酒寄進一のレビュー一覧

  • 夏を殺す少女

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    ネタバレ

    主人公2人がそれぞれ追っている「犯人」が相手にとっては「被害者」で、それぞれがじわじわと真相を追う中で出会い、やがて一つの真実にたどり着く…というプロットが見事。エヴェリーンとヴァルター、2人の主人公はじめキャラたちもとても魅力的。ほかの作品もぜひ読んでみたい。

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    2014年02月10日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    プロット、キャラ設定ともにしっかりしてて面白かった!オリヴァー&ピアのコンビがいい。滝沢&音道コンビをちょっと思い出した。宣伝文句には「人間のおぞましさと魅力を描いた衝撃の警察小説」とあったから、もっと暗い話かと思ったけれど、カラッとしたエンターテインメント(事件は痛ましいけれど)。映像化できそう。シリーズ全部読んでみたい。

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    2014年02月08日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    身に覚えのない殺人の罪を着せられて服役した男が山間の小さな集落に帰ってきた・・・。
    最近、こういう設定のミステリを続けて読んだ(『川は静かに流れ』、『ねじれた文字、ねじれた路』)ので、ああこれもまた、と思いながら読み始めた。が、それにしてもこのドイツの田舎の閉鎖性たるや、すごい。横溝正史ワールドを思い出す。
    ということで、そこにうずまく村人たちの情念・怨念も深く・・・。
    そしてまた、オリヴァーとピアという愛すべき警官ペアの私生活描写にも手を抜いていないのがいい。
    登場人物が徹底して人間くさい。そこが読者をつかんでいるのだと思う。

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    2014年01月20日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    小さな村で起こった殺人事件。無実を訴えながらも刑に服した青年が、その村に戻ってきたことから始まる物語です。

    嫉妬、恐れ、ひがみ。
    そんな人間の負の感情が複雑に絡み合い、事件の真相はなかなか見えてきません。

    犯人みっけ!と思った時は、まだまだ物語の中盤。もちろんその後も新たな事実がでできて、全く想像だにしなかった人物が…

    ドイツ語の名前や地名に苦労しつつも、ページをめくる手が止まりませんでした。

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    2014年01月08日
  • 夏を殺す少女

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    面白かった。
    ヴァルターが予想以上にいい奴だった。ヤスミーンとのやり取りも微笑ましい。エヴェリーンも過去を断ち切って歩き出したしね。

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    2013年12月26日
  • 深い疵

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    自分の出自がわからない苦悩は計り知れず、またその真実も想像の上をゆく。巧妙に偽っても長い時を経て過去が風化しても自分の行いのツケはくるのだと思い知らされ、負の歴史が重い影を落とす話だった。
    犯人の心の内、もう少し知りたかったな。
    先読みした『白雪姫には死んでもらう』もそうだったが、男女の思考や行動の特徴が明快で国境を越えてあるある~と頷いてしまう。

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    2022年07月30日
  • 新訳 メトロポリス

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    管理社会に反抗する民衆の姿を通して描く社会風刺だったり、同名映画の先進性や後の作品に与えた影響の大きさからSF要素に目が向く作品ですが、私はこれを親子の物語として捉えました。世代交代を描いたお話だと強く感じるのです。親離れをしようとする息子と、自分が築き上げてきたものに疑問を感じ、未来を次の世代に託す父親の物語。そんな風に思います。根底にそういったものが流れているから、この作品はきっとこの先どれだけの時を重ねても古びないはずです。

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    2012年12月10日
  • 新訳 メトロポリス

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    恋人を愛する。
    親を愛する。
    子供を愛する。
    隣人を愛する。

    様々な愛の形の物語だと思う。

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    2012年04月14日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    旧訳と新訳でこんなにも違うのかと驚いた。

    【ダミアン 訳:高橋健二(旧訳)】
    「そのころいろいろなものが、私のほうににおって来、内部から苦痛と快い身震いとをもって私を動かした。」

    「におって来、」に戸惑うし、意味を考えながら読むので疲れる。
    全然頭に入ってこないので、新訳はどうなんだろうと読んでみた。

    【デーミアン 訳:酒寄進一(新訳)】
    「いまでも鼻をつくあの頃の雑多な匂い。いまなお、ぼくの心を揺さぶる煩悶や心地よい戦慄。」

    あら不思議。スラスラと読める。
    新訳に切り替えて読んだ。
    タイトルまでもが違うとは。
    旧訳には時代を感じさせる重厚さがあって味がある。

    柞刈湯葉さんの作品でこの作品に触れていたので読んでみたけど、一度途中で断念してしまい、2度目のチャレンジ。

    【ここからネタバレ】

    彼の苦悩は、自分の気持ちを受け入れられずに葛藤しているように感じた。

    さらにデーミアンのお母さんを神様みたいに崇めている。このあたりの宗教的でポエム的なノリにもなかなかついていけない。

    「夫人は海だった。ぼくはそこに流れ込んだ。夫人は星だった。ぼく自身、星になって夫人の元へ昇った。」

    私はこういうポエムが元々苦手なんだった…。
    友達のお母さん相手に何を考えてるんだこの子は…と、どうしてもちょっとこじらせた思春期の子を見てる気持ちになってしまう。
    エヴァ夫人もファンタジーすぎてついていけなかった。

    子供の頃の話は共感できた。
    あの時一歩間違えたら自分も悪い道にいっていたかもしれないという別れ道。
    親に言えない秘密を持ってしまった時の、この世の終わりのような孤独と恐怖などは共感しながら読んだ。

    宗教的なことがわからないので、宗教の話になると全く頭に入らなくなるのがいつも困ってしまう。

    全体的に浅い読み方しかできなかった。
    私にはテーマが合わなかったし難しかった。
    『車輪の下』は面白かったんだけどな。

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    2026年10月05日
  • 19号室

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    スタンドプレーの警察官といえばトム・バビロン、と私の中で定着しつつある。見せ場を作るために勝手に動き回っているようにもみえる。
    なかなか過酷な場面も多く、けれどユーモアのエッセンスはないので全体通して曇天なまま終了。
    4部作でいろいろ仕込んであるので読み応えはあるのだけど、あまり相性がよくないのかもしれない、、、
    トムの命題がどう着地するのかは気になるので、続きは読みたいと思います。

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    2026年10月05日
  • 深い疵

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    シリーズ3作目。前2作は自主出版でもあり、やはり格段に読みやすいし面白くなっている。
    ただ少し長すぎるのと、犯人一人でこの犯行が本当に可能か疑問が残る。
    次作に期待。

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    2026年09月30日
  • ベルリン1933 壁を背にして(下)

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    名著なのかもしれないが、この後の歴史を知っていると、読むのが辛い。1919年の登場人物のその後を知るのは嬉しいが、善人が皆、不幸になる時代。次は1945年。こちらもつらそうだ。大事なことが書かれていることはわかるが、人に勧める気にはならない。

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    2026年09月29日
  • その昔、N市では

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    「勝手知ったる四面の壁の真ん中で、まぼろしに取り巻かれる」――不安、という感覚。それは必ずしも恐怖とともに訪れるわけではなく、夢想が招き寄せる場合もあるだろう。いずれにしても、「勝手知ったる」現実が、ふとした違和感、驚き、疑い、あるいは高揚、期待によって、見知らぬ異世界に音もなくスライドする。その異変を直視するか、見て見ぬふりをするか。物語の主人公によって選ぶ態度はさまざまだが、自らの選択に対する諦めにも似た受容がどの作品にも漂っていて、やるせなくも妙にリアリティのあるその着地点が印象に残る短編集だった。
    個人的には「ロック鳥」の、突然の鳥の訪れは凶事なのか吉事なのか、受け止め方次第でもっと何か変わったのでは、そしてそのことを主人公も気づいていたのでは(だからこそ、「鳥は二度と戻ってこないだろう」というフレーズで終わる)という読後感が、尾を引いて胸に残った。

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    2026年09月13日
  • 生者と死者に告ぐ

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    「わたしは生者と死者を裁くために来た」

    読みやすさにあふれた、ドイツの警察小説シリーズの一つ
    600ページは読み応えがあった
    捜査人の一人として登場する嫌味な男も、どこか憎めなさを感じた

    事件の背後にある事情は深く、考えさせられる内容だった

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    2026年09月01日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ネタバレ

    刑事オリヴァー&ピアシリーズ、その7。

    クリスマスも近い12月、次々に起こる射殺事件。被害者たちはまわりから恨まれるようなことをしていない、ごく善良な人物らしい。
    手がかりはほとんどなく、捜査が進まないなか、『仕置人』と名乗る犯人からの死亡告知が届く。
    “わたしは生者と死者を裁くために来た”という文面から、被害者たちは身近な誰かの罪の報復のために犠牲になったのだと推測したオリヴァーたち捜査班は、彼らの共通点となる過去の罪を追う。


    今作は、家族との絆ゆえに苦しみ、家族でありながら絆を作れないことにも苦しみがあり、逆に血縁がなくても新たに結ばれる絆もある、というテーマも感じた。
    離婚、再婚、拡大家族の多いこと。
    ラストで、前作でまんまと逃げおおせた犯人が逮捕されたとあっさりふれられて、この件に関する続編はないとわかった。思い切りがいいなぁ。
    ピアの妹のキムも魅力的なキャラ。これからも準レギュラーになるのかな。

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    2026年08月29日
  • 19号室

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    シリーズ2作目。初めは前回のストーリーや登場人物を思い出す必要があり戸惑ったが、その後は前作よりもテンポもよく面白かった。4部作とのことだが、最後も次作への導入かちょっと衝撃的な終わり方。次作に期待。

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    2026年08月27日
  • 母の日に死んだ

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    ネタバレ

    シリーズも9作目。
    会話の中で”ミステリーの登場人物は多い方がいい”なんて話すシーンが出て来るけど、
    いやはや、今回はその数がすさまじかった。
    容疑者、被害者共に多過ぎて読むのにかなり気力が必要だった。
    オリヴァーとピアの関係の良好さは言うまでもないが、今作ではまた別の組み合わせにケミストリーが生まれ、にんまり。

    現在シリーズはあと残り二作品。
    海外ミステリーで読みたい本がこの先目白押しなので(マルク・ラーべの数字シリーズ、ポー&ティリー、シャルロッテ・リンクのケイトのシリーズ、アン・クリーヴスのペレス、アンソニー・ホロヴィッツなどなど)、オリヴァー&ピアシリーズは再び寝かせることになりそう。

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    2026年08月26日
  • スズメバチ

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    前作、前々作とそれほど面白いと思わなかったのに、3冊目ということで、やはり読んでしまった。

    カテゴリーはミステリーなのかな? 前の2作よりはミステリーっぽいけど。

    相変わらずバビロンとヴィオーラの関係が気持ち悪い。

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    2026年08月30日
  • 犯罪

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    本人が刑事事件弁護士であるからか、奇妙な事件や悲しい事件など実際に携わった事件をフィクションの形にしているように思われる。事実は小説より奇なりなのだから。

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    2026年08月17日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ずっとちょっとおかしいけど、スイッチが入って狂っていく様子が恐ろしい。ただ、いつの世も人を想うという気持ちは不変で、全く違う国、時代を生きているのに、その気持ちなんかわかる、と思えるからこそ読みつがれてるのだろうなと思った。

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    2026年08月08日