酒寄進一のレビュー一覧

  • 深い疵

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    ネタバレ

    シリーズ第3弾。しかし、日本ではこれが最初に出版されてたみたいだけど、これはやっぱり最初から読むべき。

    1作目、2作目、と確実に作者のレベルがあがっている。
    特にプロットの緻密さはこの作品が群を抜いているのでは。
    前2作である程度メンバーのキャラ紹介も終わっている分、今回はプロットに重きが置かれているのかもしれない。今までの作品ほど、オリヴァーやピアの私生活は描きこまれず、比較的安定してサラっと描写されている。

    短い文章で様々な視点で事件を多角的に描く手法もより密度が高くなっていて、片っ端から伏線が張られて読んでいて謎の多さにこちらがこんがらがってくるほど。
    ドイツの氏名や地名は憶え難さも

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    2017年06月29日
  • 罪悪

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    「犯罪」に続く短編集第2弾。
    正と悪、罪と罰という風には割り切れない話の数々。
    特に冒頭の何編か、重い影のようなものを置いてゆく。やるせなく、切なく、心に残った。
    簡潔な文章のよさを、今回も感じた。

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    2017年06月20日
  • 刺青の殺人者

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    楽しかったー面白かったー!
    前作と同じように、ふたりが別々に事件に絡み出し、どこで交わるのかどう交わるのかとわくわく読んだ。謎が見えてくるたびに手が止められなくなる。

    まさか、え、え?というぐるっと回って戻ってきた結末にいい意味で振り回された感じ。キャラもとても魅力的だった。


    ただ、なんでー!という思いが1つだけ…。
    ほんとなんで…最後まで影武者なのでは、と希望を捨てきれなかった…前作のあの幸せなラストが好きだったから辛い。
    またふたりに出会えたらいいなと思う。そして互いに幸せになってほしい。

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    2017年06月14日
  • 夏を殺す少女

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    あぁ面白かった。終盤は読む手が止められず一気読み。少女たちの気持ちに胸が苦しくなる。でも点と点が繋がって行くのはとても興奮した。

    ふたりの主人公がなんだかとても好きだな。彼らの最後が未来を感じる明るい結末だったことが、救いのように感じた。

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    2017年04月19日
  • 悪女は自殺しない

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    ネタバレ

    久々のドイツ発の警察もの。ドイツの作家と言えば「漆黒の森」やクリスチャン・フィジック(新作が出ない!)のサスペンス物しか読んでなかったかな?
    ネレ・ノイハウスは「深い疵」が有名なようだけど、敢えてシリーズ一作目から読んでみることにした。

    話の語りはスゴくスムーズで読み易い。刑事コンビ?が追う墜落死が他殺と判明し、その捜査上で次々と暴かれる犯罪に複雑な人間関係が濃い。主人公が特に名探偵になっているわけでもなく、謎に直面しながら丁寧に捜査する過程を描き、錯綜した謎が徐々に解明されていく展開は見事で、ラストまで真相がうまく煙に巻かれている。

    残念なのは、肝心の二人のキャラが描かれているのだけど、

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    2017年03月27日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    登場人物が多く、主人公二人の個人的なエピソード、捜査11課の人間関係と物語の中心の話題である少女殺しの捜査と、話が数ページごとに切り替わるので、中盤くらいまでついていくのが大変でした。
    物語の背景となる村の人間関係などは、日本の小説や2時間ドラマでよく見られるようなもので、ドイツでも同じようなことがあるんだと思いがら読んでいました。

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    2017年03月27日
  • 深い疵

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    オリヴァー&ピアシリーズ第三作。
    戦争中にはこうしたことは世界中で起こっていたのだろうなと思う。だからこそ日本でも戦中戦後の混乱を利用したミステリーが数多くあるわけだし、面白い。
    それにしてもドイツというとヨーロッパの中でもお堅いイメージがあったが、このシリーズを読むとやはり男女関係(もしくはその他の恋愛関係も)は随分発展しているのだなと思う。捜査関係者、事件関係者と安易に個人的関係を結ぶなんて日本の刑事小説では考えられないことなのだが、その辺がお国柄を感じて海外小説は面白い。
    またこんな大昔の事件を実際に起訴出来るなんていうのもお国柄を感じる。日本ならいくらこれだけの証拠が揃っていて

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    2017年03月21日
  • 死体は笑みを招く

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    オリヴァ―とピアシリーズの第二作。

    大人の事情か何か知らないけど、
    原作と翻訳の出版順序を変えるのはやめてほしい。
    えーっと、この二人はこの後どうなるんだっけ?
    といちいち気にしながら読み進めないといけないから、
    本筋に身が入らない!と怒りながら読んだ。

    登場人物が多すぎるのか、関係が錯綜し過ぎるのか、
    道路建設の話や、バーチャルライフ、動物園への抗議運動、今どきの若者の反抗期と盛りだくさん過ぎるのか、
    途中からよくわからない状況に。
    最近あまり本を読んでないから、読解力が落ちたのか。
    原作の出版順序で読み直したい。

    と、ここまで書いてきて、ああ、そういうことかと納得。
    読者が食いつきや

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    2017年03月04日
  • テロ

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    ■命の尊さは数で比較できるか

    旅客機をハイジャックしたテロリストが、7万人が詰めかけるサッカースタジアムに墜落させようと計画。 命令に反して、数百人が乗る旅客機を撃墜したコッホ空軍少佐を無罪にするべきか有罪にするべきか、という思考実験的な戯曲。

    非常にナイーブな問題だが、自分が陪審員だとしたら断腸の思いで有罪にする。
    理由は「どうして観客を逃がすことを考えなかったのか」という検事の一言に尽きる。
    コッホ含め関係者全員「7万人か10 0人どちらを犠牲にするか?」ばかりを考えて、全員が助かる道を考え尽くしたといえない。

    もし検事の言うとおり、「コックピットに乗客が押し入り、自らの力でテロリス

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    2017年03月01日
  • 深い疵

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    オリヴァー警部は、今回とんだ災難だったな 警部が飲まされた液体エクスタシー(無色透明)が気になる すんごい威力やな 日本で商品化したらバカ売れしそう

    ピアのヘニング(元夫)と、クリストフ(現夫)どちらがいいか…? 
    ピアには、ほっとできて癒してくれるクリストフがいいんだろうな 
    私はヘニング派ですけどねw

    腹黒女ユッタにも最後ギャフンと言わしてほしかった

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    2017年05月07日
  • 漆黒の森

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    女性が殺され、胎児が奪われるという猟奇事件が発生。ドイツの閉鎖的で因習に囚われた田舎町を舞台に刑事の苦闘を描く。多彩で陰影に富んだキャラも豊富だし、10年前に起きた”事件”の真相も見え隠れするストーリー展開でラストまで飽きずに読める。
    しかし、女性作家のせいなのか主人公の心情があまりにも頑固で狭量だし、捜査自体が単純で今一共感できない。又、自閉症の一人称はさすがに読みづらい。話自体も主人公やヒロインの私生活をも描いて幅はあるが、その分話が冗長になったきらいはある。
    全体としては、ストーリーの骨格もしっかりしているし、10年前の事件の真相、今回の事件の真相ともにスッキリ謎は回収されているうえ、情

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    2017年02月06日
  • テロ

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    いわゆる読む戯曲かな。上演もされているそうだけど、舞台で観るのはきつそう。一番落度があるのは、スタジアムの観客を避難させなかった当局だと思うけど、被告人の行為がやむを得なかったと言い切るには躊躇する。上の指令に従うのが軍人では?軍人としては有罪だと思う。少なくても英雄として彼の行為を讃える気にはなれない。

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    2016年12月29日
  • カールの降誕祭

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    3つの短編集です。やたらという簡潔で淡々とした文章ですが、内容は衝撃的です。主人公は、秩序とかルールとか常識とかの中では安定して生きているのですが、その枠組みがなくなった途端に壊れてしまいます。なんとなくドイツ人は日本人と似ている気がします。

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    2016年12月22日
  • 死体は笑みを招く

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    ネレ・ノイハウスさんのオリヴァーとピアシリーズ第二作。
    出版の順が作品の出来た順とは異なるため、こちらが現在読める四作中では最後の作品。

    動物園から左腕と左脚の切断された死体が発見される。
    オリヴァーとピアの捜査により、被害者は高校教師で環境保護活動家であるパウリーだと判明する。
    パウリーの評判は、心酔する学生から憎悪されていたというものまで様々だった。

    手足が切断された死体というと、猟奇殺人か何かを意図してのものかと思うところだが、違う。
    犯人が理由を持って切り落としたのではなく、たまたま切断されたものだということ。
    実際の事件に猟奇性は不要だが、読み物としてなら面白いと感じるわたしとし

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    2016年11月28日
  • 月の夜は暗く

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    いつも通り、幼児期に虐待された犯人とトラウマ持ちの主人公たちのはなし。連続殺人の殺し方がエグい。
    最初は展開がまだるっこしいが、途中から出てくる変人分析官のキャラが良かったので最後まで楽しめた。私も彼にハグされたい。

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    2016年11月22日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    空軍基地跡地燃料貯蔵槽の中から古い人骨が発見される。
    検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。
    同じ頃、その事件の犯人として逮捕され服役していた男性が刑期を終え、故郷に帰っていた。彼は、殺害を認めていなかったものの証拠によって罪が確定され、服役した後も村人からは憎悪の対象だった。

    オリヴァーとピアシリーズ四作目。

    殺人事件の犯人と家族、被害者遺族のそれぞれの苦しみと、閉鎖された環境において犯人とその家族に向けられる人々の冷たい視線。
    こういったことは日本独特なものと思い込んでいた。
    いつかテレビでアメリカで、殺人事件の犯人の母親が、マスコミに顔を出してまるで他人事のよう

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    2016年11月01日
  • テロ

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    実際にこんな事件があったら、そして裁判が行われたらこの通りだろうと思わせるリアルさ。語られる言葉一つ一つがすべて正しくて真に迫っています。ずしんと響いて、何度も読み返してしまいます。法律家シーラッハの真骨頂をみたようです。舞台になって、映像化も計画されているようですね。見てみたいです。
    おまけ?のスピーチも、こんなスピーチができるんだな、と深く感銘を受けました。言論の自由のなんたるかを見せつけられた思いです。

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    2016年10月21日
  • 深い疵

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    クリスやヘニング、オリヴァーといった素敵な男たちにちやほやされる(?)ピアがうらやましい・・・
    人物造形が良い。あ、もちろん話もちゃんと面白い。

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    2016年09月30日
  • 悪女は自殺しない

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    白雪姫ではチームはがたがたオリヴァーはボロボロ捜査はグダグダだったが、最初の作品のこちらではまだしゃんとしている(笑)
    最後の方まで犯人がわからず、まあ面白かったと思う。

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    2016年09月11日
  • 夏を殺す少女

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    二つの事件がやがて合流する展開は、もどかしくも先が気になるつくり。
    土地や医療、警察のことを適当に書かずによく調べてある、と思う。
    だが!古今東西この手のミステリにありがちだが、主人公たちは何故に自分の権限や管轄を大きく超えて捜査してしまうのか。そこまでの理由って何?どうしても納得できない。

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    2016年09月05日