と増田ユリヤの現場ルポを交互に配置して読み解いていく構成。マスコミが報じ切れていない部分までいろいろと突っ込んであり、今後ニュースを見るにしても視点が少しちがってきそうだ。
Posted by ブクログ
日本の右傾化が進んでいる今、この8年前の本を読んでみた。
右傾化への問いに答えているというよりは、事実の解説とルポが中心の本書だったが、事実としてこの頃と全く同じことがここ数年で日本に上陸してきたと、思う。日本で今排外主義を煽る政治家たちの手法は、そっくりそのままフランス、イギリス、アメリカの政治家がやっていた、やっていることのコピーだ。日本でいう極右は、指摘されていた通りこれまでは軍歌を流す国粋主義の街宣車のイメージから、ここ数年で諸外国と同様排外主義的論調へとシフトした。
一方で、日本の場合は難民受入は年間数十名程度であり、どちらかというとオーバーツーリズムや、外国人労働者の増加による「なんとなく外国人が嫌」というゼノフォビアから発している点...難民を受け入れ手厚く対応したドイツで反発としてAfDが躍進したことよりも、タチが悪いな、そこが島国だなぁという感想を持った。
Posted by ブクログ
先が読めない時代において複雑化する世界をどう見ていけばよいかを考える人におすすめ。
【概要】
●「ウソニュース」の見分け方
●分断された世界、一国主義
●右翼と左翼
●ポピュリズム
●欧米情勢 など
【感想】
●欧米における社会政治の流れ見るに当たって、その基盤となる考え方は何に基づいているのか真相を知っていると、また違った観点で捉えることができる。この本は、その手助けになると思った。
Posted by ブクログ
アメリカ、ヨーロッパの国々で、市井の人たちへの取材をもとに政治がどのように動ているか解説。移民、難民に揺れる国々で「右傾化」ではなく、トランプ大統領、フランス国民戦線のマリーヌ・ルペン党首に代表されるように、大衆迎合的なポピュリズムが台頭しているのが分かる。
Posted by ブクログ
『ヘイトスピーチ』を読み、日本は右傾化していると思った。
日本が右傾化した原因は、
①フラット化→反フラット化→国家主義、民族主義の台頭
②日本経済の低迷→格差社会→弱者たたき
という2つの流れではないかという仮説を立てたが、世界はどうか。それを知りたくて読んだ。
しかし、著者は2人ともジャーナリストのため事実を伝えるだけで、その因を探ろうとはしない。
仮説の検証はできなかったが、アメリカのトランプ、フランスのルペンなど右傾化する世界の現象が分かった。
社会的な問題を移民のせいにするのは世界共通だ。フランスは年間2万人の移民を受け入れており、ルペンは移民を排除する思想だ。
しかし、ドイツはすごい。年間に100万人、ベルリンだけで8万人の移民を受け入れている。