酒寄進一のレビュー一覧
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翻訳第1作だが、オリヴァー&ピアシリーズとしては3作目。
前に読んだ「生者と死者に告ぐ」より前の話。であるがゆえに「あれこの人は昔こうだったのか」的な驚きがある。
謎の数字を記されて殺される老人の謎。捜査がままならない状況から進んでいくミステリ。なぜ老人が次々と殺されるのか。最初はまったく見えない点が線になると、恐ろしい理由が明らかになる。
そうして、その理由の裏側にある深い疵を負ったとある人物の行動が……もう本当に、それだけでこの物語成立してもいいかもって思える。
単純な謎解きではなく、人々の生きている証が見えるところがこのシリーズの面白さだと思う。 -
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ネタバレ光文社古典新訳文庫はガチで読みやすい。苦手だった海外古典文学がためらいなく手に取れるようになったのは、このシリーズのおかげである。古典を古典として読むのが億劫になってきたので、きっとこれからもお世話になると思う。
本書の訳者は酒寄進一氏。以前読んだシーラッハの『犯罪』もたしかこの方の訳書だった。翻訳にあたっての難所についてや、デーミアンのBL要素といった可能性などまで、訳者あとがきも非常におもしろく本書についての理解をより深めてくれる。
で、デーミアン。第一次世界大戦直後に発表されたドイツ文学である。
日本で有島武郎の『或る女』などが発表された1919年にヘルマン・ヘッセが匿名で発表した作 -
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オリヴァー&ピアシリーズ第七作。
前作から二年ほど経っている設定で、ピアもその恋人クリストフも前作でのショックから立ち直り、いよいよ結婚へ踏み出していた。ホッとした。
しかし、長期休暇を取ってクリストフと旅行を楽しむ予定のピアに連続殺人事件が立ち塞がる。
ドイツなら休暇は休暇と割り切って旅に出るのかと思いきや、意外にも人手不足の職場事情を思いやって休暇を返上するワーカホリック振りを見せる。
そしてそんなピアを非難するどころか気遣うクリストフって、本当に良い人。
そしてオリヴァー。離婚後も元妻コージマと幼い娘に振り回されつつ、やはり仕事中心の日々を過ごしている。
ドイツでの銃犯罪は非 -
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ドイツ・ホーハイム警察署刑事、オリヴァー&ピアシリーズ第六作。
序盤は様々な視点で場面転換が続くため、一体どこを軸に進むのか分からない。
キャンピングカー生活をしているらしき男、テレビの人気女性キャスター、ピアの友人エマ、何か酷い目に遭っているらしき少女の回想、オリヴァー、そしてピア。
これだけでも六つもある。
しかし読み進めるに連れて、オリヴァーとピア以外の話が巧妙に繋がっていることが分かり、更にはピアの話も…。
タイトルの意味は想像通りだったが、予想以上におぞましかった。日本に限らず世界中にこういう話はある。
人間は無償の愛を捧げる一方で、こんな残忍な行為も出来てしまう。恐ろしい。
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初ドイツミステリー。
冒頭とラストの50頁は一気に読める面白さ。ただし、全500頁強あるため、途中で読むのを止めてしまうとなかなか次に読むのをためらう類いの内容だった。(重い、暗い、捜査がなかなか進展しない)
そしてこのジャンルのお約束を知らないせいか、はたまた私がアガサ・クリスティーばかりを好んで読んできたからか、思ったほどの大どんでん返し、ではなかった。真犯人はわりとはじめから、あの人ではないかなとあたりがつけられる。
しかし誰も彼もが犯人に見える(読める)中盤から、終盤の一気に事件が転がって帰結する流れは是非とも一気に続けて読んで欲しい。これは秀作。
訳者あとがきにもあるように、本文で投 -
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ネレ・ノイハウス『生者と死者に告ぐ』創元推理文庫。
オリヴァー&ピア・シリーズ第7弾。『仕置き人』を名乗る連続射殺犯にオリヴァーとピアが挑む。シリーズで最も凄惨な事件が描かれながら、相変わらず手薄な警察組織にやきもきしつつも無難な結末を迎える。
犬の散歩中に女性がライフルで頭部を撃たれ、射殺される。翌日、森の中の邸宅で女性が同じく頭部を撃たれて死亡する。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれて死亡する。全く共通点の無い被害者に頭を抱えるオリヴァーだったが、犯人の『仕置き人』から警察署に死亡告知が届けられる。
本体価格1,500円
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トーマスラープ 「静寂」
副題「ある殺人者の記録」とあるが、殺人者の告白や事件解決の物語ではない。殺人者を否定は していないことに 違和感はあるが、宗教的倫理感と切り離して 死を取り上げている。
殺人犯 カールが「死とは何なのか」を 確信していく心理過程を経て、生への希望を描いている。タイトル「静寂」の意味は、母胎であり、愛の象徴であり、親から子へ、生を贈る場所 と捉えた。
最初読んだ時、誤訳かと勘違いしたが、エピグラフと序文の意味は 最後の章でスッキリする。2部 の「死とは何なのか」の内省は かなり面白かった。
カールにとっての静寂の場所
*暗闇や水の中〜何の不自由もない我が家
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ネタバレ200ページぐらいの本なのだが…日本では、こんな本は書けないんじゃ無いかと思うかな。
無益な戦争、ナチス時代を背景にした悲劇。そして法律の落度…歴史に翻弄される人々…中々難しい本だと思う。
小説には、内面的な描写はあるけど、なんだろう著者の描写は、読者側が読んで想像するような書き方が、とても印象的だったので、深読みしてしまった…嫌いじゃないし、著者が何となく答えを教えてる、ちっとな文章と中々良かった!
読んだ事の無いタイプの本。外国作品は、登場人物ごちゃごちゃになるので、あんまり読まないが、この作品は数人だけで読みやすくて良い。
気になったら読んでみてください!