酒寄進一のレビュー一覧

  • ベルリン1945 はじめての春(下)

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    イギリス人作家マイケル・モーパーゴの作品を読み、ドイツ人作家は大戦をどう書いているのか知りたくなって読んだ。
    1919年、1933年、1945年のベルリンを舞台とした「ベルリン3部作」全6巻。ゲープハルト一家が3代にわたって各巻の主人公として描かれる。
    政党名も覚えられず、登場人物の名前も何度も確認しながら、それでもシンプルに「なぜ人をたくさん殺す状況が起こったのか」を知りたかった。単純にナチスは悪い、ヒトラーは酷い、で片付けるのではなくて。なぜそうなったか。

    全6巻を読んで、まだその答えを持てない。本文中、各登場人物はそれぞれの考えを言っていた。ナチスなら貧しさから逃れられると信じたとか、

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    2021年09月13日
  • ほら吹き男爵の冒険

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    時々こういう本あるよね。主役は誰なんだ、誰名義にすればしっくり来るのかという。挿絵たっぷりで、まず文章のみのページがなく、有名なドレさんの描いた絵なんですけど。内容は壮大なほら話で、あきらかに嘘なんだけど、別に誰を傷つけてる訳でもなく、つまらない催しなどが溢れていたであろう、当時の社交的な催し物などで語られる、よもやま話的な。陽気で愉快な書き方で読んでて気持ちいいが、短い。自分は短いの苦手なんだけど、そうでない人には非常に楽しい本かと。

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    2021年09月06日
  • テロ

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    ネタバレ

    シーラッハの長編と短編を1冊ずつ読んで、今度は戯曲。
    戯曲は好きだけど、会話劇だとさすがにあの独特な乾いた文体は味わえないのでそこは残念だった。
    紹介文を読んだときは、この判断は本当に難しいな…と思ったが、途中でスタジアムの観衆を避難させる時間は十分あったとわかった時点で、一体何を裁く必要があるのか?と思ってしまった。
    被告人のパイロットは確かに命令を無視して独断で行動したけれど、そもそもそんな決断をせざるをえない状況にしたのは誰なのか。
    諸悪の根源テロリストは別として、次に責められるべきは避難という手段を取らなかった軍の対応ではないのか。
    軍は命令が絶対、ということは、責任は当然トップにある

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    2021年08月24日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    ★3.5

    豪華クルーズ船の中で、乗客が消える・・・。じつは、そんな出来事が、毎年少なからず起きているそうです。この作品は、その様な出来事が下になっています。

    船の中でのパニックモノと言えば『ポセイドン・アドベンチャー』が有名ですが、この作品は、パニックモノと言うより、犯罪モノです。それでも、逃げ場のない船の上で起きる犯罪は恐ろしいですね。しかも、その犯罪は、二重三重にトリックや騙しが仕掛けられていて、最後の最後まで気を抜くことは出来ません。

    この作品の面白いところは、映画のエンドロールの後にも少し物語が続くかの如く、著者の謝辞の後に、エピローグがあるところ。著者は気を使って、興味が無けれ

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    2021年08月07日
  • 犯罪

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    一言で言うと生々しい。

    元々海外の刑事ドラマが好きだったので、気になって購入したが、予想以上に生々しく描写されていてショッキングなシーンもあった。

    正当防衛、縁、エチオピアの男の話がお気に入り。映画にでもありそうなストーリーと終わり方で個人的に好きでした。

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    2022年09月10日
  • 禁忌

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    主人公は文字の一つ一つにまで色を感じるという特殊な色彩感覚の持ち主、ゼバスティアン。
    多感な時期に父親を自死という形で亡くし、乗馬以外に興味のない母親とうまく折り合いをつけられず、寄宿舎生活を終えると、写真家として歩み始めたる。
    何だか歯車が合わないなりにも恋人もでき、順調な毎日を過ごしていたが、ある日突然、若い女性の殺人容疑で逮捕されてしまう。
    捜査官に強要され罪を認めるも、敏腕弁護士ビーグラーによって、驚くべく事実が明らかにされる。
    ハイテクを駆使した写真のなりようや、弁護士の刑事に対する禅問答もどきのやり取り、あとがきで”日本の読者のみなさんへ”と題して良寛の俳句を取り上げているあたりな

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    2021年06月27日
  • ほら吹き男爵の冒険

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    小学生で読んで以来。挿絵も同じものの記憶。当時は面白かったが、今となっては。民話、言い伝えを小説化したようなもの。衣装、乗り物は当時のまま味わえる。2021.5.20

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    2021年05月20日
  • バンビ 森に生きる

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    バンビは(ディズニーの映画は有名だけど)原作を読んでいる人はあまりおらず、映画とはかなり違う、ということは知っていた。
    岩波少年文庫で読んでみようかと思ってからもう長いこと経ってしまったが、酒寄さんの新訳が出たのでいい機会だから読んでみることに。
    ディズニーアニメでは火事が大きな事件だったが、こちらで森の動物たちの恐怖の対象となるのは人間。
    ハンターがしばしばやってきて、鹿や鳥を殺していくことが最大の恐怖で、それに比べれば鹿同士の喧嘩や冬の寒さや飢えなどは大した問題ではない。
    狐はいるが、鹿を捕食するような大型の肉食獣はいないので、人間さえ来なければ平和で豊かな森なのである。
    ザルテンは他にも

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    2021年05月07日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    冒頭、当番弁護士の感じが日本と同じだー、と面白かった。ドイツから学ばせてもらったんだったか。
    話自体も面白かった。孫との関係は正直要らんかなと思ったけど(映像化が意識されていそうなのは苦手)。ざ・ドイツ、というお話と思う。そんな法改正がなされるのも凄いと思うけど、その後に検討委員会が作られるのも凄いと思った。日本では前者だけで終わりそう。

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    2021年05月05日
  • 犯罪

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    ネタバレ

    面白かった。フィクションということだけど、実体験に基づいている話も多いのでは、特に「エチオピアの男」が実話に近かったら良いな、と思う。
    文章もすごく読みやすかった。原文もこんな感じなのかな。見倣いたい。

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    2021年05月05日
  • 刺青の殺人者

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    これでもかというほど主人公が苦難に見舞われる展開が続きお腹一杯になってしまう。蛍光タトゥーのさそりを全身に彫ろうとするサイケな形成外科医は、脳腫瘍によって人格変化しているのか、もともとサイコパスなのか。計画性に富んでいるように見えて、終盤では破綻の多い犯行となってしまっている。それが残念なところであった。

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    2021年05月04日
  • 咆哮

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    <弁護士アイゼンベルク>シリーズはタイトルしか存じ上げないが、その著者によるドイツ発の警察小説<ヴァルナー&クロイトナー>シリーズの第一作目。クロイトナーは傲岸不遜で独断専行型の不良警官だが、異様な強運の持ち主で、丹念な地取りを続けるヴァルナー警部を尻目に、常に美味しい場面を掻っ攫うという何とも独特の存在感を放つ。今作がデビュー作とあってか、荒削りで煩雑な印象は否めないが、巻を重ねる毎に洗練されていくのだろうな。脇役ではあるが、ヴァルナーの祖父の一癖も二癖もあるキャラクターも中々エキセントリックで面白い。

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    2021年04月04日
  • 悪しき狼

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    かなりダークだったわ。小児犯罪を扱ってるんだけど、結構食い込んでるわ。誰もが子供の時代を経験していて、弱い物に対する虐待、性的な興奮など、きちんと病気と受け止めて治療が可能なら治療するか、檻に入れてくれよ。被害に合ってる子供の年齢はかなり幼く、里親協会みたいな事業が仕入れ先という、かなりえげつない内容であった。このシリーズは人の心の闇を描くことが多いが、自覚のない悪事を利用した金儲けという、なんとも、死後は絶対に地獄行きという内容だった。オリバーがちょっとしっかりしてきた。主役なのになあ。

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    2021年03月29日
  • 夏を殺す少女

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    タイトルに惹かれて手に取ったら、タイトルに感じた印象とは正反対の凄惨な現実のミステリだった。期待値とは違ったけどそれはそれで面白かった。

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    2021年03月06日
  • 穢れた風

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    ページ数も多いけど、内容が濃かった。テーマは風力発電テーマパークにまつわる話。環境問題から、建設反対みたいな勢力はやっぱ沸いてくる。人物の1人の活動家は、以前いた会社で馘になり、恨みを晴らしたいだけ。パートナーの恋人は嘘で塗り固まれた人生にリセットしたく、表面上の敵のスパイをする。人間の欲望の渦が5周位ぐるぐる渦巻いてるが、あんまり最近こういう小説ってなくて、久々に面白かった。清い人間なんていないんだぜ。

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    2021年02月11日
  • デーミアン

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    はしがき
    第1章 ふたつの世界
    第2章 カイン
    第3章 悪人
    第4章 ベアトリーチェ
    第5章 鳥は卵から出ようともがく
    第6章 ヤコブの戦い
    第7章 エヴァ夫人
    第8章終わりの始まり

    孤独の克服、自己の探求
    ニーチェ、ユング心理学

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    2021年02月07日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    前情報なしで読み始めたので、そんな話だったのか!と驚き、あとがきで作者の出自を知ってさらに驚いた。
    知らないまま読めてよかった。
    知ったうえで読み返すと、最後のヨハナとライネンのやり取りがますます胸に迫る。
    淡々とした語り口なのだが、続きが気になってスルスル読めてしまう不思議な魅力を感じた。他の作品も読んでみたい。

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    2021年02月06日
  • 深い疵

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    独警察小説。オリヴァー&ピアシリーズ第三作。
    ユダヤ人殺害事件の捜査を進めるうちに、ナチス時代の殺戮事件に遡っていく。複雑で残酷な事件を追うことになるが、最後はほっとさせられる。

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    2021年02月05日
  • 漆黒の森

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    はあ長かった。ちょっと変わった感じのミステリ。ドイツっぽい、感じもしない。タイトルもあんま関係ない。都会で敏腕編集者として活躍していた女性が仕事と私生活でポシャリ、やっと見つけた裏山道企画のために田舎にやってくる。死体見つける。この人ごっそりいらなかった。話をわかりずらく、読みにくくしただけ。元々の田舎の閉鎖的な環境で起こった殺人事件を、内輪でやれば良かったのに。まあそれだと普通なのか?いや、人物などを掘り下げれば充分だと思うよ。デビュー作らしく、色々惜しい作品で、もう一回じっくり書き直せば素晴らしそう。

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    2020年09月18日
  • 犯罪

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    11編からなる短編集で、著者は屈指の現役弁護士であるドイツ人。本屋大賞を始めとした複数の文学賞を受賞した今作品は、自身の事務所で扱った事件を元に描かれているそう。いくつか心に残る話があったが最後の「エチオピアの男」に感動した。

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    2020年08月26日