酒寄進一のレビュー一覧

  • 月の夜は暗く

    購入済み

    一気読み

     少しばかり話の展開についていけない場面もあったが、全体的には面白く物語に引き込まれていった。 

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    2018年12月30日
  • 悪しき狼

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第6作。

    異動を願い出るとか言っていたオリヴァーも、
    ようやく私生活が落ち着いてきたようで、良かった。
    とうとう実家の離れ、御者の家からも出られそうだし。
    幼馴染のインカとの関係は、まだ一波乱ありそうだけど。
    とはいえ、
    鑑識課長クレーガーとピアのコンビが活躍して、主役の座を奪われそう。

    ラストが、事件の解決というよりかは、
    犯人たちへの復讐の銃弾と、うち一人の逃亡という結果に終わったのには、
    残念、かつ少し失望した。

    印象的だったのは、
    罠にはめられた元弁護士が、
    刑務所に送られ、職も家族も失いながら、
    人生をあきらめず無実を証明するべく闘い続けたこと。

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    2018年12月22日
  • 悪しき狼

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    なぜか俄然目立ち始めたクレーガー。おいしいところをガンガンふんだくる。
    一方オリヴァーは空気。もっと見せ場をやれよ。主人公なんだよね?違ったの?
    バラバラな話が半分過ぎたあたりで繋がり始めると面白くなってくる。
    だが、そこに行くまでの前半がまだるっこしいというか、話がなかなか進まない…
    短くぎゅっとまとまると、もっと良くなりそうな、そんな感じ。
    薄幸の青年と、はねっかえり小娘はノイハウスのパターンなのね。

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    2018年12月10日
  • 罪悪

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    “青い”の反対はなんだろう?
    この前に読んだ『空気の名前』が青いなら、こちらは。。。黒い?

    高め安定。
    ミステリーファンならこれは読まなくては。
    いやミステリーじゃないか、現実に基づいた犯罪短篇集。
    人って。。。

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    2018年11月14日
  • 静寂 ある殺人者の記録

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    ネタバレ

    異能を持って生まれた人間の生涯を描く傑作が、また一つ誕生した。例えば料理の才で人を操るハリー・クレッシングの『料理人』。あるいは世にも稀なる嗅覚を活かした調香の術を使って、ある野望を果たすパトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』。いずれも寓話的な作品世界の中で、主人公の超人的な才能を描くことに筆が費やされ、作中の登場人物ばかりか読者までもがその魅力に翻弄される頃には、取り返しのつかない事態が起きているという話である。

    蝶の羽ばたきが聞こえ、雨音を銃弾の雨あられのように感じ、母親の声がナイフのように鋭く耳に突き刺さるほど異様に研ぎ澄まされた聴覚を持って生まれた人物が主人公の本書も

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    2018年11月09日
  • 悪しき狼

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    ネレ・ノイハウス『悪しき狼』創元推理文庫。

    シリーズ第6弾。今回は登場人物が非常に多く、冒頭から入れ替わり立ち替わり新たな人物が登場する。また、シリーズ最長ということもあって、読むのに苦労した。

    川で見付かった少女の変死体を巡り、オリヴァーとピアは捜査を開始する。なかなか少女の身元は判明せず、捜査が難航する中、新たに殺人未遂事件が発生する。様々な疑惑が渦巻き、巨悪の影が見え隠れするが……

    今回ばかりは、なかなか波に乗れぬままに何とか読み終えたという感じ。このシリーズにそろそろ飽きてきたのかな。

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    2018年11月08日
  • コリーニ事件

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    以前の職場でお世話になったS先生は、刑法の研究者で現役の弁護士。囲碁とジャズをこよなく愛し、時おり絵筆も握られる、文人とお呼びするにふさわしい方です。仕事で研究室にお邪魔したときも、趣味の話で盛り上がることがしばしば。今は数年に一度お会いするくらいですが、フェイスブックを楽しく読ませていただいています。

    本書は、先生がFBで推薦されていたドイツのリーガルミステリー。
    作者のシーラッハは著名な刑事弁護士。短い文章をテンポよくつなぎ、結末まで一気に読ませます。

    ベルリンの高級ホテルの一室で、高名な老人が命を奪われます。容疑者として逮捕されたのは、イタリア人の元職人コリーニ。
    国選弁護に指名され

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    2018年11月07日
  • 弁護士アイゼンベルク

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    アイゼンベルグのキャラがいい。人を使い慣れたバリキャリ弁護士。テンポもよくスピーディー。小気味よく読めた。日常描写も好み。

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    2018年06月05日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    ~2008年11月 ドイツの小さな村で人骨が発見された。人骨は11年前に起こった連続少女殺害事件の被害者のものだった。死体が見つからないまま10年の刑を受けたのは、同じ村に住む男
    トビアス・ザルトリウスだった。彼は冤罪を主張していたが状況証拠や周りの友人、近所の住民の証言はすべて彼の不利になるものばかりだった為、彼は無念のまま刑に服した~

    まったく読まないわけではないのですが、正直外国文学は苦手です。ストーリーに入り込む前に登場人物が複雑だと覚えきれない・・・その上、愛称であったり俗称が何の説明もなく出てくるのに困惑してしまう。トビアス・ザルトリウスという名前をようやく覚えた頃に「トビー!」

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    2018年05月20日
  • 夏を殺す少女

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    酔った元小児科医がマンホールで溺死。市会議員が運転をあやまり事故死。一見無関係な出来事に潜むただならぬ気配に、弁護士エヴェリーンは深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事の軌跡が出合うとき、事件が恐るべき姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした衝撃作。

    例によって陰惨な背景があるのだが、それでもぐいぐいと読ませる力のある作品。

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    2018年05月13日
  • コリーニ事件

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    「犯罪」「罪悪」などの短編集で人気を得た著者の初長編。とはいっても200ページもない。短編と中編の間といってもいいくらい短い。しかし内容は深い。

     (簡単な物語の導入部の紹介)

     自動車組立工だったコリーニの職場での評判は、いたってまじめで、勤務態度は申し分なかった。定年まで勤めあげた彼が殺人を犯すとは、誰も思いもしなかった。
     処刑スタイルで頭に銃弾を撃ち込まれたあげく、絶命後も激しく顔を踏みつけられ原型をとどめないほどの憎悪を向けられた被害者マイヤー。大手機械工業の代表取締役として世間にも顔を知られた実業家であり資産家。
     犯人と被害者の接点はどこにあるのか…

     資産家の惨殺にスキャ

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    2018年04月27日
  • 穢れた風

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    オリヴァーが恋をした ん~そうか、そうか あたしゃ、応援するよ 
    でも、恋するオリヴァーはだんだん定番のような気もするが…w

    今回は八面六臂のご活躍のピア姉さん しかし、いまだにピアはどうも好きになれん なんでかなぁ まぁ私の心が狭いんでしょうねw

    それにしても、今回はピアも真っ青なほどの下衆女登場
    アメリカ行きを夢見るアラフォー毒婦か まぁガッツはあるわな

    今回は出番の少なかったヘニングが… まぁめでたいことでパチパチ 幸せになってくれ 
    でもなんで、イギリスで…? ドイツの古城で式挙げて、これ見よがしにピアに幸せアピールしたらよかったのに…って思う私はひねくれてます ハイw

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    2018年03月02日
  • 刺青の殺人者

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」の続編。相変わらずドイツの刑事とオーストリアの弁護士の話が交互に書かれ、徐々に収束していく。二人が一緒になるのは前回と同じく終盤、またありがちな恋愛関係に全くなりそうにないのも良い。
    ただパトリックは残念。
    次作あるかな?期待。

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    2018年02月16日
  • コリーニ事件

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    この本を読んでいる時には、犯人が被害者を殺害した時には、犯人が実際には手を下してはいなくて、それを主人公であるライネンが暴いて弁護するのだろうかと思いましたが、いい意味で予想が裏切られました。トリックではなく、大きな歴史がその前に横たわっているとは予想だにしませんでした。

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    2018年01月30日
  • 夏を殺す少女

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    ネタバレ

    オーストリアで起こった不可解な、一見関連のない事故を調べる弁護士の事件とドイツで起こった、一見関連のない自殺を調べる刑事の事件が絡まっていき、終盤につながっていく。なかなか展開も早く、面白かった。よくあるパターンの2人が恋愛にならないのも良い。続編があるとのこと。読んでみたい。

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    2017年12月08日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    読み終わって、気分が悪くなる、と聞いていたけど、思ってたよりスッキリした最後で助かった。ちょっと大変だったけど、一気に読んでしまった。現代ドイツの警察小説は初めてで、人の名前は最後まで覚えきらなかったけど(笑)面白かったー!

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    2017年11月07日
  • 夏を殺す少女

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    オーストリアのミステリを初めて読みました。
    ドイツ語圏で数々の賞を受賞している人気作家のセンセーショナルなヒット作。
    アンドレアス・グルーバー日本初紹介です。

    オーストリアの若手女性弁護士エヴェリーンは、単なる事故と思われた事件を調べていくうちに、別な事故死現場に同じ少女がいたという不審な事実に気がつく。
    一見、何の関係もなさそうな事件だったが、私立探偵のパトリックと共に調べていくと‥?

    一方、ドイツでは、ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターが病院での不審死の調査を始めていた。
    中年のヴァルターは、5年前に妻をなくして幼い娘を育てるために、定時に帰れる地方警察の仕事に移った男。
    ドイツでも警察

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    2017年11月04日
  • 静寂 ある殺人者の記録

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    連続殺人者の物語。
    惹句から、いわゆる犯罪譚めいたものを予想していたら、これがまったく違っていた。
    濃密な人間ドラマだった。
    カールの行いは決して赦されるものではない(大量かつ残酷)。それなのに彼の行いにはどこまでも静けさと厳かさが付きまとう。

    前半の彷徨えるカールの行為も、後半の聖職者となった彼が手を下した行為の数々も、すべて一貫して同じ意味を持って行われていたのがなんとも複雑。
    救いとは。生きるとは。幸福とは。
    カールなりの愛の表現だったかと。

    少女の存在が秀逸で、どこまでもカールを支える存在であり続けた描写が神々しい。まさに天使だった。

    「人は変わる」
    陳腐な慰めを奇妙に、静かに納

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    2017年10月15日
  • カールの降誕祭

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    ネタバレ

    目次
    ・パン屋の主人
    ・ザイボルド
    ・カールの降誕祭(クリスマス)

    短編が3作。
    ぜんぶ合わせても100ページにも満たない。

    そして犯罪が3つ。
    そのうち殺人が2件。
    しかし悪意をもった犯罪者はいない。

    悪意をもたずに起こす殺人。
    それは、犯人にとってはやむを得ない行動であるのだが、第三者からすると、行為に手を染めてしまうその一線が、壁の薄さがうすら寒い。

    もう一人の犯罪者は…彼の犯した罪は、本当に社会悪だっただろうか?
    しかし信念を持って起こした行動を、彼がずっと守ってきた法律が犯罪と断じた時、彼の中の何かが壊れてしまった。
    彼の充実した人生は、一体どちらにあったのか?

    短い小説ば

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    2017年08月04日
  • テロ

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    ネタバレ

    憲法裁判所が違憲の判断をしているのに、それでもその法を執行する可能性を示唆していた元大臣。公然とそれを是認する議論をしていた軍部エリートの勉強会。表面上、旅客機を撃墜してはならないと命じながら、撃墜を前提とするかのように、スタジアムの避難を指示をしていなかった上層部(その判断をしたのは誰なのかは極めて曖昧。)
    一見、被告人個人の有罪無罪が焦点のようだが、実はさらっと描かれている背景の「国家」が、とても怖い。
    テロによる間接的影響として国家自身による民主主義や自由の理念の侵害が、実は一番怖いし、それこそがテロリストの狙いだと、訴える巻末のスピーチがついているのは、偶然じゃないぞ。
    そういえば、「

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    2017年07月07日