あらすじ
時に、政治権力者以上の、底知れぬ実力を発揮する大富豪たち。だが、かれらの来歴や人となりは、よく知られていない。池上彰が注目するのは、次の11人である。ジャック・マー(アリババ)、ルパート・マードック(メディア王)、ウォーレン・バフェット(大投資家)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、ドナルド・トランプ(不動産王、米国大統領)、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)、ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン(グーグル)、チャールズ・コーク&デビッド・コーク(ティーパーティー運動の黒幕)。かれらが何者かを知らずに、国際ニュースは語れない!【目次】はじめに/第一章 ジャック・マー/第二章 ルパート・マードック/第三章 ウォーレン・バフェット/第四章 ビル・ゲイツ/第五章 ジェフ・ベゾス/第六章 ドナルド・トランプ/第七章 マーク・ザッカーバーグ/第八章 グーグルを作った二人 ラリー・ペイジ&セルゲイ・ミハイロビッチ・ブリン/第九章 コーク兄弟 チャールズ・コーク、デビッド・コーク/おわりに/主要参考文献
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Posted by ブクログ
池上彰が選んだ世界の現役経済人の偉人伝。
ネット小売業界からはジャック・マー、ジェフ・ベゾス。IT業界からはビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジ。投資業界からはウォーレン・バフェット。等々、彼ら現代の富豪たちがどうやって今の地位を築いたのかを紹介。
彼らは皆、チャンスを見極め、そこに勇気を持って飛び込んだ。ハングリー精神と冷静な判断力、自らの決断に絶対の信頼を持ち続けた。ここまでなら、日本人だって負けていない。が、彼らの凄さは最初の成功に満足せず、さらなるビジネスを広げるチャレンジを続けたことだ。
こうした超一流の経済人の中にあえて、親の跡をつぎ、そこそこの成功を収めただけのドナルド・トランプを含めたところが著者ならではのアイロニー。それとも、「大統領職」をビジネスマンとして目標とし、達成したという点でトランプは経済人として一流と考えるべきか。
Posted by ブクログ
本書の巨人たちは皆、個性が強い。儲けるためには、手段を選ばず、エネルギッシュに戦う。他人を傷つけても。トランプもこんな倫理なき経済人として見ると政治的行動も理解できる面あります。コーク兄弟、良く知りませんでしたけど、こわっ。メディア王のルバート・マードックも知らなかったけど、FOXニュースですね。アメリカ経済・社会の激しさ、厳しさを感じさせる逸話が多かったですが、これが成長のダイナミズムなんですかね?GAFAM創業者達のこともザックリ知れて良かった。次編があるとすれば、イーロン・マスク辺り入るかも。
Posted by ブクログ
フェイスブックやグーグル、マイクロソフトなどの名だたる企業の創設者の話が簡潔にまとめられていて、読みやすかった。私たちが当たり前のように使っている仕組みを、大学生くらいの若いときに考え出して、さらに事業を大きくしていっている。先を見通す力、チャンスをつかむ行動力、そして同じくその事業を見極める投資家たちの存在も大きいのだろう。自分を振り返ると、ここに出てくるような世界に大きな影響を与える仕事をしているわけではないが、少しでも誰かの役にたっているといいな。
Posted by ブクログ
海外というか、殆どアメリカの富豪たちの資産額は日本人のそれとは比べ物にならないですね…
面白いのは、お金持ちになるまでは守銭奴の様にお金を追いかけているのに、お金持ちになった途端に今度は慈善活動などにシフトしていくってパターンがあるって所ですね。米国は寄付金に対する控除が結構あるので、税金として無記名で持っていかれるよりも、自分の名前が残る寄付活動の方が良いとする考えもあるのでしょう。
ただ、私的には、大金持ちはそれなりの能力と努力を払って大金持ちになった訳で、大金持ちになる過程で色々な経験を得ていると思います。そしてその経験を積んだ事で、その人の思考とか価値観が変わって、お金持ちになる前には思ってもいなかった形態に変革されていくのかもしれませんね…
Posted by ブクログ
ジャック・マー、ルパード・マードック、ウォーレン・バフェット、 ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ドナルド・トランプ、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ミハイロビッチ・ブリン、チャールズ・コーク、デヴィッド・コーク。
とても読みやすかったです。
中でもウォーレン・バフェットについて、より知りたくなりました。
Posted by ブクログ
2020/05/19
<要約>
ビジネスで大成功を治めた巨星たちの解説本。
<感想>
池上彰独自のバイアスはあるものの、ルパート・マードックやドナルド・トランプ、コーク兄弟など、必ずしも善人とは言えない人も多く、興味深く読めた。特にルパート・マードックの常軌を逸した野望の物語は、まさの映画の悪役にピッタリと思える。
ところで、池上彰は寄付をした人々を本の中で持ち上げていたが、大富豪になってその資産の多くを寄付したら偉人になるのかというと、疑問に思う。突き詰めれば、その人は結局自分が使いたいことにお金を使っているに過ぎないからだ。
Posted by ブクログ
ニュースでよく名前を聞く人ではあるけれど、意外とちゃんと知ってなかったな・・・っていうことはよくあって、この本はそういう経済人の略歴をつかむのには役には立つと思う。
ただ、池上さんの評価が結構強く反映されているように思えてしまい、もう少し客観的に書いてもらいたかった。トランプさんやマードックに厳しく、ジャックマーやザッカーバーグには甘いかな…。
Posted by ブクログ
取り上げられている9組のうち5組はIT関係で、経済的に成功した実業家の経歴を紹介しているにとどまっているのが残念だが、政治にも介入し、まさに世界を動かしているメディア王ルパート・マードックとコーク兄弟の章は読みごたえがあった。
コーク兄弟の父は、冷戦時代にソ連の招きに応じて近代的な石油精製技術を供与し、莫大な利益を得たが、共産主義の邪悪な性質を見て、自分の力を振り絞ってこれと戦う決心をした。コーク・インダストリーは、消費者向けでなく企業向けの商品を扱い、株式市場にも上場していない。自社の経営方式を「市場ベースの経営」と呼ぶが、政府による規制に反対し、発癌性のあるベンゼンを大気中に排出したり、パイプラインや貯蔵施設から石油を漏らしながら虚偽の報告をしたりしている。弟のデビッドはリバタリアン党の副大統領候補として立候補したが惨敗したため、製造業の観点から段階的に、知識人、シンクタンク、市民集団への投資してリバタリアンを生産する戦略を進めた。バラク・オバマの大統領就任後に起きたティーパーティー運動へも資金提供し、当選した独自の候補者たちは徹底した小さな政府を求めるフリーダム・コーカスを結成し、トランプ大統領への影響力も発揮している。