酒寄進一のレビュー一覧

  • 悪女は自殺しない

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     乗馬がうまくそれを鼻に掛け、美しく、妻のある男を寝取るような嫌な女。
     誰もが彼女を嫌う。

     そんな彼女が死体で発見された。一見自殺のように見えたが、タイトルの通り自殺ではない証拠が出てくる。嫌な女だけあり、動機のある男も女もわんさか出てくる。にぎやかで面白い。

     オリヴァー&ピアシリーズの第一作だけあり、2人の関係がむちゃくちゃ他人行儀で面白い。

     しかし……この本では解き明かされない謎がある。
     本当の彼女はどんな人だったのだろう。悪女ではあるものの、魅力もあったはずだ。けれど、あまり魅力的なところがよく見えない。そこが少し残念である。

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    2020年03月04日
  • 生者と死者に告ぐ

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     シリーズものがあるとき、あるいはこの作者が気になるというとき、私はなるべく第1作から読みたい。第1作を読むときのネタバレを回避したいのだ。
     しかしながら、これはシリーズ第7作なのだが、この本を紹介する案内に強く惹かれてこの作品から読んでみる。

     なぜ殺されたのか分からない人たちを辿る謎はもちろん魅力的なのだが、登場する刑事たちの背景を想像しつつ読み進めるのは楽しい。
     事件単体の面白さだけでなく、謎を解く刑事たちにも人生があり、事件があった。
     謎や解き方、トリックを楽しむミステリではなく物語を楽しむミステリ。
     他の作品も読みたくなる。

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    2020年02月27日
  • 弁護士アイゼンベルク 突破口

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    凄腕の女性弁護士アイゼンベルクは、映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。ログハウスにプラスチック爆弾を仕掛け、滞在していた恋人を遠隔操作で爆殺した容疑で逮捕されたというのだ。無実を主張するユーディットの弁護を引き受けるが、彼女の自宅からは爆弾と起爆装置が発見され、さらに何かを隠しているようで……。

    シリーズ第2作。やや展開にもたつくところがあり、一気に読み終えることはできなかったのが残念。

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    2020年02月16日
  • モナ・リザ・ウイルス 上

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    こういう色々要素を盛り込みすぎていて、同時進行型に登場人物も入れ替わるのに、人物紹介表を見なくて済んでる本というのは初めてかもしれない。人物描写はうまいと思う。一応事件起こるけど、重みないんだなー。ポテロングってすごい軽さだよね。そして作者の個性というか、AIが書いたみたいで、臭くない。これ、どうなんだろう、全く下巻の予想つかないなあ。(粗筋以外?面白いのか、どう収集つけるのか、多分ビックリしないんだろうなー)このアメンボのような軽やかさはなんだろうー。この体臭臭くなさはなんなんだろー。

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    2020年02月09日
  • 死体は笑みを招く

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    安心して読める人気シリーズの2作めだが、4作読んだ中では最下位かな。事件そのものより、刑事らの私生活、恋愛の相手、結婚、家族の比重が大きすぎるにも関わらず、翻訳順がバラバラなので、あれ?今どこ?いつ?みたいな感覚になる。ピアというメイン人物を小柄な人と思ってたら、178センチってびっくり。粗筋書いとこ。人が殺されました。結構最後の方まで犯人はわかりません。というか、まさかなんとなーくさりげなーく出てきた人が、実はやってました、というパターンで、ちょっとお粗末。なーんか3時間ドラマスペシャルみたい。

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    2020年01月07日
  • 生者と死者に告ぐ

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    面白いんだけど、3分の2くらいに短く出来そう。どういうわけか話が進まない。
    今回も酷い登場人物がいるが、あんまりどうしようもないキャラは出さなくてもいいのではないだろうか。出す意味がわからない。物語に必要なわけでもないし、面白さが増すわけでもない。
    オリヴァーは大分ましになった。ピアがちやほやされる場面は今回はあまりなかった。

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    2019年12月23日
  • 黒のクイーン

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」の作者の作品。
    上記に比べるとテンポなど悪い印象。
    推理についてもちょっとご都合主義な感じが。
    一番残念だったのはタイトル。
    原作はどうかわからないが、このタイトルでなんとなく展開がわかってしまった。
    3部作とのことで次作の邦訳に期待。

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    2019年12月12日
  • 深い疵

    nao

    購入済み

    うーん、面白かった…のか
    ナチス政権下の出来事には興味があり色々読んだので、これも読んでみたのですが、別のサイトで買って読んでいたのをすっかり忘れて、買って読んで、後半←解決間近になって
    あれっ、これって読んだ覚えがある…!と思い出す、というのを3回もやってしまいました
    読んだ本は忘れない方なのですが、こんなに印象が薄い本は初めてです
    どなたかも書いておられましたが、最後の解決が無理矢理すぎて(何であんなに酷いことをこの一家にしなきゃいけないのかサッパリ)納得いかないですよね
    ちょっと火サスぽいし
    でもこれ面白いと批評サイトにあるので、またウッカリ買わないように気をつけないと…

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    2019年09月27日
  • 禁忌

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    弁護士と刑事の法廷のやりとりが面白かった。理解できていない箇所も多々あって、シーラッハのコリー二事件も読んでみた方がいいのかもしれない。

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    2019年09月27日
  • 夏を殺す少女

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    沢山賞を受賞してるすごい人のよう。2つの都市にて同時進行に話が始まる。ドイツにて事件を追う刑事。ウィーンで働く美人女弁護士は、違う事件に共通点を見つけてしまい、有給を取り、その事件を個人的に調べる。沢山人が出てきて、ちょっとドイツ語圏の人名が覚えにくく、必死についていく。次第に真相が見えてきて、主人公同士が絡み合う。非常に手慣れた書き手のうまい文章と構成。話題にしやすいかもしれない。そうだな、そういう、いわゆる正統派ミステリーって、わかってるだろう、個人的には全然惹かれないんだ。

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    2019年09月25日
  • 犯罪

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    私達は生涯は、薄氷の上で踊っているのです。 宣誓はとうの昔に信頼されていなかったからだ 圧力容器が弾け飛んだ 罰則が私達を威嚇する ポコルは仲間がポルノ映画で彼女を便器代わりにするのを見てから ガロテで首をしめられ命を落とした 尻から折れた箒の柄が突き立っていた 俺はオリーヴの木どザジキが大嫌いなんだよ タツノオトシゴ海馬は馬と竜の合いの子で 記銘障害と想起障害を併発していることを本人に説明した ルミナール 華麗なるギャツビー 「さあ、櫂を漕いで流れに逆らおう。だけどそれでもじわじわ押し流される。過去の方へと」 だが盗んだ教科書で、解答不能と思える難問に出合うと、脳味噌がぶんぶん唸るのを感じた

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    2019年08月08日
  • 死体は笑みを招く

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    今回はあまり面白くなかったというか、これまでのシリース中で最下位(俺の中では)ですね。恋愛が絡むと一気に面白くなく成るのはなぜだろう。特に女性作家の場合。

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    2019年06月27日
  • 新訳 メトロポリス

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    機械化された社会でトップに君臨するフレーデルセン親子だが、息子のフレーダーが偶然見かけた女性マリアと恋に落ちる。その後何が起こったかよくわからないが都市が崩壊し、フレーダーは父親のヨーの宿命の相手、ロートヴァングと対決する。見事勝ったフレーダーとマリアは結ばれ、ヨーも人間らしい心を取り戻す。

    この小説はナチス台頭少し前のドイツで書かれた作品で、これが書かれた頃はまだ『ロボット』と言う言葉が無かったとのこと。これ以前のSF小説がどんなものか知らないが、
    「頭脳と手の仲介者は心でなくてはいけません」
    この言葉は現在あるほとんどの近未来SFのテーマになってると思う。

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    2019年05月12日
  • 弁護士アイゼンベルク

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    凄腕の女性弁護士にホームレス少女からの弁護依頼。殺人の被疑者は元恋人の物理学者。コソボから逃げてきた母子から、一族の復讐のため夫の居場所を聞き出そうとする刑事と異母弟。問い合わせてきたミュンヘンの女子学生。

    如何にして、何故敏腕になったかが垣間見える、がっつりミステリー。

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    2019年04月14日
  • デーミアン

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    特にひねりがあるわけでもなく少年が大人になる成長物語。
    家族(ことなかれ主義)からの影響は少なく、中高一貫校での出会う人物との生活から人生を学んでゆく。
    タイトルのデーミアンは若くして自分の考えを持っていて、数回の出逢いから少年に強く印象を与えることとなる。

    ↑書いてて、ふつーだなあ。こう、もっとこの本による「特別な」ことを書くんだ。

    酒寄さんは以前から信頼してるというか、手に取った本に「まちがいない」という印象がある。
    しかし今回はよくわからなかった。
    とても読みやすい。。

    どうもピンと来なくて。本って①面白いけど惹き付けられない②その逆があって今回は①だった。この本に限らず子供の成長

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    2019年03月29日
  • 夏を殺す少女

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    児童虐待、その後の解離性障害を素材に使うミステリ。一気に読めるがとても苦しい読後感が残る。児童虐待があまりに日常に近くなった今に物語として読めるものではない。

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    2019年02月24日
  • 静寂 ある殺人者の記録

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    やっぱ学校に行くのは重要だな。好きでなくても仲間って必要だ。耳がとても良い少年が地下で1人で成長。近所の車椅子の老人が教えに来るが、温室のような環境で育ってしまった。人間関係で行き詰まりを見せると、すぐに生命を終わらす。しかも善意と思って。悩まない。考えない。本来子供が学校で教えらたり、衝突したり、その度に色々苦悶することを彼はできなかった。やはり両親がダメだったと思う。おかんも子供産んだだけじゃダメで、育てないと。非常に読みやすく映画や曲のような感じがしたが、やはり作者は作曲家でミュージシャンだった。

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    2019年02月16日
  • 黒のクイーン

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    舞台のプラハが魅力的であるがそこに登場する人物はチェコ人というよりドイツ人のように思える。でもこの作者をもう少し読みたいとは思わせてくれる。

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    2019年02月10日
  • 禁忌

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    フェルディナント・フォン・シーラッハ『禁忌』創元推理文庫。

    『コリーニ事件』に続く200ページ強の中編作品。『犯罪』『罪悪』のイメージが強いせいか『コリーニ事件』同様、読んでいて心に響くものが無く、無機的な単調さに物足りなさを感じた。もしかして、シーラッハの良さは短編にこそ生きるのではなかろうか。

    主人公は文字に色を感じる共感覚を持つ写真家のゼバスティアンである。前半ではゼバスティアンの幼少期から写真家として成功を納めるまでが単調に描かれる。その後、ゼバスティアンが若い女性の誘拐と殺人の容疑で逮捕され、捜査官に強要され殺害を自供してしまう……そして、結末……

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    2019年01月19日
  • 静寂 ある殺人者の記録

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    一気に読んでしまったけれど余韻は今だ続き、
    ドイツの片田舎、主人公カールが佇む丘・沼・森が目の前に広がる。
    カールにとって静寂は魂の救済であり解放であり、
    殺すという行いに何も躊躇はなく、
    宗教の中にも慈愛と暴力の2面があることに疑問を持ちつつも、
    安寧は静寂の中にあると。
    自らの魂の救済は生まれくる赤子によって持たされる。
    何にであれ、殺人者の思いに同調することはできないが、
    この物語は愛に溢れていると感じる。
    誰しもが望むであろう愛に溢れている。

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    2018年11月28日