酒寄進一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ旧訳と新訳でこんなにも違うのかと驚いた。
【ダミアン 訳:高橋健二(旧訳)】
「そのころいろいろなものが、私のほうににおって来、内部から苦痛と快い身震いとをもって私を動かした。」
「におって来、」に戸惑うし、意味を考えながら読むので疲れる。
全然頭に入ってこないので、新訳はどうなんだろうと読んでみた。
【デーミアン 訳:酒寄進一(新訳)】
「いまでも鼻をつくあの頃の雑多な匂い。いまなお、ぼくの心を揺さぶる煩悶や心地よい戦慄。」
あら不思議。スラスラと読める。
新訳に切り替えて読んだ。
タイトルまでもが違うとは。
旧訳には時代を感じさせる重厚さがあって味がある。
柞刈湯葉さんの作品でこの作品に触れていたので読んでみたけど、一度途中で断念してしまい、2度目のチャレンジ。
【ここからネタバレ】
彼の苦悩は、自分の気持ちを受け入れられずに葛藤しているように感じた。
さらにデーミアンのお母さんを神様みたいに崇めている。このあたりの宗教的でポエム的なノリにもなかなかついていけない。
「夫人は海だった。ぼくはそこに流れ込んだ。夫人は星だった。ぼく自身、星になって夫人の元へ昇った。」
私はこういうポエムが元々苦手なんだった…。
友達のお母さん相手に何を考えてるんだこの子は…と、どうしてもちょっとこじらせた思春期の子を見てる気持ちになってしまう。
エヴァ夫人もファンタジーすぎてついていけなかった。
子供の頃の話は共感できた。
あの時一歩間違えたら自分も悪い道にいっていたかもしれないという別れ道。
親に言えない秘密を持ってしまった時の、この世の終わりのような孤独と恐怖などは共感しながら読んだ。
宗教的なことがわからないので、宗教の話になると全く頭に入らなくなるのがいつも困ってしまう。
全体的に浅い読み方しかできなかった。
私にはテーマが合わなかったし難しかった。
『車輪の下』は面白かったんだけどな。 -
Posted by ブクログ
「勝手知ったる四面の壁の真ん中で、まぼろしに取り巻かれる」――不安、という感覚。それは必ずしも恐怖とともに訪れるわけではなく、夢想が招き寄せる場合もあるだろう。いずれにしても、「勝手知ったる」現実が、ふとした違和感、驚き、疑い、あるいは高揚、期待によって、見知らぬ異世界に音もなくスライドする。その異変を直視するか、見て見ぬふりをするか。物語の主人公によって選ぶ態度はさまざまだが、自らの選択に対する諦めにも似た受容がどの作品にも漂っていて、やるせなくも妙にリアリティのあるその着地点が印象に残る短編集だった。
個人的には「ロック鳥」の、突然の鳥の訪れは凶事なのか吉事なのか、受け止め方次第でもっと何か変わったのでは、そしてそのことを主人公も気づいていたのでは(だからこそ、「鳥は二度と戻ってこないだろう」というフレーズで終わる)という読後感が、尾を引いて胸に残った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ刑事オリヴァー&ピアシリーズ、その7。
クリスマスも近い12月、次々に起こる射殺事件。被害者たちはまわりから恨まれるようなことをしていない、ごく善良な人物らしい。
手がかりはほとんどなく、捜査が進まないなか、『仕置人』と名乗る犯人からの死亡告知が届く。
“わたしは生者と死者を裁くために来た”という文面から、被害者たちは身近な誰かの罪の報復のために犠牲になったのだと推測したオリヴァーたち捜査班は、彼らの共通点となる過去の罪を追う。
今作は、家族との絆ゆえに苦しみ、家族でありながら絆を作れないことにも苦しみがあり、逆に血縁がなくても新たに結ばれる絆もある、というテーマも感じた。
離婚、再婚、拡大家族の多いこと。
ラストで、前作でまんまと逃げおおせた犯人が逮捕されたとあっさりふれられて、この件に関する続編はないとわかった。思い切りがいいなぁ。
ピアの妹のキムも魅力的なキャラ。これからも準レギュラーになるのかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズも9作目。
会話の中で”ミステリーの登場人物は多い方がいい”なんて話すシーンが出て来るけど、
いやはや、今回はその数がすさまじかった。
容疑者、被害者共に多過ぎて読むのにかなり気力が必要だった。
オリヴァーとピアの関係の良好さは言うまでもないが、今作ではまた別の組み合わせにケミストリーが生まれ、にんまり。
現在シリーズはあと残り二作品。
海外ミステリーで読みたい本がこの先目白押しなので(マルク・ラーべの数字シリーズ、ポー&ティリー、シャルロッテ・リンクのケイトのシリーズ、アン・クリーヴスのペレス、アンソニー・ホロヴィッツなどなど)、オリヴァー&ピアシリーズは再び寝かせることになりそう。