酒寄進一のレビュー一覧
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シリーズ第三弾。
クリスマスの朝、女優カタリーナ・ミルルートの娘、レーニが射殺さる事件が発生。
この件はレーニの叔父による過失致死という事で執行猶予判決が下り、解決したかに見えていました。
それから数ヶ月後、復活祭前の聖週間にミースバッハ刑事警察の問題児・クロイトナーの知人の配送車の中から、ミルルート家と因縁のある元女優の死体が発見されます。
死体を発見したクロイトナー巡査(お約束)と偶然居合わせたヴァルナー警部は、これを機にレーニ射殺事件も再調査することに・・。
まさに“ドイツ版・両津勘吉”といった感のある、クロイトナー。
この巻でも今まで以上にやらかしまくっていて、よく警察をクビになら -
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タイトルに惹かれて読んでみた。
近年目にした映画(『犯罪』『コリーニ事件』)の原作者なのね。ご職業は弁護士だとか。
エッセイともルポとも短編とも見分けのつきにくい話が、長短さまざま48篇収められている。ブツブツと寸断されるので、なかなか読みすすむ勢いがつかず時間がかかった。
とはいえ、そんなにサクサクと読む類の文章でもない。
機知に富み、情報量も多い話が、職業柄か、理路整然とドライな筆致で綴られる。
48篇それぞれの長さも(短いものは1ページにも満たない)、著者の独特のリズムなのだろうなと思う。
「物書きであれば、創作した人間と言葉を交わし、その人たちと人生を共にできる。書く合 -
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やや星新一のようなブラックな読後感の短編集です。
こちらはSFではなく、ミステリですが。
人を殺した、という「罪」を抱く人々が裁判を通して「罰」を受けるというのが法治国家の当たり前の姿ですが、証拠として揃ったものから論理的に判断しているようにみえても、巧妙に真相が隠されていたり、罪を被った人が実は騙されていたりと、複雑な人間模様が濃縮された作品集です。
荒唐無稽な設定はなく、淡々と描かれる登場人物の描写にはリアリティがある一方で、やや「盛り上がり」に賭ける部分があるかもしれません。
イメージでいうと、どの作品も「どんよりした雲り空」のような雰囲気で、不快ではないし雨が降ったようなしんみりと -
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シリーズ第二弾。
ドイツ南部、リーダーシュタイン山の山頂で、クメーダーという男が射殺される事件が発生。
クメーダーは、死の直前に偶々居合わせたクロイトナー上級巡査に二年前に失踪した恋人の行方を、弁護士・ファルキングが知っていると告げていて・・・。
タイトルになっている「羊の頭」とは、バイエルン州の伝統的なカードゲーム・「Schafkopf(羊の頭)」のことで、本文中にも登場人物達がSchafkopfに興じる場面が出てきます。
さて、前作で凍結した湖で少女の死体を発見し、本作では、目の前で男が射殺されるという、相変わらず“持っている”クロイトナーと、祖父のマンフレート爺さんの“現役っぷり”に -
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『弁護士アイゼンベルク』シリーズが面白かったので、同著者のデビュー作だという本書を手に取ってみました。
ドイツ南部の凍てついた湖の氷の下から、少女の死体が発見されます。
殺人事件として捜査が開始されますが、捜査の指揮をとるヴァルナー主席警部の自宅屋根の上から、新たな少女の死体が発見されて・・。
連続殺人事件のパートと雪山で大ピンチになっている父娘のパートが交互に描かれる展開からスタート。
デビュー作という事もあってか、序盤は文章がちょっと読みずらい部分もありましたが、地名やキャラ特性がわかってくるにつれ、プロット自体はよくできていることもあって徐々に引き込まれていきました。
死体に隠された -
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ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の短篇集『罪悪(原題:Schuld)』を読みました。
「ハラルト・ギルバース」、「アンドレアス・フェーア」に続き、ドイツ作家の作品です… 「フェルディナント・フォン・シーラッハ」作品は、約2年前に読んだ『犯罪』以来ですね。
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罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。
──ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。
秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。
何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。
弁 -
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ネタバレ――
少し趣を変えて、フェルナンド・フォン・シーラッハによる戯曲。
よく見たら本屋大賞翻訳部門獲ってたから趣変わってないかも。
2013年、ドイツ。テロリストによってハイジャックされた旅客機が、7万人の観客が集うサッカースタジアムに墜落させられようとしている。緊急発進した空軍少佐は独断でこれを撃墜、乗客164人を殺して7万人を救い、地上に戻ると即刻逮捕される。
舞台はその彼の裁判。参審員制が取られているドイツの法廷を舞台に、被告人、弁護人、検察官、裁判長の4人をメインキャストとし、証人 (弁護人側と検察側とのふたり、かと思ったのだけど実際は両方検察側みたいになっている)が時折そこに -
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ネタバレ大好きな本屋大賞、2012年の翻訳小説部門第1位作品、このミス第2位等々、多くの賞の受賞作ということで手にした一冊です。
著者の作品は初読みでしたが、著者がうまいのか、訳者がうまいのか、やはり両者がうまいんでしょう。
※翻訳がうまいと感じたのは「獣どもの街(ジェイムズ・エルロイ)」の田村義進さん以来です。
11の短編は全てが刑事事件の弁護人として罪と犯罪者に向き合います。
1話あたりざっくり20P程度なんですが、なにせ描写がうまい。
特に印象に残ったのは「棘」、精神が崩壊していく様、そしてそこから立ち直るラスト、なるほど。
これってあり得なくないよなぁ...って思いながら、この時の犯