酒寄進一のレビュー一覧

  • 弁護士アイゼンベルク

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    面白い!

    ドイツの推理小説と、日本では数が少ない作品ですが、複数の異なる国が地続きであるヨーロッパ特有の背景も物語に盛り込まれていて、それがこの作品の伏線にもなっています。

    いやぁ、結末(の一歩前)は「そう来たか」と。複雑な事件を解決したのに、まだページが結構余っていたので「変だな?」とは思ったんですよね。

    二作目も翻訳されている様なので、読んでみたいと思います。

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    2020年06月26日
  • コリーニ事件

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    新米弁護士のライネンは、ある殺人犯の国選弁護人になった。だが、その男に殺されたのはライネンの親友の祖父だったと判明する。知らずに引き受けたとはいえ、自分の祖父同然に思っていた人を殺した男を弁護しなければならない――。苦悩するライネンと、被害者遺族の依頼で裁判に臨む辣腕弁護士マッティンガーが法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。そこで明かされた事件の驚くべき背景とは。

    映画が公開されるのか、最近コマーシャルをよく目にするので、読んでみた。中編とも言える長さだが、重い。

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    2020年06月14日
  • テロ

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    "モラル、良心、健全な理解力、自然法、超法規的緊急避難、どの概念も抵抗力がなく、揺らぎがあります。いかなる行動が今日正しいのか、そしてわたしたちの考えたことが明日もなお、いまと同じように有効かどうか、はなはだ心許ないのが現実です。"(p.106)


    "蒙を啓かれた民主主義が、それでもテロリスト、つまりわたしたちの社会を破壊しようとしている人たちに対応するには法という手段しかない、とわたしはいまでも確信しています。"(p.153)

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    2020年06月06日
  • テロ

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    トロッコ問題、超法規的緊急避難

    【P158】ベンジャミン・フランクリンの警告「安全を得るために自由を放棄するものは、結局どちらも得られない」

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    2020年04月24日
  • 弁護士アイゼンベルク 突破口

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    女性弁護士ラヘルは知り合いとは言え仲が良いとは言えない映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。恋人を爆弾で殺したという容疑。状況証拠は沢山ある。調べてみると、誰か別人が殺したと思えなくもないが、ユーディットも怪しい。彼女が5年前に参考人となった殺人事件も交互に描かれると・・・

    面白いと言えば面白いし、事件がちっちゃいと言えばちっちゃい。

    動機や方法などかなり読ませる。ただ背後に巨悪が潜んでいる感じがしながら読んでいたのでその辺は肩すかし。しかし、悪いわけじゃない。そんな期待をしていた方が悪い。巨悪じゃなく個人的な話だということを前提に読めば、相当面白いミステリーだった。

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    2020年03月16日
  • ベルリン1919 赤い水兵(下)

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    「ベルリンは晴れているか」の作者深緑野分さん推薦の クラウス・コルドン 「ベルリン1919 赤い水平」は、第一次大戦で敗色濃厚となったドイツ帝国の1918年11月から19年のベルリンを舞台にした小説。
    戦争に疲弊した状況を打破しようと水兵が蜂起し、ドイツ革命が起きる。しかし帝国の転覆と同時に主導権争いが起き、当初は優勢と思われていたドイツ共産党の前身スパルタクス団は劣勢に。そして帝政時に権力を握っていた政治家たちが力を取り戻し、ベルリンは激しあり市街戦へと突入していく。これは今から見ると敗戦国ドイツが混迷の中でナチスの台頭を許す、その一瞬前、それとは別の道を歩めたかもしれないベルリンの混沌を貧

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    2020年03月15日
  • 白雪姫には死んでもらう

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     白雪姫と呼ばれた少女たちを殺した罪に問われたトビアスは、無実を訴えた。けれども有罪となり、罪を償い、生まれた小さな村に戻った。
     両親は殺人者の親として嫌がらせを受け、大切にしていたレストランも閉店していた。

     出所した元少年の身の回りに不穏な嫌がらせが起こる。母も何者かに襲われ意識不明の重体になる。

     トビアスは過去の事件において無罪であろうことは読者にはすぐにわかる。
     では誰が殺したのか?

     小さな村の中のしがらみのある人間関係は陰鬱で、外から引っ越してきたメアリー(殺された白雪姫に似ている)が、風通しのいいキャラクターで魅力的だ。
     過去を知らぬアメリーがトビアスに惹かれるのも

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    2020年03月03日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    ドイツのホーフハイム刑事警察署オリヴァー主席警部とピア警部を始めとする群像小説。ずっと前に読んだ「深い疵」は元ナチスの老人殺害事件を扱った謎解き要素の強い小説で面白かったと記憶してる。WEB本の雑誌の連載で杉江松恋氏が「(最新作が面白いのだから)過去作に遡る必要なし」と力説していたので、「穢れた風」を読み始めたものの、オリヴァーがコージマと別れてたり、いろいろ気になるので遡って読むことに。
    結果としては、しっかり楽しめた。登場人物多くて混乱するのは相変わらずだけどね。
    次から次に怪しい人物(しかも名前が紛らわしい…)が登場し、最終的には村全体が犯人なのか、って怖くなる。
    並行してオリヴァー、ピ

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    2020年02月28日
  • 深い疵

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    翻訳第1作だが、オリヴァー&ピアシリーズとしては3作目。
     前に読んだ「生者と死者に告ぐ」より前の話。であるがゆえに「あれこの人は昔こうだったのか」的な驚きがある。

     謎の数字を記されて殺される老人の謎。捜査がままならない状況から進んでいくミステリ。なぜ老人が次々と殺されるのか。最初はまったく見えない点が線になると、恐ろしい理由が明らかになる。
     そうして、その理由の裏側にある深い疵を負ったとある人物の行動が……もう本当に、それだけでこの物語成立してもいいかもって思える。
     単純な謎解きではなく、人々の生きている証が見えるところがこのシリーズの面白さだと思う。

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    2020年02月28日
  • 深い疵

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    ネタバレ

    おそらく初めてのドイツ物。ちょっと名前が難しく分かりにくかったが、好きなタイプの警察もので面白かった。
    直ぐにシリーズを3冊購入。他のものも楽しみ。

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    2020年02月06日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    光文社古典新訳文庫はガチで読みやすい。苦手だった海外古典文学がためらいなく手に取れるようになったのは、このシリーズのおかげである。古典を古典として読むのが億劫になってきたので、きっとこれからもお世話になると思う。
    本書の訳者は酒寄進一氏。以前読んだシーラッハの『犯罪』もたしかこの方の訳書だった。翻訳にあたっての難所についてや、デーミアンのBL要素といった可能性などまで、訳者あとがきも非常におもしろく本書についての理解をより深めてくれる。

    で、デーミアン。第一次世界大戦直後に発表されたドイツ文学である。
    日本で有島武郎の『或る女』などが発表された1919年にヘルマン・ヘッセが匿名で発表した作

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    2020年01月30日
  • 生者と死者に告ぐ

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    オリヴァー&ピアシリーズ第七作。

    前作から二年ほど経っている設定で、ピアもその恋人クリストフも前作でのショックから立ち直り、いよいよ結婚へ踏み出していた。ホッとした。
    しかし、長期休暇を取ってクリストフと旅行を楽しむ予定のピアに連続殺人事件が立ち塞がる。
    ドイツなら休暇は休暇と割り切って旅に出るのかと思いきや、意外にも人手不足の職場事情を思いやって休暇を返上するワーカホリック振りを見せる。
    そしてそんなピアを非難するどころか気遣うクリストフって、本当に良い人。
    そしてオリヴァー。離婚後も元妻コージマと幼い娘に振り回されつつ、やはり仕事中心の日々を過ごしている。

    ドイツでの銃犯罪は非

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    2020年01月26日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ネタバレ

    オリバーが仕事ができる!(意外)
    相変わらず女に弱い。
    ピアがカッコいい。
    ピアの夫が素敵だ。

    酒寄先生の翻訳がものすごく読みやすい!

    だが長い!

    日本のミステリーで同じ題材のものを複数読んだが、いずれも問題提起色が強かったので、この作品はその辺は突っ込まず、謎解きとして複雑かつ残酷で、とても面白かった。

    解説がいちばんの謎。

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    2019年12月24日
  • 悪しき狼

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    ドイツ・ホーハイム警察署刑事、オリヴァー&ピアシリーズ第六作。

    序盤は様々な視点で場面転換が続くため、一体どこを軸に進むのか分からない。
    キャンピングカー生活をしているらしき男、テレビの人気女性キャスター、ピアの友人エマ、何か酷い目に遭っているらしき少女の回想、オリヴァー、そしてピア。
    これだけでも六つもある。
    しかし読み進めるに連れて、オリヴァーとピア以外の話が巧妙に繋がっていることが分かり、更にはピアの話も…。

    タイトルの意味は想像通りだったが、予想以上におぞましかった。日本に限らず世界中にこういう話はある。
    人間は無償の愛を捧げる一方で、こんな残忍な行為も出来てしまう。恐ろしい。

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    2019年12月14日
  • 生者と死者に告ぐ

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    オリヴァー&ピアのドイツミステリー第七作。連続射殺事件発生。遠距離から正確な射撃。関連性が見つからなかったが、どうやら被害者は臓器移植に関わった者の近親者らしい・・・

    長い。明かされる真実は意外なものであり、おぞましいものではあるけれど、そこへと至る過程が(個人的好みからすると)長いと思う。すごく現代的なテーマを扱っていて良いけれど、文庫600頁も費やすほどなのかとも思う。(個人的に読まなければならない本が山積みになってるから焦ってるという事情が点を辛くしてるのかも知れない。すまぬ)

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    2019年12月10日
  • 深い疵

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    初ドイツミステリー。
    冒頭とラストの50頁は一気に読める面白さ。ただし、全500頁強あるため、途中で読むのを止めてしまうとなかなか次に読むのをためらう類いの内容だった。(重い、暗い、捜査がなかなか進展しない)
    そしてこのジャンルのお約束を知らないせいか、はたまた私がアガサ・クリスティーばかりを好んで読んできたからか、思ったほどの大どんでん返し、ではなかった。真犯人はわりとはじめから、あの人ではないかなとあたりがつけられる。
    しかし誰も彼もが犯人に見える(読める)中盤から、終盤の一気に事件が転がって帰結する流れは是非とも一気に続けて読んで欲しい。これは秀作。
    訳者あとがきにもあるように、本文で投

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    2019年12月10日
  • テロ

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    テロと法規っていう全く相容れない両者を、哲学的観点から読み解く意欲作。その表現方法としてのト書き形式も、ここでは上手くいっている気がする。結末を2パターン書くというのは、逃げというかちょっと反則な気がするけど、テーマがテーマだけに、仕方ない…のか?とはいえ、単純に物語を楽しむという意味でも、結構満足度は高い作品ではありました。

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    2019年12月09日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ホーフハイム刑事警察署の管轄内で、犬の散歩中の女性が射殺された。80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女性が窓の外から頭を撃たれて死亡。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれた。そして警察署に“仕置き人”からの死亡告知が届く。被害者たちの見えない繋がりと犯人の目的とは。刑事オリヴァーとピアが未曾有の連続狙撃殺人に挑む!

    シリーズ第7作は、サスペンスフルな展開で始まるが、途中から前作同様、社会派ミステリの要素も入ってくる。最後の最後まで一気読み。堪能いたしました。

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    2019年12月07日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ネレ・ノイハウス『生者と死者に告ぐ』創元推理文庫。

    オリヴァー&ピア・シリーズ第7弾。『仕置き人』を名乗る連続射殺犯にオリヴァーとピアが挑む。シリーズで最も凄惨な事件が描かれながら、相変わらず手薄な警察組織にやきもきしつつも無難な結末を迎える。

    犬の散歩中に女性がライフルで頭部を撃たれ、射殺される。翌日、森の中の邸宅で女性が同じく頭部を撃たれて死亡する。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれて死亡する。全く共通点の無い被害者に頭を抱えるオリヴァーだったが、犯人の『仕置き人』から警察署に死亡告知が届けられる。

    本体価格1,500円
    ★★★★

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    2019年11月07日
  • 悪女は自殺しない

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    シリーズ一作目。事件は乗馬クラブにて起こるが、皆悪者ばっか。金大好き、そのためには人の命はモラルなんて頭にかすりもしない。かつての昭和の時代劇、水戸黄門、遠山の金さん、大岡越前みたく、正義のない悪事に対し、警部二人が事件を明るみにしてゆくが、このシリーズの主役二人組の男女の上司部下の信頼関係、人間味、弱味などが嫌みなく、読む側に無理なく親近感を与え、ほんとね、どこにも悪口書くような否定的な要素がないよ。多分酒寄さん訳がより素晴らしい読み物な昇華させてる。自分の褒めすぎレビューが気持ち悪い。

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    2019年10月27日