酒寄進一のレビュー一覧

  • 深い疵

    Posted by ブクログ

    これは良く書けてるなあ。この作者はすごくバランスがいい。話はかつてナチスの親衛隊が個人的な恨みと財産乗っ取りで無実の人達を自分達の利益だけために無差別に殺害し、なに食わぬ顔で60年ばかし生き延びて生きてきた歴史を暴くという、壮大なドラマ。死人が出るが、むしろ昔の事件を暴くためと復讐のための行動に裏付けられたもので、警察側は無駄に撹乱させられる。普通に面白かった。このシリーズ追いかけるぞ。

    0
    2019年10月13日
  • 白雪姫には死んでもらう

    Posted by ブクログ

    なかなか上手な書き手。十年ぶりに出所してきた若者が閉鎖された村に帰ってくる。無実をきせられたのは関係者は知っているので、彼の存在は邪魔でしかない。同時に、昔殺された少女にそっくりの顔付きをした都会育ちの勇敢な少女が、好奇心あらわに事件に興味を持つ。こいつも邪魔だな。。。権力者は当然のように自分が有利になるように、村人達を誘導する。だって自分達には生活あるもん、誰かの人生台無しにしてもさ!誰にでもあるんだ、正しくないみたいだけと、こっちに動いた方が取り敢えずはうまくいく、何よりも自分自身が一番大事だから。

    0
    2019年10月04日
  • 静寂 ある殺人者の記録

    Posted by ブクログ

    トーマスラープ 「静寂」

    副題「ある殺人者の記録」とあるが、殺人者の告白や事件解決の物語ではない。殺人者を否定は していないことに 違和感はあるが、宗教的倫理感と切り離して 死を取り上げている。

    殺人犯 カールが「死とは何なのか」を 確信していく心理過程を経て、生への希望を描いている。タイトル「静寂」の意味は、母胎であり、愛の象徴であり、親から子へ、生を贈る場所 と捉えた。

    最初読んだ時、誤訳かと勘違いしたが、エピグラフと序文の意味は 最後の章でスッキリする。2部 の「死とは何なのか」の内省は かなり面白かった。


    カールにとっての静寂の場所
    *暗闇や水の中〜何の不自由もない我が家

    0
    2019年09月22日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    フェルディナンド・フォン・シーラッハの長編作品を初めて拝読した。

    この小説は彼の「懺悔」だ。祖父が元ナチスの高官であるシーラッハが抱えていたものを、私たちは計り知ることは出来ない。

    その「苦悩」がこれを書かせたのではないか。作中の主人公コリー二と同様彼も、先の大戦を根強く引きずっていた。

    彼の短編作品と比べると、若干の「キレのなさ」を感じさせつつも、コリー二の動機が明るみになるにつれ増してくる、スリルは極上。

    やはりこの著者は、ただ者ではない。

    0
    2019年08月12日
  • 罪悪

    Posted by ブクログ

    短編集でどれももやっとしたり、おお、と思ったりとなんかしら後味を残されるものばかりで一気読み。
    ただ、前作の犯罪を先に読みたかった…!失敗した!
    また犯罪も読もう、そしてこの作家さんの他の作品も読みたいと思った。
    イルミナティ、子供たち、解剖学、司法当局がなんかよかった。鍵はエンタメチックでこれはこれで好き。

    0
    2019年07月15日
  • 弁護士アイゼンベルク

    Posted by ブクログ

    腕利きの弁護士が鋭い洞察力と行動力を武器に窮地に陥った依頼人を救う。
    弁護士アイゼンベルク、面白かったー。

    0
    2019年06月16日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    証拠も証人もそろい、わからないのは動機のみ。
    そして被害者は、子どもの頃世話になった人だった。

    たとえば司法解剖に立ち会ったあとのライアン。
    〈シャツの縞の数を数える。外階段での熱気。タバコ入れの冷たさ。震える手。〉
    カメラワークのような目線、心の動き。
    この作者らしい無駄のない焦点を絞ったような文体は今回も。
    詳しくないながらも弁護士の関わり方もドイツと日本ではずいぶん違うようで、そこもまた興味深かった。

    3冊目のシーラッハ。長編(といっても190ページほど)も楽しめました。

    0
    2019年06月11日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    200ページぐらいの本なのだが…日本では、こんな本は書けないんじゃ無いかと思うかな。
    無益な戦争、ナチス時代を背景にした悲劇。そして法律の落度…歴史に翻弄される人々…中々難しい本だと思う。

    小説には、内面的な描写はあるけど、なんだろう著者の描写は、読者側が読んで想像するような書き方が、とても印象的だったので、深読みしてしまった…嫌いじゃないし、著者が何となく答えを教えてる、ちっとな文章と中々良かった!

    読んだ事の無いタイプの本。外国作品は、登場人物ごちゃごちゃになるので、あんまり読まないが、この作品は数人だけで読みやすくて良い。

    気になったら読んでみてください!

    0
    2019年02月24日
  • 悪しき狼

    Posted by ブクログ

    川で少女の死体が発見された。長期間にわたって虐待された痕があり、死因は溺死だと判明する。だが不可解なことに、少女は川の水ではなく塩素水で溺れていた。おぞましい犯罪に、刑事オリヴァーとピアたちは必死の捜査をはじめるが、二週間たっても少女の身元が判明しない。さらに殺人未遂事件も発生。警察関係者の想像を絶する凶悪犯罪の全貌とは。欧州席捲の大人気警察小説!「刑事オリヴァー&ピア」最新作!

    シリーズ第6作。今回はオリヴァーは安定しているが、事件そのものがあまりにも陰惨で、読んでいてたまらなかった。

    0
    2019年01月31日
  • 月の夜は暗く

    購入済み

    一気読み

     少しばかり話の展開についていけない場面もあったが、全体的には面白く物語に引き込まれていった。 

    0
    2018年12月30日
  • 悪しき狼

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第6作。

    異動を願い出るとか言っていたオリヴァーも、
    ようやく私生活が落ち着いてきたようで、良かった。
    とうとう実家の離れ、御者の家からも出られそうだし。
    幼馴染のインカとの関係は、まだ一波乱ありそうだけど。
    とはいえ、
    鑑識課長クレーガーとピアのコンビが活躍して、主役の座を奪われそう。

    ラストが、事件の解決というよりかは、
    犯人たちへの復讐の銃弾と、うち一人の逃亡という結果に終わったのには、
    残念、かつ少し失望した。

    印象的だったのは、
    罠にはめられた元弁護士が、
    刑務所に送られ、職も家族も失いながら、
    人生をあきらめず無実を証明するべく闘い続けたこと。

    0
    2018年12月22日
  • 悪しき狼

    Posted by ブクログ

    なぜか俄然目立ち始めたクレーガー。おいしいところをガンガンふんだくる。
    一方オリヴァーは空気。もっと見せ場をやれよ。主人公なんだよね?違ったの?
    バラバラな話が半分過ぎたあたりで繋がり始めると面白くなってくる。
    だが、そこに行くまでの前半がまだるっこしいというか、話がなかなか進まない…
    短くぎゅっとまとまると、もっと良くなりそうな、そんな感じ。
    薄幸の青年と、はねっかえり小娘はノイハウスのパターンなのね。

    0
    2018年12月10日
  • 罪悪

    Posted by ブクログ

    “青い”の反対はなんだろう?
    この前に読んだ『空気の名前』が青いなら、こちらは。。。黒い?

    高め安定。
    ミステリーファンならこれは読まなくては。
    いやミステリーじゃないか、現実に基づいた犯罪短篇集。
    人って。。。

    0
    2018年11月14日
  • 静寂 ある殺人者の記録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    異能を持って生まれた人間の生涯を描く傑作が、また一つ誕生した。例えば料理の才で人を操るハリー・クレッシングの『料理人』。あるいは世にも稀なる嗅覚を活かした調香の術を使って、ある野望を果たすパトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』。いずれも寓話的な作品世界の中で、主人公の超人的な才能を描くことに筆が費やされ、作中の登場人物ばかりか読者までもがその魅力に翻弄される頃には、取り返しのつかない事態が起きているという話である。

    蝶の羽ばたきが聞こえ、雨音を銃弾の雨あられのように感じ、母親の声がナイフのように鋭く耳に突き刺さるほど異様に研ぎ澄まされた聴覚を持って生まれた人物が主人公の本書も

    0
    2018年11月09日
  • 悪しき狼

    Posted by ブクログ

    ネレ・ノイハウス『悪しき狼』創元推理文庫。

    シリーズ第6弾。今回は登場人物が非常に多く、冒頭から入れ替わり立ち替わり新たな人物が登場する。また、シリーズ最長ということもあって、読むのに苦労した。

    川で見付かった少女の変死体を巡り、オリヴァーとピアは捜査を開始する。なかなか少女の身元は判明せず、捜査が難航する中、新たに殺人未遂事件が発生する。様々な疑惑が渦巻き、巨悪の影が見え隠れするが……

    今回ばかりは、なかなか波に乗れぬままに何とか読み終えたという感じ。このシリーズにそろそろ飽きてきたのかな。

    0
    2018年11月08日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    以前の職場でお世話になったS先生は、刑法の研究者で現役の弁護士。囲碁とジャズをこよなく愛し、時おり絵筆も握られる、文人とお呼びするにふさわしい方です。仕事で研究室にお邪魔したときも、趣味の話で盛り上がることがしばしば。今は数年に一度お会いするくらいですが、フェイスブックを楽しく読ませていただいています。

    本書は、先生がFBで推薦されていたドイツのリーガルミステリー。
    作者のシーラッハは著名な刑事弁護士。短い文章をテンポよくつなぎ、結末まで一気に読ませます。

    ベルリンの高級ホテルの一室で、高名な老人が命を奪われます。容疑者として逮捕されたのは、イタリア人の元職人コリーニ。
    国選弁護に指名され

    0
    2018年11月07日
  • 弁護士アイゼンベルク

    Posted by ブクログ

    アイゼンベルグのキャラがいい。人を使い慣れたバリキャリ弁護士。テンポもよくスピーディー。小気味よく読めた。日常描写も好み。

    0
    2018年06月05日
  • 白雪姫には死んでもらう

    Posted by ブクログ

    ~2008年11月 ドイツの小さな村で人骨が発見された。人骨は11年前に起こった連続少女殺害事件の被害者のものだった。死体が見つからないまま10年の刑を受けたのは、同じ村に住む男
    トビアス・ザルトリウスだった。彼は冤罪を主張していたが状況証拠や周りの友人、近所の住民の証言はすべて彼の不利になるものばかりだった為、彼は無念のまま刑に服した~

    まったく読まないわけではないのですが、正直外国文学は苦手です。ストーリーに入り込む前に登場人物が複雑だと覚えきれない・・・その上、愛称であったり俗称が何の説明もなく出てくるのに困惑してしまう。トビアス・ザルトリウスという名前をようやく覚えた頃に「トビー!」

    0
    2018年05月20日
  • 夏を殺す少女

    Posted by ブクログ

    酔った元小児科医がマンホールで溺死。市会議員が運転をあやまり事故死。一見無関係な出来事に潜むただならぬ気配に、弁護士エヴェリーンは深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事の軌跡が出合うとき、事件が恐るべき姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした衝撃作。

    例によって陰惨な背景があるのだが、それでもぐいぐいと読ませる力のある作品。

    0
    2018年05月13日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    「犯罪」「罪悪」などの短編集で人気を得た著者の初長編。とはいっても200ページもない。短編と中編の間といってもいいくらい短い。しかし内容は深い。

     (簡単な物語の導入部の紹介)

     自動車組立工だったコリーニの職場での評判は、いたってまじめで、勤務態度は申し分なかった。定年まで勤めあげた彼が殺人を犯すとは、誰も思いもしなかった。
     処刑スタイルで頭に銃弾を撃ち込まれたあげく、絶命後も激しく顔を踏みつけられ原型をとどめないほどの憎悪を向けられた被害者マイヤー。大手機械工業の代表取締役として世間にも顔を知られた実業家であり資産家。
     犯人と被害者の接点はどこにあるのか…

     資産家の惨殺にスキャ

    0
    2018年04月27日