酒寄進一のレビュー一覧
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トーマスラープ 「静寂」
副題「ある殺人者の記録」とあるが、殺人者の告白や事件解決の物語ではない。殺人者を否定は していないことに 違和感はあるが、宗教的倫理感と切り離して 死を取り上げている。
殺人犯 カールが「死とは何なのか」を 確信していく心理過程を経て、生への希望を描いている。タイトル「静寂」の意味は、母胎であり、愛の象徴であり、親から子へ、生を贈る場所 と捉えた。
最初読んだ時、誤訳かと勘違いしたが、エピグラフと序文の意味は 最後の章でスッキリする。2部 の「死とは何なのか」の内省は かなり面白かった。
カールにとっての静寂の場所
*暗闇や水の中〜何の不自由もない我が家
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Posted by ブクログ
ネタバレ200ページぐらいの本なのだが…日本では、こんな本は書けないんじゃ無いかと思うかな。
無益な戦争、ナチス時代を背景にした悲劇。そして法律の落度…歴史に翻弄される人々…中々難しい本だと思う。
小説には、内面的な描写はあるけど、なんだろう著者の描写は、読者側が読んで想像するような書き方が、とても印象的だったので、深読みしてしまった…嫌いじゃないし、著者が何となく答えを教えてる、ちっとな文章と中々良かった!
読んだ事の無いタイプの本。外国作品は、登場人物ごちゃごちゃになるので、あんまり読まないが、この作品は数人だけで読みやすくて良い。
気になったら読んでみてください! -
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ネタバレオリヴァ―とピアシリーズの第6作。
異動を願い出るとか言っていたオリヴァーも、
ようやく私生活が落ち着いてきたようで、良かった。
とうとう実家の離れ、御者の家からも出られそうだし。
幼馴染のインカとの関係は、まだ一波乱ありそうだけど。
とはいえ、
鑑識課長クレーガーとピアのコンビが活躍して、主役の座を奪われそう。
ラストが、事件の解決というよりかは、
犯人たちへの復讐の銃弾と、うち一人の逃亡という結果に終わったのには、
残念、かつ少し失望した。
印象的だったのは、
罠にはめられた元弁護士が、
刑務所に送られ、職も家族も失いながら、
人生をあきらめず無実を証明するべく闘い続けたこと。
あ -
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ネタバレ異能を持って生まれた人間の生涯を描く傑作が、また一つ誕生した。例えば料理の才で人を操るハリー・クレッシングの『料理人』。あるいは世にも稀なる嗅覚を活かした調香の術を使って、ある野望を果たすパトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』。いずれも寓話的な作品世界の中で、主人公の超人的な才能を描くことに筆が費やされ、作中の登場人物ばかりか読者までもがその魅力に翻弄される頃には、取り返しのつかない事態が起きているという話である。
蝶の羽ばたきが聞こえ、雨音を銃弾の雨あられのように感じ、母親の声がナイフのように鋭く耳に突き刺さるほど異様に研ぎ澄まされた聴覚を持って生まれた人物が主人公の本書も -
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以前の職場でお世話になったS先生は、刑法の研究者で現役の弁護士。囲碁とジャズをこよなく愛し、時おり絵筆も握られる、文人とお呼びするにふさわしい方です。仕事で研究室にお邪魔したときも、趣味の話で盛り上がることがしばしば。今は数年に一度お会いするくらいですが、フェイスブックを楽しく読ませていただいています。
本書は、先生がFBで推薦されていたドイツのリーガルミステリー。
作者のシーラッハは著名な刑事弁護士。短い文章をテンポよくつなぎ、結末まで一気に読ませます。
ベルリンの高級ホテルの一室で、高名な老人が命を奪われます。容疑者として逮捕されたのは、イタリア人の元職人コリーニ。
国選弁護に指名され -
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~2008年11月 ドイツの小さな村で人骨が発見された。人骨は11年前に起こった連続少女殺害事件の被害者のものだった。死体が見つからないまま10年の刑を受けたのは、同じ村に住む男
トビアス・ザルトリウスだった。彼は冤罪を主張していたが状況証拠や周りの友人、近所の住民の証言はすべて彼の不利になるものばかりだった為、彼は無念のまま刑に服した~
まったく読まないわけではないのですが、正直外国文学は苦手です。ストーリーに入り込む前に登場人物が複雑だと覚えきれない・・・その上、愛称であったり俗称が何の説明もなく出てくるのに困惑してしまう。トビアス・ザルトリウスという名前をようやく覚えた頃に「トビー!」 -
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「犯罪」「罪悪」などの短編集で人気を得た著者の初長編。とはいっても200ページもない。短編と中編の間といってもいいくらい短い。しかし内容は深い。
(簡単な物語の導入部の紹介)
自動車組立工だったコリーニの職場での評判は、いたってまじめで、勤務態度は申し分なかった。定年まで勤めあげた彼が殺人を犯すとは、誰も思いもしなかった。
処刑スタイルで頭に銃弾を撃ち込まれたあげく、絶命後も激しく顔を踏みつけられ原型をとどめないほどの憎悪を向けられた被害者マイヤー。大手機械工業の代表取締役として世間にも顔を知られた実業家であり資産家。
犯人と被害者の接点はどこにあるのか…
資産家の惨殺にスキャ